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知事記者会見(令和2年9月1日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和2年9月1日(火曜日)15時30分

司会
それではお待たせいたしました。ただいまより、知事記者会見を始めさせていただきます。知事お願いいたします。

知事
 今日、コロナウイルス感染症の対策協議会とそれから対策本部(本部員会議)をあわせて開いたわけでありますが、ご案内のように、岐阜県の第2波の非常事態宣言が7月31日に発せられまして、8月いっぱいということで発出しておりましたので、これをどう評価し、今後どう扱うかということが一つのテーマであったわけであります。
 お手元に資料をお届けしていると思いますけれども、いろいろ数字はありますけれども、この赤(グラフの線)が入院患者数です。青の棒グラフが日別の感染者の数であります。この2つの指標からみても、8月のお盆休みをピークに、明らかに下降線を辿っているということでございまして、大きな波が下方に向かって落ち着きつつあるというのは、これはどなたも共通の認識でありますし、昨日の専門家会議でもそういう認識でございました。
 同じくお手元に資料をお配りしておりますけれども、私どもは基準指標を5項目掲げておりますけれども、これはこの5項目作って以来いじったことはないので、常に、宣言をする場合にも、また解除する場合にも、この5つの指標を眺めながら、最終的には総合判断ということでやってきているということであります。すでに4つの指標についてはクリアしているということでありまして、残る新規感染者数も、7日間の移動合計で7人以上ということは、7日間を通じて7人、1日1人ということですから、1日1人のペースを上回ったら基準を超えるということですから、かなり基準としては厳しい基準だと思います。それが、このところの8月末までのデータで直近では9人ということで、この基準値にかなり近くまでいっているということで、これはまだ基準を若干超えておりますけれども、明らかに改善の方向ということが言えるのではないかと。
 こういう認識の上に立って、結論的には、昨日の専門家会議、それから今日の本部員会議・協議会を通じて、ひとまず非常事態宣言は解除をするということであります。解除しっぱなしで油断していいですよということではありませんので、とりわけ第2波で様々なクラスターが誕生いたしましたので、こうした経験を教訓に、油断なく警戒を継続していきましょうという、警戒継続付きで7月末に発した非常事態宣言はひとまず解除する。併せて総合対策を講ずることによって、次の来たるべき第3波と言いますか、次の波に備えていこうということにも着手をしたということでございます。
 第2波の教訓ということでここに掲げておりますのは、項目だけ言いますと、高感染リスクの場を回避する。リスクの高いところに行かないようにする。有り体に言えばそういうことです。それから家族のことは家族で守る。つまり、家族内感染が非常に急速に進んでいるということで、そこは家族でお互いしっかり守ろうではないかということであります。それから、職場、学校といった集団生活の場でもクラスターが発生しているわけでありまして、そういったところでの感染防止にも十分注意しようではないかと。一応、この3つを柱に警戒を継続するということで、非常事態宣言を解除させていただいたということでございます。
 資料をお配りしておりませんが、私がやや勝手に今回の15のクラスターをじっと眺めて特徴を整理してみたのですけれども、これは先ほどの会議でも申し上げましたので繰り返しになるかもしれませんが、15あるクラスターの中で、愛知県由来、あるいは名古屋由来というものが15のうちの5件であります。先ほど見ていただいた、学校、職場といった集団生活の場由来というのが6件であります。親しい人たちの間での懇談、飲食、それからカラオケでの歌唱ということでクラスターが発生したのが2件です。ジムとかスポーツクラブという場所で、外国籍の方々が大勢集まって、それがクラスターの温床になったというのが2件あります。ということで、15件のクラスターがあったということであります。
 それから、愛知、名古屋由来のクラスターも、愛知、名古屋の何に由来しているかというと、愛知、名古屋で飲食をした、あるいはクラブへ行った、あるいは親しい方々の間で会食をしたといったことが行われたということであります。先ほど申し上げました親しい方々でのクラスター2件と、愛知、名古屋のクラスターもそういう意味では共通するものもありますので、そういう意味での会食とかクラブとか懇親の場で、やや油断をしたケースを合わせると7件になるということでございます。
