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知事記者会見録(令和7年12月23日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和7年12月23日(火曜日)14時00分

司会
​それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
知事お願いいたします。

知事
今年最後の会見ですかね。お手元にA3の一枚紙をお配りして、今年一年を振り返ってということで今日は発表をさせていただきたいと思っております。その後で、今年の(漢字)一文字ということで、(今年の漢字一文字を書いた紙は後で発表するために)封印してありますので、まだ職員も誰も知らないので、当たったら良いことあるよということにしたいと思います。こちら(資料)をご覧いただいて、正確には私が就任してからということになりますが、約10か月の中で行ってきたことについて振り返りさせていただきたいと思います。
まず、資料にないところでありますが、着任早々予算の組替えということで、1週間、実質3日で、予算の組替えをさせていただいて、県政が始まったところなのですが、特に話題として皆さん注目していただいたのは、政策オリンピック。これは選挙の頃から皆さんの意見を踏まえて政策を作っていく。特に、市町村の皆さんと一緒にやるということで、第一弾としては、住民参加型の防災訓練ということです。この間の議会でも言いましたが、元々の背景は自治会、地域のまとまりだとか協力体制、これを本当に復活させたいという思いが一つと、そしてこれは(山県市)美山出身の私ならではかもしれませんが、鳥獣害対策、特にサルについて待ったなしの状況だと。ここに来てクマが大きな話題になりましたが、やはりイノシシやシカと違って、非常に賢い動物であるがゆえに、個々の農家が対応するのではこれは無理だと。地域で対応しようということで、ニホンザルの対策と、住民参加型訓練、これを第一弾として発表させていただきました。それで、特に防災訓練というのは非常に大事ということもありまして、最初に採択されなかった方々についても応援すると同時に、第二弾ということで、「ふたつのふるさと(海・山の防災交流)事業」ということで、今度は海と山の連携という中で、防災訓練を行い、繋がりを作っていこうということを行いましたし、先回りのように言ってしまいますと、12月に募集を開始した第三弾では、アグリパークということで、これからまさに募集をしていくところです。さらに9月には、政策オリンピックのテーマを募集するというのもやらせていただいたところでございます。そして、(資料の)ハイライトにしている箇所を中心にお話をしたいと思いますが、大きな行事という意味においては、「全国都市緑化ぎふフェア」が、佳子内親王殿下のご臨席を賜りまして、4月23日から6月15日まで、県営都市公園6か所プラスアルファということで会場にして、まさに緑の県であるがゆえに、その良さを存分に発揮するということで、200万人の方にご来場いただき非常に大盛況だったかなと思っております。そして5月には、長年の懸案事項でありました旧岐阜県庁舎、この活用に向けて、県では初めてですか、サウンディング型市場調査ということで、皆さんのアイデアを募って、将来の活用方法を考えるということで、今オンザウェイですが、最終発表は今月26日に公表したいと思っておりますので、お楽しみにしてください。そして、5月には20階の展望ロビーということで、5月24日から、平日はこれまでもやってきたのですが、土日祝日の開放というのを試行的に始めさせていただき、おかげ様で大変好評だったこともあって、9月6日以降も、これが本格稼働になりますが、(来庁者の)割合が高かったのは、特に長良川の花火大会などの時には、夜9時まで開けてみたのですが、当初の想定をはるかに上回る人気で、特に車椅子の方や赤ちゃん連れの方々に大変好評だったというのがちょっと印象に残っております。これもしっかり今後も続けていきたいなと思っております。そして、その同じタイミングと言いますか、(県庁舎の) 20階だけではもったいないということで、1階にありますGALLERY GIFUで、7月30日から、原則2週間ごとに、県内各自治体の発信したいものを自治体と一緒になってやるということで、最初の笠松町(とコラボした企画展)については、「ウマ娘シンデレラグレイ」(を題材にして)おかげ様で約1万6千人(の来場者があり)、はるかに予想を上回って、全国から集まっていただきまして、GALLERY GIFUとしての本領発揮だったかなと思います。その後の第2弾以降は、2週間交代でどんどん進めているという状況でございます。そして6月に、大きな行事としては、やはり何と言っても大阪・関西万博でありまして、「『清流の国ぎふ』絵巻 ~輝く“いのち„の処方箋~」をテーマとして、19団体500名の方に出場していただきました。そして、国際交流は全県で一番ということで、8つの国々とのコラボをしたりとか、この2日間で延べ1万8千人の方にご来場いただきましたし、本当に若者、それから伝統芸能等、いろいろ発信いたしましたし、私も合氣道の演武をさせていただくと、伝統芸能のところで少し出させていただいたところです。そして、7月になりますと、暑い今年の夏だったのですが、やはり県有施設の有効活用という中で、「県民文化の森 夏のワクワクプロジェクト」と称しまして、図書館、美術館に多くの方が、涼を取っていただくと同時に文化に親しんでいただきたいということで、開場時間を朝早くからにして、その中でモーニングサービスを提供したり、あとはじゃぶじゃぶ池、子どもたちが遊べる場所も綺麗にするということで、まさに県有施設の有効活用というトライアルをやらせていただきました。