本文
※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。
司会
それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
知事お願いいたします。
知事
今日は、私の方から4点、ご報告させていただきます。まず1つ目は、今、話題になってしまっていますクマの対策です。先般、ドローンによる対策をということで少しお話をさせていただきましたが、いよいよ実施に移す体制になってまいりました。今度の金曜日、11月14日。場所は、まずは、飛騨市古川町内で実施をするということで今準備を進めています。あと2箇所も、今順次(準備を)進めておりますので、追ってまたご報告をさせていただきます。特に、今回の対策のポイントは、お手元の資料で言いますと、「2 実施内容」のところで、ドローンを使います。今、ニュースを見ると、出てきたクマに対して緊急銃猟で駆逐するというのが基本なのですが、実際、私も田舎の育ちですが、(クマに)出会ってからでは対策を取るのも大変ですし、その対応も大変ですから、できるだけ追い払うということですね。駆逐するのではなく、追い払うということを中心にやりたいと思っています。ですから、まず人の生活圏から奥山に向かってドローンを飛ばすと。先だってNHKで、秋田県での取組が紹介されていましたが、あらぬ方向に走るのが1番困るので、住宅から奥へ奥へという形に追い立てるという取組をやりたいと思っています。従いまして、今まさに、現場の方々と共に、何機ドローンを使用するのか、どういうルートで飛ばすことによって効果的に追い払いができるかというのを、今回、実際にやってみるということでございます。既に取材の方が始まっていますが、取材希望の申し込み用紙をつけておきました。安全性の確保が必要ですので、申し込みをしていただいて、実際にその場の撮影に対応していただければありがたいなと思っております。イメージは、2ページ目にありますように、現在1番左側でありますが、緩衝地帯を超えて集落まで(クマが)出始めているということが、全国で起きています。岐阜県の場合は、一部で人身被害もありましたが、住宅に入ってきた、スーパーに入ってきたというところは、今のところそこまで行っておりませんので、逆に今のうちに、住宅のところから緩衝地帯を超えて、奥山の方に追い立てるというのをやりたいと思っております。今回は、とりあえず3箇所ということで、実際にこれ(ドローン)をお借りした委託をして、業者の方と相談しながら、そして、猟友会、その他皆さんと、どういうのが効果的なのかと。ドローンは、クマが嫌がると言われている犬の鳴き声や動物駆逐用の花火などを使いながら、どのように使うのがいいのかという、この実証にもなろうかと思っておりますので、これをやりながら、今後また本格的なやり方についての検討のデータにしたいと思っております。また、この情報そのものは、先だって滋賀県知事とも合意しておりましたが、近隣で必要なところにも、データとして提供していきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。是非取材をしていただいて、たまたま岐阜県だからではなく、全国的にも役に立つようなデータが取れるかと思っております。やり方やいろんなノウハウ、やっていくうちにわかるような様々な課題なども見えてくると思いますので、是非取材いただければと思っております。繰り返しになりますが、まずは、今のところ(ドローンでのクマの追い払いの実施が)決まったのが、11月14日の金曜日の13時から15時までの間。古川町地内で、場所はどこにするか、どういう方向にするか、これから検討しますので、よろしくお願いします。あと、今のところ2箇所ほど予定しておりますが、決まり次第記者発表しますので、よろしくお願いします。
環境エネルギー生活部
実際に現地の調査確認をしまして、明日の夕方、16時以降になろうかと思いますが、お申し込みいただいた報道機関の方にメールでご連絡をさせていただこうと思っております。
知事
