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※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。
司会
それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
まず最初に、「ぎふ木遊館サテライト施設整備事業の決定」についてです。本日は、新たに整備事業を行います、郡上市の山川弘保市長様、そして揖斐川町の岡部栄一町長様にもご出席いただいております。
知事の発言の後、山川市長、岡部町長からの施設概要のご発言、そして質疑応答、最後にイメージパースとともに記念撮影の順で進めさせていただきます。
まずは知事から「ぎふ木遊館サテライト施設事業決定」についてご説明をお願いいたします。
知事
久しぶりの会見になりますが、今日少し(開始)時間を早めさせていただきましたのは、お手元にあると思いますが、「ぎふ木遊館サテライト施設整備」ということで、新たに2つ設置するということです。文書にありますが、元々木遊館は木育を目的に、令和2年7月に開館し、この近くにあります。実はこれが5周年記念を迎えますので、この17日木曜日に5周年記念式典を行いますが、今回はスタートということで、その後令和6年に2箇所、中津川市と高山市にサテライト(施設)ができました。そして今回2つ、今ありました郡上市と揖斐川町の追加によりまして、5圏域全体にできるというものでございます。この後、市長さん、町長さんからお話をいただきますが、実は「木の国・山の国」と言いながら、子ども達が木に触れるということがなかなかないというのと、実は私、子どもが小さい頃は、川崎におりましたが、「モッキー」といって、似たようなものがありました。これは、小さなお子さんを連れたお母さんにとっても良い居場所になりますし、子ども達も思い切り雨の日でも遊べる場所として大変重宝しておりましたが、そうしたものがこの岐阜県にもシンボルとして各圏域にできるということでありますので、それぞれご発表いただきたいと思います。非常に特徴がある面白いところですので、是非一度取材に行っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
郡上市長
郡上市長の山川でございます。この度はお時間をとっていただきまして、誠にありがとうございます。今回、知事の方からもお話がございました、岐阜県の中で、木遊館、こういったものをしっかりと作って、子ども達に木の良さ、こういったものを知っていただきたいということで、中濃地区におきまして、郡上市が選定となりました。郡上市はご存知のように、大変林業が盛んなところでございます。また、面積も県土の10分の1という大変広い面積を持っていて、90%は森林でございます。今回、郡上市は旧大和第一北小学校の体育館を利用するという、既存施設の利用でこの木遊館を作っていくということになりました。この木遊館のコンセプトとして、ほとんどのところは林務課、森林関係のところが音頭を取ることになると思うのですが、郡上市の場合は教育委員会に任せることにいたしました。これは、前市長の日置さんが「郡上学」という、郡上を知って、もっと皆が郷土を愛し、これからしっかりと守ろうというこの「郡上学」を、私の代になりまして、「シン・郡上学」、「シン」は深めるとか進化させるという「シン」にしました。その「シン・郡上学」の中で、実践的に、そしてモノに触れて、地元の良さを知ろうということで、教育委員会に任せてみようという、こういう発想でございます。体育館という大変大きな建物を使いますので、横へ広がるというだけではなく、上下、上へ向かった、そういう木製遊具、これを作って、皆さんに遊んでもらいたいと考えています。一人ひとりが大きな体育館で遊ぶということになりますが、これはやはり郡上市のお母さん方から、雨の日に遊べる広いところが欲しいという、この要望が一番強かったです。そういう意味では、体育館の利用という、これまでにないものにしました。もちろん、これは統廃合をした学校の跡地でございますので、隣には校舎がございます。この施設には、郡上市の介護老人保健施設であった(郡上)偕楽園が移転をしてきます。新しく新築するところと、この校舎の2階、3階を利用した通所の施設、そしてそこにはバンビという子ども達が入るような施設と、青年が集まれるようなものも入れて、一緒になって子ども達を育んでいくという、そういうコンセプトで作ることといたしました。実はこの大和第一北小学校が廃校になりました当時に、大変地元の子ども達は悲しんだそうです。先の議会でも手紙を読ませていただきましたが、その小学校を卒業した中学の子から、こういう手紙が来ました。「市長さん、この小学校を木遊館に選んでくださってありがとうございます。私はこの学校が大好きです。これからも皆が集まれる、そういう場所になると思います。」これは実は、私が選定したのではなくて、隣におられます知事にこの場所を選定していただきましたので、そういうことで、子どもは大変喜んで手紙をくれました。議長に許可を取って、一般質問の最終日に、そのお話をさせてもらいましたが、やはりこの木遊館というのは、これからの郡上、岐阜の子ども達の木育に関して大きな貢献をしていく、そういった場所になると思いますし、岐阜県にこうして認めていただきましたことを大変感謝すると同時に、私達はこれを作らせてもらう以上、しっかりと守って、木育を進める、こういったことをしていきたいと思います。以上でございます。ありがとうございました。