次に8月になると、政策的な発信ということで、「木の国、山の国」として、この山の強みを生かしたバイオコークス、特に山の木から石炭と同じ硬さ、密度のエネルギー源を作り出すということで、これは近畿大学の特許ですが、これを本格的に推進するための研究会を始めまして、資源エネルギー庁なども巻き込みながら、こんな取組を始めているところでおります。これはまさにオンザウェイで、大事な取組かなと思っております。9月には、先ほど申し上げました政策オリンピックのテーマ募集をやってみたりとか、さらなるサウンディング調査ということで、第2弾の南飛騨健康増進センターについても、これも長年の懸案事項だったものを、県民の皆様のお知恵をいただきながら考えてみるという取組をさせていただきました。そして10月になりますと、「大関ケ原祭2025」、「世界三大古戦場サミット」で、おかげ様で7万人の方に来ていただくような大イベントになりましたし、さらには三大古戦場ということで、ベルギーのワーテルロー、アメリカのゲティスバークなどから関係者にお越しいただきまして、これも非常に有意義な取組になったかなと感じております。そして、この時期にこうした取組を発信することが大事だということで、県庁内の若手を中心に、やはりどうしても県がやっていることが若手に届きにくいという話がありましたので、これをまさにテーマに、若手向けには若手が考えるということで、公式インスタグラム「【公式】岐阜県広報」ということで発信をさせていただいております。その中では、政策、制度はもちろんそうなのですが、イベントの告知、防災・くらしの安心情報のほか、こうした会見のダイジェスト版だとか、やはり若者は動画を見るのが多いということで、15秒の動画でということ、そして自治体とのコラボ企画だとか、ショートドラマで若手の方にシナリオを考えていただいて、私もしょっちゅう出演しろと言われて、その場でいきなりシナリオを渡されてやるというのが多々ありまして、反論を許さずみたいな、そういうことの中で、私も舌を噛みながらやらせていただいているところでございます。おかげ様で、フォロワーもすごく増えておりまして、こういったいろんな取組というのに価値を感じているところです。そして、この10月には非常に大きな取組として「ねんりんピック岐阜2025」、これもおかげ様で約60万人の方々にお越しいただく大イベントになりました。県内では55種目ということで、スポーツやレクリエーション、オープニングから非常に皆さんが笑顔で、楽しくやっていただきました。開会式には彬子女王殿下にお越しいただき、オープニングは少し天気が心配されましたが、おかげ様で武将隊の行進その他ということで、本当に良かったですし、高校生の方々のオープニング、そして盛り上げていただいた応援団、県岐商の方々は本当に好評でしたし、お弁当、特に飛騨牛弁当が大好評で、これはどこへ行ったら買えるのという問い合わせをかなりいただきました。少し残念だったのはねんりんピックバッジを買いたいという人がすごくたくさんいて、売っていませんよということで、売っておけば良かったなというぐらい、大変ありがたい状況でした。それで、こうした取組と併せて、「ぎふモーニングプロジェクト」、これもおかげ様で1万人のお客さんを迎える中で、2万冊の割引券付きチケット、これも大好評でありました。おかげ様でこれを踏まえて、来年の本格的なデータ取得の政策に繋がっていくという、非常にありがたい状況でございます。ちなみに、先ほどの三大古戦場サミット、ねんりんピック岐阜2025、これらはスタッフの皆様の知恵によって本当に大幅に予算を節約しながらも大成功を収めた、非常に良い例になったのではないかなと思っております。そして、その一方で、10月になると、不安なツキノワグマの出没件数が増えてきまして、いろんな取組、私も田舎の出身なのでクマとの戦い方は他の動物と違うと認識しておりましたので、まずは県としては多分最初だと思いますが、ドローンを使って、まず近づけないということが大事で、出てきてから撃つというのが基本なのですが、クマはなかなか撃っても死なないということでなかなか大変で、撃つ人も非常に危険なので、こうした取組をやっていました。今後もまたその検証をしながら、次なる取組につなげていきたいなと思っております。そして12月になりますと、「岐阜圏域のまちづくりフォーラム」、これも本当におかげ様でパネルディスカッションなどが大好評でありまして、会場一杯の364名、プラスでホワイエと20階と、あとオンラインということで、大変有意義な議論になったかなと思っております。こうした取組をやらせていただきまして、新しい時代が始まるんだぞということを皆さんに持っていただけたのではないかなと思っております。何が始まるのだろうというワクワク感はあるのですが、まだまだ前との違いだとかいろんなことを思っておられる方が多いかと思っておりますので、まさに今年一年間は新しいことが始まるのではないかという、ワクワク感と期待と、本格的な夜明けが始まるぞという、そんな年になったのではないかなと思います。そして、ここで今年の漢字一文字を発表して良いでしょうか。まさに今申し上げたように、来年が本格的な予算、そうした仕組み、制度づくりになりますので、今年はそれに向けて、一日の夜が明けるということで、「暁」ということです。まさにこれから夜は明けるぞということを感じていただければと思っています。まさに新しい日が始まる、その実感を感じさせる、そんな一年になったのでないか、そんな思いを込めて「暁」と書かせていただきました。

