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知事記者会見録(令和7年6月12日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和7年6月12日(木曜日)14時30分

​司会
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 知事お願いいたします。

知事
 
(記者会見の開催は)2週間ぶりになりますよね。それから、万博にお越しいただきました皆様、本当にありがとうございました。結構雨ではありましたが、逆に雨のおかげでお客さんがたくさん入ったということもありまして、非常に良かったと思います。せっかくですので、冒頭にちょっと万博の状況を説明させていただいて、そこから今日の会見に入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 おかげ様で、この月曜、火曜の6月9日、10日の2日間、延べ約1万8千人の方々にご来場いただきました。会場に来ていただいた方はお分かりだと思いますが、私も2日目に行きましたが、会場もほぼ全体がバランスよく埋まる形になりまして、出演いただいた方々もすごく良かったのではないかなと思っております。そして今回、「岐阜県の日」ということで、岐阜県の歴史、伝統文化、そして産業、こういったものをかなり効果的に発信できたのではないかなと思っております。特に海外の方々に、本当に絶賛していただくようなシーンも結構ありまして、まず初日で言うと、鵜飼のデモンストレーション。あのように、実際に鵜が(鮎を)どう捕まえるかというのは、なかなか船の上からでは見ることない、そうしたシーンが見られるということで、本当に素晴らしい技術もありましたし、2日目で言うと、若い方々のパフォーマンス、これをアメリカの首席領事の方も絶賛しておられました。本当に、若い力と、それが歴史の伝統文化とコラボする形で、あのようなパワーで発信された。特に太鼓、そしてマーチングバンドもそうですが、甲冑を着たりとか、まさに戦国絵巻を新しい形で発信していくことも素晴らしかったですし、子どもたちの動きの中で、まさに伝統と未来を表現することは素晴らしいことだったなと思っております。
 大きく言うと、初日の方は、しっかりとした歴史と伝統文化を発信する。2日目の方は、今申し上げた若い人たちと一緒に未来へのメッセージを発信するということがうまくいけたのではないかなと思っております。あと、残念ながら4,000万円の本関刀は売れませんでしたが、非常に関心を持っていただいたものと思っています。私も少し出させていただきましたが、やはりどうしても日本刀、武士というのは、人気はあるのですが、戦いではないかというメッセージもあろうかと思いましたので、最後にそうではなくて、争いを避ける、そうした日本の精神をお伝えするということで、少し私も出演させていただきました。まさに、「輝くいのち」ということを、表現できたのではないかなと思っておりますので、本当にお越しいただいた皆さんのおかげで、無事に行うことができました。そして、今回ありがたいなと思いましたのは、濃姫、そして武将隊の方々が、本当に効果的に発信をしていただいたおかげで、多くの方に集まっていただけたかなと。そして、ちょうど雨だったので、和傘、これが非常に効果的に、伝統文化ということだけは知っていますが、あのような形で、特に着物を着た方々が持たれたあのシーン、一緒に写真を撮られた方もたくさんあったと思いますが、すごく良かったなと。あと、法螺貝、太鼓というので、ああいったものも本当に効果的に発信する、非常に良いツールだったなと思っております。なので、4,000万円の本関刀もまだ売っていますから、良かったら宣伝していただいて、一本銘入れ品にと思ったのですが、アラブの王様にはちょっと会えなかったですが、また発信していきたいなと思っております。それから、県産品コーナーでは、61アイテムあったのですが、約8割が売り切れということで、大変好評でありまして、その点でもありがたいかなと思っております。まず一点、冒頭にその話をさせていただきました。後でまた、併せてご質問を受けたいと思います。

 それでは、本日の公表項目、今日はゲストの皆さんにもお越しいただいております。遂に「政策オリンピック」の第一弾、「ニホンザル対策のモデル構築」、これの支援対象団体が決定いたしました。お手元の資料にありますとおり、4つの団体の方々に今日お越しいただいております。おめでとうございます。県にとっても、「政策オリンピック」ということ自体がまさに初体験でありますので、いろいろ手探りではありました。でも、本当に我々の期待以上の取組みをしていただきまして、総計16団体から応募をいただきました。かなり短期間でありましたが、皆さんよく考えていただきまして、私ばかりしゃべってはいけないので、後ほど(支援対象団体の方に)少しプレゼンをしていただきますが、4つ、オリンピックなので金・銀・銅というように皆さん思われるかもしれませんが、今回はサルから守るという意味においては、金・銀・銅というよりは、それぞれ特徴あるご提案をいただいたものに対して、賞の名前を付けるという形で、4つ選ばせていただきました。
 まず最初が、まさに「先端技術賞」ということで、サルというのは1対1というよりは群れで動くものですから、その状況を把握する、これは日本中のどこでもあるのですが、できるだけ安い値段で、新しい技術で、手軽にできるというのはすごく大事でありまして、お手元にありますように、エアタグを付けて、ICTによって群れごと捕獲するための、いろんな先端技術を使うというものです。
 2つ目が、今度は追い払えば良いということではなくて、居場所をちゃんと作っていこうということで、特に今回のテーマとして、ただ追い払えば良い、殺せば良いということではなくて、彼ら(ニホンザル)の居場所、そのためにどんな準備をするのかということ。
 そして3つ目が、今度はおびき寄せるということのいろんな知恵を、やはりそれぞれ面白いなということで、捕獲力をアップしていくということです。
 そして4番目は、やはり若い人たちも一緒になって、総合力で対策をやっていこうと(いうものです)。やはりいずれにあるのも、サルの行動をしっかり把握するということ。そして、ただ居なければ良いというよりは、居て良い場所というのもあるだろうと、そういったものを総合的に考えると。この4つを今回選ばせていただきまして、もちろん点数の高い方からなのですが、今回当選ということで、期待させていただけるかなと思っております。ではせっかくですので、お一人ずつざっとこんなポイントということをPRしていただきたいと思います。

ぎふ鳥獣対策ネットワーク
 
「ぎふ鳥獣対策ネットワーク」の興膳と申します。この度は、「政策オリンピック」というお題をいただいたので、これをきっかけに、郡上を中心に岐阜の若い人たちに声を掛けまして、団体を新しく設立しました。これからも、大学生や高校生など若い人たちのアイデアをもらいながら、このサル対策に取り組んでいこうということで提案をさせていただきましたので、今後ともよろしくお願いします。

下呂市猟友会馬瀬支部
 
私は、岐阜県の下呂市からまいりました、「下呂市猟友会馬瀬支部」の尾里と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私の方は、猟師ということで、猟師の視点からサルの捕獲というところで、どのようにしたらたくさんのサルが捕獲できるかという戦略を考えました。その中で、やはりサルというのは本当に賢いです。一般の檻ではなかなか難しいところから、「地獄檻」という檻を考案された業者が見えまして、その檻を購入して、捕獲に向かいました。しかし、捕獲するに当たって、その餌がどうしても野菜とか果物とかそういったものですと、長時間持たない、期日が持たないということで、また、その餌を、サルが一頭でも入ったらそれが全て食べてしまうと。そうすると、その檻の中に餌がないので、他のサルは魅力がないというところの中で、どうしたら良いのかと考えさせていただきました。その中で、ペットボトルを使って、その中に大豆、くず米、トウモロコシ、そのようなものを入れて少し穴を開けて、サルがそれを揺らすと少しずつ落ちるというようなところの中で、考案させていただいて、そうするとサルが少しずつ食べている間に他のサルもどんどんと入ってくるというところの中で、群れごと捕獲をするという考案をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