 それからもう一つは、全体を通じて、感染した後、ほとんどのケースでそれぞれのご家庭の家族に感染をしていっているということで、どちらかと言うと、最初に感染するのは若者、そして家族の中でそれが広がっていく場合に、50歳以上の高齢者、お爺さんとかお父さんとか、中には10代以下の子どもたちにうつることもあります。家族内感染というのも伴うような、そういうクラスターが非常に多いということであります。
 というのが、この1ケ月間に岐阜県で生じたクラスターの特色であります。そういう意味で、もう一回繰り返しになりますが、そういうリスクの高い場所に行くのは避けましょうということと、家族をしっかり守りましょうと、家族内感染から何としても守りましょうと。職場、学校といった集団生活の場については特に気を付けましょうと。こういうことを、3つの柱にして注意を継続していこうということでございます。
 それから、同時に次の波に備えるということも含めて、しっかりとしたコロナ対策の体制を更に強化していこうということで、総合対策ということで補正予算を用意しております。
 今月下旬に始まります9月議会に提出いたしますけれども、3月から数えますと6回目の補正予算、第6次の補正予算になるわけでありまして、今回が66.6億円ということでございます。第1次から第6次まで全部足し合わせますと、1,382億円ということでございまして、岐阜県としてはコロナに相当な予算をつぎ込まざるを得ないと思っているわけであります。
 この6次補正予算の内容的には、感染防止、あるいは医療福祉対策と、経済・雇用対策と、教育対策。医療、経済、教育と、いつもながらの3本柱で総合対策を出していくということでございます。
 お手元の資料にあると思いますが、見ていただければと思いますけれども、感染防止としては、やはり検査体制の強化、自宅待機者ゼロという体制を堅持するということ、インフルエンザ流行期に備えた体制の整備、医療機関への様々な支援、備蓄。特に今回、高齢者、障がい者施設、福祉施設への支援といったことで予算を計上しております。
 それから、経済・雇用対策では、雇用生活支援で、これまでやってきておりますが、さらに必要な予算をつぎ込もうということであります。観光面では、2回に渡る県内観光を基本とするクーポン(など宿泊キャンペーン)ですね。これについて、さらに引き続きやっていこうと。そして10万人泊の需要創出を図っていこうといったこと。
 それから、「新たな日常」ということで、サテライトオフィスを岐阜県に誘致をするということについて一生懸命やっていきたいと思っておりまして、そのためのハード・ソフト、様々な経費の応援でありますとか、いろんな分野でデジタル化を進めるうえで補助金を出すとか、そんなような「新たな日常」への対応といったことも経済対策の中に入れております。
 それから、教育対策としては学校行事、特にこの秋は非常に行事の多い季節でありますので、そこでの感染予防ということであります。特に校外活動は基本的に日帰りということで、やはり大勢集まって、集団で移動して、集団で食事をして、また夜、集団で泊まるということになると、どこかで隙が出てくるというのが専門家の先生方のご指摘でありまして、あくまで日帰りということにすると。従って、修学旅行も県内のいろんな文化、歴史、伝統、すぐれた所を日帰りで訪れてもらってはどうかということで、先日(8月28日)の教育関係の推進協議会でも議論をさせていただきました。それから、3密解消のために、スクールバスの増車といったことも考えております。
 そういった次の波に備えての総合対策も、今日ご了解いただいたということで、9月議会に提出をしたいと思っております。
 それともう一つ、岐阜県では(岐阜県感染症対策)基本条例を前の議会で通していただいておりますけれども、この基本条例の中に、風評被害対策と言いますか、コロナにまつわる排除、差別、こういった問題について、あってはならないということで条例上規定しております。これを「コロナ・ハラスメント」と呼ばせていただいておりますけれども、この「コロナ・ハラスメント」について、やはり岐阜県でどんなことが起こっているのかと、あるいは他県でどんなことが起こっているのかということを見ながら、何としてもこれについては、人々の心が荒んでいきますので、人々を分断していくと言うか、そういうことになりかねませんので、これは全市町村あげてしっかり取り組もうということで、あまり前例はありませんけれども、私も含めて全首長のサインをいただいて、全員がこれに最前線に立って取り組むんだという態勢で、宣言文を用意させていただきました。各市町村からも、それぞれの立場でやっておられるわけでありますけれども、こういった岐阜県あげてやることについては、皆さん諸手をあげて賛成ということで、同調していただいた次第であります。
