本文
※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。
司会
ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
知事お願いいたします。
知事
私の方から2点報告させていただきます。
お手元に資料があろうと思いますが、おかげ様で大阪・関西万博の(「岐阜県の日」)時間が決まりました。(資料の色分けも)非常に綺麗に、6月9日、10日に「岐阜県の日」ということで、朝から行います。11時から(開催する)というのは、せっかく来ていただいた方に、入場するのにも少し時間がかかるようなので、10時からという案もあったのですが、せっかく来ていただいたのでしっかり見ていただくということで、11時スタートとなりました。郡上踊から始まり、地歌舞伎、その他の実演があるのですが、1回だけ(の公演)ではなくて、その日のうちに2回、郡上踊については3回。更には、翌日も(出演者として万博に)行っていただいた方に複数回出演いただくことになっているので、是非ご覧くださいということです。そして、前回(の会見で)お話できないところがありましたが、資料の13にあるように、刀匠の方に出ていただいて、「本関刀」という世界で評価を受けたものをご披露いただくとともに、日本刀を見ていただくだけではなくて、居合道の方々に居合の演武の披露をいただくところまで決まっています。あと、日本刀なので試し斬りができるかどうかを万博事務局と最終確認中でありますので、確定しましたらまたご報告させていただきます。特に6月9日の方が、どちらかというと伝統文化的なもの、郡上の風流踊から始まって、伝統芸能の鵜飼、地歌舞伎となるのですが、トラディショナルなものが中心になります。そして、2日目の6月10日の方は、未来を担う若者達をテーマに、もちろん伝統芸能もあるのですが、本県の観光資源とか、特に県立岐阜総合学園高等学校太鼓部による和太鼓、県立岐阜商業高等学校吹奏楽部によるマーチングパフォーマンス、「ゆめぽっけ」、多治見少年少女合唱団、八百津小学校、県立加納高等学校音楽科による合唱などが予定されています。特に、ご自身のお子さん、お孫さん方が出るので行かれる方も多いと思います。それもあって、ここ(岐阜県催事)は予約が要りませんが、他のパビリオンにも行きたい人も合わせて、この時間にお子さんや関係者が出られるということを分かっていただくというものです。これを是非参考にしていただきながら、前回(発表時)から今日までに更に(出演団体が)増えました。前回から2団体・約50名が増えて、総勢18団体・約500名となり、予定公演数も63となります。場合によっては、先ほどの居合道の演武に、更に試し斬りが入ったり、多少動きがあろうかと思いますが、最新のスケジュールは県の公式ホームページで随時更新してまいりますので、参考にしていただいて、十分に楽しんでいただければ良いなと思います。ご覧いただいているとおり、伝統的なものから若者まで、ちなみに私は(6月)10日にまいります。少しご挨拶をさせていただいてというところですが、演武をやるかどうかは分かりません。いろいろと楽しんでいただけるように一生懸命準備をしておりますし、これに向けていろんな方がワクワクしながら準備していただいているところです。これが1点目になります。
次に、もう1つお手元にあろうかと思いますが、今度はモノづくりについて、空宙博(そらはく)で「第9回全国人工衛星・探査機模型製作コンテスト」を行います。高校生と高等専門学校の1年生から3年生を対象に、9回目の開催となります。平成28年から開催しておりまして、この趣旨は宇宙に対する思いを馳せていただくということで、(岐阜かかみがはら航空宇宙)博物館に展示する人工衛星・探査機の模型を募集させていただきます。今あるものはもちろん、官民は関係ないのですが、正式に公表されていれば、開発中のものも対象となります。お手元の資料をめくって(募集要領の)6、7ページには最近の第6回から8回までの最優秀、優秀作品を(掲載しています)。書類選考をして、7つ程を選んで、その中で実際に2次審査を行い、最優秀作品を選んで、博物館に展示するというものです。