カヤバ株式会社が岐阜南工場内の土壌汚染状況を把握するため、自主的に土壌及び地下水を調査したところ、土壌汚染対策法に規定する土壌含有量基準を超える六価クロム、土壌溶出量基準を超える六価クロム、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン及び地下水環境基準を超えるトリクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレンが検出されたため、本日(7月24日)、同社から可茂県事務所に報告がありました。
1 報告内容
(1)調査地点
カヤバ株式会社 岐阜南工場(可児市土田505)
同敷地内では、KYBモーターサイクルサスペンション株式会社が操業しています。
(2)調査結果の概要
土壌含有量調査
項目:六価クロム
調査検体数:471
基準超過検体数:3
調査結果:2 mg/kg未満から1,600 mg/kg
土壌環境基準:250 mg/kg以下
最大基準超過倍率:6.4倍
土壌溶出量調査
項目:六価クロム
調査検体数:471
基準超過検体数:24
調査結果:0.005 mg/L未満から42 mg/L
土壌環境基準:0.05 mg/L以下
最大基準超過倍率:840倍
項目:テトラクロロエチレン
調査検体数:245
基準超過検体数:1
調査結果:0.005 mg/L未満から0.015 mg/L
土壌環境基準:0.01 mg/L以下
最大基準超過倍率:1.5倍
項目:トリクロロエチレン
調査検体数:245
基準超過検体数:1
調査結果:0.005 mg/L未満から0.026 mg/L
土壌環境基準:0.01 mg/L以下
最大基準超過倍率:2.6倍
地下水調査
項目:トリクロロエチレン
調査検体数:31
基準超過検体数:10
調査結果:0.001 mg/L未満から1.2 mg/L
地下水環境基準:0.01 mg/L以下
最大基準超過倍率:120倍
項目:1,2-ジクロロエチレン
調査検体数:31
基準超過検体数:2
調査結果:0.004 mg/L未満から0.52 mg/L
地下水環境基準:0.04 mg/L以下
最大基準超過倍率:13倍
項目:クロロエチレン
調査検体数:31
基準超過検体数:2
調査結果:0.0002 mg/L未満から0.038 mg/L
地下水環境基準:0.002 mg/L以下
最大基準超過倍率:19倍
※地下水流向に沿って事業場敷地境界に設置した複数の井戸からは、地下水環境基準を超える六価クロム、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレンの検出はありません。
※今回の報告は現時点までに判明した検査結果のものであり、工場内の土壌及び地下水調査は継続しています。
2 汚染の原因
事業者からの報告によると、次のとおり推定されます。
なお、テトラクロロエチレンは事業場内での使用履歴が確認されていないため、現在、事業者が調査中です。
(1)六価クロム
鋼材の耐食性を向上させるための表面処理装置が戦前から設置されており、当該装置に使用されていた六価クロムが表面処理の過程で飛散、浸透したものと推定されます。
(2)トリクロロエチレン
部品洗浄のため、昭和58年まで事業場内で使用されていた当該物質が、作業の過程で飛散、浸透したものと推定されます。なお、現在は使用されていません。
(3)1,2-ジクロロエチレン及びクロロエチレン
事業場内で使用履歴は確認されていませんが、当該物質は、トリクロロエチレンが地中で分解し生成するおそれがある分解生成物として知られています。
※六価クロムは、現在も事業場内で使用されていますが、平成12年以降に導入された施設は浸透防止措置が講じられているとの報告を受けております。
3 今後の対応
(1)地下水調査について
岐阜県地下水の適正管理及び汚染対策に関する要綱に基づき、可児市と連携して、カヤバ株式会社岐阜南工場敷地境界から半径500mの範囲内にある家庭及び事業場を対象に、井戸水の利用状況調査及び水質調査を直ちに実施します。
(2)地域住民への情報提供について
井戸水を利用している家庭及び事業場に対しては、結果が判明するまでの間、井戸水の飲用の自粛を呼びかけます。
(3)事業者に対する指導について
汚染された地下水及び汚染土壌の適正な管理等を行うよう指導するとともに、行った措置等について県事務所及び市に報告するよう指導しました。
<外部リンク>
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