これが1点目でございます。2点目ですが、いよいよ「働いてもらい方改革」第3弾ということで、今、国内中で課題になっている人手不足の問題を解決する1つの方策として、岐阜県では、「働いてもらい方改革」(を推進しています)。「働き方改革」というのは、いつも言っておりますように、今、働いている人たちの残業を減らすなどが「働き方改革」ですが、岐阜県の場合、「働いてもらい方改革」、今働けていない人も、働きやすい環境を作るということ、もちろん今働いている人もそうなのですが、そこに主眼を置いた形で進めておりまして、優良事例集の第3弾目を発表させていただきます。(事例集を)パラパラとめくっていただくと、今回の特徴は、全従業員正社員制というのが目立っていました。そして、最初のアルプス農場さんですと、1分単位で時給制を敷くということですね。そして、全従業員正社員ということ。正社員になるということは当然のことですが、社会保障なども全部支払うと。そのコストがあったとしても、生産性が上がる、売り上げが上がるということで、十分企業としてやっていけるということです。ただ単に取組ましたというよりも、実績が上がっているというものでございます。まず、お手元の(事例集の中から)事例を1つ2つご紹介すると、アルプス農場さん。1分単位の時給制で全従業員正社員によって、本当に働きやすい(環境です)。逆に言うと、遅刻、早退、中抜けがしやすいのです。これまで、「2時間働かなきゃ」などではなく、「ちょっとごめんなさい。抜けてきます」、戻ってきて、「ごめんなさい。これからちょっと頑張ります」ということで、現在、従業員16名中15名が女性ということです。そして、1ページ目のアルプス農場の1番下ですが、実は女性の方がほとんどなのですが、フォークリフトなどの各種機械、昔は、「これは男の仕事だ」と言われたところも、女性がやれるということ。そして、女性の方でも、快適に過ごせるようなファンが回っている空調服を提供しながら、本当に快適に過ごせる環境をつくっていくということですね。その次のページにありますように、後半の方にトラクターやフォークリフト、大型重機の免許を積極的に取ろうと。全員正社員なので、「私はパートですから、ここだけお手伝い」ということではなく、やはりメンバーとして働けるところでしっかり働く。そのためには、身につけるべき資格も身につけるということで頑張っていただいた結果、収穫量が1.6倍になり、売り上げも3倍に向上するという、非常に企業としても素晴らしい実績を上げておられます。そして、その次の岩田製作所さん。こちらも全員を正社員にするのだということですね。4万5千点にわたる部品も、皆さんが一生懸命(手がけていて)。やりやすい環境をつくっていくというのは、ここのポイントかと思っております。ですので、働き方、ここは農業でありませんので、3パターンぐらいに分けて、仕事のしやすい環境にするというのと、2ページ目にありますように、ここも大事だなと思うのは、他のこれまでの第1弾、第2弾でもそうですが、業務のマニュアル化や多能工化という細分化というのは言ってきたのですが、その理由は何かというと、作業の属人化を防ぐこと。この人がいないと回らないということや設備投資ができない分この人が全部を負っているとなると、やはりその人が律速段階になってしまう。そうならないようにするということと、積極的に機械化を進める。第1弾でご紹介した坂口捺染さんがそうであったように、機械化を進めれば進めるほど、新しい人でも同じように働けるようになる。機械化が進んでいないと、この人にしかできないという業務が増えてしまうと。そこの部分を綺麗に整理しながら、見事にマニュアル化をすることによって、非常に生産性も上がるし、給与水準も3年連続で4%上げているという素晴らしいことだと思っておりますし、働きやすいということで、特に従業員ファーストということで頑張っておられます。興味深いのは、その(事例集)3番目の加藤製作所さん、この辺でやめときますが、人の募集、高齢者雇用を積極的にやっておられて、特に、真ん中やや下にあります、「意欲のある人を求めます。ただし、年齢制限あり。60歳以上の方」ということで、問い合わせが殺到したということです。今までは、「募集します。60歳以上の方でもいいですよ」というのが多かったのですが、年齢制限として、60歳以上の方だけを求めるということによって、これなら自分もいけるぞということで、本当に(応募が)殺到して、まさに365日稼働が実現したと。まさに電話が鳴りやまないほどの応募が殺到したということで、働きたいと思っている方に、こういう機会を与え、その方々が頑張っていただく。特に、次のページにあります、「高齢の方に優しく」ということをモットーに、照明で手元を明るくしたり、床にあるいろんなパイプやコードはよく足引っかかるので、これを天井に上げることによって何が起きたかというと、高齢者が働きやすいぐらいに一般の若い人ももちろん働きやすくなると。その結果として生産性が上がっていくという、見事な正のスパイラルを実現しておられるということであります。