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知事記者会見(令和2年7月27日)

記事ID:0062051 2020年7月29日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和2年7月27日(月曜日)17時

司会
 ただいまより知事の囲み取材を始めさせていただきます。

知事
 本日、三菱自動車工業株式会社の方から、100%子会社であります、パジェロ製造株式会社の令和3年上期の操業停止を決定したということを伺っております。欧州市場における環境規制の強化に加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によって業績が悪化する中で、やむを得ない判断であったと。こういうふうに伺っております。
 このパジェロ製造株式会社でございますが、本県で、当初、岐阜市内で航空機部品を作っておりました、東洋航機という会社にまでさかのぼりますと、70年以上にわたって地域経済の発展に大変寄与していただいたということでありまして、地域にとりましても、また本県にとりましても、今回の決定は誠に残念に思っております。
 まずは、約千人と伺っておりますが、従業員の雇用の問題、それから、このパジェロ製造に部品等を提供しております、サプライヤー企業の事業継続の問題、それから、この工場の跡地をどのようにするのかといったような問題等々ございますので、こうした点については、三菱自動車工業株式会社におかれて、十分かつ丁寧なご配慮をお願いしたいと思っております。
 県としては、明日(7月28日(火曜日))、早速、可茂県事務所内に、「パジェロ製造(株)関連雇用問題等相談窓口」を設置いたしまして、それぞれの従業員の方でありますとか、お取引のある企業の方々からの相談を受けると。そういうことをスタートいたしますし、また明後日29日(水曜日)には、関係市町村、それから岐阜の労働局等々、諸団体をメンバーにします、「パジェロ製造(株)雇用問題等連絡協議会」を開催いたしまして、それぞれの立場から情報共有、あるいは協力ということで、こうしたことを通じて雇用確保、地域経済の安定などの観点から、できる限りの協力、支援を行っていきたいと考えているところでございます。
 私の方からのコメントは以上のとおりでございます。

記者
 地域経済に与えます影響の大きさについてはどのくらいだと考えておられますか。

知事
 坂祝といえばパジェロ、パジェロといえば坂祝というような、本当に地域にしっかりと根を下ろして、長年にわたって、発展に寄与していただいたということでありますので、そういう意味では、地域にとっては本当に欠かすことのできない存在であったと思っております。
 私どものいただいている数字でいきますと、例えば坂祝町にとりましては、税収の約15.6%がこのパジェロ製造からと伺っておりますし、歳入トータルでいくと大体5%強ですかね。それから従業員数で行きますと、17-18%がパジェロ製造の従業員が占めているということで、坂祝町にとっては非常に大きなウェイトを持った企業であるというふうに思っております。

記者
 今後、三菱自動車への何か要望活動などのご予定はおありでしょうか。

知事
 私どもはこうした相談窓口でありますとか協議会もつくりますし、三菱自動車さんもそれぞれ動かれると思いますので、お互いの連携なり意思疎通が欠かせませんので、トップレベルから、また実務レベルも含めて積極的にコンタクトをとって、そして先ほど申しましたようないくつかの課題について丁寧に進められたらと思っております。
 例えば、千人おられるという従業員の方々ですけれども、パジェロ製造そのものは岡崎に集約をするということでありますので、岡崎の方に行かれる方もおられれば、地元に残る方もおられますし、一人ひとり丁寧な対応が必要ではないかと思います。
 それから、サプライヤー企業につきましては、岡崎工場での製造に対して、引き続き部品等を安定的に供給できるような、そういうことになるのかどうかということもありますし、それから、かなり広大な土地が残りますので、そこをどう処分されるのか、それがまた、新たに地域にとっても、本県にとっても、新しい積極的な投資に繋がればと思いますけれども、その辺りを一つひとつ丁寧にご相談していきたいと思っております。

記者
 この地域について、県として新たな企業誘致に取り組まれるようなお考えというのはおありでしょうか。

知事
 まずは、この土地は三菱さんの土地ですから、三菱さん自身が売却先をいろいろと考えていかれると伺っております。三菱さんのお考えやら、そうした動きをフォローさせていただくということで、そういう中で、私どもとしてどういう協力というか、支援があり得るかというのも考えていきたいと思っておりますが、まずは三菱さんがどういうふうに動かれるかというところから始まると思います。