ですから、リアルに近いものをいろいろ工夫しながら、材質その他は自由で、展示スペースに入れば、縮尺その他は自由で、いろいろと工夫していただいて。私も子どもの頃に見ましたが、人工衛星はこんなに細い脚で立っているのかとか、パラボラとの関係はこうなんだとか、いろんなことを考えていただける、夢を膨らませていただけると。最近はプラモデルとかあるのですが、自分達で設計図を描いて作ってみると、材質も太陽光パネルはこうだとか、銀箔のようなもの、何でこの色なんだとかそういったことも考えていただく大事な契機になるかなと思います。お手元でご覧いただいている6、7ページの写真のように、ジオラマ形式で本当に宇宙にいるようなイメージで作っていただくと良いかなと。博物館に展示をするものなので、誇りを持って作っていただくと良いかなと思います。いつも(応募いただく)の常連さんだけではなく、7組の枠の中には「初応募校枠」を入れて、実際に作ることになっていくので、応募しやすいような工夫もしながら進めていきたいと思っています。細かいクオリティや配点が3,4ページにありますが、1次審査の評価ポイントなどもありますので、こういったものも参考にしながら、是非腕を振るっていただき、夢を馳せていただければと思います。どちらかと言うとバーチャルが流行りですが、リアルにしっかり作ってみるということで、子ども達にとって大事な経験になるかなと思います。最優秀、優秀作品には、賞状、賞金が出ますし、記念品もあります。是非我らこそはという学校の応募を期待しています。ワクワクしながらトライしていただけると良いと思います。私からは以上です。
記者
万博の件で、(前回の発表から)公演が増えたというのは、前回の資料からどの公演が増えたのでしょうか。
観光文化スポーツ部
下呂市の龍神火まつり実行委員会と、関市の刀匠の26代藤原兼房氏、戸山流居合道 孫六剣友会が増えました。
知事
(資料の)2と13の中の出演団体です。13と17(の公演は)同じで、2回公演を行っていただきます。
記者
6月10日には知事が万博にいらっしゃるとのことですが、知事が試し斬りとかパフォーマンスに出る可能性はあるのでしょうか。
知事
今のところゼロではないです。いよいよ日本刀で斬ってはいけないということであれば、木刀で斬ろうと思います。
記者
知事が出たいと要望しているわけではありませんよね。
知事
(各団体の方へ)出てくださいと要望はしましたが、ダメだったら(私が)出ましょうかという半分冗談のつもりです。伝統というもの、岐阜県には関市がありまして、先ほど「本関刀」の話がありましたが、こんなに素晴らしいものがあるなら、世界の方が来られる万博で展示したらどうかということが元々の話です。展示しているだけだと分からないし、(映画の)「SHOGUN 将軍」の中でサムライスピリッツが世界から評価されている中で、日本刀の持つ美しさであったりを示すには居合道が良いのではないかと。刀も切れ味がありますし、私も実は毎年東京ビックサイトで演武をやっていましたが、柳生新影流の方がやられるのには、試し斬りがあると。海外の方が非常に関心を持っておられたので、せっかく関の刃物があるのだったら、可能ならその試し斬りをしていただいた方が良いのではということです。会場で刃物を扱って良いのかは、やはり万博事務局の許可がいるので、今問い合わせ中で、答え待ちです。それでダメと、刀で試し斬りができないと言われた時に、いよいよその滑り止めで(私が)出ても良いかなという話をしていただけです。
記者
知事に就任してそろそろ3か月で、県庁内の雰囲気を変えるというところに力を入れているかと思いますが、具体的に、変えるという意味で、どこに力を入れていますでしょうか。
知事