記者
今年1年間、知事に就任されてから印象に残っていることを教えてください。

知事
私、先ほど1個項目を飛ばしてしまいました。「働いてもらい方改革」について言いませんでしたね。そのために残したわけではないのですが、やはり社会が変わっていくんだということで、その大きなきっかけとして、我々は「働いてもらい方改革」、特に女性の活躍ということを言ってきたところなのですが、ちょうど総理も日本の憲政史上初の女性総理ということで、やはり新しい時代が始まるんだなということを私自身も感じました。そして、特に嬉しかったのは、世の中全体が最低賃金引き上げ、物価高対策だということで、どうしてもそちらの制度の方に話が行きがちな中で、県内にもう既に答えを出しておられる企業さんがたくさんいらっしゃるということ。特に、今まで働けていなかった方を積極的に採用し、その方々が活躍できるように、会社そのものが変わっていく中で、ものすごく生産性を上げて、設備投資もできて、さらに多くの方を雇用できるという見事な流れを実現していらっしゃる企業さんが、坂口捺染さんが代表なのですが、今では30社となり、この後も50社まで広げていこうと思っていますが、着実に世の中が変わっていくんだという流れが始まっているなと。それが私としては一番印象的であり、手応えかなと思います。

記者
少し難しい質問になるかもしれないですが、知事がご自身で今年の自分のことを振り返って評価するとすれば、何点くらいになるか教えていただけますか。

知事
この文字(「暁」)にあるように、まさにこれからだと思っていますので、今まではある意味一つ知事としての役割、期待されることをどこまでしっかりできたかということにおいては、まだまだ十分ではないかもしれないと思っています。ただ、ありがたいことに、やはり職員の皆さん、そして経済界の方々、いろんな制度を言っておられる方々が同じ思いでやっていただけたので、私の足りないところを皆さんに補っていただきながら、まずは初年度としては、それなりの流れができたのではないかなと思っています。あと、問題は、この県庁の中でも、私と日々触れておられる方は、私が何を考え、どうしたいのかということをご理解いただけていると思うのですが、やはりなかなかこれだけ大きな組織なので、現場のところまで届くにはやはり時間がかかるかなと、それは感じております。なので、1年経って、こういうことをやりたいんだなと。それで、特に若者の発信も含めて、県民の皆さんをはじめ、多くの方にご理解いただくための助走期間だったかなと思っていますので、まさにこれから本格稼働に向けて頑張っていきたいなと思っています。

記者
(資料に)飛騨・世界生活文化センターのサウンディング型市場調査の開始とあるのですが、昨日担当課の方に伺わせてもらいましたら、休館の時期ですとか、サウンディング型調査の時期も少し延長する、延期するということだったのですが、そちらのリリースははいつ頃いただけますでしょうか。

