本文
※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。
司会
それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
知事お願いいたします。
知事
今日は、私の方から3点発表させていただきたいと思います。まず最初が「岐阜県伐木安全技術評価会2025」で、何となくピンと来ないかもしれませんが、チェーンソーの扱いとか、岐阜は「木の国・山の国」と言いながら、なかなか山の仕事というのは大変です。私も(山で)仕事をしていますので分かるのですが、特に山でチェーンソーを扱うというのは結構危険なことなので、日本の林業は基本的に自分の足で山に入るということが多いものですから、この技術を高めておく必要があるだろうと。特に林業関係で、後継者不足と言いながら、なかなかそこに入るハードルが非常に高いということもありまして、こうした評価会といったものを行いたいと思います。資料をご覧いただきますと、日にちとしては11月9日、今度の日曜日ですが、森林文化アカデミーのテクニカルセンター前広場で実施します。何をやるかというと、お手元の資料を少し見ていただくと、このようなカラーの写真が出てきますが、丸太を切る、立木を倒す、それから枝を払うということで、多分これをやられた方は少ないと思いますが、チェーンソーというのはものすごく勢いがありますから、不用意に木に当てると跳ね返ってきます。なので、どうやったらチェーンソーをきっちりコントロールできるかというのと、一番左(の写真)で言うと、上からと下からとで切っていって、きっちり平面にする技術、これはなかなか大変なものなのです。これとあと真ん中の(写真)が立木を倒す倒し方です。狙った方向にきっちり倒していくための技術の競争と。それから一番右(の写真)は、これは何だろうと思うかもしれませんが、枝払いです。枝を綺麗に払っていかないと材として使えないとか、これは実は倒れた木を前提に刈ってありますが、例えば枝打ちだと、根元が残っていると節がおかしくなるので、切り方が下手だともう1回ナタで綺麗に研いでおく、そんな作業があるのですが、チェーンソーの段階で綺麗に切れると圧倒的に作業効率が良くなるという、こうしたことを今回高校生も参加していただいて、こうした競技会を行うというものでありますので、ある意味、普段なかなか見ることもない、ないしはそうないかもしれませんが、これから「木の国・山の国」として、本格的に山を活性化して、元々こうした技術というのは非常に重要になってくるものですから、是非皆さんも取材していただいて、なかなか体験まではいかないかもしれませんが、チェーンソーを扱うということの問題、その中でやはりその安全性を考えて、仮に手からチェーンソーが外れて、よく足に当たったりすると、足を切ってしまいますから、その時のプロテクターのあり方とか、そういったものも含めて、いろいろ検討する材料にしたいと思いますので、是非取材をお願いしたいと思います。参加者は100名程度を想定していますが、是非県(の取組)として発信していただけるとありがたいかなということで、よろしくお願いいたします。
2つ目ですが、これは前回少し口頭で説明しましたが、いよいよ岐阜県としては、攻めのクマ対策をやっていきたいと思っています。資料をご覧いただければお分かりかと思いますが、クマは今ものすごい勢いで全国的にも出てきております。県内でも10月末現在で836件と出て、昨年をもう既に上回っています。それで人身被害も4件ということで、昨年を上回ると。これから冬眠に向けて、冬眠しないという説もありますが、体を太らせなければいけませんから、ますます餌探しということで、人里に下りてくる可能性があります。今回、岐阜県としては初めての取組だと思いますが、(クマが)出てきてから注意しましょうではいけないと。遭遇してしまったら、あとはとにかく命を守るというところばかり強調されますが、(クマを)見た後はどうするの、特に緊急銃猟ということで今全国的にやっていますが、ちゃんと見つけて、追っかけて、仕留めてはじめて完了ということになるとなかなか大変ですし、岐阜の場合は、山が深い中で、そのために1つの方策として、特にクマがいそうだというところに対して、ドローンを飛ばして、クマも危ないと思ったら来ないわけですから、この辺は危険だぞということを効果的に発信する方法として、ドローンを使って、クマが嫌がる音、犬の鳴き声や動物駆逐用の爆竹、こういったものを発射しながら、そうすると、人にとって安全、クマにとって危険というようなことをまずやってみたいと思っております。