就任時の(記者からの)ご質問の中で、まずは何に取り組みますかと聞かれた時に、一緒に政策をやっていく県職員の方々が楽しく働いてもらう環境を作りますと申し上げたのですが、たまたま嬉しかったのが、昨日とある女性の方々を中心とする大きな会で、その中で発言された方が、県庁に電話をしたら電話に出られた職員の声がすごく明るかったと。ちょっと嬉しかったのですが、声が弾んでいる感じがして、前に電話を掛けた時に出られた時と違ったということです。あと、これは経済団体の方と(話した時)の発言ですが、いろんな会合で首長の方や社長の方々と話をする中で、「ワクワク」という単語がいろんなところで出てきますねとおっしゃっていただいて、意識しているのは職員の方が明るく伸び伸びと仕事をしていただける環境を作っていきたいというのと、やはり今閉塞感があるということで、県民の皆様の中に明るい空気や風を吹かせられればと腐心してきたというか、それを広げるべく取り組んできたというところで、多少なりとも効果があったのかなと思います。
記者
職員の方が明るく伸び伸びと働いていただくために、知事として起こしてきたアクションとか働きかけについて教えてください。
知事
最初は、3月議会の答弁作成プロセスにおいて、それを大きく変えると。(答弁案が)順番に下から上がってきて何度も何度も繰り返し(修正し)てではなしに、最初から(議論に参加して)ということで、あとは知事室には幹部の一部の人しか入れないとのことだったらしいですが、全員が入って良いよと。部屋に入った人全員が意見を言って、方針を決めて、あとは手戻りなしということで、そうすると作業量が劇的に減るというのが一つ。それから、若い人も含めて、意見を言える雰囲気を作っていくということです。今日もそうですが、幹部会議の中でも、一方的な報告だけではなくて、皆で議論をすると。今日も1時間くらい議論をしましたが、部局関係なく、今県が直面しているテーマについては、意見が言える環境を作るし、知事が言ったからやらなければいけないというわけではなしに、私も2度程倒されていますので、やはり職員の意見をしっかりと踏まえて、私の方針も柔軟に対応するということです。それとお気づきかもしれませんが、幹部の方々に対する守衛さんの挨拶、逆に私の方からもしっかりと挨拶をすると、その辺りを徹底しています。
記者
知事自身も2回程倒されたということで、自分が全く考えていなかった意見も積極的に採用していくということでしょうか。
知事
全く違っていたとしても、それは私の視点であって、多くの人が違うのだとなったら分かりましたということです。「倒される」という言い方は変かもしれませんが、柔軟に政策を変えることもやってきました。
記者
その他の進捗度はいかがでしょうか。
知事
よく言われるのは、知事が替わる時は、予算を6割にして、あとは6月補正(予算)で仕上げていくというものですが、おかげ様で(知事に就任して)最初の1週間でほぼ全部組替えが終わっていますので、何か月、半年もかけて行っていくプロセスがフルスロットルで仕事ができたかなと思っていますし、政策オリンピックもそうですが、方針を示せば、予算を執行する4月1日にも公募を始められるということで、これは私がというよりは、県職員の皆さんが非常に迅速に行っていただいて、こちらが驚いて「もうできるの」という感じでしたし、私自身もワクワクしながら仕事をさせていただいています。
記者
(今週の)月曜日、平日だったと思うのですが、知事は休暇を取られていたと思うのですが、これもいわゆる「働き方改革」の一環というか、ご自身が休むことによって(部下が休みやすくなる)という狙いもあったかと勝手に勘ぐったのですが、その辺りいかがでしょうか。
知事
結果的にそうなりました。やはり休みの間に休むことによって、(職員の)皆さん真面目なので、知事がいるなら出勤しなければいけないといったこともあって、今日(幹部会議にて)聞いてみたのですが、「私は28日に休んだのですが、休んだ人は。」と聞いたら幹部の大半が手を挙げていましたので、それによって、休みと休みの間を休むと、ずっと続けて皆さんも休めるようになったり、休まないまでも自分のペースでやれることもあったりすることも大事かなと思っています。
記者
