ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

毒キノコによる食中毒

毒キノコによる食中毒に注意!

 毎年、夏から秋にかけて、毒キノコによる食中毒が発生します。キノコの毒はたいへん強く、死亡する場合もあります。毒キノコによる食中毒を防ぐため、食べられるキノコと確実に判断できないキノコ類は絶対に食べないようにしましょう!

 さわるだけで皮膚に炎症を起こす毒キノコ「カエンタケ」の発生が県内において確認されています。過去には、「カエンタケ」を少量食べて死亡する事例も発生しています。「カエンタケ」はナラやブナなどの広葉樹の根本に生えることが多く、公園など身近な場所で発生している可能性がありますので、見つけても絶対にさわらないようにしましょう!

  (制作:岐阜県立森林文化アカデミー萩原裕作先生)

お知らせ

有毒キノコによる食中毒事例が毎年発生しています。

スギヒラタケは原因が究明されるまで食べないようにしましょう!

 スギヒラタケは従前から食用キノコとして摂取されていましたが、平成16年に新潟県及び山形県において急性の脳症を疑う事案が発生し、スギヒラタケの摂食が原因のひとつと考えられています。

毒キノコによる食中毒事例

【事例の紹介(1)】

ドクツルタケ
(写真出典:厚生労働省HP)

 平成3年に、県内で発生した毒キノコ食中毒による死亡事例です。瑞浪市内の自宅近くの山林で採取したキノコを食べて、家族4人が下痢、はき気、おう吐、腹痛等の症状を呈するという食中毒が発生しました。4人とも病院に入院する事態となり、うち1人は、集中治療を受けましたが、死亡しました。患者からの聞き取りによると、初めて入った山林で、ドクツルタケ(毒キノコ)を、食用キノコと勘違いし採取していたことが分かりました。

[ドクツルタケの特徴]
発生時期:初夏から秋
発生場所:針葉樹林、広葉樹林の地上に発生する。
症状:食後6から24時間後にコレラ様の症状(おう吐、下痢、腹痛)が現れるが1日でおさまり、その後24から72時間で内臓の細胞が破壊され肝臓肥大、黄疸、胃腸の出血などの肝臓、腎臓機能障害の症状が現れ、死亡する場合がある。
傘の大きさ:5から15cm程度の中型から大型
形と色:
傘:卵形から円錐形、のち中高の平らに開く。白色で、表面は平滑、湿時粘性がある。
ひだ:白色で、やや密
柄:白色で上部にはつばが付き(赤矢印(右上写真。以下同じ))、つばの下はささくれ(黄色の部分)に覆われている。根もと(基部)には袋状のつぼの名残りがある(白く囲んだところ)。

間違いやすい食用きのこ:シロマツタケモドキ、ハラタケ、ツクリタケ

ドクツルタケ1 ドクツルタケ2
写真出典:三河きのこ会木村修司氏より提供
ドクツルタケ
【事例の紹介(2)】

ツキヨタケ
(写真出典:三河きのこ会木村修司氏より提供)

 平成19年及び24年に、県内で発生した毒キノコ食中毒です。

【平成19年の事例】
 揖斐川町内の山林で採取したキノコを食べた人が、倦怠感、おう吐の症状を呈し入院するという食中毒が発生しました。その患者は、近所の知人にも、ツキヨタケを譲っていたため、近所の知人家族の1人も食中毒になりました。患者からの聞き取りによると、ツキヨタケ(毒キノコ)を、食用キノコと勘違いし採取していたことが分かりました。

【平成24年の事例】
 県外の山林で採取したキノコを、自宅でキノコ汁にして家族6人で食べたところ、4人がおう吐、腹痛などの症状を呈し、うち2人が入院するという食中毒が発生しました。キノコを採取した人は野生のキノコに関する知識をほとんど持っておらず、ナメコやナラタケとともにツキヨタケを採取していました。

[ツキヨタケの特徴]
発生時期:夏から秋(特に秋)
発生場所:ブナ、イタヤカエデなどに重なり合って発生する。
症状:食後30分から1時間程でおう吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状が現れる。
傘の大きさ:大型で10から20cm程度
形と色:
傘:初め黄褐色で、成熟すると紫褐色から暗褐色。半円形、まれに円形で濃色の小鱗片を有する。
ひだ:白から薄い黄色で幅は広い。
柄:太く短い柄が傘の側方に付くものが多いが、中央につくものもある。ひだの付け根につば様の隆起帯がある(赤矢印(右中段及び下段写真))。色は傘より淡色。
肉の内部は暗紫色から黒褐色のしみがある(黄矢印(右下段写真)。このしみは不明瞭なもの、ないものもある。

間違いやすい食用キノコ:ムキタケ、ヒラタケ、シイタケ

ツキヨタケ
写真出典:厚生労働省HP
つきよたけ2
ツキヨタケ3
【事例の紹介(3)】

カキシメジ
(写真出典:三河きのこ会木村修司氏より提供)

 平成27年に、県内で発生した毒キノコ食中毒です。土岐市内の飲食店で提供されたキノコ料理を食べた人が、おう吐、下痢等の症状を呈し入院するという食中毒が発生しました。料理に使用されたキノコは、飲食店の従業員が土岐市内や県外で採取したものであり、残品の鑑別の結果、従業員が「チャナメツムタケ」と認識して採取したキノコが有毒キノコの「カキシメジ」であると確認されました。

[カキシメジの特徴]
発生時期:秋
発生場所:ブナ、コナラ、クヌギなどの雑木林の地上に群生して発生する。
症状:食後30分から3時間後にあらわれ、頭痛を伴い、おう吐、下痢、腹痛などの症状を起こす。
傘の大きさ:3から8cm程度で比較的中型
形と色:
傘:赤褐色からくり褐色またはうすい黄褐色。湿っている
とき粘性があり、葉や木くずが張り付いている。
ひだ:白く、古くなると赤褐色のシミができる。
柄:上部が白く、下部はうすいまだらな赤褐色を帯びている。根もとがややふくらんでいる。

間違いやすい食用キノコ:ニセアブラシメジ(クリフウセンタケ)、
チャナメツムタケ、シイタケ

カキシメジ

乾燥している時
(写真出典:厚生労働省HP)

カキシメジ2

湿っている時
(写真出典:厚生労働省HP)

カキシメジ3
 
その他の代表的な毒キノコ  

(シロタマゴテングダケ)

発生時期:夏から秋
発生場所:針葉樹、広葉樹林の地上に発生する。
症状:食後6時間から24時間程度でコレラ様の下痢、嘔吐、腹痛。数日後から肝臓肥大、黄胆、胃や腸からの出血、その他、内臓細胞破壊が起こり死に至る場合がある。

シロタマゴテングタケ

シロタマゴテングタケ写真出典:厚生労働省HP

(クサウラベニタケ)

発生時期:夏から秋
発生場所:広葉樹の地上に発生する。
症状:嘔吐、下痢、腹痛などの胃腸などの消化器系中毒を起こす。

クサウラベニタケ

クサウラベニタケ写真出典:厚生労働省HP

 

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)