揖斐郡森林組合
 
私は岐阜の西の方、西濃地域の「揖斐郡森林組合」と申します。よろしくお願いいたします。この後また説明があるということで、細かいところまでは省略しますが、先ほど江崎知事さんが申し上げましたように、サルを追い払う、捕獲、それから駆除するという形ではなくて、サルの住処を、何とか我々森林組合の森を創る技術の中で創れないかということで、今回のアプローチをさせていただいたということでございます。また後ほどご説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

飛騨市鳥獣被害防止対策協議会
 
「飛騨市鳥獣被害防止対策協議会」です。今回は、今までGPS首輪を付けて、サルの動態を把握して、それを基に檻を配置したりとか、追い払いをするというものが今までサル対策の主流ではあったのですが、GPS首輪が結構高価なもので、一機付けるのにコストがかかってしまうということだったので、皆さんの生活の中にあるアイフォンのエアタグというものをGPS首輪の代わりに付けまして、それを基に市民の方とかが見やすいようにしながら、サルの動態を把握したりとか、バルーンを使ったりとか、AIを活用したりといった形で、新しい技術を活用しながら、今回挑戦してみたいと思います。よろしくお願いします。

知事
 
これに対する詳細な質問には後ほど答えていただけると思いますが、私の方からお伝えしようかなと思っておりますのは、本当に今回、専門家の方、それはただ単に捕まえるというよりはサルの生態に詳しい方だとか、やはり命が大切ですから、ただ殺せば良いわけではないので、そちらに割と点数も多く付いたかなという感じはしております。それと皆さん自身もどういう制度なのか分からないままの審査でもありましたので、審査の過程でいただいた指摘も踏まえて、実は提案を少し修正したりとか、そういうことも今回やらせていただきました。なので、予算がある限りということで、4つ採択しましたし、今申し上げたように、これは点数の高い順です。ここで一旦区切りがあって、それからまた次の点数に行くのですが、これで終わりかと言われそうなので、5つ目以降の分についても、この後でご説明しますが、6月補正予算で、非常に良いアイデアも多いものですから、このまま終わりではなくて、取り組めるような配慮をしたいなと思っております。それから、よくある「選んで終わり」みたいな政策になってはいけないので、それぞれ約3年間、結果がどうだったのかということをフォローしていくと。特に居場所づくりのところというのは突然できませんので、そうした取組みなども含めて、結果、要するに被害がどれくらい減ったのかどうかということもしっかりと把握しながら、さらにこれを基に、県全体として、場合によっては国全体として、効果的な取組みを考えていくと、そのように繋げていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

司会
 
「政策オリンピック」のこの件に関しまして、ご質問をお願いします。

記者
 
今回4つ出てきているということで、それぞれ点数が高い順に、中身の特徴を捉えた賞の名前を付けられていると思いますが、この4つに関して、将来的に期待すること、それぞれがどうなっていってほしいか改めていかがですか。

知事
 
4つそれぞれに特徴があったのはご理解いただけたと思いますが、将来的には独自の地域の取組みをしていただくと同時に、おそらくこれは重ねた方が良いよねとか、これとこれは一緒にやった方が良いよね、これはもっとこうしたら良いよねとか出てくると思いますので、まずは本当に最先端の技術を使って安く対応するもの、それから居場所を作る、それからおびき寄せる、さらには外の若者も使って総合力でやるという、それぞれについての効果をしっかり踏まえた上で、3年待たなくても、やっている最中でもどんどん結果が出てきますから、それを踏まえながら政策を仕上げていくと、同時並行的にやっていくと良いかなと思っております。

記者
 
今後のスケジュール感というか、これはいわゆる各自治体で、それぞれの出したアイデアを行っていくようなことでしょうか。

知事
 
そうですね。やっていただきます。

記者
 
それを3年間検証するということでしょうか。

知事
 
そうですね。

記者
 
その結果が出たものについては、全県的に採用していくみたいな、そのような流れになるのでしょうか。

知事
 いえ、今申し上げたように、今回、金・銀・銅にしなかったのは、金だったらどこでも良いかというと多分地域によって違うでしょうし、それぞれ特徴があるといったのは、その特徴はどこでも使えたり、うちはそこ要らないよという地域もあったりするので、おそらくこの4つのないしは、今回の補正予算で対応するものの組み合わせで、最終的に一般標準的なもの、山岳地帯バージョンだとか、平野バージョンとかいくつかバリエーションが出てくるかなと思っていますので、もちろん3年経ってからではなくて、3年間はしっかり結果をフォローすると同時に、来年からでも良いものはどんどん採用しながら、一般の政策として実用化していきたいと思っています。

記者
 
その上で、国にも提言していくとおっしゃっていますが、そのタイミングは大体いつ頃をイメージしていますか。

知事
 
まずは、今シーズンというか、この秋までの中で本当にこれ効果的だったよねとか、これ良かったよねというのがあれば、直ちに国にも持っていきたいと思っています。というのは、今、鳥獣害対策で国も膨大な予算を使っていますので、それが少しでも節約できるのであれば、こうしたノウハウをどんどん提供していきたいと思っています。

記者
 
江崎知事は知事選でありますとか、就任以降も含めて県内を回る中で、社会課題はあるのだけれども、答えはあるんだということをおっしゃっていました。この4団体(のアイデア)というのは、県内を回る中で、知っていたものというのはあったのでしょうか。

知事
 
先ほど「地獄檻」という言葉が出てましたが、これはいくつかの場所で見ました。「地獄檻」というのは、この部屋の半分ぐらいの大きさの檻で、ネズミ返しが付いていて、ネズミ返しというか、群れが入ると内側から出られない結構巨大な檻なんです。これが聞いた中では一番効果があると言われていたのですが、先ほど餌の話をされたのは結構大事で、すぐ慣れてしまうんです。なので、むしろそれも移動式にしなければいけないとか、餌を工夫しなければいけないという話は確かに私も聞いていたので、その中で、今、聞いていて、そんな手があるんだということで、私もちょっとワクワクしながら、結果は実は私も今朝聞いたものですから、本当にそういう点においては、こう工夫があるなと。
 あと、GPSを借りるというのは、私もずっと聞いていたのですが、これは高いんです。今回飛騨の方で、それをもっと簡便な方式でやれると(他の地域にも)広がりやすいというのがあったので、これもすごいなということです。半分知っていて、半分驚きというのがほとんどです。

