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上保本郷遺跡の調査成果を紹介します
所在地
本巣市上保(もとすしかみのほ)
地図<外部リンク>
時代
弥生時代から近世
発掘区全景(北東から)
発掘状況
上保本郷遺跡は濃尾平野北縁部の平野平野に立地し、遺跡の北側には、国史跡「船来山古墳群」があります。東海環状自動車道路の建設に伴って発掘調査を行いました。
発掘調査では、新たに遺跡内から2基の古墳(上保岩坪1号古墳・上保岩坪2号古墳)が見つかった他、古代から中世の鍛冶遺構や居住域を確認し、時期ごとに中心となる場所が移動することが分かりました。特に中世後半には、発掘区の南西部で溝によって区画された居住域が展開していたことが分かりました。
中世後半の居住域
発掘調査では中世前半では発掘区全域に広がっていた居住域が、中世後半には発掘区南西部に集約されていく様子を確認することができました。発掘区南西部(11地点)の居住域は、幅約3mの溝によって区画され、溝の東側に居住域が広がっていたと考えられます。
発掘区南西部(11地点)の区画溝(上が北) 青の破線は想定される区画
区画溝や周辺の遺構からは、大量の土師器皿の他、鞴羽口や砥石、清郷型鍋を転用した坩堝といった鍛冶に関する遺物が見つかりました。今回の発掘調区内において古代から中世にかけて、鍛冶を営んでいたと考えられ、鉄製品の鍛造だけでなく、銅製品の鋳造も行っていたことが明らかとなりました。
出土した土師器皿(室町時代)
出土した鍛冶関連遺物(室町時代)