観光文化スポーツ部
サウンディング型調査の延期については、年内にリリースさせていただく予定です。

知事
先ほど私もちょうど文章のチェックをしていましたので、そんなに時間をかけずにできると思います。

記者
新しいワクワク感がある1年だったということで、いろいろと事業があると思いますが、とりわけこれだというものを2つ、3つ、知事の中であれば教えてください。

知事
ワクワク感というか、やはりやって良かったなと思ったのは政策オリンピックでありまして、特に防災訓練に関しては、いろんなところからお礼の連絡をいただいております。やはり皆さんも、防災訓練とか自治会を何とかしたいという思いの方が多かったのですが、その中で今回は、そんなに大きな額ではありませんが、県費で全部持つということで、やりたいことをやって、できたと。それによって、子どもからお年寄りまで皆さんが参加できたというので、本当に良かったという声をたくさんいただいております。なので、県が「こうだ。」と決めて押し付けるのではなくて、県民の皆さんの中のそういった思いを汲み上げることができたということが一番良かったですし、すごく手応えを感じた一年でありました。

記者
事業の見直しをやっている最中だと思うのですが、県の当初予算の規模が、大体ここ数年8,800億円ぐらいできていると思うのですが、その予算の規模自体は、小さくするとか、そういったお考えはあるのでしょうか。

知事
これは、国からの交付金の割合が非常に大きいので、国の政策との連動部分は大きくなります。ただ、意識して小さくしようというつもりはありません。やはり、今必要なことをしっかりやっていくと同時に、これまでの借金もちゃんと返していくという、なかなかまた先にはなるのですが、まさに高市総理が「責任ある積極財政」とおっしゃっておられる。これはやはり、「責任ある」というところも重要でありまして、何のためにそのお金を使うのだということをしっかりするということと、やはり将来に対して責任があるということだと思います。将来のために使っていくということであるならば、縮むことだけが将来のためというよりは、本当にこれからの世代、もちろん今の世代もそうなのですが、より良い県民生活ができる、そうした生活を送ることができるためのお金をしっかり使っていきたいと思っています。

記者
この間の県政自民クラブからの要望の中で、特に公共事業費が、県単と国費合わせて 900億円の維持をお願いしますということが県議の方からもあったと思うのですが、そこのところの考え方というのは改めてどうでしょうか。

知事
これは、長いこうした予算の歴史の中で、公共事業と県単枠とは違うものだということで議論されていることが多いのですが、実際予算そのものは、そんなに綺麗に分かれるものではなくて、というよりはむしろ、県単枠というのが非常にきめ細かい、痒いところに手が届く予算というイメージだと思いますが、国の予算であってもそのように使えるものはありますので、そうしたものもいろいろ、単純に今までのように「はい、分かりました。これはこっち。」というわけにはいかないぐらい財政は厳しいので、国のお金もしっかり使いながら、そして国から来るお金をもらいにいくだけではなくて、使いやすいお金を、予算を作ってくださいというのも含めて、その要望にはしっかり応えていきたいと思っています。

記者
今年も6月補正の段階で、国側のお金を多めに使って、前年並みということでまとめられたと思うのですが、基本的にはそういう方向性でいきたいということでしょうか。

知事
まず、国のお金はしっかり、もらえるものはもらっていきたいと思っていますし、ただ、国が示した使い方だけではなかなか自由度がないし、やはり現場、先ほどの思いが伝わるのも同じように、やはり建設業の現場まで本当に届く予算かどうかというので、県単・公共という議論があるだろうと思いますので、むしろ目配りをしながら、現場まで予算が届くような、これは必ずしも額だけではなくて、使い方も含めていろいろ知恵を絞っていきたいなと思っています。

記者
LRTの関係で、年度内を目途に検討体制を構築するということですが、来年中のその後の展開というのは、今どういう絵を描いているのでしょうか。

知事
先だってのフォーラムで、いろんなお知恵もいただきました。先日岡山でも、地方鉄道再生の神様と呼ばれる方からいろんなアドバイスをいただきましたので、ある意味、これから検討する材料を揃えた上で、より具体的に進めていきたいと思っています。特に、補正予算で認めていただいたシミュレーション、単純に今は、「今のところに電車を引いたらどうするか。」みたいな、そんな乱暴な議論なのですが、実際には当然乗り換えが起こるわけですし、逆にそれに伴ってまちづくりも変わっていくと、そういう中でいろんなシナリオがあるのだろうと思いますが、そうしたものをより議論をする材料を示しながら、議論を深化させていく、そんな年にしたいと思っています。

記者
12月13日の講演の中で、岐阜市の郊外の方は、LRTが自動運転バスを繋ぐイメージをお持ちだとか、あるいは音楽ホールを駅前再開発に入れたいだとか、中心部に魚市場を持ってきてみたいなお話がありましたが、その辺の真意はどう捉えて良いのでしょうか。

