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平成30年度栗原九十九坊跡の発掘調査の成果を紹介
平成30年度栗原九十九坊跡の発掘調査の成果を紹介します
栗原九十九坊跡は、栗原山の中腹及び山麓に立地する中世寺院群です。東山麓の広い範囲で人工的な削平地や石造物などの遺物が多く確認されています。
今回発掘調査した場所は、宝治元(1247)年以前に創建され、昭和48年に焼失した清水寺跡に近接し、その前身寺院が所在する可能性がある平坦面に隣接している場所です。平成30年7月上旬から8月下旬まで実施しました。現在は調査のまとめを行っていますが、ここではその成果の一部を紹介します。
確認した遺構や遺物
今回の調査では複数の土坑と東西にのびる溝(写真1)を確認しました。土坑の中には最大幅2.0m、最大深0.8mの大型のもの(写真2)もあり、その中から中世の陶器、土師器片、古銭(写真3)などがみつかりました。その他の遺構からも古代から近世にかけての遺物が出土しました。
(写真1東西にのびる溝)
(写真2大型の土坑)
(写真3古銭の出土状況)
調査を終えて
今年度の調査では、古代~中世の遺物が出土したことから、発掘区周辺では、その時期から人々の生活が営まれていた可能性があります。今後の整理等作業の中で、周辺を含めた寺院の歴史の様相がさらに深まるよう、今回の調査成果をまとめていきます。