実践手法
GAPの取組み内容の多くは、すでに農業者の皆さんが実践していることです。
GAPの取組みでは、より良い農場を目指すために、生産者自らが生産工程全体を通して、食品安全をはじめ環境保全等の観点から危害発生防止のための点検を行い、適正な農業生産のやり方をルール化し、これに沿って農作業を行い、実践したことを検証し、問題があれば更に改善を行うPDCA(Plan〔計画〕-Do〔実践〕-Check〔点検・評価〕-Action〔見直し・改善〕)サイクルの手法を用います。
- 計画(Plan):食品安全、環境保全、労働安全等の観点から、注意すべき点検項目を定め、マニュアルを作成する
- 実践(Do):点検項目やマニュアルに沿って農作業を行い、活動内容を記録する
- 点検・評価(Check):記録を点検し、改善できる部分を洗い出す
- 見直し・改善(Action):点検項目やマニュアルを見直し、次の栽培で改善する
この手法を実践するためにはルールや実践したこと等を詳細に記録し「見える化」することが不可欠です。
GAPに関する研修用動画「GAP入門」をYouTubeに15分程度の動画で2種類アップしています(下記のリンク)。ぜひご覧ください。
〇研修用動画「GAP入門・GAP概要」<外部リンク>
〇研修用動画「GAP入門・GH評価制度の概要」<外部リンク>
実践効果
GAPに取り組むことにより付加価値が期待できるものではありませんが、下記のような効果が期待できます。
- 生産工程を管理することで農産物に対する汚染のリスクを低減し、効果的に農産物の安全性を確保できる
- 農作業中のリスクを想定し、対策を考えることで作業者の健康と安全を確保することができる
- 自主回収や出荷停止が必要な食品事故の発生や取引先からのクレームがあった場合でも、原因を調べることができ、影響の拡大を抑えることができる
- 異物混入や事故の発生を少なくすることで信頼性が向上する
- 資材の購入・使用を記録することで、余分な農業資材の購入を抑え、生産コストを削減できる
- 農場や農作業の点検・改善活動を通じて、従業員(作業者)とのコミュニケーションが深まり、資質向上につながる
- GAPに取組む産地や経営体は、信頼できるパートナーとして取引先から選択されやすくなる