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岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(愛称「空宙博(そらはく)」)では、令和6年1月18日(木曜日)から、「上仲 鈴子(かみなか すずこ)~昭和を生きた岐阜県出身女性パイロット~」をパネルで紹介します。
上仲氏は、岐阜県大野郡大名田村(現在の高山市)出身で、昭和初期の日本の航空黎明期に活躍した数少ない女性パイロットの一人です。
空宙博に復元機が展示されている「サルムソン2A2」に搭乗し、日本人女性としては初めて「大阪・東京間無着陸飛行」に成功したほか、飛騨高山への「郷土訪問飛行」を行いました。
昭和初期は、現在ほど航空技術が発達しておらず、また、当時は現代より男性中心社会の中、果敢にも自由な空に挑んだ上仲氏の功績を紹介しますので、ぜひご覧ください。
○展示開始日:令和6年1月18日(木曜日)
○展示場所:A1ゾーン(実物大模型「サルムソン2A2」横)
○観 覧 料:無料(別途入館料が必要)
※入館料 大人800円/高校生・60歳以上500円/中学生以下無料
【上仲 鈴子氏 略歴】
岐阜県大野郡大名田村出身。高山高等女学校修了。
1930(昭和5)年:18歳で上京。日本軽飛行機倶楽部(千葉県)に入部。
1931(昭和6)年:二等飛行機操縦士免許取得。
1933(昭和8)年:日本人女性としては初めて「大阪・東京間無着陸飛行」を達成。
1934(昭和9)年:飛騨高山へ郷土訪問飛行を企画するもエンジントラブルにより断念。
1935(昭和10)年:再度飛騨高山への郷土訪問飛行に挑戦し成功。
その後、女性には一等飛行機操縦士免許の免状が交付されないなどいくつかの理由により飛行家としての人生に終止符を打った。
【サルムソン2A2】
各務原で量産された最初の飛行機。
1918(大正7)年川崎造船所(現:川崎重工業)がフランスのサルムソン社から製造権を取得して、国産化に取り組んだ。
川崎造船所の製造第1号機は1922(大正11)年、各務原飛行場で初飛行に成功。その後、1927(昭和2)年までに、各務原で300機が生産された。現在空宙博に展示している機体は、現存する資料を基に、1995(平成7)年に復元製作されたものである。