記者
 
ルールの確認ですが、飛騨市(鳥獣被害防止対策協議会)の場合、その事務局が確か飛騨市の農林課とかそういう中にあったような気もするのですが、自治体絡みの団体でもよろしいわけでしょうか。

知事
 
ニホンザル対策の方は何でも良いです。

記者
 
もしこの活動の中に、飛騨市の予算とかが入っていても、それはオッケーということでしょうか。

知事
 
何(の予算)が入っていても、元々のノウハウがあっても良いですし、とにかく新しいアイデアが実現するために(補助率)10/10で応援するだけの話なので、実際にこれまでやってきた蓄積の中に、補助金を使ったのもあるかもしれませんし、そういうことをいちいち問うたりはしていないです。

司会
 
この件に関しては終わらせていただきまして、次に6月補正予算の件に関しまして、知事から発表いただきます。お願いいたします。

知事
 
私の方から資料1に基づいて説明しますので、それだけ出してもらえれば良いかなと思いますので、よろしくお願いします。今回もちょっと発表資料が多過ぎるので、できるだけポイントを絞って説明します。よろしくお願いたします。
 資料1をご覧いただきながら、これから予算の説明をしますので、よろしくお願いたします。まず、資料1の1ページ目に、6月補正予算編成の考え方と、(資料の)上に文章でございます。6月補正では、前年度当初(予算の)8割で計上した公共事業をどうするのかということ。そして、当初予算編成後に明らかになった国の事業など、当初予算を補完する予算ということです。それと、今回、国から、重点支援地方交付金という物価高騰対策、これのお金が来ておりますので、こうしたものを組み込む形で編成をさせていただきました。そして後で少し資料をご覧いただきますが、やはり状況が厳しいことには変わりないので、前の3月議会でも申し上げましたが、できる限り少ない県費でより多くの事業費を確保したいということ。金融の世界で「レバレッジ」、「テコの効果」と言いますが、小さい力で大きなものを動かしていくという、これを活かした予算編成に心がけたところでございます。
 多分、皆さん、数字の上で特徴的だろうと思いますが、特に公共事業について8割で立ち上げましたが、6年度当初予算と同じ予算規模で900億円、これを実現いたしました。これで組み上げることによって、事業者の方々、心配しておられた予算が減ると仕事が減るのではないかということもありましたが、同額を実現すると。その代わり、県費を節約する。この後、技術的なところはまた総務部の方から説明させていただきますが、あともう1つ、すぐに取り組まなければいけないということで「働いてもらい方改革」、これについての取組みをしっかりと国費を活用して推進したいと思っております。
 その次に、「2」のところにあります予算規模ですが、6月補正の予算は224億円ということで、先の当初予算と合わせて9,244億円という規模になります。補正予算としては6月の補正では過去6番目の規模ということになります。ちなみに20年前に、前政権が始まった時は258億円でもう少し多かったですが、それに準ずるような形ということになろうかと思っております。特徴といたしましては、公共事業、前年度8割として前回の議会で承認したものに対して、今回180億円を足すことによって、前年度と同額を実現したというところでございます。
 1枚捲っていただいて、ちょっとポイントだけ簡単に説明しますが、予算の概要、主なものということです。詳細は総務部の方に聞いていただければと思いますが、まず(1)にあります「災害などに強いインフラ整備や地域医療提供体制の確保」ですが、今回は、救急救命センターとして2つ病院を指定いたしました松波総合病院さんと中部国際医療センターさんに対して、運営費や設備の整備費、これを支援するというものでございます。そして「災害などに強いインフラの整備」として、先ほど申し上げた180億円の公共事業を進めるということ。それから、これまた次回の話になろうかと思いますが、「政策オリンピック」でありました住民参加型防災訓練、これも本当にたくさん(アイデアが)出てきて、すごく良い取組みでありますので、選ばれなかった案件に対してもこれを実現したいということで、先回りではありますが、経費の一部を支援するための予算を積んでしまおうということでございます。
 それから(2)、「鳥獣害対策と森林環境整備」。これは今まさに説明しましたニホンザル対策ということで、先ほどの(政策オリンピックの募集結果の)4つについては、当初予算(での対応)ですが、これ以外のものについても、なかなか良いものがたくさんありますので、これを支援するための、一部を実施するための予算を確保したいということ。それから「森林の集約化」です。これも非常に大きなテーマになろうかと思います。一部報道していただきましたが、今、林野庁などと話をしておりますが、そのための集約化モデルの取組みを行うための予算を追加しております。
 そして(3)ですが、「働いてもらい方改革」、新しい経済のあり方ですが、人材不足が特に深刻な訪問介護事業者など、あと時短勤務を行う時のヘルパーの採用経費というような、こうした県独自の補助メニューを追加することによって、人材確保がしやすい環境を実現したいと思っております。
 そして(4)、「子どもを育てやすい環境の整備」として、国が高等学校の授業料支援として所得制限を撤廃したことに対する対応であります。
 最後(5)ですが、「物価高騰対策」では、先ほど申し上げました重点支援地方交付金というのが国から来ておりますので、特に国の支援が今まで行き届かなかった特別高圧電力(の契約)を行う中小企業さん、そしてLPガスを使われる一般消費者の方々に対して国の支援に合わせて、7月から9月まで対象に支援を行っていくと、そのような取組みをしたいと思っております。
 これは予算という意味では概要ですが、特にしっかりお伝えしなければいけないので、そんなに元気よく補正予算に打って出て大丈夫かというご心配をいただくだろうなと。ちょっと先回りをしてという状況を県民の皆さんにご理解いただくために、参考資料というものを用意しております。いろいろ書いてありますが、分かりやすいものとして、参考資料2のグラフをご覧ください。何かと言うと、この岐阜県は、今でもですが、予算を組むのにかなり綱渡りをやっています。どうするかというと、当初予算を組む時にはお金が足りませんので、いわゆる基金から、どこの県でも持っていますが、それを一旦取り崩して、実際の予算を組んで、最後余った分をまた元に戻して積むというのを繰り返しながら予算を組んでいきますが、今は残念ながら令和7年、緑の一番左、586億円しかありません。しかありませんというのはどういう意味かというと、今年の令和7年度の(当初予算と)補正予算を組むために、一旦414億円を取り崩して、何とか予算を組み上げています。鋭い方はお分かりですが、これから減っていきます。なぜかというと、残念ですが、私が(以前に)ここにいた時の財政破綻の原因となった借金は全然返せていません。結局何をやったかというと、10年先送っただけなので、ほとんど残念ながら対策されていないので、これからその借金返しが始まっていくので、基金がどんどん減っていってしまうと。410億円を見て鋭い方はあっと思われたかもしれませんが、当初の段階で410億円無ければ、ざっくりとした言い方ですが、今年と同じ予算が組めないということです。ですから、令和9年を見たら369億円です。ですから、同じ予算をもうこの県では組めないんだと思います。では、どうするかというのはこれから大きなテーマになりますし、令和14年になるといよいよ基金すらなくなってしまうということで、かなり厳しい状況にあるということです。皆さんも取材されると、去年と同じでやってくれなきゃとあるのですが、去年と同じでやっているともう2年後には(今年と同じ)予算が組めません。それが今この岐阜県の現実だということです。
 じゃあ諦めるのかと言うと、諦めません。今回もそうでしたが、県費、特にこの基金というのは、県がある意味自由に使えるお金なのですが、それをやりくりしながら、予算を組むということの自由度をいかに確保するか、これが本当に財政としての大事な運営であり、綱渡りですが、ここの部分をできるだけ減らさない形で、一方で、事業者の方々が心配しておられる事業規模そのものを減らさない、本当にウルトラCというか、ウルトラE に近いと思いますが、そうしたことをこれからやっていかなければいけないということです。ですから、何となく昨年度と同じ規模で(予算を)取れたからこれからもいけるんじゃないかなということではないです。
 そんな中で、今これからも申し上げる、「働いてもらい方改革」だとか、トランプ関税やいろいろ経済状況が動いていくこの中で、本当に強い経済を作っていくということです。それから「人やモノが集まる岐阜県」を創っていかないと今のままの現状維持は衰退であるというところから、現状維持ではもう破綻するので、そこをしっかりとした形で、県民の皆さんにもご理解いただきながら、どうしたら答えがあるのか。答えはあると思っていますので、是非皆さんと一緒に実現していきたいと思っております。もし細かいことがあれば私でも良いですし、総務部でもお答えします。