今回の第3弾のキーワードは「全員正社員」ということ、そして、働きやすい環境ということを徹底したシリーズということでありますので、ご紹介をさせていただきます。これが、県内、他の地域の方から「これならうちの会社でもやれるよね」というようなことも紹介したいと思っておりまして、その上で、一番後ろのところに、ちょっといい紙質のものがありますが、生産性向上を実現するということで、チラシを紹介させていただいております。裏に優良事例がありますし、さらに下のQRコードの中で、今、私が申し上げたこと、「自分の会社に近いところでどうかな」と「自分の会社の分野でどうかな」というようなことも探していただきやすい状況を進めております。これによって、県内で「働いてもらい方改革」を進めることによって、ここなら働きやすいと。特に高齢者の方もそうですが、若者や女性が、「ここなら自分の力を活かせる、自分の能力が発揮できる、活躍できる」というように思っていただいて、人やモノが集まる岐阜県にしていくということを実現していきたいと思っております。これが2つ目です。
その流れで3つ目でありますが、今度はそうした企業の「働いてもらい方改革」を実現する中で、今度は高校生の方々、若い方々に、岐阜の企業で働いてもらおうということで、「オール岐阜・企業フェス『高校生の日』」を行います。特に今回初めて東濃でこれを実施するというところで、これまでは岐阜会場が中心だったのですが、これに合わせて、今度は東濃でも実施するというものでございます。(資料の)「1 開催概要」をご覧いただければと思いますが、岐阜会場が12月16日、17日の2日間、岐阜市文化センターで203社の参加を得て行います。東濃会場は12月18日、セラミックパークMINOにおいて、104社の方々に集まっていただいております。もちろん、これは無料ですし、高校生の方が対象なのですが、もう1つ大事なのは親御さん、保護者の方も入っていただきたいと。例えば皆さん方、若い方は経験されたと思いますが、やはり就職活動の時に「オヤカク」といって、本人だけではなくて親に確認したのかと、内定出す時にです。私も商工労働部長の時に一度大学と一緒に企業フェスティバルをやったのですが、ものすごく参加が多かったのですが、翌日全部断られたという経験をしていまして、これは全部親が断って、聞いたことないような企業ではだめだというのがあって、それでその時もまず親の理解を進めようと当時もやりましたから、まさにこれもです。今回も、高校生だけではなくて、保護者の方も一緒に見てくださいねと。会社のあり様を理解していただければということで、2ページ目にありますように、入場は無料ですし、事前予約も不要です。ちょっと行ってみようかなということで、親子で、また友達と連れ添いながら、そして教員の方も結構です。このように働くチャンスがあるのだなということを、その中で積極的に、先ほど申し上げたように、「うちの会社ではこうやって『働いてもらい方改革』をやっていますよ。それで柔軟に働けますよ。」ということもしっかり発信していただいて、若い方の定着、場合によっては外からも来ていただける、そんな環境を進めたいなと思っております。これが3つ目です。
最後4つ目ですが、今日から県庁1階のGALLERY GIFUで、ご覧になった方も多いかと思いますが、八百津町についての展示が今日から2週間始まります。八百津町と言えば、杉原千畝さんということで、今回何と本邦初公開ということで、ご親族の方からお借りしております杉原千畝さんご自身が使われた辞書にご本人の書き込みがあったり、ハンコが押してあるのですが、千畝さんの名前が入っていたり今回初めて(の公開)で、そうしたものも展示させていただいております。「命のビザ」はレプリカでありますが、これがビザだよということです。他はみんな本物です。ノートや百貨事典みたいなものがありますが、是非見ていただければと思っております。それで、八百津町なので杉原千畝さんだけではなく、八百津の魅力が(資料の)次のページにありますように、素晴らしい景色だとか、お祭り、そして資料中には一言しか書いていないのですが、実はバンジージャンプ日本一の場所があります。世界でも屈指の高さです。ただ飛び降りるのではなく、モモンガみたいなものを着て飛ぶというものがありまして、それの動画もありますし、実際に着るもの、幕があってビューと飛ぶもので、この格好でバンジージャンプをするというものがあります。