先週開幕した「全国都市緑化ぎふフェア」について、私も開会式を取材させていただきましたが、悪いことではありませんが、気になったこととして、幹部の皆さんがずらりといらっしゃって、県の主催事業なので、「何でいるんだ。」とは言いませんし、来てはいけないのかと言うと全然来てくれて良いと思うのですが、あそこまで皆さん揃っているのを見て、私はびっくりしてしまいました。そこで、とある人に聞いたら、「これが『ぎふ清流国体』以来の我が社の文化です。」と言われたので、これはどういう文化なのか、知事が「絶対に来い。」と言っているのかどうかよく分からないのですが、もちろん担当の部長さんとか局長さんとかであれば重々承知できるのですが、県の主催事業なので関係ないことはないのですが、あそこまで揃っているとびっくりしたというところなのですが、この文化について知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
少なくとも、事実として、私が「来てください。」とは一言も言っておりませんので、そういう文化が継承されたのかなという感じはしていますが、今回、県を挙げての大イベントになるので、できるだけ幹部の方も知っておいていただいた方が良いかなというのはありましたので、結果的に来ていただいたことは良かったと思います。ただ、逆に言うと、それぞれの仕事で忙しい時に、それを曲げてまで来ていただく必要はもちろんないと思っています。例えば、今度の万博もそうなのですが、皆が揃って6月10日に行くかというとそんなことはないと思いますし、その代わり、この日に来なくても(万博に)1回は行ってねというのはあっても良いかなと思っていますし、その辺は本当に柔軟に(対応すれば良いと思います)。ただ、お感じいただけたかもしれませんが、ずらりと並んでいた幹部は多分全員笑っていたと思います。そちらがむしろ大事かなという感じがしています。鬼気迫る雰囲気は全くなかったと思いますし、雨が降っても、これはこれで結構ではないかみたいな雰囲気だったと思いますので、そこはお感じいただければ良いかなと思います。
記者
あくまで、知事として「絶対来いよ。」とか「何でお前は来ていないんだ。」とか、そういったことをするといった考えはないということですね。
知事
「何でお前は来ているんだ。」とも言わないですから、むしろ「来られる人はどうぞ。」と、できるだけ皆さん自身がスポークスマンになって伝えてもらえれば良いかなという、そんな感じです。
記者
3月議会の続きになってしまうのですが、先週の知事日程にもあったように県庁舎の活用の協議をされていると思うのですが、ここ(県庁20階)のロビーは良いとして、先日の議会で(岐阜市)司町の旧岐阜総合庁舎の(活用の)方は、民間の力を借りてやっていくとのことですが、その後どのようなプロセスを踏んでいるかとか、民間というとプロポーザルとかいろんなやり方があると思うのですが、具体的にスケジュールなど決まっているようでしたら、見通しをお聞かせください。
知事
最終的には細かい発表があると思いますが、民間の皆さんにプロポーザルを出していただくにしても、見てもらわないといけないので、あの中はやはり古くなっていることもあって、誰が入っても良いわけではないので、できるだけ早く、期間を区切って、中を見てもらうことをまずはやろうと。その上で、いろんな条件の下で、プロポーザルを出していただこうかなと。この間の協議は、(その期間が)えらく長かったので、こんなに長い期間でなくて良いので、ちゃっちゃとやりませんかという話をしましたので、連休明け、そう遠からず、1、2週間になるかと思いますが、最初の案は(期間が)えらく長かったので、そうではなくて、さっさとやってさっさとプロポーザルを出してもらえば良いのではないかという話をしましたので、間もなく発表になります。
記者
連休明けから中を見てもらうということですか。
知事
5月の連休明け頃を目途に記者発表することを予定しています。ただ、誰でも良いわけではなくて、「面白いから入って良いですか。」というのはやはり危ないので、しっかりプロポーザルをする意思がある方が、特定の目的、活用するためにはこういう部分を見たいということを言っていただきながら、ちゃんと案内役も付けて、崩れはしないと思いますが、何かあった時の対応も考えながら中を見ていただくという、そんなことを始めたいと思っています。
記者
プロポーザルを募る前提として、中を見てもらうということですか。
知事
そうですね。私も見に行きたいと思っています。
記者