揖斐川町長
揖斐川町長の岡部でございます。本日はこういったお時間を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。私ども揖斐川町は、森林面積が町土の90%以上という、そういった町でございますので、是非こういった木育の施設をということで、県の方にお願いをいたしておりまして、今回サテライト施設としての事業決定をいただき、本当にありがたく感謝を申し上げる次第でございます。それでは、私どもが整備いたしますサテライト施設の概要について少しご説明を申し上げたいと思います。場所につきましては、わざわざ行かなくても良い、ふらっと立ち寄れるような場所というものを最優先に考え、私どもの幹線道路であります国道303号線沿いで、コンビニ、スーパー、あるいはドラッグストアなどが最も多く集まっているエリアに設置することといたしました。ここには、令和2年にオープンしました児童公園がございまして、買い物ついでに多くの親子連れが集まるために、この公園に隣接した形で、新築で、このサテライト施設を整備する予定でございます。基本設計に当たりましては、県立森林文化アカデミーの教授やら学生の皆さんにご協力いただきまして、本日お持ちしましたこのイメージパースのような施設の設計が出来上がった次第でございます。外観は、町の特産品である美濃いび茶の葉っぱをイメージした屋根と、葉の葉脈を連想する梁の構造が特徴的なものとなっております。館内は、限られたスペースを有効に活用するため、中2階と言いますか、1月5日階部分にアスレチックエリアを設けることで、子ども達にとってワクワクするような空間になればと思っております。そして、今回の施設整備では、町の豊かな森林資源である町産材にこだわりたいと考えております。特に、昭和32年の全国植樹祭、昭和51年、平成27年の全国育樹祭と3代に亘り、皇室行事を揖斐川町で開催したことから、町内にある天皇林のスギやヒノキをふんだんに使用した施設としていきたいと考えております。折しも、今年は平成27年に開催しました全国育樹祭から10年目の節目の年でございますことから、まさしく10年目の今年10月11日に、このサテライト施設で使用する木材の最初の一本目を伐る伐採式を計画しております。詳細については現在調整中でございますが、伐採に当たりましては、中津川市で6月に、伊勢神宮の式年遷宮で使用するご神木の伐採、この時に用いられました「三ツ緒伐り」という伝統的な技法を用いて伐採式を行いたいと思っております。今回の予定地は、周辺を含めて6,000㎡ございますので、この広い敷地を4つのエリアに分けて、サテライト施設本体が完成した後も、複数年かけてこのエリア全体を整備してまいりたいと思っております。そうすることで、木のおもちゃの遊びから、植物や動物と触れ合い、最終的には森の中へ入ってみようという考えに繋がるような、この場所が自然とのファーストコンタクトの場となることを期待しているものでございます。今後については、本年度実施設計と町産材の調達、そして来年度本体工事、令和9年春のオープンを目指しているところでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
記者
知事にお聞きしますが、これで5圏域に出揃うというか、これでもう全部整備はしたということになりますでしょうか。
知事
まずは5圏域に整備ができたということで、これで十分かというのは、また活用を見て考えたいなと思っておりますが、まずはせっかく5圏域にあるので、「木の国・山の国」としてはまず一段落と思っています。
記者
郡上市長、揖斐川町長、それぞれに伺いたいのですが、事業規模というか、どれぐらいの予算をかけて整備されるのか、教えていただけますでしょうか。
郡上市長
できるだけ抑えていきたいと思っておりますが、やはりモノが大きいですから、約1億5,000万円から2億円くらいの範囲に入ってくるのではないかと思っています。既存のものはできるだけ使いたいという、そういう思いです。
揖斐川町長
本体工事として1億6,850万円、外構工事を合わせますと1億8,485万円を予定しております。その他、先ほど申し上げました周辺のエリア整備に1,500万円ほどかける予定でございます。
記者
既存の木遊館で、施設で働かれている方が人手不足だというお話を聞いたことがあり、取材したわけではないので不確かかもしれないのですが、今後、運営されるに当たって、人手の確保というのはどのようにされたいか、それぞれの市長さん、町長さんに伺いたいです。
郡上市長
私はかなり長い間、「岐阜県木の国・山の国県民会議」の委員をさせていただきました。そういった中で、岐阜県はこれまでも木育に大変力を入れていただいています。そしてまた木育指導員という資格も含めて、いろいろな形で、これまでの20年を積んでこられました。ですから、ある程度そういう木育に精通した方は私はできていると思っています。また、施設の隣に、若者が集うようなものも入れますので、そういった若者とうまくコラボレートするような形で、運営はできるものと私は信じています。
揖斐川町長
