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用語集

労働委員会関係の用語を集めています。参考にしてください。

あ行

黄犬契約(おうけんけいやく(こうけんけいやく))
 労働者が労働組合に加入しないこと又は労働組合から脱退することを雇用条件とする契約のこと。

か行

管理職組合(かんりしょくくみあい)
 役員や人事権を有する監督的労働者などの管理職を組合員とする組合のこと。使用者の利益代表者を含んでいる場合は労働組合法<外部リンク>上の労働組合とはみなされないが、憲法<外部リンク>第28条の保護(刑事免責、民事免責、不利益取扱いからの保護)は受ける。

義務的団交事項(ぎむてきだんこうじこう)
 使用者が労働組合法<外部リンク>により団体交渉に応じなければならないと義務づけられている事項のこと。一般的には、労働者の労働条件その他の待遇や当該団体的労使関係の運営に関する事項であって、使用者に処分可能なものをいうとされている。

行政訴訟(ぎょうせいそしょう)
 行政事件訴訟法<外部リンク>に基づき、国や地方公共団体が行った行為に不服がある場合など、行政に関連して生じた争いを解決するための訴訟のこと。例えば、行政機関が行った公の処分(=行政処分)に対して取消しを求める内容の訴訟がある。不当労働行為の救済命令の内容に不服のある場合は、その取消しを求めて裁判所に訴訟を起こすことができる。

緊急命令(きんきゅうめいれい)
 使用者が救済命令等の取消しの訴えを提起した場合に、裁判所が労働委員会の申立てにより救済命令等の全部又は一部に従うべき旨を命じること。訴えの提起によっては救済命令等の効力は停止されないが、使用者の履行に関しては制裁が課されることがなく、結果長期間放置されることがあることから、緊急命令によって労働者を救済することを目的としている。

経理上の援助(けいりじょうのえんじょ)
 労働組合の運営のための経費(例:組合活動に要した諸物件費、組合専従役員の給料など)の支払いについて、使用者がその経費の一部又は全部を負担すること。労働組合の自主性を阻害するものであるため、不当労働行為として禁止されている。

結審(けっしん)
 不当労働行為の審査手続きにおいて、審問の終結のこと。

公益委員(こうえきいいん)
 労働委員会において、公共の利益を代表する委員のこと。弁護士や大学教授などの学識経験者から、使用者委員及び労働者委員の同意を得て知事が任命する。

公益委員会議(こうえきいいんかいぎ)
 労働委員会の公益委員のみで構成される会議のこと。公益委員の定員の過半数の出席がなければ議事を開くことができず、議事は公益委員の定員の過半数で決する。

公益事業(こうえきじぎょう)
 労働関係調整法<外部リンク>に定められた以下の事業であって、公衆の日常生活に欠くことのできないもののこと。

  運輸事業・郵便、信書便又は電気通信の事業・水道、電気又はガス供給の事業・医療又は公衆衛生の事業

合議(ごうぎ)
 不当労働行為の審査手続きや労働組合の資格審査手続きにおいて、命令の内容や資格認定について審議し決定すること。

合同労働組合(ごうどうろうどうくみあい)
 一定の地域等で企業の枠を越え、主に中小企業の労働者により組織され個人加盟できる労働組合のこと。「合同労組」「一般労組」「地域ユニオン」等と呼ばれているものがある。

さ行

再審査(さいしんさ)
 不当労働行為の救済命令に不服がある場合、初審命令に違法があること又はその命令が不当であることを理由として中央労働委員会への再度の審査を求めること(違法=法律違反がある、不当=法律違反ではないが適切ではない)。

参与委員(さんよいいん)
 不当労働行為の審査手続きにおいて、調査、審問又は和解の手続きの場に出席し、関係者に問いを発したり、証人を尋問する等できる委員のこと。労働者委員及び使用者委員が参与委員となる。

実情調査(じつじょうちょうさ)
 労働争議が発生したときに、会長が必要に応じて労働委員や事務局職員に行わせる調査のこと。その労働争議が公益事業に関するものの場合は、すみやかに行う必要がある。

支配介入(しはいかいにゅう)
 労働組合の内部意思に干渉する行為のこと。「支配」はその結果労働組合の意思を左右することをいい、「介入」は左右する程度にまで至らないものをいう。労働組合の自主性や組織力を損なうものであるため、不当労働行為として禁止されている。

就業規則(しゅうぎょうきそく)
 労働者に一般的に適用される労働条件や服務規律の制度のこと。その事業場に適用される法令及び労働協約に反する定めはできず、また、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効とされる。

使用者委員(しようしゃいいん)
 労働委員会において、使用者の立場を代表する委員のこと。使用者団体の推薦に基づき任命される。

使用者の利益代表者(しようしゃのりえきだいひょうしゃ)
 労働組合法<外部リンク>で定める「使用者の利益を代表する者」のことで、以下のような使用者側の立場に立つ者を指す。