是非後で見ていただくと、(GALLERY GIFU内に)吊るしてありますので、これで飛んだら面白かろうなということもありますし、あと4種類の栗きんとんがディスプレイされてありますが、(今月)14日にはこれを販売しますので、お菓子や八百津と言えば煎餅もそうですし、4種類の栗きんとん、そういうものも販売したいと思っています。あとは、ビネガーもありますし、是非皆さんに取材していただいて、買っていただけるとありがたいなと思っています。特に先ほどの幹部会議で「皆、飛ぼうね。」という話をしたところなのですが、これはなかなか価値のある経験だというように思っておりますので、特に観光が、見て、写真を撮って、食べて帰るのではなくて、体験するというのが非常に人気になっておりますので、世界屈指のバンジージャンプですので、おそらく日本人よりも海外の方が多いのではないかなと思うのですが、そうした形で1階のGALLERY GIFUで見ていただけますので、是非発信していただければということを申し上げて、まずは私からの発表は以上とさせていただきます。よろしくお願いします。
記者
クマの(追い払いの)ドローンについて伺いたいのですが、飛騨市古川町ではまだ人身被害が今年出ていなかったかと思いますが、なぜこの場所で実施するのかということを教えていただきたいです。
知事
まず、幸いなことに、まだ人身被害はないのですが、近くで目撃情報があることやこの辺りは飛騨ですから、山が近いので、やはり住民の方々の不安も含めて、これは自治体の方から手を挙げていただくことにしております。前回も申し上げたように、それなりにうるさいとかいろいろあったりするので、やはりその緊急性を管理している自治体の方で、こちらからやるのではなくて、やりたいというところに手を挙げていただいた中で、飛騨市から手が挙がり、その準備が一番最初に進んだのがここだったということです。
記者
クマを追い払えたということは、どのように確認するのでしょうか。
知事
基本的には、今回ドローンを何機飛ばすかにもよりますが、まず目視確認でいるかいないかということと、おそらく追っている時にも見えたり、逆に言うと見えなければいないということなので、特にこれは山奥でやるのではなく、住宅の近くから緩衝地帯へ追い払うということなので、そのエリアにいなければいないということで良いかなと。特に、どちらかというと、今いるクマを追い払うというよりは、これから出てこようとするクマに対する警告が基本になると思いますので、それをやってみて、目撃情報がしばらくなければいないということになると思っています。先回りしてお答えをすると、前に言ったようにドローン(による追い払い)で終わりだと思っていませんので、(クマに)出遭ってしまってからでは遅いと言いましたが、出遭わないようにするのが1つ。ドローンは昼間しか飛びませんから、逆に言うと、NHKのニュースでもあったと思いますが、赤外線で(クマが)来ているかどうかのチェックをすると、これに発展させていきたいかなと。これは今検討中ですが、まずはとにもかくにも家のそばにいないよということを確認するための第1弾としてドローンを飛ばすということです。
記者
当日聞いた方がいいかもしれませんが、(クマが忌避する)音を鳴らすのと花火を鳴らすのは同時にやるのでしょうか。
知事
これはやってみないとわかりませんが、委託業者から効果があると言われているものの提案がありました。以前、市町村単位で実施し、効果があったと言われているものを今回採用しています。花火は、火事になったら大変ですので、使い方も含めて考えなければならないと思っていますので、まずは音かなと思っています。
記者
先程おっしゃっていた残りの2箇所というのは、飛騨市以外の市町村ということでよろしいでしょうか。
環境エネルギー生活部
先ほどの場所の選定についてですが、今年度人身被害のありました高山市、中津川市、白川村と、飛騨市については捕獲者の事故がございましたから、飛騨市を加えて4市村にお声がけをさせていただいて、今実現になったのが飛騨市ということでございます。残りの高山市と中津川市は、実施に向けて具体的に調整をしているところでございます。
知事
この会見までに間に合えば、もう1、2個増えるかと思ったのですが、まだ連絡が来てないので、今のところ1つというところでございます。
記者
先程おっしゃっていたことの確認なのですが、今後ドローン以外の赤外線を使ったクマの追い払いも実施を検討中ということでしょうか。
知事
先だって秋田県が実施しておりましたが、そういったものも積極的に取り入れていきたいと思っています。とりあえず今回は、予算措置をして実施するのはドローンとなりますが、今後の他の地域でも効果がありそうなものについては、積極的に検討していきたいなと思っています。