 まず、「コロナ・ハラスメント」という、ある意味では未だ必ずしも耳慣れない言葉があるものですから、この新型コロナというのは未知のウイルスであって、誰もが怖がるでしょうと。その結果として、知らないうちにいつの間にか、人を排除するとか、差別するとか、自分が被害者、そして誰かが加害者というような、人と人とを分断するような心身の動きに至っていないかということを問い掛けているわけであります。この(資料3)左側のページにいくつかの例がありますが、これは全部岐阜県で起こった事例であります。感染した本人が、色々厳しいことを近隣の方やら、会社の方やら、いろんな方に言われるというものもあります。感染した方のお子さんが同じような目に遭ったり、あるいは感染したと言われている地域、あるいはそこにある飲食店、あるいはそこにある学校の関係者が、直接関係していないのに、いわれのないことを言われるというケースもあります。それから医療従事者の子どもというだけでいじめを受けたり、受入拒否を受けたりというようなケースがあると。
 というようなことで、こういったことが実は起こっているんですよと。決してこれは、このまま野放しにするわけにはいかないということで、「思いやり」と「感謝」というキーワードを用意させていただきました。誰もが感染する可能性があって、我々が戦う相手はウイルスなんだと。人ではないと。感染した方については、むしろその立場を思いやり、そしてその立場を守ってあげるという姿勢で臨むべきではないかと。それから、治療とか、我々の社会生活維持に関して、いろんな方々が貢献していただいているわけで、そういった人たちに感謝をしましょうということを中心に、この宣言文を書かせていただきました。
 特に、不確かな情報拡散というのは、許されることではないということで、安易にSNSで広がっていくことについても、不安の増幅ということで、是非とも避けたいということです。私自身も聞いたんですけど、クラスターの相関図を作っていきますよね。そうすると、それが起こった場所に行きますと、そこにいる方々が本当に真剣な顔をして、「あの方はもう亡くなったんですよ。」とか「あの方はいたたまれなくて引っ越したんですよ。」とか聞くんですよ。「本当にそうですか。」って。真顔で地元の人から言われると「そんなことがあったのか。」と思うんですが、後でしばらくしてからあれは全部嘘でしたと。本人は元気で仕事しておられます、健在です、何の問題もありませんという話を聞くわけでありまして、結構、そういう噂が、現地に行けば行くほど、とぐろを巻いているんですよね。私どもも、現地へ行けば行くほど、それが如何にも本当に聞こえるわけですね。
 ということで、是非、情報化社会ではありますが、そんな形で話がゆがんでいくのを避けたいという思いで、あえて「コロナ・ハラスメント」宣言ということで、出させていただきました。
 これを折角ですから、各首長さん方のサインとともに、ちょっとしたチラシにして、いろんなところに配布をしたり、いろんな機会にいろんな人に見ていただいて、県内どこへ行っても、このことについて皆が十分心掛けて、気を付けて、情報に接するというようなことを徹底したいと思っているところでございます。
 以上について、ここ1週間ほどかけて、情報を整理し、論点を整理し、またそれぞれの分野の方々と協議をして、今日結論に辿り着いたということでございます。
 それからもう一つは、お手元に「ぎふすくすく手帳」をお配りしております。これはコロナとは全く別の話なんですが、名前のようにお子さんがすくすくと育ってくれるようにという手帳なんですが、通常の母子(健康)手帳ではうまく記入できないような、出生時の体重が1,500グラム未満のお子さん方の育児を支援していくということです。こうしたことについて経験のある方々、あるいはお子さんをもった方々、お医者さん、いろんな方々が検討会をつくって、このお手元のすくすく手帳をつくっていただきました。
 1,500グラム未満の出生時体重というのは、1,000から1,500(グラム未満)までを「極(ごく)低出生体重児」と言うそうです。それから1,000グラム未満のお子さんたちを「超低出生体重児」と言うんだそうですが、岐阜県では、この1,500グラム未満の「極」と「超」と合せて、全出生児の0.7%というのが直近のデータでありまして、県内に100人ちょっとおいでになると聞いております。この1,500グラムを下回りますと、いろんな障がいを合併症として併発しやすいとか、どうしても入院期間が長くなりますので、お母様との分離期間が長くなってくるということです。そのことに伴う発育上の影響もあると言われておりまして、特に丁寧にその発育を見ていく必要があるということで、いろんな配慮で、この「ぎふすくすく手帳」ができたわけでありますが、これを今日、9月1日から病院、あるいは市町村の保健センター等で配布を開始いたしました。
 これらを通じて、さらに支援を充実していきたいと思っておるところでございます。
 私のほうからは、以上です。