知事
私の講演を聞いていただいた方はお分かりだと思いますが、LRTを引きたいわけではなくて、まさにこの県都岐阜市を中心とする岐阜圏域にいかに人が集まるような仕組みを作っていくのかと。これは、他県と比べてはいけないのかもしれませんが、一般的なところからすると、岐阜市には良いものがたくさんあります。逆に、良いものがあるが故に単品勝負ができてきたのですが、それを面的に繋ぐことによって、さらに良いものにしたいという中で、その一つのツールとしてLRTが良いのではないかと。特に、今住んでいる人たちだけではなくて、外から来た人、初めて岐阜を訪れる外国の方なども視野に入れた時にどうかということ。それから、やはり高齢化が進む中で、車椅子、特にこの間フォーラムにありましたように、やはり人の手を借りなくても移動したいという、本当に切実な思いだと思いますが、そうしたものを実現する。さらには、赤ちゃんを連れたベビーカーを押した方々が広く動く時にはどういう方法が良いのかという中で、我々としては今のところLRTが良いのではないかと。ただ、それよりも良いものがあれば、もちろんその余地はあると思いますが、その中で、いきなり自動運転というよりは、今の路線バスを繋いでいき、さらには団地の中の、今一人暮らしのお年寄りが増えていますので、そういうところこそ自動運転で、むしろゆっくり走ってくれる方が良かったりとか、それによって、家の中に閉じ籠るお年寄りを減らしていくというようなまちづくり、そして交通網だけでまちが発展するわけではありませんので、ストラスブールがそうであるように、この間の宇都宮もそうであるように、そういったインフラに合わせて投資があり、お店だったりとか、公共施設、そういったものが繋がっていく中で人が集まってくる。だから今住んでいる人を前提にだけものを考えると、なかなか答えは出ないのかもしれませんが、その中で、やはり岐阜県にとっての憧れの海ということで、(魚市場は)一つの魅力かなと。これはまだまだ個人的な希望ではあるのですが、そうしたもの、今せっかく岐阜城も綺麗になり、「岐阜城楽市」もできた中で、そうしたものはやはり歩いて行けるまちにするということ、そうしたことを、まちをどう作るのかというコンセプトの中で、いろんな議論ができてくるかなと。それをいろいろまた発信しながら、皆さんのご意見を伺って進めていきたいと思っています。

記者
そもそもまちづくりというと、都道府県が主体というよりは、市町村がメインでやっていくようなイメージがあるのですが、知事としては、県は主導するお立場でご発言されているのか、あるいはあくまで岐阜市、羽島市に提案しているのだというような立場なのか、その辺どうでしょうか。

知事
基本的には(県は)提案する立場なのですが、例えば市を跨るものはなかなか市の中では出てこないです。特に、岐阜圏域といった時に、複数の市町を跨るものが一つというのと、インフラを整備するに当たって、今回は県道をベースにといった時に、市町がアイデアを上げても、やはり県が「うん」と言ってくれないから(できない)というのは非常にたくさん聞いています。これは岐阜県だけではないのですが、そういう声を聞く中で、そもそも広域を議論の対象にできる県がそうしたものを提案するということが、ある意味地域にとってもより効率的ではないかということで、提案ベースでありますが、普通は市からの提案を待って、県がどうするかを決めるというのが普通の流れなのですが、おそらくそれでは多分今の世の中が変わろうという流れにはそぐわないだろうと。お互いに知恵を出しながらという、その流れとして、今まで待ちの姿勢であった県の方から先にいろんな提案をし、市の方でも取組をしておられるので、そういった議論を進めていく、今度の組織体はそういったことができる場所にしたいなと思っています。

記者
来年1月に岐阜市長選が行われるのですが、まちづくりというところも大きな争点、大きなテーマになってくると思うのですが、その辺りについてどういった論戦を期待するのかについて教えてください。

知事
現職の柴橋市長さんは、やはり子ども真ん中、ファーストということでやってこられましたので、そういったところに中心を置かれますが、まだ詳細は聞いておりませんが、もう一人立候補された大須賀さんもどちらかというと弱者というか、弱い人のという観点で、あまり目立った論点の違いはないのかなという感じはしておりますが、ただその中で、重点の置き方、そして多分議論の広がりの中で、まちづくりをどうしていくのかということが議論されると良いかなと。逆に言うと、今、県の方から提案している公共交通は当然議論になるでしょうから、その中でいろいろな方がいろいろな思いを出していただく、そんな機会になれば良いかなと思っています。