現在、実際に、被害が出た高山市、中津川市、飛騨市、白川村と今ちょうど検討を始めているところです。今後、うちもやって欲しいというところがあれば検討していきたいと思っております。いずれにしても、出てきてから対処するのではなく、見たらとにかく、全部を仕留めるというわけにはいかないので、ないしは鳥獣保護の観点からもですが、山の奥の人が活動する辺りに(クマが)いないようにするのが大事だと思っています。私も山奥の出身なので、家から出るなと言われたら、生活そのものができなくなってしまうので、そういった意味で、やはりこのエリアにクマを近づけない、場合によってはこの仕組みは、将来的にシカやサルにも使えるかなと思っておりますが、まずは緊急避難的にクマに対してこうした取組をしたいと思っています。ただ、どこでもやれば良いというものではなくて、音が大きいので、ある意味、出るかどうか分からないところというよりは、その危険性が高いところ、市町村と相談をしながら、まずは住民の方が安心して生活できるように攻めのクマ対策ということで、ドローンによる追い払いをやりたいと思っております。これが2つ目です。
3つ目ですが、これちょっと面白い取組なのですが、まちづくり。岐阜も、とにかくいろんなまちの賑わいを作るというのを、イベントだけではなくて、むしろまちの中でも寂れたところ、危ないというところを、逆手にとって綺麗にしていくという取組をしている方がいらっしゃいます。これが、次のページ見ていただきますと、鎌倉市の政策企画監の馬場晋一さんという方です。実はこの方は、ご存知の方もあるかもしれませんが、かつて、池袋の地下道、私も実は学生時代通ったことありますが、非常に暗くて怖い。ですから、夜は1人で歩くのは怖いなというところ、これはまちの中で非常に問題だというのを彼が企画をして、(地下道の)中を非常に綺麗にして、むしろ観光地に変えてしまう。地域の住民との協力によって、そうした怖い場所をむしろ観光地に変えることによってまちづくりをしたという実績のある方です。今、鎌倉市に呼ばれて、まちづくりをやっていらっしゃいますが、実はこの方にいろいろ岐阜県からアプローチをして、いろいろアドバイスをいただきたいと思っております。ちなみに、すでに彼のアイデアをお借りしまして、岐阜の名鉄(岐阜駅)前の地下道を皆さんご存知でしょうか。意外に通ったことがないかもしれませんが、あそこは県の管理なのですが、暗いとか綺麗じゃないという声がありましたので、早速県として綺麗にしました。ただ綺麗にしただけでは、やはりまちづくりの賑わいにならないので、今後、予算もないこともありまして、加納高校の美術科にお願いをして、卒業作品の展示の場所として蘇らせると。こんなことも企画しております。そうすると、暗くて怖いから行くと楽しい場所に変わる。そんなまちづくりを、この方のアイデアからいただいておりまして、今度、その方に講演いただきます。なので、是非まちづくりに携わっている方は、そういう逆転の発想で、いろんなまちづくりのアイデアがいただけると思いますので、11月11日(に開催します)。(11月)7日まで申し込みできますが、いっぱいになってもオンラインで見られるようにいたしますので、是非広くこれを見ていただけるといいかなということをご紹介させていただきます。私からは以上でございます。
記者
クマのことで伺いたいのですが、(ドローンでのクマの追い払い)実施時期は決まっているのでしょうか。
知事
準備ができ次第ということで(考えています)。今、ドローンがある業者と相談するのと、自治体の準備が必要で、どの地域でどう飛ばすのか(調整中ですので)、それが整い次第スタートしようと思います。
記者
県が主体ということでいいでしょうか。
知事
そうですね。
記者
他県での取組状況というのはあるのでしょうか
知事
市町村で1、2例ある以外で、県として取り組むのは初めてです。
環境エネルギー生活部
県として、ドローンをクマの追い払いに利用するのは初めてと認識しております。市町村や民間では、そういった利用があると聞いております。また、ドローンをパトロールなどに使うというのも、都道府県レベルであるとお聞きしております。
記者
ドローンの仕組みなのですが、音を出すというのは、ドローンにスピーカーを搭載して飛ばすということでよいでしょうか。
知事
そうですね。あと、爆竹も鳴らせる。煙でしたでしょうか。
環境エネルギー生活部
動物駆逐用煙火と言っておりますが、まさに爆竹のようなもので、今想定している機種では、1回の飛行で6発利用できるという想定しております。
記者