(町が)直営で行うか、あるいは指定管理とかそういった外部委託で行うかについては、まだこれから検討してまいりたいと思いますが、私どもの方でも、森林に関わる仕事をされている方がたくさんおられますので、そういった方々とか、あるいは地元に森林組合とか、そういった森林関係の組織もたくさんございますので、そういった方々のご協力を得ながら、運営に当たっていきたいと思っております。
知事
運営の仕方にもよるのだろうと思うのですが、私が息子とお世話になった所は、管理人の方がいらっしゃった以外は、本当に子ども達が好きなように遊ぶというか、特に冒頭も申し上げましたが、雨の日はという話が先ほどもありましたが、雨の日に親子が揃って遊べる場所はなかなかないです。それと、やはり子ども達にとって体を思い切り動かせる場所というのは、先ほどアスレチックスペースという話もありましたが、木のところに大きなネットと言うのですかね、それをよじ登るとか、なかなか普段ではできない体験ができるというか、山に行けばできるかと言うと、山でも多分できないことなのですが、これはそういう意味では、地域のお子さん方、特に小さいお子さんがいるお母さん方にとってはすごく素敵なところで、あとは、どれだけイベントをやるかということで、やはり人手が取られますから、そこはおそらくどちらも予算も見ながら検討していると思います。
記者
先ほど各市町の事業費の説明がありましたが、県から補助金とかそういうものは出るのでしょうか。
林政部
県の方からは、設計費と施設整備費、それから中に入れるおもちゃというものについての補助を予定しております。それぞれ上限額がございまして、設計費につきましては、補助上限が250万円で、(補助率が)3分の2。それから、施設改修の工事費については、上限5,000万円で、(補助率が)3分の2。それから、木製品、木のおもちゃの購入費については補助上限500万円で、(補助率が)3分の2ということで、こちらについては、これから設計に入られるということですので、それが終わりましてから補助については用意していきたいと考えております。
記者
郡上市が整備する体育館は、今現在全く何も使ってない体育館なのでしょうか。
郡上市長
はい、そうです。
記者
山川市長にお伺いします。先ほど日置前市長の名前も出されましたが、郡上学とこの施設をどのように絡めるとお考えか教えてください。
郡上市長
先ほどお話しましたように、郡上を知って郡上の知識を深めるという、どちらかというと前市長は座学が多かったと私は理解しております。私は今回、子ども達にいわゆる実践、実学をしてもらうという、そういう思いで、今回「シン・郡上学」の中心となるものを入れていきたいと思っています。それは、ただ単に文章を読んでというものではなく、上に伸びる、木を登っていただくとか、またそれが危ない、危なくない、そういうことは落ちればよく分かるわけで、そういうことも含めて、そして皆で雨の日も含めて、子ども達が集うようなことで、お互いがしゃべり、喧嘩をし、そして笑い、そういったことで知識が深まっていく。当然、その中にはワークショップ等も入れて、この郡上の木はどうなんだ、特にシニアの方にもこういった場所に入っていただいて、年代を超えて、年配の方が若い子に昔の郡上を教える、そういうワークショップを入れる。先ほど知事もおっしゃいましたが、モノを作って終わりではなく、そこにこれからの郷土愛を吹き込んでいく、そういう思いで運営をしていきたいと思っております。
司会
では、この辺りで質疑応答は終わらせていただき、次に写真撮影に移らせていただきます。知事、郡上市長、揖斐川町長にはご起立いただきまして、机の前へお願いいたします。
(写真撮影)
司会
以上で、本日の発表項目の1つ目「ぎふ木遊館サテライト施設整備決定」について終わらせていただきます。どうもありがとうございました。郡上市長、揖斐川町長はここでご退席されます。
引き続き、他の発表項目について、知事お願いします。
知事
次に、お手元に資料が2つあると思いますが、ねんりんピック絡みで、観覧者募集を明日から始めます。まず、総合開会式の観覧者募集が1つで、明日から始まって8月29日まで募集して、約1,000名の方々に、メモリアルセンターの競技場の開会式に是非来てくださいというのが一つです。そして、その引き続きのイベントとして、これも明日からの募集なのですが、10月19日にミナモホールで講演会、それからぎふ清流文化プラザで音楽文化祭を開催しますので、こちらも募集いたします。それぞれ、募集人数は違うのですが、まず総合開会式については、ひろみちお兄さん(応援大使の佐藤弘道氏)から始まり、いろんなイベントがあります。入場は無料です。申込みの仕方については、ハガキだったり、ネットだったり、いろんな応募の仕方がありますので、是非お願いいたします。そしてイベントの方が、講演会について、鎌田實先生はご存知の方が多いと思いますが、医者であり作家であり、私も実は(経済産業省の)ヘルスケア産業課長の時以来、病気を治すというよりは、健康でい続けるためにどうしたら良いかということで、講演の演題が「人生をもっと面白くする方法」で、非常にお話がお上手で、楽しい方でありますので、是非聞いていただければと思いますし、私もよくこの方と一緒に講演をしたものですから。第2部でクロストークということで、まさに人が健康であるためにはどうあるべきか、まさに楽しく、美味しくみたいなそんな話です。それと、音楽文化祭の方は、岐阜県出身でいらっしゃいます石原詢子さんに来ていただいて歌っていただくのですが、資料の下の方にありますように、高校生の方々やいろんな方々、県立岐阜北高校の吹奏楽部、なかなかレベルが高いですし、多治見西高校の箏、大垣特別支援学校の和太鼓など、本当に和洋いろんなものがあって良いと思います。あとは、コーラスがあったり、石原詢子さんがあったりと盛りだくさんですので、是非申込みをしていただければということで、宣伝の方をよろしくお願いいたします。