記者
今、政府が物価高対策で進めているお米券についてお伺いいたします。少し前になりますが、弊社の方でも42市町村のアンケートをしまして、今のところ、24市町村が別の方法で対応するということで、私の把握している限りでは、その後もお米券を配布するというところが出ていないと思うのですが、この政府のお米券の政策について知事の評価をお願いします。

知事
これも終わってみないと分からないところがあるのですが、どれぐらいお米を入手することが切実かということと、あと一部に言われているように、お米券はもう金額と関係ないと思ってしまうと、今の米の価格に対する影響があるのかないのか。これは実はやってみないと分からないところがあって、ありがたいことに、この中部地域というのは、全国的に見てもお米の価格が下がりにくい地域と言われています。ということは何かというと、それだけお金が払える、払っても美味しいもの、高いものを買いたいという人が多いという地域なのです。ですから、そういう地域において、このお米券がどれくらい効果を持つかどうかというのは、もらった人の感覚に大分左右されるかなと。とにかく値段はいいんだと、とにかくお米が欲しいという人にとっては、お米券は一つの政策として、これは十分あり得ると思うのですが、そういった層がこの地域にどれくらいいらっしゃるのか、逆にそういう層にはお米券ではないやり方も本当はあるのかもしれないというのも、今回のお米券のいろんな議論の中で、私自身もどうなのかなと思って、ちょっと見守っているという感じです。

記者
少し踏み込んでお聞きしますが、知事としては、やはり別の方法でも良かったのではないかという思いはあったりするのでしょうか。

知事
我々、米に関する協議会をやっておりますが、その中で、生産者も作りたくなるような仕組みがいるのかなと思っています。それは買う人だけではなくて、生産する側もお米が一体いくらになるのだろうと、お米というものを今消費者はどのように評価してるのだろうかということの一つが価格という指標になるのですが、お米券だと見えなくなってしまう部分があるので、そういう点で、終わってみないと分からないと言いますか、実は実際にまだ使っている人もそんなにいないわけですから、良かったのかどうなのか。それも同じことでも良かったという人もいれば、悪かったという人もいるでしょうから、そこは正直、私もこの間財務大臣からも同じ質問をされて、「どうですかね。」とお答えしたところなのですが、そうした点が日本中(の評価)として近いかなという感じです。

記者
今、国の方で議論が進んでいる衆議院の議員定数削減の関係でお伺いします。弊社の紙面でも紹介させていただいたのですが、共同通信さんのアンケートで、江崎知事の回答もご紹介させていただいたのですが、今のところ賛否については「どちらとも言えない」というところだったと思うのですが、その理由については、「議員は国民の思いを反映する極めて重要な役割を担っており、数ありきではなく地方の声が確実に国政に届く体制を国会で慎重に議論する必要がある。」とご回答されていたと思うのですが、せっかくこの会見の場ですので、その思いを詳しくお聞かせ願えたらと思います。

知事
これは衆議院だけではなくて、国会議員というものの役割がどういうことなのかということに踏み込むことになるのですが、今まさにこの国は東京一極集中という形で、単純に頭割りすれば、東京にいる人の意見でこの国全体が動いてしまう。それは各地方の皆さんが思っていることだと思います。ただ、それを実現する方法として、この人数が良いのか、この仕組みが良いのか、もちろん参議院も含めて、やはり地方の声をしっかり届けるということは大事かなと思っています。特に、我々岐阜県は東京からちょっと距離があるのですが、お隣にある県からすると、まさに隣に全部持っていかれるみたいな、そんな議論をする中で、ますます人数割で、まさに国の法律まで変えることができる、その仕組みが単純に人数割で良いのかということについては単純な議論はすべきではないと思っています。特に、私も東京に住んでいましたが、そこに住んでいる人がこの国のすべて理想的な生活をしているかというと、多分子育ても含めて、老後も含めて、いろんな課題がある中で、それは東京の中だけでは解決できない。先ほどのご質問にありましたように、市だけでまちづくりができないように、東京都だけでこの国の全ての課題は解決できない。むしろ、かえって東京であるがゆえに解決できない課題が多いと思いますので、そうした声をしっかり国政の中で、法律も含めて改正する中で、この国会議員の数というか、区割りも含めたあり方は結構重要なテーマかなと思っています。

記者
飛騨・世界生活文化センター(の運営)を、2027年3月末まで延長するという方針に変えられた意図を聞かせていただきたいのと、そもそもこちらは県が総事業費170億円かけて建設されていると思うのですが、この施設はどのようになっていってほしいのか、知事の考えを聞かせてください。