記者
 
細かいところなんですが、第2波非常事態は今日をもって解除したという認識でよろしいですかね。

知事
 はい。

記者
 第2波は、先ほど明らかに基準指標を含めて明らかに改善したとおっしゃったと思うんですが、「収束」したと言ってよろしいんですかね。知事のご認識としてはいかがでしょうか。

知事
 クラスターについては「終息」という言葉を使っていますね。それから、この宣言は、宣言として発するか解除するかという、宣言が「収束」するとは言わないと思います。解除するというふうに言わせていただいています。

記者
 強制力がない中での宣言だと思うんですが、一定の効果が出たという認識でよろしいでしょうか。

知事
 私どもは第1波の時もそうでしたけれども、宣言を宣言としてだけ出すということではありませんで、必ず総合対策とパッケージで出させていただいております。
 ですから、第1波なら第1波、第2波なら第2波、その時々の波の特徴に応じて、医療とか検査体制をどうするかとか、それから経済とか雇用への波及をどうするかとか、学校教育の問題をどうするかとか、あるいは様々な地域の行事とかイベントとか、そういったものをどうするかとか、いろんなところに波及してきますので、非常事態宣言を出すごとに、その事態に合わせた、課題に合わせた対策を出しております。
 それから、収束したら収束したで、じゃあ次どうするのかということで、先ほど申し上げましたように、次に備えた総合対策をお出しするということですから、そういうふうに考えてくると、そういう総合対策も合わせてしっかりやり、この問題についての県民挙げての理解と取組みということに繋がって、それが一つの結果として現れたのではないかと。
 それからもう一つは、1回目からもそうですけれども、やはり、クラスターの終息というのをかなり愚直に、丁寧に一つひとつクラスターを見極めて、どこまでの広がりがあるかということも確定して、それがきっちり終息するのを見届けるということを愚直にずっとやってきておりまして、第1波の時は4つです。第2波では15ありましたけれども、どんどん増えてくると、どこかでお手上げになる可能性だってあるわけです。とても追いきれないと、もう蔓延状態でどうにもならないという場面もあり得るわけでありますが、これまでのところは、とにかくクラスターというものをきっちりと追いかけて封じ込めていくと。これも宣言に対する対策のパッケージとしてやってきておりますので、そういうトータルとして、今回この1ケ月間で、流れを食い止めることができたと思っております。

記者
 第1波の時も、収束してから5月から6月、かなりゼロが続いて落ち着いた状況だったと思うんですけれども、また第2波が7月に入って急に訪れたと。第3波への懸念みたいなものがあれば改めて教えてください。