記者
 
当初予算の時は就任間もなくて、ご自身の色を出せなかったのかなと推測するところですが、今回この補正(予算)からはしっかり(知事の色が)出ていたのかなと思います。江崎知事として、この補正予算のどこを重視して組まれたのでしょうか。

知事
 
今おっしゃっていただいたとおり、就任直後に記者発表だったので、ほとんど触れなかったと思われるかもしれませんが、県庁の職員の皆さんの力すごいなと。前の会見で申し上げましたけど、たった1週間で10の項目に向けて、既存予算を全て組み替えしていただきました。その上で、明らかに直ちにやらなければいけないというものを、3月の時に多少触りながら、まずは前回の組み替えでほとんど対応しました。
 今度6月補正になってくると、まさに足りないところ、強化すべきところにということになります。ありがたいことに10の項目については、既存予算の組み替えがほぼ終わっておりますので、今回、この5つの項目に絞らせていただいたのは、まずは災害対策です。これは必要に応じてやるということと、せっかく「政策オリンピック」をやっていますので、県民の皆さんのアイデアが新しいうちに、しっかりと僕が予算で応援していくということ。それからまさに経済を強くするために「働いてもらい方改革」、これは掛け声だけではダメなので、しっかりとそれを実現していくという、まさに今政策としてやらなければいけないところにしっかりお金をかけていくということ。あと、教育と物価対策。国の方から支援をいただいているものなので、補正としてはどこ(の都道府県)もやっておりますし、県としてもさらに効果的なものにしていきたいというところが中心になります。
 その中で180億というかなり大きな金額を戻していく公共事業の中で、先ほどのレバレッジ効果が効くような、手元の県費をできるだけ節約しながら、当然のことながら災害対策だとか、国の負担割合が大きいものをより効果的に使っていく。今回はこれで予算としては立ててありますが、また今後いろんなことが起きた時のための準備も今着々としておりますので、そうしたものをやることによってまず県民の皆さんが安心していただくことをしっかりやるのと、ワクワクするこの両方です。今まさにやるべきものを積んだ形で、この6月補正を作成したということです。

記者
 
今回の予算の中で、「働いてもらい方改革」では、まず最初に医療介護分野について取り組まれることになると思いますが、この理由は国からの助成も期待できるところであるからなのか、ここに着目された理由をお聞かせいただけますでしょうか。

知事
 
これは、今までいろんなところに対して、バリアフリーを作ったりする予算も立てているのですが、やはり人材確保が結構難しい。これは、国全体のテーマでもありますので、そうしたところによりきめ細かく、分かりやすいメッセージを発信するということも大事かなということであります。

総務部
 
(3)の「働いてもらい方改革」の推進ですが、まさにいずれの事業も柔軟な勤務体制だったり、生産性の向上といったことで、職場の環境改善など「働いてもらい方改革」がまさに資する事業だということで計上しております。知事からも説明がありましたとおり、特に今回人材不足が深刻な訪問介護事業所で、短時間勤務を行うヘルパーを採用する経費、独自のメニューを設けたことが工夫したところかなと思っております。