知事
私が昔、(商工労働)部長でいた頃から、この施設をどうするのかという話をずっとしていましたので、そういう点では、ある意味、県政を超えてやられてきた議論であることは知っております。今回、これまで(サウンディング調査を)行った2施設は事実上ほとんど使われていないようなところが多かったのですが、今回は、ある程度使われている場所だということ。もちろん南飛騨健康増進センターも多少はあるのですが、地域の方も含めて、「あれ、何とかせないかん。」という思いが非常に強かったところです。それに対して今回のものについては、施設はものすごく立派です。であるがゆえに、逆に維持費がめちゃくちゃ高いです。これを今までどおりで良いのかという意味においては、もう待ったなしぐらい追い詰められた状況です。ただ、実際にはこの3つの中で一番使っている方が多いので、少なくとも今回、指定管理者の期限が切れるこのタイミングに何か議論をしないといけないということが、まさに今回の議論のスタートです。その中で、今既に使っておられる方の影響を最も小さくするということで、今予約が入っている時期までは全部予定どおりやろうということで、本来であるならば、指定管理期間が切れるこの4月で切ってしまうということがあるのですが、それではあまりにもということで、当初9月と、それまでの時間をかけてやろうとしたのですが、それでも、今使っておられる方々には代替案ということで、同じような規模で、場合によっては利用料の補助をします(高山市の生涯学習・スポーツ施設使用登録団体に対する減免制度)という案をいくつかリストとしてご提示してきたのですが、やはり今までどおりが良いということです。実際、全体提示を、その中の方々に8月から(説明を)やっていることはご存知なので、その上であのような(唐突だという)意見が出てくるのは非常に残念としか言いようが無いなと。ただ実際には、確かに今予約が入っているところだけで終わりで良いのかという議論もありますし、元々高山市さんをはじめ、いろんな使い方も模索しているところです。なので、少し考える時間が欲しいという議論もありましたので、サウンディング型調査を始めたのですが、問い合わせはあるのですが、幸いまだ正式な申請がないので、今ならちょっと修正が効くということで、そうした意見も踏まえて、少し見直しをしようかなと、そういった流れに至ったというものです。

記者
国の政策の関連ですが、給食費の無償化の話で、先日、自民党、公明党、維新の会が一人あたり月額5,200円を支援するという方針を決定しました。国が半分、都道府県が半分出して、都道府県の分については交付税で補填ということですが、こちらについて、まずは知事の受け止めからお願いできますか。

知事
今全体の流れとして、子育てに関する経費を親ではなく公的なところが持とうということは、一つの流れかなと思っております。その一方で、この中の議論で一番大事かなと元々思っているのは、今食べている子どもたちの給食があれで十分なのかということで、今、私は県内の小中学校の給食をずっと食べて回っています。これで5か所かな、今度6か所目に行くのですが、その中でやはり我々が食べていた頃に比べて「うん?」というところもないわけではないとすると、タダかどうかにちょっと議論が行き過ぎているなという感じがしております。ただ、今回一つ良かったなと思うのは、議論の途中で提示されたのが、月額4,700円が全国平均だと。他方で、令和7年度に岐阜県で調査したら月額5,022円。物価高の流れの中で、(支援の基準額が)今回5,200円となりましたが、それは4,700円を前提に、物価高を加えて5,200円になっている。ということは、今の5,022円と比較して、さて一体どれぐらいが適当なのかということもあろうかなと。もちろん、これは単純に議論はできませんが、ただ、今のままで良いのかという議論をしっかりしていくと。今回は無償ということですので、親の負担は少ない。その中で自治体と折半、ただし自治体部分は国がみると言っておられる。ただ、自治体が楽になれば良いという議論よりも、例えば、この岐阜県の中で学び育つ子どもたちにもっと良い給食が出せるのではないか、ということを県としてはしっかり追求していきたいなと。その中で、誰がどれくらい負担するのかという議論、場合によっては今回も、親の負担も決して排除するものではないという注意がついておりますので、やはりこの地域ではもっと良いもの、場合によっては、生産者も含めて、子どもたちのためにというそちらの議論こそもっとされるべきかなと思っておりますので、先日の知事会でも、その点を県として強く主張したところですが、そういったところを引き続き県としては問うていきたいと思います。