  • 役員(取締役、理事など)
  • 雇入れ、解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者(人事権を持つ労働者)
  • 使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接に抵触する監督的地位にある労働者(人事、労務の管理に従事する労働者)

証人尋問(しょうにんじんもん)
 証人を対象とする証拠調べのこと。必要な事柄について証人について質問すること。

証人等出頭命令(しょうにんとうしゅっとうめいれい)
 審問の際に、不当労働行為の事実の認定に必要な限度において当事者又は証人を出頭させ、陳述させるための命令のこと。命令の発出は公益委員会議の合議により決定する。

審査委員(しんさいいん)
 不当労働行為の審査にあたる一人又は数人の公益委員のこと。会長によって数人が選任された場合は、そのうち一人が委員長に指名される。

誠実交渉義務(せいじつこうしょうぎむ)
 団体交渉において、合意を求める労働組合の努力に対して、使用者は誠実な対応を通じて合意達成の可能性を模索しなければならないとする義務のこと。

整理解雇(せいりかいこ)
 企業が経営上必要とされる人員削減のため行う解雇のこと。使用者の経営上の理由によるものであるため、解雇権の濫用とならないかどうかについて、判例では『人員削減の必要性』『人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性』『解雇される者の選定の妥当性』『手続きの妥当性』の4つを基準として判断されている。

セクハラ(セクシュアルハラスメント)

 労働関係においてなされる性的嫌がらせのこと。職場において労働者の意に反する性的な言動が行われ、それを拒否したことで解雇、降格、減給などの不利益を受けること(対価型ハラスメント)と、性的な言動が行われることで職場の環境が不快なものとなったため、労働者の能力の発揮に大きな悪影響が生じること(環境型ハラスメント)に大別される。

争議行為(そうぎこうい)
 労働関係調整法<外部リンク>において、同盟罷業(ストライキ)、怠業(サボタージュ)、作業所閉鎖(ロックアウト)その他労働関係の当事者がその主張を貫くことを目的として行う行為及びこれに対抗する行為であって、業務の正常な運営を阻害するもののこと。

疎明資料(そめいしりょう)
 不当労働行為の審査手続きにおいて、当事者の主張事実の存在について審査委員に一応確からしいと推測させるようにするため提出する資料のこと。

た行

代理人(だいりにん)
 不当労働行為の審査手続きにおいて、当事者本人に代わって一切の行為の権限を持つ者のこと。代理人の許可申請が必要である。なお、代理人による申立ては認められていない。また、代理人が選任されても当事者本人の権限が失われるわけではなく、本人も審査の場において陳述や証人尋問を行うことができる。

団体交渉(だんたいこうしょう)
 労働者がその代表者を通じ、労働条件や労使関係上のルールに関する労働協約の締結その他の取決めを目標として使用者(又は使用者団体)と交渉を行うこと。

チェックオフ
 労働者の組合費について、使用者が賃金から控除し一括して労働組合に渡すこと。組合活動に対する経費援助や支配介入行為には当たらないとされる。

地方公営企業(ちほうこうえいきぎょう)
 地方公共団体が経営する企業のこと。地方公営企業法<外部リンク>に基づく地方公営企業の職員は地方公営企業等の労働関係に関する法律<外部リンク>の適用を受け、争議行為は禁止されるものの組合結成・団体交渉は認められている。

陳述(ちんじゅつ)
 不当労働行為の審査手続きにおいて、当事者が自己の主張やそれに関する事実について申し述べること。また、その内容を書面化したものを陳述書として提出することもある。

は行

バックペイ
 不当労働行為たる労働者の解雇が行われた場合、その労働者の元の職場への復帰とともに、解雇の日の翌日から復帰する日までに得られるはずであった賃金相当額を使用者が支払うこと。

パワハラ(パワーハラスメント)

 同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為のこと。

物件提出命令(ぶっけんていしゅつめいれい)
 調査又は審問の際に、不当労働行為の事実の認定に必要な限度において、物件の所持者に対し事件に関係のある帳簿書類その他の物件を提出させるための命令のこと。命令の発出は公益委員会議の合議により決定する。

便宜供与(べんぎきょうよ)

 労使間の合意に基づき、使用者が労働組合に与える各種便宜のこと。具体的には、使用者が労働組合に代わって組合員の賃金から組合費を控除して、それらを一括して当該組合に引き渡すというチェック・オフ協定の締結、組合事務所や掲示板の貸与、組合休暇制度、在籍専従制度などがある。

変形労働時間制(へんけいろうどうじかんせい)