記者
GALLERY GIFUについて、展示品の数をお教えください。約でも結構です。
知事直轄
約50点ほどです。
知事
結構たくさんあります。(発表資料にありました)杉原千畝さんが使っていた辞書や手帳が数点あります。あとは写真が多かったです。
知事直轄
その他、今回、特産品販売をするので、その時に販売するようなものも展示品としてお見せしています。
記者
クマの方から何点かお伺いするのですが、先程知事からもお話があったように、岐阜県も冬をまもなく迎えるのですが、まだまだ警戒すべき時期が続いていると思うのですが、県民に対して安全、安心の呼びかけといいますか、メッセージをいただきたいです。
知事
クマはこれから冬眠に向けて体を太らせなければならないため、とにかくたくさん食べて蓄えなければなりません。クマも命がかかっているため、必死だと思います。柿や果物が残っている場所は、当然クマも食べに来たりするので、できるだけ柿なんか残さないようにしておくこと。生ごみなどは、匂いで漁りますので、できるだけ外にそういうものを近づけないようにすること。実は朝晩が結構出没が多いので、できるだけその時間帯は警戒をするということ。あと音をさせておくこと。最近ちょっと行動が変わってきているとはいえ、クマだって実は怖いわけですので、クマが怖がるように音を出すことやあまり1人で行動しない。田舎なのでしょうがない時は、大きな音でラジオをつけて持っていくことや、私の息子もそうですが、小学生は全部クマ(避け)の鈴をランドセンにつけておりました。あとは光です。そうしたもので相手に警戒させるような行動を是非とっていただきたい。残念ではありますが、山奥に行って山菜取りなどは、できれば控えていただければありがたいです。そのためにも、今回ドローンでできるだけ追い払いたいと思っていますので、それと合わせて、行動を考えていただけるとありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
記者
ドローンのメーカーは決まっているのでしょうか。
環境エネルギー生活部
委託する業者は、もう間もなく正式に決定する予定でございます。
知事
ドローンを買うわけではなく、ドローンを持っている業者に追い払いをやってもらうような委託をするということです。
記者
先週の金曜日(11月7日)に県庁で秋の叙勲伝達式がありました。大変めでたいことですが、県庁内外で、なぜ前知事の古田さんの名前がないのですかという声を少し聞きましたが、知事はこのことについてどう思われていますか。
知事
叙勲にあたってはリスト化されているので、順番にやっていくということと、実際にするかどうかというのを調べてもらったのですが、結構幅があり、これまでの点数制になっているので、順繰りにやっているということです。
記者
リスト化されているという話がありましたが、叙勲の選考プロセスについて、岐阜県は全国と同様に、担当課がリストアップして、国に推薦していくような仕組みなのかと思いますが、その推薦について、最終的には知事がご判断されるということでよろしいでしょうか。
知事
点数制になっているので、その中で年の古い方から、多少県によって基準は違うのかもしれませんが、持ち点の高い方から順番にやっていくと。あとは年齢が上の方からやっていくというのが、大体普通だと思います。岐阜県もそれは変わらないと思います。
記者
リストアップの時点では、今回は(前知事の)古田さんの名前はなかったということで良いでしょうか。
知事
そうですね。まだなかったです。
記者
個人名は申し上げませんが、今回叙勲を受けた方の中には、梶原県政時代に県庁職員の裏金問題に関わっていた職員の方がいらっしゃったと思いますが、このことについて知事はどうお考えですか。
知事
その方は裁判でも決着はついていますし、そういう点では、これを忌避する理由はないということで、点数で積み上げたところを今回の推薦内に入っていたので、淡々とやったということです。
記者
裁判で決着がついているというお話もありましたが、裏金に関与していたということは、裁判所も認めていたと思うのですが、推薦の段階で、江崎知事は裏金問題に関わった職員だということは認識されていたということでよろしいでしょうか。
知事
関わったという意味では、私も(県庁に)入ってお金をお返ししておりますので、何をもって関わっていたのかということもありますが、裁判のファクトの中で、彼が個人的か云々というところについては、裁判では否定されておりますので、やはり司法の判断を重視するというのが基本かなと思っています。