そして、前回少し前触れをさせていただきましたが、「『県民文化の森』夏のわくわくプロジェクト」ということで、県有施設を有効に使おうということで、図書館と美術館、図書館は県最大の蔵書を誇りますし、美術館も素晴らしくて、ただこれはこれで素晴らしいのですが、これをもっと有効に使おうということです。今日もそうですが、今年の夏もめちゃくちゃ暑いので、ここをクーリングスポットとして、特に美術館は収蔵品の関係で 24時間、365日20度に保たなければいけないとなりますので、ゆっくり涼んでいただいて、芸術に親しんでいただくと。ただ、それだけではなかなか人が集まらないと思いますので、今回は、次のページを見ると、分かりやすいかどうかですが、「わくわくプロジェクト」として開催します。ただ、(図書館や美術館を)開けますよというよりは、いろんなことをやりますので、資料の裏面を見ていただいた方が良いと思いますが、まず図書館は今は10時からしか開きませんが、8時45分から開けて、さらに4つの喫茶店に協力をいただいて、モーニングサービスをやります。ですから、お年寄りの方も朝から図書館に行って、ゆっくりモーニングを楽しんでいただいて、図書館そのものは10時から開くのですが、その共有スペースのところで涼んでいただくと。そして、中にレストランがありますが、そこでもイベントに合わせて交流サロンで特別販売していただくというもの。そして、これは目玉ですが、じゃぶじゃぶ池もあります。また見ていただいたら良いと思います。もうすでに掃除は終わっていて、私も掃除に行こうかなと思いましたが、子ども達にとって暑い夏に居場所、特に芝生があって、そのままじゃぶじゃぶと入れるところ、水質検査もやり、水も抜いてきれいにしましたので、子ども達も遊べるし、お母さん達は近くのところで涼しく見守りもできるようにしたいと思っています。その上で、景品付きのスタンプラリーをやったりとか、キッチンカーにも来ていただいて、いろんな食を楽しんでいただくし、朝市もやりたいなと思っております。時間帯がそれぞれ多少ずれているので、一覧表を見ていただいた方が分かると思いますが、一般向けには「夏のわくわくプロジェクト」と称しまして、イベントもやりながらモーニングを楽しんでいただいてとか、水遊びもできるという、まさに県営の施設を徹底的に使い尽くすということで、その上で是非本も読んでいただきたい、美術にも親しんでいただきたいということで、今大車輪で準備をしてもらっていますが、夏休みが始まった7月26日から8月24日のとりあえず1か月を目標に、イベントという形でプロジェクトを開催したいと思います。近隣の所にもチラシを入れたりして、暑い夏を楽しく過ごしていただくような、そんなきっかけになればなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、「岐阜県多胎児出生時支援金」について、私が着任の時にも申し上げましたが、双子、三つ子として、たくさん出産いただくことはとても素敵なのですが、なかなか大変だということで、多胎児一人につき10万円を支給するということで、今回の議会でようやく(関連の)条例が改正できました。これによって、スマホで申し込めるようになりました。住民基本台帳関係のルールを変えましたので、お忙しい方にいちいち申請に来てというのは大変なので、これが通ったということで、7月15日からどうぞと。もう予算は通っておりますので、対象のお子さんは、今年の4月1日以降に生まれたお子さんで、生まれた時に、岐阜県内に住所があれば大丈夫ですよということですので、是非申し込んでいただければと。できるだけ手続きを簡単にするようにということで、オンラインの準備をしましたので、スタートはこの時期になりました。次のページに案内の紙がありますが、お一人につき10万円ということで、2人目から(支給する)という制度は国もあるのですが、双子だとお一人しか出ないところを、そうではなくて、どちら(のお子さん)にも出せるような形で準備をさせていただきましたので、是非ご活用いただければと思っております。
そして、最後ですが、グルメと言うことで、暑い夏を乗り切るという意味でも、首都圏、関西圏の飲食店で「岐阜グルメフェア『飛騨牛&鮎2025』」ということで、キャンペーンをやらせていただきたいと思っております。ご協力をいただいている店舗は、(資料の)2枚目にありますが、首都圏で26店舗、その中で24店舗に飛騨牛を扱っていただき、15店舗で鮎ということで、重なっている部分は、両方(取り扱っている)ということになります。関西でも、28店舗で、飛騨牛21店舗、鮎が13店舗で、重なっている部分は両方ということで、今万博をやっているということもありまして、関西で試食会をやります。是非行ってくださいということで、7月25日のお昼に「プレスキル」という大阪市中央区にあるお店で、挨拶とともに料理の説明をします。料理の写真は裏にありますが、こうした飛騨牛、鮎を使った料理をご紹介させていただきたいので、キャンペーンで実際に味わっていただいて、発信していただければありがたいなと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
