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24西洋事情巻之一

岐阜県歴史資料館授業に使える当館所蔵史料

No.24西洋事情巻之一

『西洋事情巻之一』【松原家文書B30−100号】
・・・江戸末期、揖斐郡の一村落に福沢諭吉著『西洋事情』があった!


西洋事情の表紙
史料(1)『西洋事情』の表紙

口絵史料口絵
史料(2)口絵史料,(3)口絵

学校についての内容の一部
史料(3)学校についての内容の一部

解説

 掲載した史料は当館が所蔵する『西洋事情巻之一』である。
 『西洋事情』とは、福沢諭吉が著した西洋を紹介したもので、巻之一から巻之六まであった。
『西洋事情』は慶応2(1866)年から明治2(1869)年にかけて出版され、偽版を入れると20万部の売れ行きで当時のベストセラーであったという。また、この本は当時の政治に大きな影響力を与えたようで、福沢自身「新政府の新政令もあるいは此小冊子より生じたるものあるべし」と自負したという。
 『西洋事情巻之一』には口絵(史料(2))があり、「蒸気、済人、電気、傳信、四海一家、五族兄弟」と、絵で紹介されている。内容はこの口絵に尽きるようで、西洋の政治の在り方からはじまり、収税法、国債、紙幣、商人会社、外国交際、兵制、学校、新聞、病院、博物館、蒸気機関、蒸気船、蒸気車、傳信機(電信機)などについて紹介されている。例えば、史料(3)は、西洋の「学校」について記したものであるが、冒頭で「西洋各国の都府は、もとより村落に至るまでも学校あらざる所なし」と、学校設置の重要性とも受け取れる文章が記されている。これが明治初期に出された学校令のもとになったのだろうか。人は生まれて男女6〜7歳で皆学校に入ることや西洋で学ばれている各教科、大学校などについても触れている。
 『西洋事情巻之一』の目次には、巻之二から巻之六までの内容項目が簡単に記されている。
巻之二には合衆国と荷蘭(現オランダ)、巻之三は英国、巻之四は魯西亜(現ロシア)、巻之五は佛蘭西(現フランス)、巻之六は葡萄牙(現ポルトガル)と普魯士(現ドイツ)についてのそれぞれ史記・政治・海陸軍・銭貨出納などが記載されており、おそらく当時の欧米列強を紹介したのであろう。
 今回紹介する史料が揖斐郡の一村落である萩原村(現揖斐郡池田町)の松原家に残されていた。
この事実から美濃の地にもいち早く西洋文明を学ぼうとする人物がいたことを示している。
 その後の明治政府が推し進めた近代化の成功は『西洋事情』による要因もあるのではないだろうか。

用語について

済人(さいにん)・・・裁人(さいにん)ともいう。争い事をとりさばき仲直りさせる人。今日でいう裁判官のこと。
四海(しかい)・・・世の中、世界という意味。
五族(ごぞく)・・・中国の五族のことではなく、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、アフリカ、インドの五大陸の人種のこと。

史料の授業等への利用について

申請書(様式[Wordファイル/30KB])を歴史資料館へお送り下さい。


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