公立高校の入試を巡って、1つの公立高校しか受験できない「単願制」の見直しに向けた政府の検討が始まっています。生徒の進路選択の幅を広げるために、複数の学校に順位を付けて志望できるような、「併願制」といったものを有識者が提案されていると聞いていますが、「単願制」の見直しとか、そういったことに関して、岐阜県は今「単願制」を採用しているかと思うのですが、知事のお考えがあれば教えてください。
知事
私としては、まずそういった議論がされることは良いことだと思っております。子ども達にとって、人生の選択を考える時に、いろんなチャンス、特に一発勝負だと、その時の体調によって本当に人生が変わってしまうかもしれないということがある中で、いろんな選択があることは良いことだと思っています。他方で、選択肢があれば良いかというと、結構受ける方にしても大変だったりするので、いっぱい受けなければいけないとか、「お前は第1志望だったのか。」とかどうのこうのという議論をすること自体も、それはそれで一つの人生かもしれませんので、世の中の大きな流れをまずは見極めた上で、岐阜県としてもどうするかが1つ。もう1つは、私立高校との関係で、今回、授業料が実質無償化になる中で、そこはそこで同じような選択肢も増えてくるというか、これは県の中だけに留まらなくなってくることなので、その中でそれが県立高校の魅力度アップなのか、受験方法を変えることによって魅力が上がるのか、それよりも高校そのものとしての魅力を上げていくという議論も同時にやらなければいけないかなと思っておりますので、その上で、子ども達が人生を考える選択肢が適切に提示されることが大事かなと思っています。
記者
午前中、中津川の方で地歌舞伎の取材をさせていただいたのですが、岐阜県は地歌舞伎が非常に盛んで、これを万博の場で発信する意義について、知事のお考えをお聞かせください。
知事
これは2つありまして、世界の方が日本に来ていただく中で、この日本の真ん中にある岐阜県の中にはこういう素晴らしい伝統文化があるんだということを発信することで、県の価値を高めることが1つ。もう1つは、若い人達、子ども達が、自分達の住んでいるところにこういったものがあるんだと、これを世界に発信するような機会があることによって、しっかりこれを伝承していく、ないしは守り伝えていくという、そういった機運にと。一応、最初の日(6月9日)が伝統文化、その次(6月10日)が若者達となっておりますが、若者達の中にも、太鼓だとか、まさに文化、これを伝えるものと、多分若い人は更にこれの付加価値を高める、アレンジをすることもあろうかと思いますが、まさにそういったことを発表する機会、これが凄く大事で、誰にも見せずに秘伝でやっていくこともあるのですが、やはり舞台に立つことが、いろんな意味で価値があると。その2点において、重要かなと思っています。
記者
昨日、笠松競馬場でイベントが開かれまして、「ウマ娘」のイベントなのですが、1万人以上の入場者を達成しておりまして、3月議会の方で、県民クラブの代表質問でもあったと思いますが、改めて、これを一過性に終わらせないために、笠松競馬場の継続的な誘客のために、県としてと言うか、運営は県地方競馬組合ですが、知事として運営をどのようにしていくかの考えを改めてお聞かせください。
知事
笠松競馬場は岐阜県の財産でありますが、ともすると、いわゆる賭け事の場と思われがちなのですが、本当に競馬というものが持つ非常に文化的な価値もそうですし、今回の「ウマ娘」のような、思いがけない新しい魅力というのも発信できる場なんだなということを皆さんが感じられたのだと思います。実は昨日もそんな議論をしていて、私も走るかみたいな話があって、本当に話題性という意味では、競馬というものが持つ可能性を最大限に引き出すという意味においては、あれは凄く大事なもので、ご指摘のとおり、一過性で終わらせるにはあまりにももったいない。面白いというエンターテイメント性もありますが、動物に触れるというか、子ども達にとっての教育、場合によってはいつも言っていますが、動物の糞尿に触れることは、子ども達の免疫力を高めるためにも凄く価値があることだし、今子ども達にとって生き物に触れる機会が少なくなっているので、自分より大きな動物になかなか触れる機会もないので、そうしたものも含めて、そこに行くためのハードルを下げるという意味で、「ウマ娘」のようなことも結構大事かなと思っています。