記者
我々の世代よりも、「うん?」と思う部分もあるというのは、具体的に言うと、どういったところでしょうか。

知事
色です。パッと見、全体が黒い。もっとカラフルだったなという印象があります。自分が子どもだったからなのかもしれませんし、これが全ての答えではないのですが、もちろん今いろいろなアレルギーを持っている子どもたちや、異物混入など、いろんな議論の中で、栄養士の方も苦労されているなと思うのは、調達できる範囲がものすごく狭くなっている。その中で栄養計算をすると、やはりこうなってしまうのかなという感じがしています。ただ一方で、ある学校でこれ良いなと思ったものがあったのですが、それは何と子どもたちがメニューを考えていました。やはり子どもたちはこういうものが食べたいのだろうなというのも分かるし、量にしても、もちろん味はどれも美味しいのですが、もちろん栄養バランスはどれもできているのですが、やはり食べたいと思うかどうかというのが大事だと思っていますので、そういう点では今の議論、金額の議論ばかりが先行していますが、そうではない、やはり子どもたちが食べたいと思うようなもの。もちろんアレルギーもあるので、そこはしっかり踏まえながらも、もっとやれる余地があるのではないかなということです。

記者
要は質を良くしていこうというところだと思うのですが、そうなると金額がどんどん青天井に高くなっていくという恐れもあるかなと思うのですが、その辺り、金額とのバランスという面で、どのような案をお考えなのでしょうか。

知事
これは、ある意味ルールとの兼ね合いや、先ほどのリスクとの兼ね合いになりますが、実際には、地元で採れた野菜をというと必ず出てくる議論が、その中に何か混入していたらどうするのかとか、いつものところにはその心配がないから、という議論が必ず出てきます。しかし、近所の農家さんが丹精込めたものを食べてもらうということ自体は、私はしっかりチェックすれば良いのであって、それを排除する必要はないかなと。もっと言うと、通常のルートから買うと通常の値段ですが、例えばモーニングサービスがそうであるように、学校に出すのならこの値段で良いよなど、そういった自由度がもっと認められても良いのではないかと。また、セントラルキッチン方式になってしまうと、どうしても何千食作らなければならないので、これしかできませんというのは基本ですが、今、幸いなことに、岐阜県の場合は小さな単位の学校が多く、学校で給食を作るところの方がバリエーションが豊富になるし、彩りもそうだし、食材の選択肢も増えているなというのは、偽らざるところ感じておりますので、そうした方向も含めて、いろいろやり方があるかなと思っています。

記者
確認ですが、要は地元の野菜を使うことを促す政策も考えていくべきなのではないかということでしょうか。

知事
そうですね。これは元々一般的に言われていることですが、今、農業政策そのものを地産地消から地消地産に変えようと。だから今、この地域でほうれん草をたくさん作っているから、毎食給食にほうれん草をということが割と今まで多かったのですが、そうではなく、子どもたちが食べたいメニューを聞いて、じゃあブロッコリーや、なんとか野菜というものを地元で作れませんかと。これを例えばアグリパークとセットにしながら、そこの中でしっかりとチェックをしたものが給食に出るとなると、子どもたちにとってもワクワクするし、周りで作る人たちにとってもいろんなチャンスを提供できるかなと。ある意味、給食というのは非常に大きなマーケットでもありますので、その部分をこうした農業そのものの発展、そして子どもたちの食べたい気持ちを伸ばしていくには、この2つが相乗効果を出す方法ではあるかなと思います。

記者
飛騨・世界生活文化センターの件ですが、まだ申請がなくて修正が効くので見直すということだったのですが、再来年3月まで開館を延長するということで良いのでしょうか。

知事
9月で一旦全部止めようかなと思っていたのを、3月ぐらいまで延長すると。その間に考える期間も増えるし、いろんな選択肢も考えられると思います。特に高山市さんからもう少し時間が欲しいという議論がありましたので、ではどこまで引っ張るのかというと、逆に延長すればそれだけ維持費がかかりますので、その後の兼ね合いで、まずは一つの区切りとして3月までということにしたところです。

記者
3月まで延長して、サウンディング型調査も延長するということでしたが、この延長している期間に何らか調査には着手するということでしょうか。

知事
もちろん、サウンディング型調査を止めるわけではないです。

記者
来年4月からの運営も、これまでのフル運営ではなく、休館日を増やすなど、少し抑えたと聞いてはいますが。

知事
おっしゃるとおりです。

記者
仮に9月から延びた場合も、短縮や少し抑えた営業の形で伸びると考えたら良いですか。

知事
年間3億円近くかかってますから、フルで開けてしまうと、それだけ維持費がかかってしまいますので、まさに必要なところに絞って、できるだけミニマム運用にしたいなと思います。