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知事記者会見(令和2年7月31日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和2年7月31日(金曜日)15時40分

司会
 ただいまから、知事記者会見を始めさせていただきます。知事お願いします。

知事
 さきほど、コロナウイルス対策の本部員会議を開きまして、緊急対策をまとめさせていただいた次第でありますので、その説明をさせていただこうと思っております。先ほど聞いていただきましたので、だいたいの大きな流れはご案内だと思いますが、私なりにまたポイントをご説明したいと思います。
 まず、今回の対策についての標題を、「第2波非常事態に対する緊急対策」とまとめさせていただきました。「第2波非常事態」というのが現状についての認識でございます。つまり第2波が既に来ているということであります。
 これにつきましては、ここにも書いてありますが、3月下旬から4月下旬にかけての1ヶ月間の流れを第1波としますと、この6月下旬からこのところまでの1ヶ月を第2波ということで、この増え方、山の高さ、角度、いずれも第1波よりも第2波の方が上回っている。そういう意味で、感染者の増加という面では、すでに4月を上回るスピードで来ているということであります。
 ちなみに、数字で申し上げますと、この第1波の場合には、3月24日から4月23日までの30日間を見てみますと、感染者の合計が141人、1日平均で4.7人であります。第2波は7月1日から30日までということで、30日間ではじいてみますと、合計が156人、1日当たり5.2人ということでございます。
 それから、私ども、専門家の先生方とご相談をして5つの基準指標を設けさせていただいておりまして、量的には指標ベースにいろいろと判断してきているわけでありますが、ここにありますように新規感染者数は既に大幅に上回っております。感染経路の不明者数も同じく大幅に上回っております。入院患者数も上回っております。PCR検査の陽性率でありますが、6.3%ということで、上限の7%に近付きつつある。しかもこのところ急上昇でございまして、これももしかすると、あと何日かで基準を超えるかもしれないということでございます。幸い重篤者数でございますが、エクモのオペレーションをする人が3人出てくると、岐阜県としてはちょっとしんどいなという状態で、他にも重症者はいろいろあるわけでございますから、コロナに3人以上割くというのはしんどいなというのが現状でございます。これについては、幸い、今0人ということでございますが、これも注意深く見ていかなきゃいけない指標でございます。
 ということで、第2波が到来したというのが、専門家の先生方も共通の認識でございます。
 それから、愛知県、特に名古屋の酒類を扱う飲食店において、感染症が多発しているということでございます。名古屋市と岐阜市の人の行き来を見てみますと、一日あたり、少し前の統計で、昼間の人口ですけれども、岐阜から愛知へは、ざっと11.8万人移動している。他方、愛知から岐阜へは4.3万人移動しているということでございまして、岐阜県の皆さんは名古屋へ大挙して通学、通勤等々お出でになっておられて、名古屋の影響を非常に受けやすいということです。今回も正に、本県感染者の6割が愛知県由来でありますし、愛知県由来の中でも、特に繁華街のクラブ等の酒類を伴う飲食店が7割を超えているということでございます。
 もう一つ、今回の特色は、若者の感染急増と学校クラスターの相次ぐ発生ということでございます。
 この愛知県、特に名古屋、酒類を伴う飲食店、若者、学校クラスターというのがポイントで、今後でありますが、若者から高齢者への感染拡大が進みますと、先ほど見ていただきましたように、3人以上になりますと、この重篤者数も基準指標を超えるわけでありますが、この重篤者数の増加につながっていかないかということが懸念されるわけであります。
 それから現在動いております、8つクラスターがございますけれども、そのうちの2つについて、在住外国人が感染しております。在住外国人ならではの言葉の問題とか、生活の問題とか、いろいろございますので、これについては、また速やかに在住外国人の感染症対策ということで、集中的に議論をして対策をまとめたいと思っておるところでございます。これはひとつの課題でございます。
 また今後、夏休み、お盆休み、GoToトラベルキャンペーンということで、人の動きが活発になるということでございます。今日、本部の参加者の一人がおっしゃっておられたように、学校クラスターが家庭に波及し、そして企業に波及するということを大変懸念するという意見もございましたし、私どもとしては、まずは目の前のクラスターを一つひとつ速やかに封じ込めをしたいと思っております。また、まだ経路の分からないものもいくつかあるわけでありまして、蔓延といったような事態にならないように何とか食い止めたいと思っているところであります。
 それから2番目が緊急対策ということで、オール岐阜ということを強調しております。今日の本部でもそういうことをお願いした次第であります。愛知県、名古屋との関係で言いますと、やはりそういった場所での酒類を伴う飲食を回避していただきたいということを県民の皆さんに強くお願いしたいと思っております。これらにつきまして、いろいろと感染状況とか、具体的に愛知県、あるいは名古屋市でどんなような防止対策が取られているかとか、そこら辺については積極的に愛知県、名古屋市とも情報交換をして行きたいと思っております。