司会
 
この件に関しては終わらせていただきまして、他の報告について、知事お願いいたします。

知事
 
まだたくさんあって恐縮ですが、その次に今ちょうど話題がでた、「働いてもらい方改革」についての事例集ということで、これは本当面白いと思います。私がかつて国でベンチャーというものを初めて政策にした時も、これは是非マスコミの皆さんにお願いしたいと思いますが、こうした取組みは埋もれてしまいがちです。何か面白いことやっている人がいるよねと終わってしまうか、それともこういったものが、実は社会的にも評価されて、そしてこれから広がっていくんだというメッセージが伝わるかどうか、皆さん自身が政策の担い手になると言ったらちょっと大げさな言い方かもしれませんが、そうした大事なものになりますので、是非よろしくお願いいたします。これも後ほど詳細に説明させていただくポイントがあるかと思います。(資料の)2枚目、別紙のポイントをご覧ください。これはなかなか面白いです。やはり柔軟な働き方には共通点があると見ていただけると分かると思います。
 まず、上村陶磁器(株)さんです。業務を細分化して、他の従業員がカバーできる体制を作ることによって、本当にいろんな人が柔軟に働けるということ。
 そして、その次の(株)坂口捺染さん。以前も説明しましたが、出勤日と出社・退社時間は従業員が選ぶことができると。そして、ここも実は細分化と多能工化っていうのがあります。その上で、そうした働き方によって、もともと14人の社員が(現在は)230人で、8割が女性、やはりそういったことで働けるようになる。
 その次の三承工業(株)さんも、やはり女性中心のチームということ。超短時間勤務によって、子育てと仕事が両立できるということ。
 その次の(株)ディマンシェさんは、こちらも女性社員の離職防止ということです。ライフステージに合わせて柔軟な勤務体制ということで、あとはルーティンワークをまさに先端技術を使うことによって、人でなければいけないところに特化することによって、業務を楽にしていくということ。
 (株)長瀬土建さんがそうでありますが、これは男の世界だろうというところにも女性の視点を入れるということ。いち早く、男女共に柔軟な働き方ができるし、なかなかないですが、土日の完全週休2日制ということです。(今後建設業に)転職される方も、これ(こうした取組みをしている企業)を目指すと転職しやすくなります。
 それから、(株)日本タクシーさんです。ここもやはり女性のドライバーの方が働きやすい勤務体系を実現していくと。あと、職場そのもの、トイレだとか、パウダールームだとか、男ばっかりだとどうしても気が回らないところもしっかり対応されるということ。
 それから、一番下の(有)萩原チキンセンターさんです。これも私がこの4年間の中でずいぶんお話を伺って、これは本当にすごいというか、子育て中の女性が入っていただいたおかげで、会社そのものの戦略が変わるということです。それによって売り上げが伸びていく、本当に素晴らしい取組みだと思っています。
 次のページのブリューエン(株)さんです。フルタイムでは働けないが、能力がある方、こういった方がフルリモートで勤務したり、AIを使うことによって、業務負担を軽減する、まさにこれからこの国が向かっていくであろう方法を先取りしております。
 その次の(株)リーピーさんは働きやすさということで、これも同じです。働きやすい環境を作ることによって、何と社員の4割は他県からの移住者で成り立ってる。すごいことでありまして、やはり働きやすい環境というのが大事。ただ、仕事があれば良いというわけではないということも実現されておられます。
 そして(株)リリフルさんです。今ちょうど先ほどもありましたが、保育士さん、看護師さんはやはり人手不足ですし、なかなか職場環境がというのが筆頭にあげられるところですが、こういうところも、前言っていた(勤務時間が)9時から15時がメインになる。本当に子育てしやすい。子どもより先に家に帰れるということができたら本当に変わるよねと言っていましたが、こういったことを実現していますし、60代以上の方、世帯所得を増やすのにはちょっと働けるよという人たちの社会参加、こういったものを促す取組みということで、いずれにしましても、まさに女性の視点、それから業務の細分化、多能工化ということを見事にやっていただいている。
 もし可能でしたら、それぞれ1つずつ取材していただく機会も作りますし、そして皆さんがこうやって取り上げていただくことによって、社会の当たり前が変わっていくと、そんなものになると思います。これから4回続けますし、逆に言うと1回でこれだけあるわけですから、結構県内に面白い取組みはあります。全国に向かって発信していこうと思っておりますので、是非お楽しみにということです。
 昔、ベンチャーの政策をやっている時に、新聞社さんに、土曜日の紙面に入れてもらって、この日本である面白い取組みみたいな、まだ(ソフトバンクグループ株式会社代表取締役会長兼社長)孫さんが無名だった頃です。また(楽天グループ株式会社代表取締役会長兼社長)三木谷氏が、インターネットを使って何かやるぞみたいなそのような時代だったのが、それが今や本当に押しも押されぬ企業になっていった。この中に今後ブレイクする企業があると思いますので、是非取材をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 次に鮎です。突然ですが、鵜飼が始まりまして、鮎(の生産量)がおかげ様で日本一でございます。去年も日本一だったと言われるかもしれないのでもう少し説明をすると、こちらの報道発表(資料)のとおり、2位の愛知県を引き離して堂々の第1位です。是非ご覧いただきたいのは、(資料の)下の方にあります、「全国1位となった主な要因」のところです。まさに漁獲量が多いということですが、この中で、県魚苗センターで稚魚を育てる、ここで育った鮎が(資源の増加にいい影響を与えて、)すごく増えているということです。
 以前はどこもそうですけど、琵琶湖の鮎を持ってきて放流するということがありますが、やはり水質が違う、病気を持っている場合などいろいろあるのですが、そういったものを完全に管理することによって、岐阜県の鮎というものを岐阜で作り、岐阜で育てるということができるようになったということです。
 そしてもう一つ、これも是非一度取材していただけたら良いと思いますが、今、鮎釣りが解禁になって、皆さんどこでも楽しくやられているのですが、趣味で終わってる人が多いのですが、郡上の漁協を中心に、釣れた魚を買い取りますという、それによって、ただ単に趣味で釣っているだけではなく、それを漁協に売っていただくことによって、天然の鮎でちょっとした収入にもなると。こういったものによって遊漁者が増えることで、漁獲量が増えるということがあります。将来的には女性専用の釣り場だとか、いろんなことも考えているようでありますので、せっかくのこの天然資源をしっかり活かしていく取組みがこれから増えていくと思います。
 あとは技術的なところで、一番下のところにありますが、これすごいなと思うのですが、海外は特に子持ち鮎というのがすごく人気だそうです。県水産研究所がすごくて、元(経済産業省)生物科学産業課長として申し上げると、稚魚の段階で、あるホルモンとかを操作することによって雌を雄に性転換させて、その精子を受精させると雌になる技術です。通常は(雄と雌は)半々じゃないのかと思うかもしれませんが、全て雌になるという技術がありまして、それによって非常に効率的に子持ち鮎を生産し、それを輸出することできる。まさに技術だと思いますが、こうしたことによって、鮎といえば岐阜、そして、海外に向けて発信していければ良いかなと思いますので、是非これも取り上げていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そして最後に、「こども若者県政モニター」についてです。前にここでも発表しましたが、(モニターを)400名集めて(意見を)聞いてみようとあるのですが、おかげ様で400名を超えました。659名の応募がありまして、嬉しい限りです。全部の方にやっていただくということもあったのですが、一応(募集人数が)400名ということなので、地域がある程度分散するような形で、年代、地域を考慮して400名を選ばせていただきました。
 この中で、第1回の6月アンケート項目として、(資料の)一番下の枠の中にあるとおりで、皆で考えてほしいねということです。ただ、せっかくなので、キックオフミーティングを開催しますということで、6月20日金曜日に全部オンラインでやります。県内中の子がいらっしゃいますので、私がこの会議室304号室に缶詰になりまして、オンラインで県内中のモニターの皆さんにメッセージを発信するというものに私もお答えしますと。いきなり千本ノックと言うか400本ノックですが、その中で時間も限られているのでいくつか選んでということになると思いますが、そして子どもたちが知事と対応しながら、いろんなことを考えてほしいし、多分子どもたちの方がよく考えていることもあると思いますので、私もこれに答え切れるかちょっとドキドキしてますが、そうした中で、そうした行政とか政策に参加すると、そんな体験をしていただけたらありがたいかなと思っております。
 最終的に、先ほど少し言いましたが、1番下の枠囲いの中にありますように、4つの項目をまず考えてほしいと。未来の地球のために何をしますか。そして、地域を楽しくするために、特に人口減少と言っていますが、ふるさとを楽しい場所にするためにどうしたら良いですか。それから今、「本離れ」と言われていますが、皆が図書館に行きたくなるような、県にも良い図書館があるのですが、これをもっと素敵な場所にするためにどうしたら良いですかと。そして、未来を考える、その投票を、子どもたちによっては投票権がないのですが、ある子たちも含めて、ない子たちから見ても、どうしたらそういった選挙に関わり、社会に関わりたくなると思いますかと。そんなことを問うていこうと思っております。今回の発表は、そのキックオフミーティングもやりますよということです。私がタジタジになるかもしれませんが、そうした取組みをしたいと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。私からは以上です。

記者
 
「働いてもらい方改革」に関する優良事例集の第一弾ということですが、これは県で調査されたものを、4回に亘って発表するものでしょうか。表彰するものでなく、発表するものということで良かったでしょうか。