知事
 これはどういうところから現れるかですよね。第1波の1回目の時は、3月下旬の連休にかなり人出が出て、全国的にこれは緩んだと。全国的な人手の中で波及していったと言われておりますけれども、多分そういうことでしょうね。
 その一環として岐阜県もあったということでありますけれども、第2波の場合には、大きな流れとしては、大都市部を中心に波が大きくなってきて、それが大都市からその周辺へ、さらにそのまた周辺へと広がっていく過程で、岐阜県の場合で言うと、経済・社会活動が非常に密接に重なり合っている愛知県由来のものが一気に増えてきたと。それが一つの大きな流れとなって、そこからいろんなところに波及していったと。それが唯一ではありませんけれども、大きな流れになっていたという感じがします。
 逆に、そことの交流のなかった飛騨地方は、そういう波からは免れたというのが第2波の特徴でありますけれども、ただ、逆に今度、第1波と第2波の違いは、第1波の場合には集団感染的なものは少なかったんです。どっちかというとお店を閉じてもらう。それで補償金を払うかとか協力金を払うかとか、ああいうところに議論がいっていたわけでありますけれども、今回はやはり、学校クラスターとかですね。特に高等学校は全国初でありましたけれども、学校とか施設です。そういったところでのクラスターも一つ特徴としてありましたので、そういう集団生活をやっているところに現れてくるというのも、特徴としてありました。
 さあ次は、今度どういう波がどこにやってくるのかというのは、ちょっとまだ予測は専門家の先生方も定かではありませんし、私も軽々なことは言えません。
 ただ、とにかく人の動きの隅々にコロナの動きが絡んでくるものですから、当初言っていたように、ステイホームで、動かないのが一番確実だということでありますけれども、それでは経済・社会生活が持たないということで、経済・社会生活と、感染症対策をどう両立させていくかというふうに流れが移ってきているわけです。そうなると経済・社会生活を進めていく中で、効果的な感染症対策をみんなで講じていくというのと、それからもう一つ申し上げたいのは、家庭内感染というのが明らかになりましたので、これに対しても家庭ごとに、やはり気を付けていくということを生活習慣の中に取り入れていく必要があると思います。
 というふうに、いろいろと変化・発展してきますので、コロナの出方をなるべく早く察知しながら、できる限り先手先手で、早め早めに攻めていくというか、守っていくというか、そういうことをして行かざるを得ないのではないかと。
 特にこの秋冬の心配はやはり、インフルエンザとの絡みです。最初の症状はほとんど変わらないそうでありますので、インフルエンザ対策をしっかりやるということと、それとコロナ対策との兼ね合いを十分気を付けてやっていく必要があるということで、このインフルエンザ対策は、国の具体的な方針が出てくるのを今、待っている状態でありますけれども、これも急がなければいけないと思っております。というようなことを思いながら眺めているところです。

記者
 66億6千万円の補正予算ですけれども、財源で基金の取り崩しなどがあるということですが、財政の健全性という観点からご見解をお伺いしたいというのが一つ。
 もう一つは、知事さん、先月末は、解除に関しては慎重に考えていきたいというようなご見解を示されていましたけれども、今日も本部員会議で、これまでの例ですと、冒頭に宣言を発出するとか解除するというようなお話があって、そのあと議論が流れていくというのが大方の流れだったと思うんですが、今日は岐阜市長さんとかが宣言の効果があったなんて言うようなお話があったうえで、知事さんが宣言の解除を発表するというような流れだったところからも見ると、少し、解除していいものなのか、併せて警戒をどの程度の強度で呼びかけるのかというようなところで、迷われた部分もあったのかなと推察するんですが、そのあたりについてはいかがでしょうか。