 それから学校につきましては、お手元にお配りしておりますように、大学、あるいは小中高、児童、生徒、学生さんたち向け、保護者向け、そして教職員向けということで、かなり丁寧に、この間の対策の徹底をお願いしております。これは既に関係方面にはご連絡をしたところでありますけれども、この部分も大切なお願いでございます。先ほど見ていただきましたように、愛知県、名古屋という切り口、酒類を伴う飲食という切り口、そして学校という切り口について、県民の皆さんにこの2つの点をアピールしていくということであります。
 それから感染防止対策の基本の徹底とありますが、何と言っても常に、基本に立ち返って一人ひとりが基本に忠実に行動していただくということが、まさに新しい日常ということで、感染を防止しながら日常生活を安全安心に営んでいくための基本であるということで、これは何度でも思い起こし、そして実践していただこうということでございます。
 事業者の方々に対しては、行動指針とガイドラインの徹底ということです。これも併せてお願いしたいと思っておりますが、特に今回、国の法解釈等もございまして、感染防止対策を徹底していない店舗において、感染者が仮に発生した場合には、法に基づく店名公表、立入検査ということが可能だということでございますので、そういう場合には、即座にこうした法に基づく対応をして行きたいと思っております。
 それから、クラスターが発生した店舗につきましては、やはり特措法に基づく個別の休業要請及び業界指導を行っていきたいと思っております。これも従来は、特措法の行政指導というのは個人ないしは業界というようなことを言われておりましたけれども、個別の店舗ごとの休業要請も可能だという解釈が国によって示されましたので、いざとなればそれを適用して要請をして行きたいと思っております。
 それから、ステッカーについては、結構、今日議論が出ましたけれども、まだまだ十分普及していないという現状でございますので、積極的に市町村とも連携をとり、あるいはそれぞれの業界団体、組合とも連絡を取って、普及していきたいと思います。その際に、県のホームページでありますとか、雑誌、サイト等で、ステッカー掲示店舗というものを、むしろ利用を推奨すべき店舗として私どもも表示していきたいと思っておりまして、積極的な掲示を促すような、利用推奨ということでアクションをとっていきたいと思っております。
 GoToトラベルキャンペーンにつきましては今日、観光連盟の方から、まだまだ自粛ムードの中で怖々だという話がございましたが、何と言っても、観光、宿泊施設の感染防止対策の再点検をしながらやっていただくということになろうかと思います。
 それからテレワーク、時差出勤も徹底していただくということかと思います。
 それから、4ページ目でございますが、行政の行う医療福祉対策としていくつか挙げております。まずPCR検査につきましては、積極的に濃厚接触者にとどまらず、より積極的にPCR検査をやっていくという方針の下で、能力もアップしようと。地域外来・検査センターも、今7ヶ所稼働しておりますが、あとそれに3カ所増設して10カ所体制に早急に持っていきたいと思っております。
 それから、これまでもそういう方針でやってきましたが、改めて本県としては、「自宅療養者ゼロ」というのを明確に政策として位置付けたいと思っております。このためには当然十分な病床、あるいは後方施設の確保が必要でありまして、現在の病床281床を一昨日以降、387床に拡充しておりますし、さらに入院患者が増えてくれば625床までは拡大できるように手はずは整っているということでございます。ホテル、後方施設につきましては、465室確保しておりまして、受け入れ再開ということでございます。何と言っても自宅療養ということになりますと、家庭内感染ということが大変懸念されるわけでありまして、とにかくこれはゼロという方針をしっかりと維持したいと思っております。
 それから、防護具等いろいろな資機材の備蓄について3ヶ月へ拡大していこうということであります。
 それから、委員会を開いて、積極的に今、関係者で議論していただいておりますが、クラスター化しやすい一つのポイントとして、高齢者、障がい者の入所施設がございます。これにつきましては、施設の運営を、感染症対策の観点からどういうふうに進めて行ったらいいかとか、あるいは施設職員に対する研修・訓練でありますとか、いざ発生した時に、地域の医療機関あるいは他の施設の応援を得られるような仕組みをあらかじめ作っていこうということであります。
 岐阜県では、老人ホームで一件、感染者が出まして、クラスター化する恐れがあるというので、大至急検査をいたしました。幸い、その老人ホームの感染された方は一人だけで、他に感染しておりませんでしたけれども、伺いますと、その方はずっとここ何年、老人ホームから出たことがないとおっしゃるもんですから、じゃあその方だけに、どこからどういうふうにコロナウイルスが入ってきたのかというような問題がありまして、直ちにはなかなかよくわからないというところもあったようであります。そういった意味でも、施設の運営、そういったことが二度とないようにやっていきたいと思っております。
 だいたいそういうことで第2波非常事態という現実を前にして、緊急対策として県民の皆さん、そして事業者の皆さん、そして我々行政、あるいは医療、福祉関係者こぞってオール岐阜でしっかりと取り組んでいきたいということでございます。
 今回、このタイミングでというのはやはり何と言っても、明日から夏休みに入りますので、一つの区切りとして、かつ、またここ数日間の急速な感染者数の拡大に対応して、整理をさせていただいたわけであります。これからお盆休みまでの間にどう事態が展開するか、とりわけ先だっての4連休の結果が2週間後ということで、やがて出てくるわけでありまして、そういったことも睨みながら、お盆休みの前に、一回また状況を整理、分析し、必要があればさらなる対策を出していくと。そんなことも考えていきたいと思っております。以上でございます。