知事
 
要は、県内にどのような良い取組みがあるかをまず知っていただこうと。表彰する時には表彰基準とかが出てくるのですが、それよりもまずは先進的な取組みをやっているよということを知っていただくと、そのようなことで実施するものです。

記者
 
各回ごとに(発表するのが)10社が上限ということではなくて、今回は10社見つかりましたという意味合いでしょうか。

未来創成局
 
我々が自前で動いているところもございますので、概ね10社程度を4回に分けてご紹介をしていきたいと考えております。

知事
 
実際に私から推薦したところもありますし、(県内を)回っていると「あそこの会社は面白いよね。」というようにいろんな声が聞こえてくるので、そこに皆さん訪問していただいて、実際に話を聞いて、これはというところを取り上げるという、そんな流れです。

記者
 
鮎の件について、残る1位は漁獲量のみかと思いますが、昨年の段階からそうだと思うのですが、これはオール1位を目指していく方針なのか、この漁獲量というのは自然とのバランスもあると思うのですが、その辺りはどのような今後の構想でしょうか。

知事
 
私としては、1位であればそれがもちろん望ましいことですが、ただ、1位になることだけが目的であってもいけないかなと思いますので、まずは今申し上げたように、県内で釣ったりすることは楽しいということ、そして県で育てた稚魚が県内で大きく育つことによって1位になる、こういったことが大事かなと思っております。2位になったから何かを諦めるのかというとそんなことはしませんが、やはり鮎といえば岐阜県と思っていただくためには、ただ1位ですというよりは、全体として生産量はダントツ1位なので、そういったことも強調するということだと思っています。あとは安全性、味ということになってくると思いますが、量も味も、以前も日本一を取っておりますが、「鮎と言えば岐阜県」というように持っていければ良いかなと思っています。

記者
 
愛知県犬山市の入鹿池に航空自衛隊のジェット機が墜落して明後日で1か月になるところですが、現在各務原市の基地にもあるT-4練習機が今のところ(運行が)止まっていると。一部報道では、今後再開の方針だというところですが、県の方に訓練再開の報告が上がっていらっしゃるのかということと、報告が上がっていれば、時期についてどのような報告を受けているのかというのを伺いたいです。自衛隊側から、何か県に対して報告などはありましたでしょうか。

知事
 
実は、東海防衛支局長がお越しになられて、既に説明はいただいております。なので、今回ボイスレコーダー等がなかったということもありますので、詳細なところまではまだ鋭意調査中だと思いますが、もちろん永久に(運行を)止めるということはありませんので、その進捗も含めて、今週以降に再開していきたいという希望と、それに向けて安全性に対してしっかり確認するということでしたので、こちらからその原因究明に努めてくださいということ。それによっての再発防止。これがまず何より大事ですし、特に地元との信頼関係が本当に大事ですので、(運行再開の)理解に向けた不断の取組みをお願いしたいということを伝えたところです。

記者
 
詳しく伺いたいのですが、どなたが、いついらっしゃったのでしょうか。また、今週中の再開とおっしゃられたということですか。

知事
 
私はその時いなかったので、後ほど担当部局に聞いていただければと思います

記者
 
訓練先の地元との信頼関係が大事で、今回で言うと、各務原市を地元として指しているのかなと思いますが、とは言え各務原市以外の近郊、県下も飛ぶことになりますが、改めて知事としてはどういった対策を今後求めた上での再開が望ましいとお考えでしょうか。

知事
 
T-4練習機は結構たくさんありますので、自衛隊自身が、これは本当に大事なテーマだと思いますから、しっかり安全性についての確認をしておられるというように思っております。今回は飛び立ってすぐだと思うのですが、基地の近くというのはいろんな意味で1番関心が高いところだと思っておりますので、まずはそこから。そして、県にご説明いただくのは県民全体に対する安心を作るために大事なことかなと。他の県に対してもやっておられるでしょうから。まずは基地のある県としてしっかりそこは今申し上げたように、再発防止対策を徹底していきたいということです。何をやったら良いかというのは、説明をさらに聞きながらによると思いますが、自衛隊が全力を尽くしておられると思いますので、それを待ちたいと思います。

記者
 
原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のゴミについてですが、最終処分場に対するお考えをお伺いしたいのですが、今、最終処分場の選定調査を受け入れるとして北海道と佐賀県の3町村があるのですが、なかなかこれに続く自治体がないというところで、江崎知事として、岐阜県はどういったお考えなのかを教えてください。

知事
 エネルギーについては私も多少は関わっておりましたが、これはまさに必要なものである一方で、やはり住民の方の納得がなければ進むものでありませんので、今、積極的に岐阜県としてこれをやろうという考えはありません。

記者
 
先週6月5日なのですが、新型コロナ対策の「アベノマスク」について、業者との契約過程を示す文書の開示を国に求めた訴訟で、大半の不開示決定を取り消して国家賠償を命ずる判決が出ました。江崎知事は、当時官僚として「アベノマスク」の対応をやられていたと思うのですが、この判決に対するご所感をいただけたらと思います。

知事
 あの時、何が起こるか分からない中での対応というのは、こういうことになるんだろうなと。私もこれ関連するところにおりましたので。ただ、その中で、あの頃は半狂乱になるぐらいマスクがありませんということで、皆さんも報道されておられたと思いますが、あそこが足りない、ここが足りないという中での取組みでした。全てが正しいということはありませんので、最終的には司法、現在の司法での判断ということであれば、それに従ってやらざるを得ないだろうと思いますし、一方で、これをどういうレッスンとして生かしていくのかが大事なことかなと思っておりますので、まずは国の対応を見ながら、それについての成り行きをしっかり見届けたいと思っています。

記者
 
2013年に閉庁した旧県庁舎(岐阜市司町)の利活用についてお伺いします。サウンディング型市場調査の見学会が先月30日まで実施されていたと思うのですが、その手応えについてお伺いしたいです。

知事
 
びっくりでした。こんなに来るとは思っていなくて、最初は本当にこれをどうするんだということも含めて、誰か使ってくれる人がいればということだったのですが、サウンディング調査をやってみるもんだなと思いました。(参加申込)件数として9件も来ましたが、私も先立って入ってみましたが、なかなか素晴らしい、歴史的にも価値があるかなと思うのですが、他方で耐震をやらなければいけないので、このまま行くと、この前の会見でも言いましたが、耐震だけでも30億円近くかかるので、それをやった上で、さらに活用するというのは結構大変なのかなと思ったのですが、やりたいという人がこんなに来るんだというのがありました。これから、まずは見ていただいていくということで、関心があるという方で、この30億円といっても、これからどんな形で活用されるのかということで、まだこれからなので、それを見ながら、やり方を考えたいと思っています。率直な感想としては、こんなに来ていただいてありがとうございますというところです。