記者
昨日は、笠松町長が一日中パンフレットを配ったりしていまして、是非知事も何か機会があれば来ないかなみたいな話を、何となく関係者の方としていましたので。
知事
実は、昨日やっていた会議の中で、「みんなで行こうよ。」という話があったのですが、向こうからこの日と言われたのは、たまたま私が行けない日だったので、別の日もないかなと話をしていたところです。
記者
万博の関係で、期間中は会場にたくさんの方が国内外から訪れるかと思うのですが、その方々を岐阜県に誘客する取組みなどで考えていることはありますでしょうか。
知事
今回、まさに刀匠の方に出ていただくとか、やはり万博がどうしても見るだけで終わってしまうので、体験をするとか、これは特に関ケ原、先ほど申し上げたように「SHOGUN 将軍」という映画で、サムライスピリッツということを、凄く世界中の人が関心を持っていただいた時に、舞台の上でのパフォーマンスだけではもったいないので、それを実際にその場所に来ていただくだとか、最終的に万博の場で試し斬りはできないかもしれませんが、それが今度関(市)に来ると、実際にそれを見られるし、鍛冶、打つところ、これは見られるのですが、もっと間近で見たりとかそうしたこともありますし、踊りなどもそうですが、やはり舞台でやる郡上踊もそうなのですが、徹夜踊になるとこれまた迫力が全然違うと思いますので、あくまでこの万博はエキシビションですので、そこから本物に繋いでいく、これが絶対大事だと、ラインナップも実はそういうことも含めて考えてあるというものです。
記者
高騰しているガソリンの価格に関連してですが、先週石破首相が、1リットル当たり 10円の補助金を出す方針を発表しました。岐阜県も車社会なので、影響は大きいかと思います。消費者にとってはメリットがある一方で、例えば脱炭素にとってはどうなんだとかいろんな議論があるかと思いますが、知事にとっての受け止めを伺いたいのと、関連して、暫定税率を廃止する方向の議論もあると思いますが、地方財政への影響とかもいろいろと予想されると思いますが、こちらについても知事の見解をお聞かせください。
知事
今回の対策というのは、あくまで物価対策の応急措置かなと思っています。本当に長い目で見ると、かつてオイルショックの時に何が起きたかと言うと、価格を下げるという政策を取ったのではなくて、あの時はむしろ省エネを推奨する方に政策を打ったので、あくまでこうやって価格を下げる云々というのは、今苦しいからとりあえず楽にしようよということかなと思っておりますので、そういった意味での緊急避難的な対策としてはあると思っています。ただ、今ご指摘いただいたように、今までどおりで良いのか、この際、こうした問題が起きた時に、より強い経済にしていく、体制を整えてとか技術進歩させるとか、そういったことも実は同時にやらなければいけないのかなと。今日ご質問あるかなと思って用意していたのですが、ないので先に言いますが、それこそトランプ大統領のこの動きをただ大変だと言って過ごすのか、それとももっと前向きにやるのか、実は体制整備を始めているので、今ガソリン価格というのはシンボリックなものではありますが、そこについてはもう一段別のものも要るかなと。緊急避難としては評価はしますが、もう一段要るかなということでありますし、暫定税率の問題は、国の財政からすると暫定ではありますが重要な収入源になっています。これを暫定だからすぐ止められるかと言うと、代替財源をどうするのかということも一緒になっていますので、どれも簡単ではないかなと思っています。そうすると、その税率だけを前提に議論するというよりも、全体としてこの国をどちらにもっていくのかというのとセットでやるべき議論かなと思っています。
記者
万博の「岐阜県の日」のタイトルは「『清流の国ぎふ』絵巻~輝く〝いのち〟の処方箋~」ですが、私のイメージとしては、昨年の国民文化祭でやっていた、東京藝術大学の日比野克彦さんが中心になってやられた文化的処方をイメージしたのですが、そこの関連の出展や取組みの発表のお考えはあるのでしょうか。