今日の午前中の(高校生が使用する)タブレットの(全額保護者負担方針の)見直しを求めたことで、3万を超える署名が手渡されたかと思いますが、改めて受け止めをお願いします。
知事
教育に関する費用については、国を挙げて軽減しようという流れがあります。一方で、全体としては、教育にかかるコストを下げるという流れはあるのですが、その中で、特にタブレットを授業で使うというのは一般的になっている中で、義務教育においては、配布(貸与)ということが前提です。さて高校はどうするのかという流れの中で、同じ費用をいかに効果的に使うかというところで、一律に配るのがいいのか、今日の議論の中でもありましたが、やはり財政的に厳しいところに手厚くやっていくのかと。実は、大学では、自分で買うのが当たり前になっています。一方で実際調べてみますと、もうすでに本人が持っているタブレットの方がスペックが高いということになりますので、2つ持つのかという議論だとか、やはり使い慣れたものでやりたいという議論は当然出てきています。そんな中で、(支援を)一切やめてということではなくて、やはり生活に困窮しているところにはより手厚くやるということの方が、同じ環境を整える上においてはいいのかなということで、今日はその話の中で、もう1つは、そもそも何でタブレットが授業にいると、そのあたりも大事な論点としてあるなと思っています。あと、署名の中で私が預かった方の2万いくつは、ほとんど県外の方の署名なので、一般論としてコメントもいただけるようなので、どういう観点から、タダならタダの方がいいということであれば、おそらくもうちょっと踏み込んだ議論(が必要)で、どういう人により手厚く、おそらく一律にしてしまうと、全体の費用が下がりスペックが下がってしまうので、むしろ自分の方がいいという方は(ご自身のものを)使っていただきつつ、家計が苦しい方にはしっかりと(支援を)していく、その方が有効かなということを改めて思いました。
記者
現段階では、生活困窮者に対する貸与というのは、まだ決定はしていないということですよね。
知事
そうです。前回の議会答弁でも、そこはしっかり考えていきたいということで、ほぼ決定というか、どんなスペックにするかこれからですが、そこはしっかり
対応していこうと思っています。
記者
個人で持っている方は多いとおっしゃっていますが、それは何かで調べられたのでしょうか。
知事
3割ぐらいは持っているという調査が以前にあったかと思うのですが、改めて今回また調査しているわけではありませんので、そこはまた調査したいと思います。
記者
先日、(JRの発表で)リニアの予算の見直しについて、7兆円が11兆円にということで、また、開業もまだ見通せないということなのですが、これについての受け止めと、来年度内に新しいまちづくりの活用戦略を策定されるということで、それに影響がありそうかどうか教えてください。
知事
もともと(リニア中央新幹線の開業時期が)2034年という議論があった中で、早くても35年ということになったという中では、あり得る話であろうなと思っていました。ただし、何か決定的に大きな問題というよりは、物価の高騰だとか、いろんな工法、難工事のところということなので、そこはある意味想定される範囲なのかなと思っています。もともと10年というのを1つの視点に入れていますので、今のところ11年ということでありますので、まちづくりその他に関しては全く影響ないです。
記者
ドローンによるクマの追い払いについてお伺いさせてください。(資料の)絵を拝見すると、緩衝地帯にクマが出ているという状況ですが、そもそもどうしてこの緩衝地帯にクマが出てくるようになってしまったのか、県としてどうお考えでしょうか。
知事
今回言われているように、今年は特に山のどんぐりがかなりの不作になっているということで、クマ自身が餌を求めて緩衝地帯を乗り越えてくると、非常に美味しいもの、栄養があるものがあるというのと、もう1つは、最近、平地で生まれたクマにとってみると、山の奥に行けないということ。平地で生まれたらより平地に来るという、全体として生息地域が平地に下りてきているということなので、緩衝地の方がむしろクマにとっては非常に活動しやすい場所。一説には、平地で生まれたクマは、どんぐりにはもともと灰汁があるので、食べ慣れていないとお腹を壊すのですが、クマによってはどんぐりが食べられない。そうなると野菜とか狙わないといけない。そういったいろんな要素が絡まって、緩衝地ないしは住宅地までクマが来るようになったと思っています。
記者
地球温暖化とか、人口減少とか、そういったものとの関連はあるのでしょうか。