記者
 今日、いろいろと対策が出ていまして、自主的に県外への不要不急の移動を控えるような文言もあるんですけれども、知事が最も県民に呼び掛けたいことはどういったことでしょうか。

知事
 第1波が来まして、これは3月の下旬の連休で少し緩んだのではないかと。それが4月に入って感染者の急増になったのではないかということで、緊急対策をずっと打ってきたわけでありますが、何とかオール岐阜の努力で乗り越えてきたわけです。乗り切ったところで、次に第2波、第3波はおそらくは秋かというようなこともありまして、これに備えようということでいろんな準備をしてきた矢先に、このタイミングで第2波が襲ってくるというのは、あまり想定されていなかったことであります。
 したがって、第1波が終わって、少し小康状態になったことで、もし緩んだとしたら、その結果がまだこれから現れてくるわけでありますし、大いに警戒しないといけないと。しかもこの第2波は、先ほど見ていただきましたように、第1波の時よりも、感染増加が上回るペースで来ているということでありますので、全く油断できないということで、改めて県民の皆さんに、第1波の時以上に、警戒心を持って臨んでいただきたいと思っております。
 ただ第1波の時と、第2波の時では感染のあり様が異なっておりますし、それから第1波で様々な経験もしていただいておりますので、そういったことを踏まえて、現在のこの第2波の状況に即した対策を今回出させていただきました。そこのところもご理解いただきたいと思いますが、ただこの第2波がこのままの状態で終われるのか、さらに広範囲のところに波及していくのか、そこら辺は見極めながら、我々としても遅滞なく、躊躇なく、次々と対策を打っていきたいと思います。県民の皆さんも油断なく、日常生活のところから大いに警戒をしていただきたいと思っております。

記者
 対策をさらに強化する際に注意すべき、見ていくべきポイントはどういったことでしょうか。

知事
 これは、どういう分野で、どういう形で、この感染症が現れてくるかと、第2波の今の流れが、どういうふうに変化し展開していくかということをまず見極めながら、それに即して考えていくと。こういうことになろうかと思います。

記者
 第2波非常事態ということなんですけれども、第2波非常事態を、知事として、県として宣言したということでよろしいでしょうか。

知事
 はい、これ全体が非常事態宣言だと理解していただいてよいのではないかと思っております。敢えて第2波非常事態と申し上げましたのは、先ほど申し上げましたような、第1波は第1波の流れがあったと。今回はそれと同じではない、第2波としての非常事態が来ているんだということを強調したいがためにこういう言い方をさせていただきました。

記者
 昨日、知事がおっしゃっていたお話の中で、若者にどうアピールというか呼びかけを行っていくかという部分で、ネーミングについて考えたらよさそうだという話があったと思うんですけれども、その部分は、どういった工夫というか、ネーミングの経緯がもしあれば教えてください。

知事
 専門家の先生の一部の方から、例えば、名古屋の繁華街に行くなとか、名古屋で飲むなとか、もっと若者に分かりやすく言ったらどうかという意見もございました。ただ、そういう表現をなかなかここに書いてお出しするというのもちょっとどうかという感じもありまして、心はそういうことでありますけれども、それぞれの大学なり学校なり、丁寧に見ていただいたようなお願いをしておりますので、とにかく、愛知県、名古屋、それから繁華街ということについて、踏みとどまっていただきたいということで、そういう意味で、何か特別、表現を工夫したとか、ひねり出したということは、今回はありません。