記者
 
現段階では、まだ検討中だと思うのですが、取り壊す可能性というのはまだございますか。

知事
 
もっと言うと、(参加申込があった)9件が9件とも提案してくれるかは分からないので。それと、30億というのは、ざっくりと見ての金額で、その使い方によっては当然もっと費用がかかるということになると思いますので、そうなった時に取り壊すこともゼロではないかもしれません。だから、どこだけ残すのかと議論もあるのかもしれませんが、まずはこうしたサウンディング調査を行った以上は、使っていただける方にはまず最優先で使っていただいて、(利活用の)選択肢がゼロになった時に「さあどうするか。」と、そのような順番かと思っています。

記者
 
旧岐阜県庁舎(岐阜市司町)の今後の期待や展望についてお願いします。

知事
 
今は自由に入れませんが、玄関の階段はドラマにも使われたもので、またあの大会議室も素敵な部屋でしたので、しっかり残っていますから、そういったものをうまく活用していただけるとありがたいかなと思います。特に、岐阜市のあの場所、「メディアコスモス」の隣であったりとか、「岐阜城楽市」というのもできましたので、あのエリアがすごく人気のスポットになるために活かしていけるのであれば、岐阜市も含めて非常に良いことかなと思っています。

記者
 
リニアの関連で、瑞浪市の水位低下の問題ですが、先日住民説明会と、県の環境影響評価審査会が開かれました。その中で、今まで検討していた薬液注入の対策は諦めて、かつ他の代替的な案もないというところで、代替水源の方に力を入れていくというJRからの説明だったかと思いますが、これについて知事のご所感をお願いします。

知事
 
私も間接的に聞いているところであるのですが、今回一つ良いなと思ったのは、まず住民の方々の生活への影響をミニマムにするところに全力を挙げていただけるということ。これはもちろん、水が止まればそれに越したことはないのですが、やはり先行するいろんな取組みの状況などを踏まえた上で、薬液注入で止めるという工法は望ましくないという結論だったというように伺っております。住民の方からは、それで全てなのかというような質問が出たかと思うのですが、おそらく希望を言えばいくらでも出るのでしょうが、JRとしても、あらゆる技術的な検討をされておられるでしょうから、まずその説明をしっかりした上で、ないのであれば、じゃあ次にどんな視点があるのか、その順番からと思っておりますので、今回、薬液本格注入はないとすると、ではその次どうするのかと、その順番になっていくのだろうなと思っています。

記者
 
環境影響評価審査会の委員からは、他の水位を戻す策を考えるべきだというような指摘もありましたが、知事として、それについてはどのようにお考えでしょうか。

知事
 
水位が戻ればそれにこしたことはないのですが、やはり地質その他に対してトンネルを掘るアクションをしているわけですので、おそらく水の場所、その他を変えるということも含めて、これに詳しい方は、水みちというのがありますので、それを特定できるかどうか。そして、それによって、今度は水を戻せば、それが戻るかどうかは分からない部分がありますので、委員の方もおっしゃっているように、そうできればそれがベストかもしれませんが、それは技術的に可能か不可能か、それはしっかり、技術的な希望を述べているだけでは進まないので、それに代替するもの。それと何と言っても、住民の方々の納得感ですので、元に戻れば100点なのは間違いないと思いますが、そうでない場合に次善の策があるのかないのか、そこはむしろしっかりと検討することが必要かなと思っています。

記者
 
現状、知事選の頃から住民の理解が必要だということをおっしゃっていたと思いますが、今回の説明を受けて、住民の理解に繋がるとお考えなのか、それともまだまだ必要なことがあるとお考えなのか、いかがでしょうか。

知事
 
今回の1番のポイントは、薬液の本格注入はやらないということが示されただけですので、逆に言うと、それ以外の方法はないのかどうかということ。あともう1つは、住民の方々にとってまず生活用水がちゃんと確保されるかどうかということ。そして、農業(用水)その他についても確保されることがまず最初だろうと。その上で、先ほどご質問があったように、環境に対してどこまで影響をミニマムにできるのかと、その辺りをしっかり説明していただくことが大事だと思いますし、それが住民の方々の納得感を醸成するためのものだと思います。そうでなければ、リニアそのものを要らないと言っている人はいないので、その中でそうしたメリットとそうした(環境への)影響のバランスも考えながら、しっかり納得いただくようなプロセスが大事だと思っていますので、そこをしっかりJRに対応していただきたいと思っておりますし、それを県としても求めていこうと思っています。

記者
 
先日の中部圏知事会議で、近隣県同士の滞在型観光の推進についてご発言があったかと思いますが、今お持ちの構想だとか、腹案とかがもしあれば教えてください。

知事
 
構想や腹案は山ほどあるのですが、まず会議の中でありました、長野県から飛騨地域への交流、それから道路によって、特に外国の方は何県に来たという意識は多分ないと思いますので、そこをお互いにプログラムを作ることによって、より滞在型、これから今求められている観光の形を作るという話は、まさに今しているところです。「昇龍道」と言って、日本海から太平洋につながるラインでやろうということは元々ありましたが、今度はさらに横に展開をしていくことも必要かなと思っています。

記者
 
参院選が近々あると思うのですが、どういった政策論争を期待されているか教えてください。

知事
 
たくさんの方が出ておられてますので、むしろそれぞれの党の視点はあると思うのですが、やはり今は何と言っても人口減少に対して、どんなことを考えていくのか。これは国会議員ですから、国としてどういうことを考えていくのかということ。それから今の物価対策、それから米の問題。まさに国民の生活に直結するところに対して、より具体的にどうしたことができるのかとか、議論がなされることが大事かなと思っています。

記者
 
リニアに関して、今回の審査会で報告書案をJRにまとめるよう委員長からお話がありました。今後、県としてどのようなスケジュールで審査を進めていきたいかというイメージがありましたら教えてください。

知事
 
こちらがいつまでにというよりは、まずJRの方でしっかりと報告書というのを(作成いただきたい)。やりますか、やりませんかというよりは、こういう検討の結果、こうなりましたというプロセスをしっかり見せてほしいということだと思いますので、まずはJRの方でしっかり準備をして、こちらに提出されたら、それをもって直ちにまた次のステップにいきたいと思っています。

記者
 
前回の審査会の後に知事が出されているコメントで「JR東海におかれてはしっかりと対応いただきたい。」という話があったと思います。対応いただきたいということが指すところとしては、先ほどおっしゃっていた説明というところなのか、それとも代替策の検討も改めてしてほしいというところなのか、どこの部分を指しているのでしょうか。

知事
 
3つお願いしたいと思っていまして、まず、住民の方々の不安を取り除くための、先ほどの生活用水、農業用水の話が一つ。それともう1つは、今回の薬液本格注入を断念するに至った説明をしっかりしてほしいということ。それから3つ目が、じゃあそうでなければどんな方法が次に考えられるのかという、この3つをしっかり伝えていくことが納得感の醸成に不可欠だと思っていますので、それをしっかり対応していただきたいということであります。