知事
地球温暖化はどちらかというと暖かくなるということなので、場合によっては山の方の実りが多くなれば、むしろ効果は逆になるかもしれませんが、むしろそれよりも針葉樹が中心になってきた山だとか、今おっしゃった後者の方。人が山にいなくなったことが、ある意味クマにとってみれば、何の心配もなく餌を探していけるという、そちらの効果の方も大きいかなと思っています。
記者
県と自治体が連携していくという話がありましたが、具体的に、例えば予算とか、どういった連携を今しているのか、もしくは今後するのか教えてください
知事
以前、サルの時にも申し上げましたが、動物にとって市町村の境は関係ないので、特定の市だけがやったから、そこからいなくなったらいいかというと、隣の町に出たら意味がありませんので、もちろんこれは最終的には他県との連携もしていこうと思っていますが、まずは県として出ているところの広域で対応するという意味では、県の方からお声がけをして、ドローンを飛ばすのも、市の境になったからやめますというのは関係ないので、そこはしっかりとやっていく。あとは今回の費用は緊急避難的に県の方で見て、あとは最終的に貸与するかどうかというのは今後市町村と検討していきたいと思っています。
環境エネルギー生活部
対策として、国の交付金等も活用してやっていくということですが、県としても、自治体が行う対策についての支援というのも、連携の一策としてやっていくということは継続していくということでございます。
記者
国の交付金は、具体的にどのような交付金で、今回どこに使っているのか教えてもらっていいですか。
環境エネルギー生活部
しばらくお待ちください。
記者
クマの件で、今年に限っては県費でとりあえず全部負担するということですか。
知事
まず(ドローンを)飛ばせる人がいなくてはならないので、事業者に委託をして、エリアを決めたら、そこに飛ばしてもらうというのが1つと、来年度以降はドローンそのものを委託ではなくて購入することも、その効果を見極めながら、まずはやってみるということで、それが効果があるのであれば購入してやっていくと、そこも視野に入れつつ、今のところは委託でやってみようかと思います。
記者
今年度に限っては、県としては大体いくらぐらいの予算を見込んでいますでしょうか。
環境エネルギー生活部
予算的には、これからまたどういった場所でどの規模で飛ばすかにもよりますが、大体1台30万円前後と調べておりますので、そうした規模での対策になって
こようかと思います。
知事
我々の中で議論しているのですが、どの地域に飛ばすかというのと、どれくらい効果があったのかというのを、多分、これが最終形ではないと思っていますので、まずは姿を見たときに、見つけられるまで家から出ないようにということになっていますが、それでは生活ができないので、少なくとも見かけたというエリアについて、これをまず飛ばしてみて、その後、(クマを)見なくなったとかそうした効果があるのであれば、他の地域についてもほぼ出そうだというあたりで飛ばすとか、そうなってくると、委託数が増えてきますので、そこはまさに緊急避難的な対応をしていきたいと思っています。
記者
これまで他の自治体等でも実施事例はあるということですが、他の自治体等では効果は出ていたのでしょうか。
環境エネルギー生活部
市町村で行っている追い払いについては、一定の効果が出ていると聞いております。
記者
1回ドローンを飛ばして音を鳴らせば、当面出てこないものなのか、それとも毎日やっていくような感じになるのか、どのようにやるのでしょうか。
環境エネルギー生活部
音に驚いて逃げていく効果については、他の自治体でも効果があると認識をしております。それが一体どのぐらい持続するのかは、今回実証する1つの項目だと思っております。
知事
まさにクマも命がかかっていますから、命に別状がないと思うと出てくる可能性はあります。これが最終形ではないとは、まずはこれで一般住民の方がとりあえず生活できる環境を保持することと、緊急銃猟も引き続きやっていきますので、その中で、場合によってはこのエリアから追い払ったら、その先に罠を仕掛けるだとか、そんなやり方も考えていくと、とりあえず今家から出るなというだけでは対応にならないので、やっぱ攻めの追い払いをやってみるということだと思っています。
記者
今月から実施ということですが、今月のいつ頃、下旬中旬等スケジュール的にはどうでしょうか。
環境エネルギー生活部
先ほど知事からも発言がありましたが、各市町村との調整、実施する事業者との調整によって、できるだけ早くと考えております。