記者
 ステッカーの利用に関してなんですけれども、現在、店舗の2割くらいにとどまっているという話で、利用を推奨する店舗として、ホームページで公開するとか、そういうこともおっしゃっていたんですけれども、万一、こういった店で感染者が出た場合の対応というか、ある意味、県としてお墨付きを与えている部分で、出る可能性もあると思います。そういったときの対応というか、危機管理に関してはどういうふうに考えていらっしゃいますか。

知事
 私どもは指針を出したり、それぞれの業界がガイドラインを作ったり、現時点でここまでやっていただければということでお出ししておりますけれども、どこでどういうふうに思いがけない形でウイルスが紛れ込まんとも限らないわけですから、仮に、おっしゃるようなことが起これば、やはり、原因を究明して、更にガイドラインの内容をレベルアップすると、厳しくするというようなことで対応するのではないかなと思っております。

記者
 今、この質問をしたのは、岐阜市の玉宮地区で感染者が出ているお店があるんですが、従業員のところで。市のウィズコロナ対策中というステッカーを貼っていた店で実際に感染が発生していて、県と市という違いはあるんですが、行政のお墨付きという意味では同じような意味合いなのかなと思っているんですが、実際にそういう店で出てしまっているということを御存じかどうかわかりませんが、知事としてどういうふうに考えていらっしゃいますか。

知事
 そこら辺は、岐阜市の皆さんと問題意識を共有して、今のガイドラインなり、あるいはステッカーを出すときのチェックが十分であったかどうかということも含めて、検討したいと思います。

記者
 一度目の非常事態宣言の時には、期限をある程度区切られていたと思うんですけれども、今回に関しては期限を区切られるご予定はあるんでしょうか。

知事
 特に明示的に書いてはおりませんけれども、やはりこの夏休み、お盆休み、GoToトラベルキャンペーンということが意識にありますので、まずは、基本的には8月の1ヶ月しっかり見てみようと。その中間段階としてお盆前に、一回また整理してみようと。そんな感じです。

記者
 目途としては8月の末まで、とりあえず当面は。

知事
 とりあえずは見てみようと。今回の措置が何かガチガチの期限を切るようなことではありませんので、例えば補助金を配るとか、申請をいつまでに出してもらってそれに対して何かをするとか、そういうことはありませんので、厳密には書いてありませんが、基本的な思いとしてはそういうことです。

記者
 夏休みに入ると、里帰りとか、そういう部分が出てくるかなと思うんですが、これを見る限り、仮に県外の方への里帰りとかも、それを辞めてというところまでは行かないのかなと思うんですけれども、改めてその辺どういう認識を持っていただきたいのか。

知事
 言葉遣いとして、県をまたぐ外出は慎重にとか、往来は慎重にとか、そういう言葉を使わせていただいておりますので、禁止をするとかそういう表現は、もちろんこれは法制度でも何でもありませんので、使いませんけれども、今の、この第2波非常事態という事態の中では、極力、慎重に考えていただきたいということではあります。

記者
 いわゆる県の出身者とか、出身でありながら外に出ていらっしゃる方とか、岐阜県に親せきがおられる方で、都市部から帰ってくるというか、そういう可能性も出てくるかと思うんですが、そういう県にゆかりのある方で、県外におられる方に対して、この8月、お盆前後の行動について何か呼び掛けられる部分はございますか。

知事
 今はもう、全国的にほぼ場所を問わず警戒態勢に入っているわけなので、どこからとか、どこへとか言うまでもなく、人の移動ということについては慎重であるべきではないかというのが専門家の先生方のご意見です。私どももそれに則っていろいろ対策を書かせていただいているということであります。ゆかりであるかないかとか、ゆかりとは何か、どこまでをゆかりというかとか、そういうところに入っていくと、いかにも日本国民を出身地で分断するような、ぎくしゃくした議論に入っていきますので、そういうところまで入っていこうというつもりはありません。どことどこであれ、まさに第2波非常事態なんだということを踏まえて、慎重に考えていただきたいと。こういうことです。

記者
 愛知県、特に名古屋での酒類を伴う飲食の回避をということですが、県内の飲食店や店舗の休業要請ですとか、あるいは営業時間の短縮の要請は、今のところ考えていないのでしょうか。

