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「みのかもファーマーズ倶楽部」 (事務局 春見秀則さんに聞く)

就農希望者等への情報提供記事第2弾

「みのかもファーマーズ倶楽部」(事務局 春見秀則さんに聞く)

 県は、新規就農を支援する多種多様な施策を実施しています。新規就農希望者の就農相談からスキルアップ、施設の整備に対する助成まで幅広できめ細かな支援です。新規就農にあたっては、行政の支援に加えて、農業経営や就農してからの失敗談、成功例などについて聞くことのできる地域の農業者グループが存在するのであれば、そのグループのメンバーから様々な情報を得て自身のプランづくりに役立てることが可能になります。
  みのかもファーマーズ倶楽部(以下「倶楽部」)は、美濃加茂地域の農業発展のため、会員相互が連絡提携し、経営や技術の改善を図ることを目的に2010年に設立されました。現在は、就農後3年以内の方5人や市内の農業者で研修中の方3人を含む28人で活動をしています。各会員の栽培品目は、なし、かきなどの果実から、トマト、なすなどの野菜やコメ、いちごまで多岐に亘ります。 
 倶楽部は勉強会や情報交換会を行っていますが、就農まもない農業者にとっては先輩農業者の経験等を聞くことができる場として有用です。一方で、古参の農業者は、美濃加茂地域の仲間が増え、発展して、市全体での農業生産が拡大することは、産地内の競争で勝ることよりも重要であり、自身の経営にもプラスであると、新規就農者への指導や情報提供に前向きです。県の農業大学校が近くにあり、学生の研修を受け入れていることもあって、就農した卒業生も何人かが倶楽部のメンバーとして活動しています。
 倶楽部創設時のメンバーであり、県の指導農業士として新規就農者への指導もされる事務局の春見秀則さんにご自身のご経験談も交えて倶楽部の歩みと美濃加茂地域の新規就農支援についてお話をお聞きしました。

Q1 まずはご自身のことを教えてください

 2000年にプラスチック製造企業の営業職をやめ、家業を継ぐ決意で就農しました。就農後間もなく、米の生産を中心事業とする有限会社春見ライスを設立。現在は11名の従業員で水稲(23ha)、果樹、野菜苗を生産しています。水田の所有者からの依頼による米の作業受託もしています。できる限り農薬の使用量を減らした水稲栽培に取り組んでおり、収穫した米はほぼ全量を自社で販売しています。営業職の経験を活かして飲食店、お弁当製造会社、ゴルフ場や自社販売店を通して個人販売などの販路を開拓しています。

Q2倶楽部設立当時のことを教えてください

 就農後は、米農家の生産活動に従事するわけですが、しばらくの間はわからないことを聞く相手が両親しかいませんでした。農業者の仲間づくりが必要と考え倶楽部を立ち上げました。立上げ当初は7名でスタート。当時はそのような若手の団体は存在していませんでしたので、他の作物の生産者とのつきあいは新鮮で、互いに刺激を与え合いました。当時軽トラ市という活動を行い、軽トラに農作物を載せてイベントなどで販売。その後、倶楽部のメンバー3人で同名の農産物直販の会社を設立しました。現在は、私1人が出資者として残るのみとなってしまいましたが、この会社は、春見ライスの商品だけではなく、加工品や倶楽部メンバーの商品も扱わせていただくことで販売量を増やすようになっています。
 自分は、倶楽部の活動開始前後から自社による販路拡大が重要と考えるようになり、自社販売が軌道にのりはじめると美濃加茂地域の農業の裾野拡大は、自身にも自社にとっても重要な課題と考えるようになりました。

Q3春見ライスでの新規就農研修者の受け入れは?

 独立希望と農業従事希望の若手人材を従業員という形態で雇用し、果樹部門で1名と稲作部門で2名が独立しました。

Q3-2独立就農は、会社には痛手では?

 果樹部門の従業員が独立したいと言ってきた時は痛手ではありましたが、1人の就農者として発展して当社の仲間として活躍してくれればプラスに転じるだとうと気持ちを整理しました。彼は就職する時から独立の意向も述べていましたから、既定路線です。

Q4.他の生産者による新規就農希望者の受け入れは?

 可茂いちご生産組合協議会長でもある日比野和彦さんも、いちごで就農しようとする方を受け入れ、年によっては複数人受け入れています。生産技術の指導だけではなく、就農の適地探しやハウス、中古資材の調達についての情報収集についても熱心にアドバイスをしています。いちご就農は初期費用がかかりますから、これらを低減するためにも地域の農業者から得られる情報は貴重だと思います。

Q5これまでの経験から新規就農に向く人はどんな人?

人とのかかわりが得意ではなく土をさわっていると落ち着くという人よりは、地域に溶け込もうとする姿勢があって、様々な困難に柔軟に対応しようとする人が向いているのではないかと思います。

 

 

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令和5年2月7日「農業の担い手育成と就農応援セミナー」にて

事業紹介をする春美秀則さん(左)と日比野和彦さん(右)

 

 

 

 

 

第1弾 ​白川町における有機農業就農支援組織NPO法人ゆうきハートネット​(理事兼事務局長 伊藤和徳さんに聞く)

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