記者
クマについてお伺いします。高山市と中津川市も今月中に実施予定ということでよろしいでしょうか。
環境エネルギー生活部
今月中を目途に調整したいと思っていますが、地域住民の方の理解を基に、各市の方で調整された上で、県とも調整して進めてまいります。
記者
白川郷で(人身被害が)起きたと思いますが、ここも何かしら手を打った方が(よいのではないでしょうか)。やはり、観光政策等にも影響してくるのかなという気がしますが、例えば独自に、白川郷の辺りでクマの追い払いについて考えていらっしゃることはありますか。
環境エネルギー生活部
クマ対策につきましては、基本、市町村で取り組まれていますが、例えば白川村でも、クマ注意の呼びかけを住民の方や観光客の方に行ったり、先ほど知事が申し上げたような誘引物の排除であるとか、茂みの刈り取りであるとか、そういった対策は進められていると伺っております。
記者
改めての話になりますが、地上から犬の鳴き声を鳴らしたり、爆竹を山の方に投げたりしているところもあるかと思いますが、そこをあえてドローンでやるところの1番のメリットは何がありますか。
知事
サルでやっているのでよく分かりますが、基本的に個人でやるのは見えている時に、見えたものに向かってロケット花火打つのが基本なので。ただ、今回のエリア防御は、どこにいるかよくわからないが、先ほどの図を見ていただいたように、できれば緩衝地帯の外に行ってほしいので、緩衝地帯のあたりは少し危険だなと思わせるということが大事かなと思っていますので、個人が自分の裏庭でやりましたというよりは、一定のエリアを防御するにはドローンが今のところ一番効果的かなということで、これを採用した次第です。
記者
より広いエリアに対してということでしょうか。
知事
そうですね。前回も申し上げましたが、例えば、裏の畑に野菜を取りに行きたい人がいるわけですから、家から出るなとなると生活ができなくなってしまうので、少なくとも人家があるところから何メートル以内のところにクマが怖がって来なければ、そのエリアでは安心して生活ができると。それを効果的にやっていく1つの方策としては、今のところこれかなということで始めた次第です。
記者
今回、時間として2時間とっておられますが、業者さんの作業時間が大体終わるまで2時間程度かかるということでしょうか。
環境エネルギー生活部
様々な地形や状態によって変わると思いますが、例示として、大体1時間で3キロ平米ぐらいのエリアができるというところで、余裕を見て2時間というところですが、ひょっとすると現場の状況によっては、2時間を超えることもあろうかと思いますが、そこは2時間程度と受け取っていただければ結構かと思います。
記者
ドローン1台あたり大体30万円ぐらいで委託するということでしたが、今のところ、高山市、中津川市も含めて、全体で概ねどれぐらい対策費としてかかりますでしょうか。
環境エネルギー生活部
こちらも、現場を見て何機を飛ばすかということもありますが、1回30万円で、2箇所追加で実施して、それぞれ30万円ずつかかると想定しております。
知事
これは、ある意味緊急事態なので、基本的には人命を守るということで、持っている基金やその他も使う準備がありますが、効果がなければ意味がないので、今回は実際に被害が出た場所や出そうな場所でまずはやってみると。そして、その次は補正(予算)でいくのか、次の(令和)8年度(予算)でいくのかというのは、まさに今検討しているところです。
記者
クマ対策の関係で、犬の鳴き声や追い払い花火が他市町村で効果があったという話だったと思いますが、これは目撃件数が前後で減ったみたいな意味なのでしょうか。
環境エネルギー生活部
目撃件数が減っているということはお聞きしております。
記者
会見後の知事の発言訂正なのですが、8月から10月に囲み(取材)も含めて6件ありまして、やや多かったように思います。例えば、こちらが発表項目外から質問する場合は、やや分かる部分もあるのですが、発表項目だとレクチャーもあるでしょうし、原稿もお手元にあると思います。その辺の受け止め方というか、捉え方というのはいかがでしょうか。
知事
これは、私としても注意しなければいけないと思っています。できるだけ分かりやすくここでも説明しようと思うと、発言訂正というよりは、まだ決まっていないところまで説明していることやまだそこの数はもうちょっと確認したいですなど、多分その訂正が多かったと思うのですが、まさにそういうご指摘をいただきましたので、これからできるだけ慎重に、ここ(資料)に書いてある以外のことは説明しないようにしていきたいなと思っています。