知事
エリアの確定が結構大事で、さっき言ったように音が大きいので、関係ないエリアで飛ばすなとか、いろいろ話が出てくるかもしれませんので、そこは県というよりは市町村のニーズに柔軟に対応することにしたいと思っています。
記者
先ほど交付金の話がありましたが、ドローンが1台30万円、その30万円に国の交付金が当てられるということでいいのでしょうか。
環境エネルギー生活部
先ほどの質問と合わせてですが、交付金は国の指定管理鳥獣対策事業交付金のクマ類総合対策事業がこの交付金にあたります。市町村との連携についてまずお答えしますと、捕獲等に関する事業、捕獲に付随する事項であるとか、あるいは個体の搬出処分について、出没防止対策事業として、例えば誘引物の除去や見回り等についての事業。こちらについて市町村を対象として、国が2分の1以内、都道府県が4分の1を持つという制度になっております。県が行う事業は、計画策定調査、捕獲情報の収集等が事業の対象になります。人材の育成についても対象になります。先ほどおっしゃったドローンの事業についてですが、ICTを活用した出没情報の収集提供で対象になってくる可能性があると考えております。
知事
これが有効であれば国に対して交付対象の変更だとか、そういったことも求めていきたいと思っています。
記者
クマが嫌いな音で、犬の鳴き声等とあるのですが、他にはどんな音や声が有効なのでしょうか。
環境エネルギー生活部
今、実際に考えているのは犬の鳴き声です。他にも忌避する音があれば、しっかり検討して採用してまいりたいと思っております。
記者
クマに関連してですが、先月の関係閣僚会議の中でガバメントハンターという言葉、キーワードが議題にあがりました。それについての雇用の補助を国が自治体に向けて進めていくということでしたが、岐阜県として今後、公務員ハンター、ガバメントハンターについて採用を進めていきたい、もしくは今いらっしゃる職員の中でそういう人を育てていきたいとか、そういった方針がもしあれば教えていただけますか。
知事
ハンティングって簡単なことではなくて、特に先ほど申し上げた山の中に入り込んでいって、茂みの中いつ出てくるか分からないところに対応するということは、かなりの熟練が必要になってきます。ですから、まずは猟友会の方々と話をしながら、どこをその猟友会にやってもらうのかと。それでも足りない場合にということだと思いますが、今回、あえてなんでドローンをやっているのかというと、その方式だけだとたまたま出会った人しかクマを撃てないとか、何人いたらこのエリア守れるのかというデータは、一切ありません。逆に言うと出てきたら動くという仕組みになってしまいますので、例えば、私の実家もそうですが、朝起きて新聞取りに行ってクマがいたらどうするんだみたいなことがある中では、本当に被害が多くなると。自衛隊云々という議論も出ているようですが、ハンターによって対応できる部分と、その手前で来ないようにするのか、いろんな組み合わせがあると思いますので、その中で今、猟友会の方で本当に人手が足りないと、これが有効だとなった時に、あえてまたこれを増やすかどうか議論が出てくると思っています。クマなので、今後シカとかサルになった時には、もう少し時間をかけて人を育てることができるかもしれませんが、まずそういったかなり危険なところでの取組になるので、今すぐ今日認定したから明日行ってきてというわけにはいかないので、まず猟友会との話し合いの中で、今後のあり方を検討していきたいと思っています。
記者
クマを仕留めた際、駆除した際の報奨金についてですが、自治体によって結構ばらつきもあったり、中には他県の事例でいくと報償金が少ないから出動を考えるというか、そういったこともあると思うのですが、県として自治体向け、市町村向けに何か支援だったり、そのあたり考えられていらっしゃることはあるのでしょうか。
知事
今、担当部の方でいろいろ検討していますが、やはりどこにお金を使うのが効果的なのかと。例えば、高いお金が出れば、当然、それでも撃ってこようとする人がいるかもしれませんが、そうなればなるほど、より危険なところに行って、狩猟をしなければいけないとか、逆に狩猟する人からすれば、もっと手前の方が楽なので、狩猟するには奥の方に行けと言うのだったら、それだけのお金を払わないとやっぱり行っていただけないと。ただ、そういったお金を使うことが、果たしてクマ全体の駆除に有効なのか、だったら今回のような追い払うほうが有効なのか、そこは検討しながら、それは自治体からの希望、各地域の猟友会によっていろんな温度差がありますので、そこも踏まえて検討していきたいと思います。