記者
「夏のわくわくプロジェクト」について、ちょうど夏休みに重なるので、お子さんなり家族連れに多く利用してもらうというイメージでしょうか。
知事
そうですね。特に夏休みというのは、ご両親にとって子どもの居場所を確保するというのはすごく大変なことです。もちろん、じゃぶじゃぶ池ですからそんなに大きい子というわけではないのですが、小さい子もいけるし、大きい子は夏休みの宿題を図書館でやっていただいたりとかそういう思いもあるのですが、残念ながら図書館の利用というのは、まだキャパに対して少ないというのと、涼しく過ごしてもらいたいということで、今まさにおっしゃっていただいたように、どこに行こうかと迷われる夏休みの時間にここを使っていただければと、そんな主旨であります。
記者
LRTについて、先般の議会で、導入を検討しているという話をされました。県民の皆さんの関心も非常に高い話かと思っております。定例会見で動画(の撮影)も入っていますので、改めて現時点でどのような絵を描こうとしているのか、知事の口からご説明願いたいと思います。
知事
まずは、この岐阜県にとって最大の悩みというのは、良いものがたくさん、特に岐阜市を中心に良いものがあるのですが、車社会になってしまったがゆえに駐車場がある場所を中心にしか動けない。特に、これだけ栄えた中心市街地も、駐車場がないという観点で外へ外へと出てしまったということがあります。一方で、金華山もあり、鵜飼もあり、川原町もあり、国際会議場もありといろいろあるのですが、そこを活かすためには、やはり新たな交通システムが要るだろうと。それによって歩く街に変えていく。これは一つ大きなポイントです。もう一つは、岐阜羽島駅に本当に多くの外国人観光客の方が来られて、羽島に滞在して新幹線のフリーパスを使って、東京、大阪、京都に行かれる、高山も日帰りで行かれるのですが、その方々が岐阜の街中に来ない。それで、このルートを開けたい。しかも、この岐阜県庁、非常に素晴らしい建物を作っていただいたのですが、これをもっと活かす方法はないだろうかと。そして、先般開通した東海環状自動車道の岐阜インターチェンジ、ある意味岐阜市の唯一のインターチェンジなのですが、ここから人を市内に呼び込むためのルートも要るだろうと。今は車社会ですから、どんどん車が入ってきてしまうと、渋滞を起こすだけなので、そうではないシステムとして、南は岐阜羽島駅から、そして(岐阜)市内をぐるっと回るもの、さらには岐阜市のインターまで繋ぐルート、岐阜大学がありますし、病院もありますので、本当に今市民の方々が車に頼らずに、特にお年寄りの方々と若い人達がこの街を歩くために非常に大事なシステムになるのではないかということで、候補としてLRTを考えたという次第でございます。
記者
やはりお金の話が何となく頭に浮かんでしまうのですが、財政的にお金がどれぐらいかかるだろうかみたいな意見もあるのですが、その辺りについてはどうでしょうか。
知事
これも非常に大事なところで、どうしてもこういった計画が遅くなるのは、特に土地の買収に時間とお金がかかるものですから、今回は極力そうした買収にかかる部分を少なくするという方式を考えようと。そして、時間として早いということが大事なので、10年というのを一つの目途として、10年以内には完成するような形。いろんなやり方があると思うのですが、結果的に予算費用的にもかなり抑えた形でできるのではないかと。今、まさにいろんな形のシミュレーションと試算をしておりますので、それができたところでまた発表したいと思っているのですが、極力、費用がかからない方式を考えたいと思っています。
記者
LRT関連で、10年以内に完成して、極力(費用を)抑えてという話ですが、事業規模が現段階でどれくらいというのはありますか。
知事
規模がまさに大事なところでありまして、今鋭意試算中でありますが、多分みなさんがイメージしてるよりは安いと思います、というぐらいにしておきます。
記者
歩く街に変えたいという主旨なのですが、日本全国、東京の都心部や大阪などのごく中心部以外は基本的に車社会だと思うのですが、それを10年で変えるというビジョンがいまいち見えにくいのではないかという気がするのですが、その点いかがでしょうか。
知事
むしろ歩く街にするというか、歩くことのほうが有利な街にしていく。例えば、岐阜城の足元に岐阜城楽市ができたのですが、あそこにアクセスするは、多分今は車しかないです。そうすると、混む時間帯は駐車場に入れないという問題が起きてしまいます。逆に、今度はそこを楽しんだ後に、次はどこへ行こうかとなると、まず車に乗っていけるところ、その先に駐車場があるところになりますから、あの界隈をぐるぐる歩くということにはそもそもならない。例えば川原町に行こうと思うと道を渡ってまた車で行くと、また駐車場に戻ってこなければいけないという問題がありますから、むしろ車に頼らない、例えば、せっかく岐阜城楽市を見た後にちょっと金華山を登ってみて、降りてきたら今度は川原町を歩いて、そのまま護国神社の方まで歩いてみようかということは車を持っている人はしない。それともう一つすごく大事なことは、歩いていると、じゃあどこでお茶飲もうか、どこで食べようかということを歩きながら探せるんですね。車だと始めから目的を決めて乗らないと、ぐるぐる回っているわけにいかないので、そういう意味で歩く街になる。これは、国内のいろんなところを見ていますが、やはりLRTができたところというのは、逆に車に乗らないので、駅から駅、一駅ぐらいなら歩いてみようかとか、いずれにしても、すぐに車に戻ってということではなくなりますから、結果的に歩く街になるし、そうすると今度はそういう人達を目当てにお店が開けられるようになるし、今は駐車場と駐車場の間のお店はほとんどないです。開けてみても、寄るにしても車を止めるところがないのでという形になりますから、それを逆転させたいと、そんな思いです。