知事
今度、日比野さんにお話を伺うことにしているのですが、文化的処方と言った時のその対象者に行っている効果と、今回の万博のような、世界に向けて発信する効果は多少違うのかなと思っていて、文化的処方であるならば、やはり人生を豊かにするとか、精神的な満足度を高めるといったことが中心で、昔、音楽療法、梶原元知事がやっておられた、そういう事も含めた文化の持っている価値は今おっしゃった、国内、ないしは我々の生活の中でどういう価値を持つかは文化的処方かなと思っています。それに対して、万博の場合は、「いのち輝く」というのはあるのですが、まずは日本というものの価値を高めた上で、海外の方がどこで何を評価するかは変わってくるかもしれませんが、ただそういう意味では「太鼓」の持っているパワーは、海外の方にも受けるところがあると思っています。そこは背景にある文化によって社会環境が多少違うと思うので、そういう意味では連続性があると思いますが、そこばかり強調する必要はないのかなと思います。
記者
文化的処方として何か発表という形は考えられてないということですね。
知事
そうですね。効果として文化的処方の効果はあると思いますが、それを前面に押し出した形で、今回万博をやっているわけではないと思っています。
記者
トランプ関税のことで、体制づくりという話がありましたが、具体的にどのような事を検討されているのでしょうか。
知事
トランプ大統領の発言から、早速、相談体制を整えて待っているのですが、今日に至るまで1件しか相談がなくて、しかも「どんな支援策がありますか。」というものだけです。農業関係については相談件数がゼロ。一方で、皆さんが(記事に)書いていただいているように、不安だ不安だという声はある。不安はあるけどもどうして良いか分からないということがあるので、体制という意味においては、今朝も報道で書いていただいておりますが、緊急避難的なものは岐阜県でも準備します。まさに影響があった時に体制を現状維持するための融資は考えております。これで終わってしまっては急場しのぎで終わってしまうので、先ほど申し上げたとおり、トランプ大統領の議論がこれからまだまだ二転三転すると思いますし、通常、関税を掛ければ掛けるほど、国内の物価が上がるのはアメリカで、それに耐えられないだろうし、逆に国内を保護するつもりでやったけれども、世界経済はそんなに単純ではないので、部品が高くなったら結局高いということに気が付いて、部品だけまた価格を下げるということをしている。あれもゼロにしているわけではないので、多分、あれがこれから繰り返される。そんな中で、おそらく世界中が思っているのは、一体、どこまでこのアメリカのドタバタに付き合うんだと。そうすると、むしろ賢く立ち回るためには、アメリカのマーケットが大きかったから、それにすがらないといけないと思うとトランプ大統領の戦略に振り回されることになる。逆に、世界はアメリカだけで成り立っているわけではないので、今、特にアジアの国々、そしてヨーロッパがどういう動きをするのかというのをしっかり見ておく必要がある。それと同時に、今回、実は商工労働部をはじめとして、県内の企業にこちらから行って話を聞いているのですが、そうすると何が起きているかというと、トランプ大統領の関係で、皆さん消費マインドが下がっているから全体が縮んでいると思っているかもしれませんが、企業はもう少し賢くて、だったら今のうちに、在庫を積み増してということで、むしろ発注が増えているとのことです。ですから、ある意味、そうしたことも含めて、アメリカ一辺倒だったところについては、他との関係、マーケットはアメリカだけでない、もちろんアメリカのマーケットも大事にしなければいけないのですが、その他アジアの国々、特になくてはならない部品は関税が高かろうが必ず必要になってくるので、そうしたモノの価値をしっかり発信できる体制、ないしはヨーロッパ、アジアとの関係をしっかり作っておく。今、習近平国家主席がそういうネットワークを構築しようと立ち回ってますが、これはある意味、正しいのかもしれない。ただ、アメリカと中国のチキンゲームに巻き込まれる必要はないので、日本としてしっかり価値のあるモノづくり、それから、取引先、資源の調達先。これも皮肉なことですが、トランプ大統領が為替に言及したお陰で円高に振れた。円高に振れると皆さん大変かと思うかもしれませんが、資源が安くなる。1ドル147、8円でやってたビジネスから、142、3円まで下がるということは、調達コストが下がるということ。そういう中で、どのようにビジネスをやっていくのかというための準備、それを今朝ほど、それぞれの担当部局に指示をして、近々そうしたサブワーキングを作って、今、この経済を強くするために、どんな取組みをすべきかのチーム作りをまさに指示したところです。
