本文
今年度の発掘調査が終了しました【芥見町屋遺跡(国事業)】
令和7年度芥見町屋遺跡発掘調査(国事業)の調査成果を紹介します
令和7年度(国)芥見町屋遺跡調査成果の概要

発掘区を上空(東)から望む
(国)芥見町屋遺跡(岐阜市上芥見)の発掘調査が11月末で終了しました。今年度の調査では、弥生時代末から古墳時代初頭頃の流路、古代の竪穴建物や土器焼成遺構、中世の柵列や土坑など多くの遺構を検出しました。また、土器、陶磁器を中心とした約3万点近い遺物が出土しました。
古墳時代までの様相

弥生時代末から古墳時代初頭の流路(最南部の様相)
今回の調査では、13地点で弥生時代末から古墳時代初頭の土器が出土する流路がみつかっています。発掘区の東端で検出したため、全体像ははっきりしませんが、南北方向に流れ、南に向かってより深くなっている状況を確認しました。同時期の遺構はほかには確認できませんでした。
古代の様相

流路(S11763)と土器埋納遺構(S11767、S11773)を北東方向から望む

土器埋納遺構(S11767)
注目すべき古代の遺構として、13地点で確認した2基の土器埋納遺構が挙げられます。これらは、東西方向に走る流路もしくは区画溝(S11763)を挟んで、南北に設けられており、それぞれに完形の須恵器や灰釉陶器の碗・皿が埋納されていました。特に、南側の遺構(S11767)では、2枚ずつ重ねた碗・皿を3列に並べたかのような特殊な状況でみつかっています。土器埋納遺構は、流路もしくは区画溝と関係し、土地境界や土地利用に関わる祭祀に関連しているのではないかと推測されます。
また、それぞれの地点で、飛鳥時代から奈良・平安時代の竪穴建物が複数みつかっています。建物の内部からは土師器、須恵器、灰釉陶器などの土器が多く出土し、12地点では水に関わる祭祀に用いられたと考えられる土馬も出土しています。
中世の様相

中世の方形土坑(S11758、右側が完形の山茶碗)

中世の方形土坑(S11758、山茶碗出土状況)
中世(平安時代末期から室町時代)の遺構として、多数の土坑がみつかっています。これらの土坑のうち、方形土坑は南北方向に軸が揃っていたり、その規模や形状から、一部は墓坑の可能性も指摘されています。このうち13地点のS11758では、副葬品とみられる完形の山茶碗が出土していることから、墓坑であったと考えています。昨年度までの調査でも同様の遺構がたくさんみつかっていますが、今回の13地点発掘区より北側では、中世の遺構・遺物がまったくみつかっていないことから、中世における集落・墓域の変遷を考えるうえで重要な成果といえます。
まとめ
本年度の発掘調査により、弥生時代末頃から古代・中世のそれぞれの時代の芥見地域の土地利用の様相や、昨年度までの調査成果と比較した遺跡の変遷過程が明らかになりました。今後も発掘調査に伴う新たな発見や研究の進展について、ご報告いたします。