記者
岐阜県で既にクマ対策のプロジェクトチームみたいなものが立ち上がっているのかどうか把握してなかったのですが、そういうものはあったりするのですか。
環境エネルギー生活部
プロジェクトチームという形ではございませんが、鳥獣害対策につきましては、環境生活政策課、環境エネルギー生活部を中心に、農政部、林政部と連携をとって、常日頃、会議も定期的に行って情報共有をしているという状況でございます。そうした形で対応をとっているというのが現状でございます。
記者
それはクマの出没が相次いでいるからということを受けてできたものなのか、もともとあるものを定期的に重ねているのか。
環境エネルギー生活部
もともとあるものを定期的に重ねているということです。
知事
知事室に来てもらって、本当にそれこそ山刈りができないのかとか、このあたりはどうなのかという、先週も頻繁に議論をやって、その結果としてまずはこのドローンでいくかということになった次第です。
記者
ドローンは、最初の飛行の時は撮らせてもらえたりはするのでしょうか。
環境エネルギー生活部
また詳細が決まりましたら、報道機関さんの方に発表させていただきたいと思います。
知事
その賑わいがまた追い払いに役立つかもしれませんので、是非よろしくお願いします。
記者
ドローンの件で、どういった形でこのアイデアが生まれたかというところなのですが、専門家からの進言があったりなどするものなのか、どういう形なのでしょうか。
環境エネルギー生活部
クマに対する対策は、通常の例えば誘引物を除去するであるとか、緩衝地帯を設けるですとか、あるいは県民の皆様に出会わないような取組を促すということをやっている中で、昨今、クマの出没状況も出てきて、どういったことが可能なのかということを、当然専門家の方にもお聞きし、あるいは猟友会の方にもお聞きする中で出てきたアイデアでございます。
知事
国内いろいろ取組を見ていただいて、実際にたくさん業者がいるわけではないものですから、今そこと交渉しながらやっていますが、これの効果を見ながら、新しい取組や、先週、山狩りできないか(という提案を)を却下されましたので、とりあえず、どこまで行くのだとか、どのエリアにするのかというのは、やはり結構難しい問題がありますので、そこも含めながら、これから季節が進んでくるとまた獰猛化してくる可能性がありますから、退治するよりは来てくれない方がいいかなという流れの中で、こんな議論にとりあえず今なっているということです。
記者
現在、他に検討されていることなどはありますか。
知事
先ほどありました、緊急銃猟がどれくらいの効果があるのかというのと、猟友会にもいろんなご相談をさせていただいて、先ほどの山に入るということが結構大変だということを聞いていますので、今のところはまずこのドローンをやってみて、それから、エリアに罠を置いてはどうかというのもあります。結構東北のほうではたくさん捕獲されたとありますが、逆にそれだけではそれを逃れてくるクマもいますので、いくつかの複数のやり方で対応していこうと思っています。
記者
細かい話なのでもしかしたら、担当課に後で伺うと良いかもしれないのですが、ドローンを奥山に向かって飛ばしたら、奥山からクマが逆に出て来ないかみたいな(ことはないでしょうか)。
知事
そこはプロと相談しながら、全体で向こう(山奥)に追っていくようにしないと、いきなり奥にやっちゃうと、全くおっしゃる通りで、追い出してみてもしょうがないので、将来的には急ぎ足の議論ですけど、クマが終わった、今度シカなどやるときには、ある意味シェパード犬みたいな議論もしていたのですが、ある意味特定エリアに追い込むときにも、こういった議論ができますが、今回はとりあえず追い払いということなので、住宅地からその奥の方に近づかない方がいいなと思わせるような、そういう飛ばし方をするということです。
記者
先ほどのタブレットの関係ですが、低所得者向けの貸与は決定済みですか。
知事
決定済みというか、どの程度のものをやるかということは決定していませんが、生活困窮者に対する対応は行うという方向で検討しています。
記者
要するに、どの所得のラインを設定するかというのは、まだ(決まっていない)ということで良いでしょうか。
知事
そういうことで良いです。
記者
NHKの受信料の未払い問題の関係で、(NHK)本社への訪問(日程)は決まりましたでしょうか。
知事
今、先方から日にちを変えてくれという話も来ているようなので、また決まったらご報告します。
記者