知事
 県内については、お手元に見ていただいたような、ガイドライン遵守とステッカーと、それから、いざとなれば店舗の公表、それから、休業要請、指導といった手順で入っていきますということはアナウンスさせていただいておりますので、とりあえずはそういう一つひとつの点で物事が起これば、そこにすかさず対処していくと。
 もちろん、今私どもがやっておりますのは、発生すればクラスター化するのを避けようということで、その脈絡探しに入っていきます。そういう中で、法に基づく措置はとらせていただきますということはやらせていただいておりますが、仮にクラスターが発生し、この第2波の新たな展開として、今度は岐阜のある特定のエリアの、あるいは特定の地域の、ということで何かが集中的に起これば、そこを集中的に対象にした様々な対策ということは当然あり得ると思います。

記者
 特措法に絡む質問なんですけれども、こういった注意を呼び掛けたい場合とか、要請したい場合は、都道府県知事はできるんですが、いわゆる協力金とか、そういった財源という問題が付きまとって、なかなか攻め手がないといいますか、広く自粛を呼び掛けたり、休業要請することが、今の立て付けではちょっとできなくなっている。一方で、感染の拡大が急速に進んでいるというところで、何か手を打たないといけないと。そういったジレンマとか苦労とか、そういったことは今回の緊急対策というもので感じられましたでしょうか。

知事
 今回は、焦点が愛知県、名古屋、それから繁華街と、あるいは飲食ということなのですから、愛知県なり名古屋市さんがどういう対策を取られるのか、我々はそれを側面からどういうふうに情報交換しながら対応していけるかとか、そういうところに行かないように、今回のようなことを発表させていただくということで、側面からいくわけですけれど、そういう流れが一つあります。
 このことについては大村知事、河村市長とも、岐阜県としてはこういうスタンスですという話はしてありますし、彼らも非常に、まさにこの問題に今、苦労しておられますので、ぜひ岐阜県もそういう抑制的なことをやっていただくのは大いに結構だと言うお話でありましたので、そういう意味では呼吸合わせはさせていただきました。
 それからもう一つのコアがやはり若者、学校というところでございますので、かつ学校は夏休みに入りますので、前回は学校を休業するか否かとか、いつまでかという議論がありましたけれども、夏休み間の対応ということを丁寧にやっていこうという、そういう形になりました。
 おっしゃるような議論は、主として、営業しているお店をあえて閉めていただくと。それに伴って協力金なり補償をどうするかということですけれども、今回の議論では直接そこまで入ることはなかったと思います。我々が店名の公表とか、立入検査とか、休業要請と言っていますのは、感染者が発生した場合とか、クラスターが発生した場合と断っております。そういう場合には当然入らせていただきますので、そのことについて直ちに補償とか協力金とか言う話は出てこないと思います。
 そういうことではなしに、網をかぶせるような格好でやらざるを得ないと。これはさっき申し上げましたように、第2波の、この先の発展の中で、おっしゃるようなところに入っていかざるを得ない、網をかけざるを得ないような事態になれば、またそういう政策をどうするかというのは議論しないといけません。私どもとしてはそうなる前のところで、とにかく極力抑え込みたいと。それから今のところ岐阜県の夜の街でクラスター云々ということには、前回はありましたけれどもこれは解消しましたので、今回のこの対策の中では、そこまで踏み込んでいないと。ただ問題意識としては常に持ちながらやっております。

記者
 関連してなんですけれども、基準指標のPCRの陽性率とかも超えそうですし、重篤者というのも、どういう条件でかは分からないですけれども、3人くらいだとポンポンポンと出てきちゃう可能性もあると思うんですけれども、そうなった場合、更なる要請とか宣言とか、そういったことはお考えでしょうか。

知事
 PCR検査陽性率の超え方とか、どの分野、どの地域で、どういう態様で現れているかと。超えたということはひとつ、深刻さを増したということは間違いないですが、その超えるにあたって、どう超えたのか、そのゆえんのところを突き詰めていく中で対策も決まってくると思います。だから一段おそらく対策を講じると思いますけれども、その在り様というのはその超え方にあると思います。

記者
 全体としてこれは非常事態宣言であると先ほどおっしゃいましたが、このペーパーには非常事態宣言という言葉はないんですけれども、これは非常事態宣言と言い切っていいものなのでしょうか。

知事
 そう言っていただいて結構です。

記者
 非常事態宣言を知事が出されたという。

知事
 はい、結構です。緊急事態という言葉は、特措法があり、法の要件があり、かつて行政指導でおやりになったところもありますけれど、そうすると行政指導に基づく緊急事態と、国が設定する緊急事態と、どう違ってどうしてと、そういう議論の中に入っていきますので、私どもとしては、前回もそうですけれども、我々としてこれは危ないと思ったらこれは緊急事態だということをはっきり言おうということで、今回はまさにそういう事態だと。ただ第2波の緊急事態だということを強調したいがためにこういう言葉を使ったということです。

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