記者
もう1点、参院選の関連で、日本人ファーストを公約に掲げる参政党が、全国的に勢力を伸ばすのではないかと言われていますが、排外的という指摘もある中で、公約をどのように捉えていらっしゃるかという点と、岐阜選挙区でも結構猛追していると報じられていますが、その現状をどう見ていらっしゃるか教えてください。
知事
日本人ファーストが良いかどうかというのは、トランプさんを見ていれば、ちょっとと思う人があるかもしれませんが、むしろ外国人労働者問題を担当していた立場からすると、外国人の方を安い労働力で使おうという社会はいずれダメになると思っています。ですから、外国人の方も日本人と同じように扱っていくような社会でなければいけない。それは、よく海外でもそうなのですが、日本人ファーストというと、外国の方がより有利な条件でここで生活しているのではないかとそういう議論が中心だと思いますが、まだ日本の、この岐阜県においては、むしろ労働力として活躍していただいているというのが中心になっています。特に、偽らざるところ、日本人が嫌なことは外国人だって嫌なのです。嫌と言えない人に頼った経済活動をやっているところはむしろ直していかなければいけないので、日本人ファーストというよりは、外国の方も日本人と同じように扱える社会にしていくことが大事ではないかと私自身は思っていますし、県としてもそのような政策に持っていければというのが、ご質問に対するお答えになろうかと思っています。
記者
多胎児出生時支援金について、改めて多胎児の出生時に10万円を県が支援することの意義をお聞かせください。
知事
選挙活動中に県内を周る中で結構多くの方から2人目の子にお金は出るのですが、双子の時に片方の子にしか出ない(とお聞きします)。いろいろ聞いてみると、確かに年子は(支援金が)出ないからと言われるのですが、いや、年子と双子は違うだろうと。いっぺんに親御さんにかかる負荷というのは非常に大きいということもあって、2人目からということだけの制度では不十分だということは非常に強く感じていました。もちろん10万円が十分かどうかというのは別途あるにしろ、2人目からもらえるのと同じ金額を1人目から出すことによって、双子、三つ子、今少子化と言われている中で、苦労して育てられている方々の応援をするのは大事かなということで、この制度をやらせていただきましたし、実際にそういう声を踏まえて今回制度を整備させていただきました。
記者
参院選について、他都道府県の知事の方がこちら(岐阜県)に応援に入る、小池都知事が入られるという話があります。改めまして、江崎知事におかれまして、参院選についてどちらかの陣営に対して応援演説ですとか、激励に訪れられるとかそういったご意向はありますでしょうか。
知事
知事というのは、選挙と言われましたが、まさに県民党ということで、広くあまねくだと思っておりますので、小池都知事の場合は、自身が党を仕立てておられますから、そういう意味では、彼女は彼女のポリシーに従ってやっていると思いますし、私の場合は基本的にあまねくと思っております。(応援演説の)要請はあったのですが、予定があったのでごめんなさいというのが1つありましたが、公平に行きたいなと思っています。
記者
ちなみに、どちらの党からですか。
知事
それは秘密にしておきましょう。
記者
昨日14日の知事日程実績で、前群馬県副知事の宇留賀敬一さんと面談と懇談をされていたと思うのですが、経産省時代の後輩になると思うのですが。
知事
まさに外国人労働者問題をやっていたチームのメンバーです。
記者
ちなみにどのようなことをお話しされたのでしょうか。
知事
元々私が(知事に)着任した頃から「一度来ない。」と話をしていたのと、実は彼に教えてもらいたいことがあって、一度調べていただくと良いと思うのですが、群馬県もほぼ岐阜県と同じ軌跡を辿っていまして、前の知事さんが割とどちらかというと建設関係がお得意な方で、たくさんやられて、ほぼ県費ゼロの状態で今の知事さんがやっておられて、それがまさに今これから我々がやろうと思っていることとほぼ同じことをやって、かなり貯金も作ったということをやってきたまさに本人なので、一度教えてと話をしていました。知事になったら、というのがようやく実現しました。
ですから、一応昨日お願いしておきましたが、いろいろ県によって事情は違うと思いますが、本当にお金がなかった時に、国のお金を相当引っ張ってきたと言っていましたから、その辺のノウハウだとか、それをやるに当たってのいろんな苦労もあったと思いますので、これはまだここでいきなり発表してはいけないのかもしれませんが、一応県にどこかで講師として来てもらおうかなと思っています。幹部会議でその辺のノウハウを、もう既に石川県副知事には頼んであって、これは防災の話を岐阜県で話をしてくださいと。これに続く第2弾として財政立て直しの時の、その時と同じようになるか分かりませんが、参考になる情報があればということでお願いをしようと思っています。
