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発掘調査が終了しました【芥見町屋遺跡(県事業)】

令和6年度芥見町屋遺跡発掘調査(県事業)の調査成果を紹介します

芥見町屋遺跡調査成果の概要

芥見町屋遺跡(県事業)の調査は5月から11月まで行い、古代の竪穴建物跡や土器焼成坑、中世の掘立柱建物跡や溝などを確認しました。概要について以下に紹介します。

発掘区全景写真(東から)
発掘区全景(東から)

古代の様相

B・C地点それぞれで竪穴建物を1棟ずつ確認しました。その他、B地点で自然流路や溝、C地点で掘立柱建物と考えられる方形の柱穴や土器焼成土坑などを確認しました。竪穴建物の分布状況や土器焼成土坑の存在から、古代の居住域は、長良川堤防に近い範囲まで広がっていたと考えらえます。また、掘立柱建物と考えられる柱穴、「美濃国」刻印須恵器や水の祭祀に使用される土馬などの出土遺物からみて、周辺に古代の物流を司る拠点があった可能性が考えられます。

竪穴建物の写真です(北から)
B地点の竪穴建物(北から)
掘立柱建物の柱穴の写真です(西から)
掘立柱建物の柱穴
土馬の写真です
溝から出土した土馬

中世の様相

A地点において、掘立柱建物を検出しました。また、建物範囲内から、地鎮に関係すると思われる12個の小石が入った山茶碗が出土し、蓋のようにかぶせられた山茶碗の内面には梵字などの文字が記されており注目されます。また、大量の土師器皿が出土していることや銅製の飾り釘の存在から、一定規模の屋敷地を構え、儀礼や祭祀を執り行うことができる有力者が存在していたと考えらえます。
内面に墨書のある山茶碗です
梵字が墨書された山茶碗
銅製の飾り釘です
銅製の飾り釘

まとめ

今年度の調査をとおして、古代と中世における土地の利用状況が明らかとなってきました。今後、調査や整理を進める中で随時成果を紹介していきます。