ちなみに、岐阜県の受信料の未払い分について、対象機器が50台あるというお話でしたが、これはまだ払っていないということでよろしいでしょうか。
知事
払っていません。
記者
(NHKとの)協議を踏まえて払うかどうかを決めるということでよろしいですか。
知事
もちろんです。県だけでなくて、市町村も同じような状態になっていますので、県の対応を見て考えるというところも多いですから、それはしっかりどんな対策があるのか、NHKでできる対策とか、法律(改正)までいかないといけない問題なのか、結構いろいろとあると思っていまして、そこをまずはNHKとしてどこまでできるかという相談をしていきたいと思っています。それでできるのであれば、他の自治体も多分倣われると思いますし、それこそ全国知事会でもテーマとして議論したいと思っています。
記者
法律改正等になってきますと、やはり議会との連携も必要になってくるかと思うのですが、国会議員等に働き掛けていくような思いはあるのでしょうか。
知事
逆に言うと、これはもう総務省マターになるので、総務省として、議員立法でやるか、場合によっては、政策マターであれば閣法と言って、総務省が法案を出して内閣法制局審査の下に法案を提出するというのもありますので。ただ、もちろん賛成していただくのは議員の先生方なので、この辺りもしっかりやっていきたいと思っています。
記者
LRTについて、先般岐阜市長が台湾の方に視察に行って、帰ってきて定例会見で「身の丈に合った交通システムの採用が重要だ」とか「需要予測が大事だ」というような話をされたようで、割と慎重な姿勢だなというような報道もあったのですが、知事としての受け止めを聞かせてください。
知事
彼自身、昔はLRTをやりたいと言っていた方なので、彼の中で1つの問題意識なのだろうと思っています。今市民の皆さんと話をしていて、やはり一番大きなポイントは、前廃止した電車を復活するのだろうと思っている人が結構多いので、ここはしっかりと説明しています。説明させていただければ非常によく分かっていただけます。あともう1つは、LRTがやりたいのではなくて、まさにこの県都岐阜市を中心としたこの地域に人を呼び込むためには何が必要かという議論として、1つの有力候補としてLRTがあるということです。この2点は割と誤解が多くて、電車を戻すのでしょという声が多いので、そうじゃないですよというところを丁寧に説明をさせていただいております。その中で、今回台湾に行って、最新型なものですから、初期投資がという議論がありますが、当然のことながら最新型であるならば、実証実験ということで、国に働き掛けながら、そうした最新のもの、これからどんどん技術は進歩していきますので、50年後、100年後というか、将来に向けてより有効な技術をやっていくというのを、全部自分たちで費用負担する必要はないと思っていますので、そうした技術開発と一緒にやりながら、まだちょっと言えませんが、実は手を挙げてくださっているところもあるので、そうしたところの技術やいろんなリソースを使いながら、検討していく方法もあるかなと。なので、もちろん今手元にあるお金云々という議論ではない議論をしっかりしていく中で、岐阜市も多分まちづくりとしては非常に関心が高いところだと思いますので、そこをしっかり共有しながら進めていきたいと思っています。
記者
岐阜市との共有というのは、協議体を今年度中に作りたいというようなお話だったのですが、その中でということでしょうか。
知事
もう既にやっております。それと、今我々が検討しているものも含めて、また密に連絡を取りたいと思っています。そして、他の有識者も含めた検討会というのを立ち上げてやるというのは、そのハイブリッドで進めていきたいと思っています。
記者
今回の台湾の視察も県の方も行かれているのですが、その辺りの共有というのはできているのでしょうか。
知事
まさに共有しています。
記者
(岐阜市との)溝が大きいなと思ったりなど、そんな現状ではないですか。
知事
ないです。まさに、便利さと、むしろ彼の発言にあるように、最新の技術であるということ、あとは「身の丈」という言葉をどのように取るか分かりませんが、岐阜市と同じ規模のところが国内でも(LRTを)やっていますので、あとはその最新技術をどのように導入するかと、その時の知恵の使い方というか、支援策の考え方だと思っています。そこは私も資源エネルギー庁におりましたので、特に電池技術に関しては本当に国を挙げての大きなプロジェクトとなると思いますので、そういったことも利用していきたいなと思っています。
記者
今日の(高校生が使用する)タブレットのこと(全額保護者負担方針の見直し)を受けて、低所得者では絶対にない層への一部負担というのは今考えているのでしょうか。