記者
宇留賀さんはつい先日副知事を退任されたということで、岐阜県の副知事になる可能性はいかがでしょうか。
知事
今のところ考えていません。
記者
今月1日の県議会一般質問の関係なのですが、県政自民クラブの代表質問にあった財政の見通しに関して、江崎さんが1,800億円を超える負債でのスタートということで、古田県政の1,500億円と比べるとさらに厳しい状況ということで、比較の問題のいろんな視点があるとは思うのですが、実質公債費比率、財政規模も違うので、さらに厳しいと言えないかもしれないとは思うのですが、その辺りはどのようなご見解でしょうか。
知事
何を比較するかにもよりますが、まずは少なくとも固い数字というか、まさに借金がいくらあって、返さなければいけないということにおいては、1,800億円でさらに厳しいという意味では、もう先送りはできませんので、前県政の場合には(県債の償還期間の)20年を30年に延ばすという最後の必殺技があったのですが、それはもう私の県政では無いということなので、おそらくその1,500億円とか1,800億円という以上に遥かに厳しい状況になるだろうなということは、まさに偽らざるところかなと思っています。
記者
もう1つ、その後の答弁で、「未来のために使うべき『米百俵』どころか、種もみまでも食べてしまったようなもの。県政運営としてあまりに無責任だと言わざるを得ない。」との答弁もあったと思うのですが、江崎知事は知事選の時に候補者アンケートで古田県政20年の評価を「感謝」というような言葉で表現されていたのですが、実際に知事に就任されて、県政運営に当たっていく中で心境の変化みたいなものはあったのでしょうか。
知事
ないです。基本的にはその時も申し上げたのですが、スーパー低空飛行だと思いますが、とりあえずここまで運営していただいたことに対する感謝。特にこれは皆さんの前で申し上げたか分かりませんが、対談か何かの時に言われたのですが、前政権を評価すると何点ですかという話があって、それは例えば駅伝で走ってくる相手、本当に必死に走ってきた相手から襷をもらう時にお前は何点だと言う人はいないでしょうと。その時はやはりありがとうと言って受け取るのではないですかという意味において感謝ということです。
今度は受け取った後、さあ走ろうと思った時に、いろんな足枷、その他があるということに関して、冷静に判断して対応していくというのは、それは私の問題なので、その時の、今までやってこられた方々が正確に理解すると、今どれくらい厳しい状況なのかということを、きっちり説明するための方法として申し上げたのであって、何か心境が変わったわけではありません。それだけの負荷を考えた上で、皆でこれから走っていこうよと、そういうことだと思っています。
記者
今朝、岐阜市で起きた突風によるものとも思われる被害について伺いたいのですが、現時点で県内被害としてどのような情報が入ってきているのかということと、もし今後対応するということでしたら、どういった対応を考えられているのかを教えてください。
知事
今朝の時点でまだ調査中だったので、被害があるかどうかの調査が先だと思いますが、今のところまだ私のところに(情報が)来ていないので、刻一刻と状況が変わっていると思うので、(会見場に)来るまでには聞いていないですが、(会見場を)出るとまた状況が変わっているかもしれないので、またお伝えします。
記者
トランプ関税に関連して、トランプ大統領が8月1日から25%の対日関税を課すと。延期されてきたところを改めてというところですが、これについての知事の所感と、今後の対応について伺えますか。
知事
外交は国の仕事であるのですが、まさに彼らしい交渉の仕方だなと思います。いきなり25%ではなくて、8月1日まで伸ばしたということは、その間で交渉しようというメッセージに、当然のことながらどこも思っていると思います。だから彼にしてみれば、どんなお土産をくれるのですかというのを待っていますということなのだろうと思います。ただ、日本がたまたま最初だということもあるのですが、他の国においても同じような状況があります。なので、ここは本当に石破政権としてどう立ち回るかという非常に苦しいところだと思いますが、交渉というのはまさにそういうものなので、今一番苦しいところにどちらが譲るのか譲らないのか。加えて、前も言いましたが、関税はかけた方が苦しいです。結局は、自分の国の国民の物価を上げる措置ですので、それがそのリスクをどこまで正確に理解した上でやっているのか。そうすると、(関税を)上げて終わりじゃないというのは当然のことなので、相手も苦しいけど、自分も苦しい中でギリギリの妥協案を探ると、まさにそのプロセスが佳境に入っているのかなと。だから、各国の動きも見ながら、日本として譲れるところ、譲れないところというのをまさにやると。私も通産省に入った時は、日米構造協議のまさに真っ只中に入りましたので、何となく懐かしい感じもしながら、ここが正念場だなと思っています。
記者
春頃だったかと思うのですが、県として、企業の経営者を集めた会議を考えているということを会見の場でおっしゃっていたかと思うのですが、そちらの進捗具合はどのようになっていますか。