 一定期間を単位として、その期間内の所定労働時間を平均して法定労働時間数以内であることを条件に、1日または1週の法定労働時間を超える労働を許容する制度。

補佐人(ほさにん)
 当事者や代理人に伴って審査時に労働委員会に出頭し、当事者等の陳述を補足したり証人尋問を行う者のこと。補佐人の許可申請が必要である。

ポストノーティス
 使用者側に不当労働行為のあったことが認められた場合、使用者に当該行為が労働委員会から不当労働行為と認められた旨及び今後同様の行為を繰り返さないよう留意する旨等を記載した文書を掲示等させること。

補正(ほせい)
 不当労働行為救済申立書などの提出書類が、必要な事項の記載漏れや添付書類の不備等により形式上の要件を満たさない場合に、要件に合うように補ったり直すこと。

ま行

マタハラ(マタニティハラスメント)
 妊娠・出産・育休などを理由とする、解雇・雇い止め・降格などの不利益な取扱いを受けること。

申立期間(もうしたてきかん)
 不当労働行為の救済申立てが可能な期間のこと。不当労働行為が行われた日(行為が継続していた場合は、それが終了した日)から1年以内とされている。期間の算定については、例えば、4月1日に労働組合員であることを理由に解雇された場合、翌日の4月2日から1年間は申立てが可能だが、翌年の4月2日以降に申立てされた場合は、申立期間を過ぎたことにより却下決定がされる。

や行

ユニオンショップ
 労働組合が特定の工場事業場に雇用される労働者の過半数を代表する場合において、使用者が労働協約において自己の雇用する労働者のうちその労働組合に加入しない者及びその労働組合の組合員ではなくなった者を解雇する義務を負う制度のこと。労働組合への加入や脱退の阻止を促進し、労働組合の組織強化に資するためのもの。

ら行

連合団体(れんごうだんたい)
 複数の労働組合から構成される上位の団体のこと。例として、事業所(工場)ごとに結成された労働組合が企業単位で集結した連合組合(=企業連)などが挙げられる。

労使協定(ろうしきょうてい)
 使用者と事業場の労働者の過半数で組織する組合(過半数代表組合)、そのような組合がない場合はその事業場の労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)との間で結ばれる協定のこと。労働基準法<外部リンク>等で定める規制を免除するために締結されるもので、代表的なものに時間外・休日労働を行うための三六協定(さぶろくきょうてい)がある。

労働関係調整法<外部リンク>(ろうどうかんけいちょうせいほう)
 労働組合法<外部リンク>とあいまって、労働関係の公正な調整を図り、労働争議を予防し又は解決することを目的に定められた法律。あっせん、調停、仲裁について定めている。

労働協約(ろうどうきょうやく)
 労働組合と使用者又は使用者団体(労働組合と団体交渉を行い、労働協約を締結することを目的として結成された団体)との間で労働条件その他の事項に関して締結される協定のこと。書面に作成され、両当事者が署名又は記名押印することにより効力が発生する。

労働組合(ろうどうくみあい)
 労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るために作る団体のこと。なお、このうち不当労働行為の救済、法人格の取得などの労働組合法上の権利を得ることができるのは、労働組合法<外部リンク>第2条(使用者利益を代表する者を含まない、使用者から経理上の援助を受けない等)及び第5条(規約の必要記載事項)の要件を満たすものに限られる。

労働組合法<外部リンク>(ろうどうくみあいほう)
 労働者の団結や団体交渉を擁護し助成することにより、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進し、労働者の地位を向上させることを目的とした法律。労働委員会、労働組合や労働協約について定めている。

労働契約(ろうどうけいやく)
労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する契約のこと。

労働者委員(ろうどうしゃいいん)
 労働委員会において、労働者の立場を代表する委員のこと。労働組合の推薦に基づき任命される。

労働争議(ろうどうそうぎ)
 労働関係の当事者間において、労働関係に関する主張が一致しないでそのために争議行為が発生している状態又は発生するおそれがある状態のこと。

わ行

和解(わかい)
 不当労働行為の救済申立ての審査において、労働委員会の勧めにより又は当事者双方の譲歩の結果、紛争が解決されること。一連の審査手続きにおいて、労働委員会はいつでも和解を勧めることができる。また、審査途中で当事者間に和解が成立した際、当事者双方からの申立てに基づき労働委員会は和解認定を行い、これをもって審査の手続きは終了する。


【参考文献】
 労働法(第十版)菅野和夫
 労働法(第2版)荒木尚志
 改訂五版労働委員会の知識審査・調整の手続と運用労使問題研究会編
 四訂新版労働組合法労働関係調整法労働省労政局労働法規課編
 法令用語辞典(第八次改訂版)吉国一郎外編
 法律学小辞典(第4版)金子宏・新堂幸司・平井宜雄編
 法律学用語辞典佐藤幸治外編
 『労働委員会』パンフレット中央労働委員会事務局作成

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