知事
前の議会で答弁させていただきましたが、そうしたところ(低所得者層)に対する支援は考えています。
記者
それは、今日の署名を受け取っても変わらずというところで大丈夫ですか。
知事
もちろん、そこはしっかりやっていきたいと思っています。あとは、署名を受けてどこまでそれを広げていくかということかなと思っています。
記者
クマの出没件数というのは、イコール目撃件数だと思うのですが、この目撃というのはどの程度の確たるものなのでしょうか。例えば、人家周辺のみ拾っているとか、山の奥のも拾っているのか、あるいは見間違いみたいなものもあり得なくはないかなと思うのですがいかがでしょうか。
知事
結論から言うと、見間違いはあるかもしれません。ただ、実際、それは市町村への報告があった件数しか我々も(承知していないので)、クマだと思ったら違っていたというのはあるかもしれませんが、それだけです。逆に言うと、それはクマかもしれないので、もうその情報で十分だと思っていて、それに対して追い払いができれば、クマでなければ結構だし、もし万が一クマであった場合にはしっかりと対策を取らなければいけないので、まさにその「見た」という件数だと思っています。
記者
人身被害が今年で4件あり、昨年度の推移を上回ったという話ですが、件数でいうと過去最多は何件なのでしょうか。
環境エネルギー生活部
人身被害ですが、多く出たのが令和元年度で13件出ております。それから、令和5年度で7件というのが多かった年でございます。
記者
何月くらいが多いのでしょうか。
環境エネルギー生活部
月別件数については、少しお時間をいただけますでしょうか。
知事
基本的に餌を探しに来る時期が危ないという感じがしています。前も少し申し上げましたが、元々ツキノワグマというのはヒグマに比べると臆病な方です。狂暴でないクマが降りてきて、特に人家にまでくるというのは、やはり由々しき状況かなと。普通は山に入ってキノコ取りをしていたら会ったというようなことが多いですが、まちまで出てくるというのは異常事態だと思っています。ですので、新聞を取りに行ったらクマに会いましたということが起きてしまう。昔は多分、そういうことはあまりなかったと思いますが、そこは明らかにしようと思っています。
環境エネルギー生活部
先ほどご質問のあった月別の人身被害件数ですが、令和元年度全体で13件、そのうち、9月が5件でございます。それから、次に多かった月が2件で、それが6月、7月、10月でございます。残りの1件が、8月と12月でございます。そして、令和5年度全体で7件出ておりますが、一番多かった月が7月の4件。それから、10月に2件、11月に1件で合計7件。多かった年はそのような状況でございます。
知事
こちらから山の中へ行ったことで遭遇したケースが多いのか。
環境エネルギー生活部
山で遭遇した方が多い傾向にあります。
知事
昔はスーパーまで出てくるようなことは多分なかったですよね。昔、うちの近所でバス停にクマがいたような時期もありましたが。
記者
LRT構想の関係でお伺いします。先月の岐阜ビジネスフューチャーズの講演の中で、今岐阜にある2つのショッピングモール、そして岐阜の大きな病院2つを結びたいというようなお話があったと思いますが、それはどういった意味があるのでしょうか。
知事
今想定しているエリアを考えた時に、採算性があるかないかという文脈だったと思います。要するに、そもそも乗る人がどれくらいいるかという中で、まずショッピングモールというのは、非常に多くの人が移動する場所であるということ。それからやはり病院。特にお年寄りの方が、自分で移動していくためには、LRTは車椅子でも乗れるので、病院は結構大事かなと。その中で、もう1つ私が申し上げたのは学校です。学生たちが乗り降りする場所としては、ほぼ市内を総なめしていくというような説明をしたかと思います。あと、岐阜大学の学生さん。半分は愛知県(からの通学)の方なので、そういう方も含めたときに、人が利用する可能性は結構ありますよということでお話ししたかと思います。
記者
1日にショッピングモールをはしごする人はあまりいないかなと思いますが。
知事
いないと思いますよ。そういう意味合いではなく、ショッピングモールは、今は車がないと行けないので、これから高齢社会になることや、うちの息子もそうでしたが、車に乗れない人達は行けないですよね。行ってみたい場所として、ショッピングモールは人気があるので、高齢になっても行けて、子どもたちも行けると。そういったことです。