記者
8月のバイオコークスの件の発表の時に、牛糞の処分方法みたいなところで、後の訂正では、「適切に処理して堆肥利用しています」となっているところを、知事のご発言の中では、「廃棄物として山の裏に廃棄していました」みたいなことだったと思うのですが、そこは言い過ぎというよりかは事実誤認という方が近いかなと思うのですが、いかがでしょうか。
知事
なかなか鋭いところを突いてこられたと思いますが、行政的には処理をしているということです。公式には。ただ、それが十分できているかどうかはいろいろと判断があるところで、私もこの4年間(県内を)回ってきている中で、実際地元の声としてはそうでない表現もあるというところで、実態からご説明したということが、県として説明する中では、適切ではなかったという訂正をさせていただいたということです。
記者
今月に入ってから、こちらからの質問に対して、担当課に振るようなケースが増えていると思うのですが、それはやはり、やや訂正が相次いだのを受けて、そのようになさっているということでしょうか。
知事
違います。本当は全部私が説明したいのですが、せっかく来ていただいているので、よかったら出番があった方がいいかなと思っているので、それで一応「やりますか」と聞いているのはまさにそういうことで、よろしければ全部私でも結構です。
記者
クマ対策について、先ほど赤外線の話や例えば前回ですと発信機を付けるという話もあったと思いますが、そのようなものも年度内(実施)もあり得るのでしょうか。
知事
発信機は、クマは難しいと思っています。サルのように群れで動いているようなものについては、発信機は効果があると思うのですが、今の状況ですと、発信機を付けられるのであれば駆除してしまうという流れになっているかと思いますので、そこは今後、緩衝地帯より奥の場合の対策の中で、そうしたツールもあるかなと思います。
記者
赤外線などについては、年度内もあり得るということですか。
知事
年度内も、今回、国の方で補正予算を検討しておられると、その流れの中でやれることがあれば積極的に検討していきたいと思っています。
記者
12月議会も近付いてくる中で、副知事人事については、今どういう状況にあるのか、改めてお聞かせください。
知事
まさに検討中でございます。
記者
比較的時間も経っている中で、そこまで急がれてはないということでしょうか。
知事
前も説明しましたが、まず副知事に求める役割と、あとは誰でも良いというわけではありませんので、その方にやっていただけるような、機が熟するタイミングを見ているということで、これまでの時間を使ってきたということで、遠からず対応したいと思っています。
記者
12月議会に出していかれるようなタイミングでは、できそうな気配はありますでしょうか。
知事
もちろん、可能性はあります。
記者
まずは国から来る方を優先されるということですか。
知事
いや、そんなことはないです。
記者
プロパーの方も含めてということですか。
知事
はい。
記者
クマに関連して、ドローンについてなのですが、事業者は1つに決めて、それの最終確定を待っているのか複数から今選定中なのか、どちらでしょうか。
環境エネルギー生活部
社としては決めて、今契約の手続きを進めているというところでございます。
記者
地元の業者でしょうか。
環境エネルギー生活部
京都府の事業者になります。
記者
昨日、知事のXの名前が、知事の名前から秘書課の名前に変わったと思うのですが、昨今、SNSで市長であったり、自治体のアカウントが乗っ取られたり、そういう被害がある中で、理由があって変わったのかと思ったのですが、いかがでしょうか。
知事
まさにその通りです。私は元々、(所長を務める社会政策課題)研究所でやっていたものと、県でやっていたもののダブルで(アカウントが)存在しているのですが、それぞれになりすましが結構たくさん出ています。他方で、2本あるが故に、お互いがお互いに違うという通報が出てしまったものですから、明確にそれは秘書課という形で、間違いがない形に訂正したということです。
記者
どういう乗っ取り被害があったのでしょうか。
知事
