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食べ物による窒息事故を防ぐ

食べ物による窒息事故に十分注意しましょう

日本国内において、平成23年中に、食べ物による窒息事故で4,816人もの方が亡くなっています(平成23年人口動態統計による)。
特に、年末年始には、おもちを食べる機会が増えるため、窒息事故が増えることが心配されます。
おもちを含め、食べ物による窒息事故の8割が子ども・高齢者となっています。
その予防や応急手当について知っておくことが必要です。事故防止のポイントをまとめましたので、ご家庭などでの窒息事故予防に役立てていただきますようお願いします。

  • およそすべての食品、特に固体のものには窒息事故のリスクがあり、様々な要因をいかに低減しても当該リスクがゼロになることはありません。
  • 私たち一人一人が窒息事故についての危険性を認識するとともに、窒息事故が万が一発生したときに備え、応急処置が適時適切にできるようにすることが大切です。

食べ物による窒息事故(全国の事例)

事例1 3歳児がピーナッツを食べた直後にむせ、その後、顔面蒼白になり、意識がなくなった。救急搬送した医療機関で気管支からピーナッツを除去した。(平成23年1月発生)
事例2 高齢の方がサンドイッチを食べていて、のどに詰まらせて意識を失い、救急搬送したが、病院で死亡。(平成23年2月発生)
事例3 高齢の方がもちを食べた際、のどに詰まらせ、駆けつけた救急隊がもちを摘出した。(平成22年12月発生)

予防方法

1食品の物性や安全な食べ方を知る。

 食べ物の特性によって窒息の危険性が高くなります。

  • 直径が1-5cm程度
  • 噛み切りにくい
  • 口腔内をすべりやすい
  • 一口サイズで吸い込んで食べるような構造
    このような特性をもつ食べ物には十分注意することが必要です。

警告マーク・注意書きも確認しましょう

 一口タイプのこんにゃく入りゼリーには、子どもや高齢者には不向きであることを示す統一的な警告マークや注意書きが袋に表示されています。購入時や食べる時には確認しましょう。

こんにゃく入りゼリーマーク

窒息事故が発生した食べ物の例
もち、ご飯、飴、パン、寿司、お粥、りんご、みたらし団子、バナナ、カップ入りゼリーなど

2一口量を多くせず、食物を口の前の方に摂り込む。
3よく噛み、唾液と混ぜる。
4食べることに集中する。
5食事の際は、なるべく誰かがそばにいて注意して見ている。

特に、お子様や高齢の方などが窒息事故に遭わないよう、まわりの方は次のようなことに配慮して下さい。

  • 食品を小さく切るなど、食べやすい大きさにする。
  • 一口の量は無理なく食べられる量にする。
  • 急いでのみ込まず、ゆっくりとよく噛み砕いてからのみ込む。
  • 食事の際は、お茶や水などを飲んでのどを湿らせる。
  • 食事中は遊ばない、歩きまわらない、寝ころばない。
  • 食べ物を口に入れたまま、喋ったりしない。
  • 食事中に、驚かせるような行動をしない。
  • 乳幼児の食べ物について、その商品等に表示されている月齢などは目安であり、食べる機能の発達には個人差があるため、食べている様子をよく観察して食品を選ぶ。
  • ピーナッツなどの豆類は、誤って気管支に入りやすいため、3歳頃までは食べさせない。
  • 介護を要する方などは、粥などの流動食に近い食べ物でものどに詰まることがあるため、食事の際、介護する人やまわりの人は目を離さない。

応急手当の方法

  • 傷病者に「のどが詰まったの?」と尋ね、声が出せず、うなずくようであれば窒息と判断し、ただちに行動しなければなりません。
  • 119番通報するよう誰かに頼むとともに、ただちに以下の方法でつまった物の除去を試みます。
  • なお、傷病者が咳をすることが可能であれば、咳をできるだけ続けさせます。咳ができれば、異物の除去にもっとも効果的です。

背部叩打法

1ひざまずいて、傷病者を自分の方に向けて横向きに寝かせます(側臥位)。
2手の付け根で肩胛骨の間を力強く何度も連続してたたきます。
※背部叩打法には、上記の側臥位のほか、座位や立位による方法もあります。
※乳幼児では、口の中に指を入れずに、乳児は片腕にうつぶせに乗せ顔を支えて(図1)、また、少し大きい子は立て膝で太ももがうつぶせにした子のみぞおちを圧迫するようにして(図2)、どちらも頭を低くして、背中のまん中を平手で何度も連続して叩きます。なお、腹部臓器を傷つけないよう力を加減します。

図1 図2
背部叩打方法(乳児) 背部叩打法(幼児)

(図:消費者庁、食品安全委員会HP)

ハイムリック法(腹部突き上げ法)

  1. 腕を後ろから抱えるように回します。
  2. 片手で握りこぶしを作り、その親指側を傷病者のへそより上でみぞおちの十分下方に当てます。
  3. その上をもう一方の手で握り、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。
    ※大人や年長児では、後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫します(図3)。この方法が行えない場合、横向きに寝かせて、または、座って前かがみにして背部叩打法を試みます。
    図3

ハイムリック法

(図:消費者庁、食品安全委員会HP)

ポイント

  • 妊婦(明らかに下腹が大きい場合)や乳児に対しては、腹部突き上げ法は行ってはいけません。背部叩打法のみを行います。
  • 横になっている、あるいは座っている傷病者が自力で立ち上がれない場合は、背部叩打法を行います。
  • 腹部突き上げ法(ハイムリック法)と背部叩打法の両方が実施可能な状況で、どちらか一方を行っても効果のない場合は、もう一方を試みます。
  • 高齢者では食べ物が口の中にたまっているのが見えれば、まず、ハンカチやガーゼなどを巻いた指で口から掻き出すことを試みます。
  • ぐったりして反応がなくなった場合は、心肺蘇生法を開始します。

リンク

こんにゃく入りゼリーをはじめとする食品等に起因する窒息事故の防止に関する取組みについて【消費者庁】<外部リンク>
第357回食品安全委員会における小泉委員長発言(抄)<外部リンク>
食品による窒息事故のリスク評価結果(チラシ)【食品安全委員会】<外部リンク>
食べ物による窒息事故を防ぐために【食品安全委員会】<外部リンク>

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