知事
 最初のご質問、財政の方は、今回は66億円よりさらに大きな額で、7月の風水害対策も出しますので、もちろん国から頂くお金もありますし、ハード・ソフトいろいろあるわけですけれども、全部パッケージにして結構な規模の補正予算になっております。
 まだ具体的な数字は、追って遠からず発表すると思いますけれども、したがって、県債発行も当然増えますし、県の財政調整基金の一部取り崩しもありますし、それから隣でやっています新しい庁舎の建設のための基金、これをコロナ対策にも使えるようにしたわけですので、これの取り崩しも当然入っていると。
 それから、こういう状況の中で、いろんな行事を中止したり先送りしたり、縮小したりしていますので、そういうことからくる財源の捻出もあります。それから、そもそも、当初予定通りやる行事とか仕事であっても、できる限り節約していこうということもありますし、そういったことをせっせと積み重ねて、何とか、バランスの取れた予算にこぎつけられているのではないかと思っております。
 詳細は、また全体が出来上がったところで見ていただければと思いますけれども、もちろん、ですからそういう意味で決して楽ではありません。工夫してやるにしても、備えのお金が減っていくことも間違いないし、それからこの秋冬に、もしかしたら第7次の補正予算を組まなければいけないような事態もあるかもしれません。こうやってずっと縮小していった中で、来年度予算をどういうふうに、財源から始まって組んでいけるだろうかということもありますし、まだこれからずっと来年度予算編成に到るまで、絶えずそこのところは考え続けながらやっていくということになろうかと思います。
 ただ、いずれにしても、かつて見ていただいたような、実質公債費比率がとんでもないところへいくということはありませんので、まだまだ十分耐えられるところに留まりながら、工夫して財源を捻出して、喫緊の課題の方に注いでいると。こういうふうにご理解いただければと思います。
 それから後者は、非常事態宣言という、私どもとしては大変重たく考えておりますので、そういう重たいものを取り除いたときに、逆の反動が出ては困るなということは常に頭の中にあります。先月下旬に入って、連日一桁の基調ができたときに、私自身はあの時点ではまだ油断はできないと、敢えてそういう警戒気味なことを申し上げたんですが、その後一桁も一桁で、ずっと底の方に這ってきているものですから、それをいつまでも非常事態だと言い続けることもどうかなということで、迷うというよりは、前回は国の緊急事態宣言をどうするかということとの兼ね合いもありましたので、それを見ながらやっておったわけであります。国が解除した時に、我々岐阜県だけ緊急事態が残っているんだと言い張ることはなかろうということで、割とスキっとしたわけですけれども、今回は岐阜県独自の宣言が続いてきているものですから、できるだけ皆さんの意見を聞いてみようということで、敢えて私自身の発言は後回しにして、かなり違う発言が出てきたら、またそこで考えようと思って、いろんな人に水を向けたんですけれども、だいたい同じような感覚だということだったので、そういう結論にさせていただいたということです。

記者
 引き続き、警戒を継続するというところに、やはり愛知とか名古屋、あるいは県境をまたぐというところを、敢えて外されているというのは、その辺の狙いは。「今後も油断なく警戒を継続してください」という資料の中に、今まで宣言にあったような、名古屋とか愛知の飲食店だとか、県境をまたぐという部分を外されている、その辺の理由はどういうことなんでしょうか。

知事
 まさにそういうふうに取られることがちょっと怖いなと思っていたわけです。つまり、今回のこれも、高感染リスクの場を回避ということで、15のクラスターの中に、愛知・名古屋由来のものが5つありましたよと。かつ愛知県もまだ今、二桁の50、40人ということで、名古屋がその半分くらいですかね。毎日毎日発生しているわけでありますので、この限られたスペースで名指しはしておりませんけれど、15のクラスターを反省しながらこういうことを警戒していくんですよという含意としては当然、まだまだ愛知・名古屋が油断できる場所ではないと思っておりますし、そのことをはっきり言わないと、何かそちらを緩めたように取られたとすると私どもの本意ではありませんので、高感染リスクの場という中に、愛知・名古屋は入っているとご理解ください。

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