記者
 
防災庁についてお伺いします。岐阜県を含めて誘致が広がっていると思うのですが、かつて知事は東濃地域を誘致の候補として想定するというお話をされていたと思います。それで防災庁の誘致にどのような意義があるとお考えでしょうか。
 また、リニアの開通を見据えた場合に、この地方にはどのような可能性があるとお考えか併せてお答えください。

知事
 
正確に言うと、今、東濃に限定しているわけではありません。岐阜県内の他の地域も含めて、内々に手を挙げていただいているところもありますし、今回ありがたいことに、東海環状自動車道が繋がってまいりますので、その沿線も含めていろんな可能性があるかなと思っています。その上で、2つ目のご質問にありました、リニアができることによって、災害時における位置関係、その他司令塔としてのメリットもあるのですが、逆に言うと、百年に一度の震災は百年に一度しか起きませんので、それ以外の時間においては平時。平時においても、東京との関係で、円滑に作業ができることを考えると、リニアというのが一つ大きなメルクマークになることは間違いないかなと思っています。その上で、今二地域居住という議論もありますが、首都機能の分散、そのまま移転というのも昔はありましたが、そこまでないにしても、これからリニアができることによって、58分で品川と結ばれていくということは、今で言うと品川から58分で行ける場所は八王子ぐらいですので、あの距離に岐阜県が移動するのと同じ効果になってきますから、そうすると、ただ防災ということに限らず、東京の方々の経済活動、それは教育活動についても分散ができると。災害対策は必ずしも防災庁だけではなくて、リスク分散という観点においても、東京のパートナーという形で県の位置が変わってくると思っています。
 その上で、我々としてはおそらく近いと思われるのは南海トラフに対しても、効果的に対応する、経済活動を維持するという意味においても、リニア及びその岐阜県の持っている意味というのは非常に高いと思っています。

記者
 
(資料中「全国1位となった主な要因」の)『天然遡上鮎の増加につながる』というのは、鮎は母川回帰性がないと言われているのですが、この放流支援が本当に天然遡上鮎の増加の要因の一つになっているのか教えてください。
 また、長良川について、特に鮎しかいないような川になっているという話もあるので、環境収容力というのがあって、鮎ばかり増えると他の生物がいなくなってしまうのではないかというような、川の生産力もあるので、そのあたりの考えを、どのように入れれば増えていくから良いというような考えで、これからもやられるのでしょうか。

知事
 
2つ目のお尋ねからお答えすると、鮎の餌と他の魚の餌はほぼ競合しません。ご承知のとおり、天然鮎は特に石に付いた川の藻しか食べないので、他の魚と餌の取り合いになったり、他の魚の稚魚を食べるということは基本的にはない魚なので、ある意味、川の状態、川の藻の状態によって鮎の量が左右されます。他の何とは言いませんが、割と皆さんがよく知っている、日本の魚じゃないのではと思う魚は何でも食べますので、昔からいるのですが、そういうのに比べると、鮎は一年魚なので、ずっといて食べ散らかすということもないという意味においては、鮎ばかりになるということもないです。
 ちなみに私は板取川で育ちましたが、鮎で有名ですが、川の中に入れば他の魚もいくらでもいますので、そういう点では、むしろ他の魚との関係というよりは川の中の生態系とその川の藻の状態との関係で、個体数は変わってきますので、川の状態を見るためのバロメーターと見た方が良いかなと思っています。
 そして、1点目については、(鮎は)海を経由して、どこか遠くの川に行くということもあまりないので、結果として岐阜県の川に戻って来る思いますし、先ほど申し上げたように、元々琵琶湖の稚魚を連れてきて、ここで暮らしてねというのが基本だったのが、卵を産む場所は、長良川など県内の川にあり、そこで捕まえた鮎から稚鮎を作って放流する。そういう点ではその地域にいてくれるという意味において、岐阜で生まれた稚魚が岐阜の川にたくさんいてくれるということで、オリジナリティが高いかなと思います。

農政部
 
放流支援が天然遡上鮎の増加につながることについてですが、県魚苗センター産の放流鮎は、長良川の天然の親鮎から生産した稚鮎で、これを戻す、つまり長良川の天然鮎と同質の鮎を放流することで鮎資源が増えているということを説明しています。

記者
 
2年前に、陸上自衛隊日野射撃場で隊員が銃撃されて死傷した事件がありまして、6月14日で2年を迎えます。当時知事ではなかったとは思いますが、被告の供述からは、外に出たかったというものがあったという報道もありまして、住民に被害が及ぶ可能性もあったと指摘されています。改めて、自衛隊の安全管理について求めることがあれば、お聞かせください。

知事
 これはたまたま銃であっただけに事件になった部分があるのですが、これはむしろ自衛隊というの一つの職場だと見たときに、所属する人たちが、そこに使命感を感じていられれば多分、事件は避けられた。逆に言うと、そういうことじゃないと避けられないものかもしれませんので、これは自衛隊に限らず、職務に対する思いを掻き立てる、ないしはその仲間、誰かを撃ちたいなと思う環境自体が、非常にリスクが高いことになると思います。これを「働いてもらい方改革」と言うかどうかは分かりませんが、職場のロイヤリティという言い方をするのですが、そうした職場環境、そういった使命感が今、社会に必要になっているのかなという、その典型例だと思っていますので、自衛隊に限らずそういったことを、我々も含めて考えてないといけないかなと思っています。

記者
 
名鉄広見線について、改めて御嵩町長等が県から財政支援をいただけたらという趣旨の発言があります。改めて、財政支援について、もちろんいろんな方法があるというご回答もありましたが、財政支援について実施される可能性はあるのかお聞かせください。

知事
 
いろんな方法は、多分、財政支援の前にやることがあるだろうと、前も申し上げましたが、今、通勤通学で乗られる客自体は減っています。人口減少だからこれは日本中どこでもそうなのですが、それを前提に物事を考えたら多分、解はないですよと。したがって、むしろあの名鉄広見線を使いたくなるような仕組み、それからまちづくりも含めて、その取組みを見て、それを支援すべきものなのかどうなのか。それが、その内容であれば、別に電車でなくてもいいよねということもでてくると思いますので、むしろそこにこそ今、力を入れるべきじゃないかということを申し上げてきましたし、今もお伝えしているところですので、そこでまず知恵の出し方だと思っています。

記者
 
先ほどの防災庁のことで、東濃に限定しているわけではないということでしたが、内々に手を挙げているところもあると、これは東濃以外にあるということですか。

知事
 
正確に言うと、しっかり手を挙げてきたのは1箇所だけなのですが、ここの跡地どうですかと。あと県庁内でもいろんな意見がありますので、それも含めて、先立て、官邸に行った時も「いくつかありますよ。」と。岐阜県内全体として、いろんな条件をほぼ満たすところもたくさんありますので。ただ、リニアがあるとすれば、ここも良いよねというぐらいの話です。

記者
 自治体の方から手を挙げてるのは、今のところ1つだけあるということですか。

知事
 
自治体と言っていいのか分かりませんが、自治体関係者ですかね。