記者
 今回の件とは関係ないですが、世界的なデザイナーの山本寛斎さんがお亡くなりになりまして、岐阜県出身の著名な方でもありますので、知事のコメントをお願いします。

知事
 まずは何と言っても、突然の訃報で大変驚いておりますけれども、改めてご逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げたいと思っております。
 山本寛斎さんはまさに岐阜県ゆかりのデザイナーであり、またイベントプロデューサーということで、本県だけではなしに国内、さらには世界という舞台で、文化、ファッションの振興ということで、非常に独自の活躍を展開してこられましたし、そういう意味では私どもにとりましては、ありがたい、岐阜県ゆかりの方であったと思っております。
特に21世紀を迎えるにあたって、平成12年ですか、本県で「ウェルカム21ぎふ」というイベントを開催しましたが、そこで「カンサイ・スーパーショー」という、彼ならではの一種のショー、イベントをやっていただいて、新世紀を迎える岐阜を大いに盛り上げていただいたのが比較的新しいところかなと思っております。大変私どもとしては残念でありますが、改めてこれまでの御活躍に敬意と感謝を申し上げたいと思っております。
 また、ちょっと個人的なことを申し上げますと、寛斎さんは私の中学校の先輩にあたるわけです。岐阜市立加納中学校で、私が入学した時に彼は卒業して、3年違いでありますので、同じ時期にはおりませんでしたけれど、同じ加納の出身ということで、若干の彼との見聞きもございました。
 それから愛知万博が決まって、どういう理念のもとに愛知万博を運営していくのかというようなことで、基本構想と言いますか、基本理念と言いますか、そういったことを議論する有識者のグループをお願いしたんですけれども、ちょうど私は万博担当でありましたので、その中に、いわばリーダー格で山本さんにも入っていただいて、積極的にアドバイスをいただいたのも、私にとっては仕事のうえでのご縁のあったことであります。
 彼も、私が知事になりましてからも、折に触れてご自身がおやりになる、例えば東京の武道館でのビッグイベントとか、そういったことについて誘っていただいたものですから、時間の許す限り私も出かけて行って、彼のそういう壮大な試みと言いますか、それを堪能させていただいたようなこともありまして、私自身もそういう意味で個人的に接点もあり、ご一緒する機会もいくつかありましたので、非常に残念に思っております。

記者
 山本寛斎さんの個人的な部分として、お人柄をどういうふうに考えておられますか。

知事
 明るい方でしたよね。自分のいろんな着想とかアイデアをポンポンポンポンおっしゃる方でして、そういう意味で、まだ愛知万博がどういう方向に向かうか、まだ星雲状態の時に、彼なりにいろいろと思いを語っていただいたのが非常に印象に残っております。

記者
 パジェロ製造の関係ですけれども、協議会をつくられるということですけれども、今固まっている部分だけでも結構なんですが、どういうところを議論されるんでしょうか。

知事
 できるだけ、今働いておられる千人の方々が、スムーズに最終的な落ち着き先を、岡崎工場であれ、あるいは別の会社であれ、落ち着いていかれるように、雇用の様々な可能性についての意見交換、情報交換でありますとか、あるいはそういう部品・部材を提供している企業にとっても、引き続き安定的な生産活動ができるようにということでの、関係者の方々の情報なり、サジェスチョンなり、そういったものを集約したいということです。
 少し丁寧に申し上げますと、今、予定されているメンバーが、関係市町ということで、坂祝町はもちろんでありますが、周辺の各務原市、関市、美濃加茂市、可児市、こういったところを考えておりますし、場合によってはもっと広げるかもしれません。それから岐阜の労働局、ハローワーク美濃加茂、関労働基準監督署、中部経済産業局、坂祝町商工会、各務原商工会議所、関商工会議所、美濃加茂商工会議所、可児商工会議所、それから公益財団法人岐阜県産業経済振興センター、県の商工労働部、県の可茂県事務所ということで、この雇用、生産、産業活動、そういったことにまつわる地域の方々に幅広く参加をしていただいて、意見交換、情報交換、あるいはいろんな可能性についての示唆をいただくというか、そういう場にしたいと思っております。