記者
(トランプ関税に対し)不安だ不安だという声がありながら、どんな支援策がありますかという1件しか相談が来ないという話ですが、なぜ来ないと考えていますか。
知事
これは簡単で、具体的にどうしたら良いのかというところまでまだいっていないからです。実際に取引が下がったのであれば下がったことに対してどうかとなるけど、下がるかもしれない、消費マインドが下がると売れなくなるかもしれない、どちらかというと世界中、「かもしれない」だらけです。そうかと思えば、またトランプ大統領がまた明日違うこと言うかもしれないということで、ある意味、動きにくくなっている。今もしあるとすれば、積極的な投資をやろうと思っていたけれど、ちょっと待とうかなというぐらいだと思います。そうすると、その影響が出てくるのは、まだ先になるかもしれないということで、不安は感じてるけど、具体的に相談しようにも、何を相談して良いのかということだと思います。
記者
トランプ関税の話ですが、緊急避難的な融資もやりたいということですが、6月補正の中で検討していくようなイメージですか。
知事
これは、今の融資枠の中でそうした項目を追加するという事になるので、(融資制度の)要綱改正で済みます。もちろん担当部局については、準備を既に始めていますので、それについての相談が今はないのですが、あった時に、それから(体制を)作るのではなくて、準備をして待っておこうということで、そちらの作業を始めています。
記者
融資の規模はどれくらいになるのでしょうか。
知事
セーフティネットの枠で大きいものがあるので、その中にどういう要件の時に発動するのかということですが、分かりやすいのは、例えばコロナで大変だった時にやりますという中に、今回の影響があること、表現について今まさに検討中ですが、今回「トランプ関税」と書くかは分かりませんが、それによって資金繰りが苦しくなった時について、そうした制度融資が使える。それが足りなくなったら、予算措置となりますが、今はまだ申請も無いので、十分いけると思います。
記者
チーム作りという話があったかと思いますが、商工労働部内に、組織をこれから作るというイメージでしょうか。
知事
既にある対策会議の下にサブワーキングのような形で、メンバーも含めてこれから検討しようと思っています。どちらかというと経済の重鎮方が集まる会議ですが、専門チームのような形で、企業さん方にも入っていただいて、商工労働部他も加えたものを作ろうかと考えています。
記者
今のチーム作りのところですが、チームでは具体的に何をされるのでしょうか。
知事
例えば、調達先を見直す時にどんなことが必要なのか。今までだったら大体、下請も親元も全部決まっているので、例えば、材料を買うときにはどこにと決まってるいうものを、例えばアメリカから変えた場合に、どこにその可能性があるのかとか、将来的な販路として、今度は迂回してアメリカに持って行くという、いろんな議論が始まっていますので、そうした時に一番有利な場所はどこなのか、ヨーロッパ経由だったりアジア経由だったりするし、どの部材だったら持っていきやすいとか、その時の手続きの問題を予め整理しておくということだと思います。
記者
企業が、実際に資源を調達する時に、そのフォローができるように情報を集めておくということでしょうか。
知事
(情報を)集めた上で、先ほどの緊急避難的な融資とは別に、調達先を変更する場合、今度はむしろ前向き投資になるので、そうした時の資金枠を確保するかどうか、そうした議論になると思います。
記者
例えば、補助金であったり融資であったりということでしょうか。
知事
そうですね。