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手斧猿尾(ちょうなさるお)

所在地

羽島郡笠松町米野(はしまぐんかさまつちょうこめの)

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時代

近世(江戸時代)

2010年に調査された手斧猿尾の全景写真です。
川裏(川下)側法面検出状況(北西から)

発掘状況

手斧猿尾は木曽川の浸食作用によって形成された河川敷の右岸に立地し、岐阜県道93号川島三輪線のもぐり橋の北側に所在します。木曽川の下流域は、歴史上何度も洪水を引き起こした地域です。「猿尾」は洪水時に川の水流を弱めて本堤防を決壊から守るために低い隆起の堤を河川側に長く突き出したもののことです。

※堤防に対して直角方向に築かれた構造物は埼玉県の荒川横堤をはじめ多くの地域で見られますが、「猿尾」あるいは「猿尾堤」という名称は愛知県と岐阜県の木曽川流域、特に岐阜県に限定されているようです。

猿尾の模式図です。
猿尾模式図

 

石敷の様子

猿尾は堤防から川に向かってほぼ垂直に、サルの尾のように飛び出ていることからその名がついたとも言われ、調査した区画からさらに200m程南側の川まで伸びています。浸食・洗堀(せんくつ)破壊を防ぐために、堤の一番高い部分である天端(てんば)、法面は楕円形の川原石で覆われています。

手斧猿尾の法面を発掘している写真です。
猿尾川表側法面の発掘の様子(南東から)

 

盛土の構造

手斧猿尾の内部構造を確認するために、堤の断割調査(だんかつちょうさ)を行いました。法面では、かつての堤の上に土砂が堆積し、さらにその上から盛り土をして丁寧に石敷きがされていることが観察できました。手斧猿尾が何度も修築をされて現在の姿になったことが分かりました。

猿尾の内部構造を調査した写真です。
川裏側法面トレンチ断面(西から)

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