乗っ取りといいますか、どちらかというと、(アカウント名の)「esaki yoshihide」に1個「J」が入っていたりなど、ほとんどそっくりなもので(偽アカウントを)立ち上げた上で、どちらかというと誘導していくようなタイプのもの、「投票してください」があったり「投資しませんか」など、そういうのは結構散見されていましたので、そういったものを排除するということで、もう1回明確にしたということです。
記者
名古屋市の場合ですと、市の職員から、アカウントの乗っ取りがあるよということで市の秘書課に連絡があり発覚したのですが、(知事の場合は)どうですか。
知事
毎日続々と来ています。私の支援者の方からも来ていますし、県民の方からも来ていますし、家族からも来ていますし、ほとんど瞬時に対応しています。
記者
そのうえで、改めて呼びかけなどがあればお願いします。
知事
今回、秘書課ということを明確にしました。というと、また秘書課のなりすましが出るのです。有名になれば必ず出てくるので、その都度、我々も訂正していますし、今おっしゃっていただいたようにおかしいのではないかと思ったら、是非県民の皆様からも通報いただけると、(運営会社に対して)通報しておりますので、是非皆さんご協力いただけると、より正しい情報が皆さんのところに伝わると思いますので、よろしくお願いします。
記者
県から一般の方にメッセージを送ったり、誘導するようなことは基本的にはないということですね。
知事
警告投稿をするなりすまし(アカウント)もあったりするので、実際完全ないたちごっこになっているので、まずは淡々とここが正しいということをやって、あまりにひどければ、もちろん注意してくださいと(アナウンスします)。私もフェイスブックでやったこともあります。状況に応じて対応していきます。
記者
被害があったのは、Xだけという認識で大丈夫ですか。
知事
いえ、フェイスブックもありますし、インスタグラムもありますし、みんなあります。
記者
クマのことで追加で質問なのですが、当日の撮影に関わることですが、ドローンで煙が出る瞬間は、どのぐらいの高さを想定されているのでしょうか。
環境エネルギー生活部
煙の出る瞬間は、火花がポン、パンと鳴って、ふわっと煙が出るだけですので、視覚的には数秒だと思います。
知事
煙幕をやるわけではないので、ロケット花火でもパンッと鳴って煙がふわっと出るというタイプですね。鳥獣用なので。
記者
撮影はテクニックがいりそうですね。
知事
音を撮っていただければ大丈夫だと思います。
記者
いきなり犬の鳴き声がいっぱいしたら、住民の方もびっくりしてしまうと思うのですが、近隣住民の方への案内や立ち入りの規制などで、例えば県警と連携するなど、そのあたりの状況を教えてください。
環境エネルギー生活部
地元の市を通じまして、警察署の方や住民の方にご理解をしていただくことや、そのような対処は進めているところです。
知事
先週説明したように、うるさいので、どこでもいいわけではなくて、理解してもらってやりますよと。人間の方には伝えても大丈夫なので、それで効果があるところを探すということだと思います。
記者
NHKへの訪問はどうでしょうか。
知事
先方から一旦スケジュールの再調整の申し入れがあって、今最終確認をしているところです。
記者
年内中ですか。
知事
年内中を予定しています。
記者
「働いてもらい方改革」、今回第3弾ということなのですが、今後の方向性として定期公表していくということなのですが、どういった方向性ですか。
知事
まさに今日午前中にその議論をしていまして、とりあえず第4弾は予定しています。第5弾、第6弾でいくのかというと、今のところ目標50社ぐらいという話をしていました。今後は、エピソード的にいろいろあるよではなく、これをむしろうちの会社でもここはできるよねという広げる取組。そちらの方にも展開していこうと考えています。
記者
1分単位の時給制とはどういう内容なのでしょうか。
知事
農業の、特にトマトの収穫。女性の方が収穫の時間の時に、何分から何分まで、「ちょっと今、子どもから電話かかってきたので、ちょっと抜けていくわ」というようなことがしやすい。(事例集の)アルプス農場さんの一番最初のページの、柔軟に働ける体制を確保するため、「1分単位の時給制」を導入のところの3行目、「これにより、遅刻、早退、中抜けなどがしやすくなり、子どもの急な発熱や送迎などに対応しながら、都合の良い時に働くことが可能になりました。」と、例えば1時間なら1時間で固定されてしまうと、その時間は絶対いなきゃいけないとか緊急事態に対応しにくいので、「ごめんね、ちょっと今から15分だけ抜けるわ」ということがしやすいということで、気兼ねや、そういうことしなくてもいいように始まったということです。