知事
この間、若手の方々を(対象に)やらせていただきましたので、ここについては、我々の想像以上に非常に前向きな意見がありました。一方で、トランプ関税に関しては、もう対応策も取ったのですが、申請もないし、そういう意味では急いでバタバタというよりは多分今回の25%の影響を見極めた上で、相談もほとんどが「不安だ。」という相談しかないので、不安であっても使える予算措置もしましたので、あとは、その次の動きに向けて、おそらくこれから協議会をやっても、若手の方は既にメッセージが出ていますので、あとこれから実際の関税の状況を見ながら、具体的にどうするかというのは次の段階で準備していくことになると思います。
記者
確認ですが、先ほどの質問の中で、古田県政の引継ぎの中で、「スーパー低空飛行だった。」というご発言があったと思うのですが、これは財政面に限ってという理解でよろしいですか。
知事
もちろんです。
記者
先週7月6日で本格運用から30年経った長良川河口堰について、6月12日に市民団体の「よみがえれ長良川実行委員会」の方から知事宛てに要請書が出ているのですが、その中に2項目が河口堰についてはありまして、県民議論の場をつくってほしいというのが一点と、2点目は開門調査に向けた検討をしてほしいということなのですが、改めて、要請書に対する答えとして、まず県民の議論の場の考えというのは現状、知事の中であるのかを教えてください。
知事
結論から言うと、今のところまだ考えてはいません。その要請書をつぶさに見るのと、一方で、実際には河口堰を作ったことによる環境の影響とともに、実は洪水被害その他には結構プラスの面があったりするので、それを見極めた上で、対応は考えておく必要があるかなと思っています。
記者
現状、考えていないということは、不要だという考えですか。
知事
いや、これから考えるということです。ですから、おそらくそういう要望があった時には、その要望の中身を見た上で、今度は逆にそれによる洪水被害その他を勘案して、じゃあ、やるにしてもどういう観点でやるのかという論点を整理してからやることになりますので、まさにまだこれからという感じだと思います。
記者
開門調査についてはいかがですか。
知事
同じだと思います。その必要があるのかどうかということも含めて、まさにあの下に泥がたまるとかいろんな問題があったりするので、塩害の問題、その辺りも含めてどうするかということは検討していく必要があると思っています。
記者
先週のシンポジウムの中で、今こそ円卓会議が必要ではないかという、岐阜県は岐阜県で会議をやっています、愛知県は愛知県で会議をやっています、中部地方整備局の方は中部地方整備局で委員会をやっていますということで、それぞれで市民団体があって、それぞれがそれぞれに、それぞれの立場でものを言ってるだけで、結局30年経っても開けるか開けないかの議論に終始して、何も進展がないということを言われる登壇者の方もいて、今こそ円卓会議が必要ではないかという意見もあったのですが、それについてはどのようにお考えですか。
知事
その議論については正しいと思いますし、バラバラやるよりは皆でやった方が良いと思います。ただ、その時に皆で集まって、さあどの論点で議論するのかというのは結構難しいがゆえに、今のところバラバラだったのだろうと思います。ただ今、30年経ってその議論はもう尽きたので、次のステージに行くということは当然ですし、その中ではあってもおかしくはないと思っています。じゃあ集まれば何か解決するかというと、たぶん同じことになると思いますので、今言った両面の論点を整理した上で、円卓会議を開くなら開くということになると思います。
記者
今年、長良川河口堰の運用から30年というのと同時に、世界農業遺産の清流長良川の鮎が認定されて10年の節目でもあるのですが、現状、この長良川というものの環境を知事としてはどのようにお考えでしょうか。
知事
前々回(の記者会見で)発表しましたが、おかげ様で鮎の生産量は日本一です。ある意味、ダントツです。これが全然ダメになりましたとかであれば、また違うことになるかもしれませんが、鮎ということだけで言うならば、漁獲量からすると、おそらく十分なところまでいけていて、これが3倍になります、4倍になります(ということになる)かもしれませんが、今のところそれで即何か手を打たないといけない状況があるわけではないかなと思っております。ただ、見えていないところでこんな問題がありますというのであれば、またそこで考える必要があると思います。
記者
改めて、30年経った今、河口堰とは別に、長良川の現状、環境がどうなっているのかということを調査する考えはありますでしょうか。
知事
これは長良川だけではなくて、日本全国に言えることですが、非常に良いことなのですが、どこの川もきれいになっている。きれいになった結果、貝が取れないとか、そういう話もあって、この国全体として川をきれいにする大きな流れにはあると思っています。それで、岐阜県のシンボルである長良川をさらにどうするのか、今この瞬間にその水質が悪くなってどうのこうのという話はありませんので、そこも見極めて、どこまで持っていきたいのか、どうすることが良いのか、ただきれいならそれで良いのかということではなさそうだというのは、今、環境省もいろいろ議論を始めていますので、その辺りを見極めて考えたいと思います。