記者
 知事もお入りになりますか。

知事
 私というよりも、これは非常に実務的な会議ですから、県の商工労働部が入りますので。

記者
 新型コロナの関係で、県が設けた指標5つのうち3つを、入院者の数も超えたかなと思うんですけれども、県として何か対応をとられる可能性というのはあるんでしょうか。

知事
 4連休を前に、先週、県の考えを、専門家会議もやり、それから市町村なり、各方面ともご相談をして、県の考えを一応打ち出させていただきました。これで4連休が終わりましたので、具体的なデータが出てくるのは、10日後とか2週間後とか言われていますけれども、この4週間の状況を情報収集しながら、それからPCR検査の結果も踏まえながら、この後、どういうふうに事態を評価し、これまでの対応にさらにどういうことを付け加えていくかと。
 正直申し上げまして、発生状況がさらに進んできているわけですから、私どもとしては、もう一段踏み込む方向で考えたいと思っております。これを第2波と呼ぶかどうかという議論もありますし、それから人によっては、2週間後にこの連休の結果が表れ、それがお盆休みの直前ですから、次の夏休みからお盆休みにかけての対策をどうするかというところに繋がってくる、そういうタイミングでありますので、この一両日、あるいは2,3日中に、積極的に分析をして、そして次のステップについて何がしか打ち出したいと思っております。
 私自身はあまり楽観はしておりません。ただ、由来が、このところのケースは相当部分が、愛知県というか名古屋由来で、かつ飲食、若者というのが出発点になって、それがいろいろな形で広がってきているということで、今、積極的にそれぞれクラスターになっているもの、あるいはその手前のものもいろいろありますけれども、一つひとつ丁寧に、それぞれを封じ込めるべく作業をしているところであります。根っこはそういうことですから、若い方々、そして名古屋を中心とした愛知県のそういった飲食、夜の街、そういったことについて、焦点をある程度絞って対応を考えるというのも一つのアプローチかと思っております。この辺はこれから急ぎご相談もし、議論もし、打ち出していきたいと思っております。

記者
 坂祝の周辺でいくと、10数年前に、美濃加茂市でソニーとか日立とかがああいうふうに撤退して、雇用問題が発生したこともあると思うんですけれども、現在、コロナで雇用情勢が大変厳しい中ですが、そういった最近の問題と比べて、今回の雇用の問題というのは、比較するとどんな印象でしょうか。

知事
 私自身、承知しておりますのは、パジェロとしては、岡崎工場に集約をするということでありますので、まず岡崎工場で仕事をしたい人をどういうふうに募るかというところから話が始まりますので、今、坂祝で仕事を得ている方々が、まず、岡崎工場に集約されるということについて、どういうふうにお考えになって、どういうふうにまずパジェロ製造と話をされるか。
 それで、どうしても行きたいという方もおられれば、どうしても行きたくないという方もおられるでしょうし、その辺りがまだ、これから徐々に見えてくるのではないかと思いますので、そういったことを丁寧にやっていきたいと思っております。

記者
 パジェロ製造は10数年前にやはり一度、撤退のような動きがあったと思うんですが、県と町で覆してとどまってもらったという経緯があったと思うんですけれども、今回はそういうことは、時代の流れというか、ないということでしょうか。

知事
 あの時も同じようなことで、パジェロの生産体制をどうするかと。しかしまだ、パジェロというものの相当のマーケットがあるという前提での話でありました。今回は、やはり海外市場、特に欧州市場の環境規制とか、世界全体のマーケットの中でのパジェロの位置づけとか、そういったことをお考えになって、やはり、集約をするというよりも縮小集約ですよね。そういう方向で行かざるを得ないということでありますので、これはそういうご決断をされたということですから、それとして受け止めたうえで、いかに円滑にその後の対応をして行くかということで、丁寧にやっていきたいと。こういうことですね。

司会
 では以上を持ちまして、囲み取材を終了させていただきます。

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