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知事記者会見録(令和7年4月8日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和7年4月8日(火曜日)15時00分

司会
 
ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 知事お願いいたします。

知事
 
今日、私の方からは、大きく3つお話をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、プレコンセプションケアの出前講座を始めるというところから話をさせていただきます。これは、私の10の目指すべき目標の2番目にある「子どもを産み育てやすい環境」ということなのですが、ちなみに「プレコンセプション」という言葉自体は、多分皆さん耳慣れしていないかもしれませんが、日本語にすると、妊娠前からケアをすると。子どもが生まれてからではなくて、結婚をして、子どもを産み育てるか相談する前からケアをするという話です。ちなみに、英語に詳しい方は、「プレグナンス」ではないのかと言う人もいるかと思いますが、「プレグナンス」に関しては、どちらかと言うと妊娠する女性に焦点を当てた言葉ですが、「コンセプション」というのは、受精だとかもう少し学術的な言葉で、男性の方から見ても、受胎、受精ということで、「コンセプション」という言葉を使っているとご理解いただければと思います。この後にご覧いただきますが、将来子どもを持つためには、身体の健康が、女性だけではなくて、男性も含めて大事だということを簡単にまとめた出前講座がありまして、特に県内の大学、短大、専門学校、そして高校ぐらいの子に知っておいてほしいということで、不妊治療の時に知っていれば、もっと早く教えてくれればということがありましたので、そうしたことをお伝えするものです。一度動画をご覧いただきます。

(動画放映)

 昨年11月から今年3月にかけまして、県の保健師と岐阜市にも協力をいただきまして、県内の看護系大学などの8校を対象に出前講座を実施した結果として、こういう声が挙がっているということです。そして、出前講座後のアンケートで、9割の学生の声として大変好評であったということ、そして「プレコン」を知らないという方が8割ぐらいだったことからすると、浸透するためにこれからどんどんやっていかなければいけないし、やはり知るということは大事です。どうしても、妊娠、出産というと、特定の人の特定の(こと)と思うかもしれませんが、元(経済産業省の)生物化学産業課長としても、健康状態によって受精の可能性、これは卵子も精子もそうなのですが、結構早い段階から影響を受けるということは生物学的には当たり前のことなのですが、そうした知識が十分でないということが課題だと言われておりましたので、今回しっかりと県内に浸透していきたいというものです。

 次に、2番目なのですが、「清流の国ぎふ大学生等奨学金」ということで、今度は学生さんに戻ってきてもらおうという取組みです。これは10年目になるのですが、県内出身の学生さんで県外に学びに行った方が、県に戻ってきて就職していただくことを促進するためのものです。これは、月額6万円、年間72万で貸付けを行って、(大学等を卒業して)県内に1年以内に戻っていただいて、5年働いていただければ返還不要になるものです。本当に岐阜から出ていってしまう人が多いという中で、(岐阜に戻ることを)迷っている方には結構効果があるかなと思っております。これまでの実績だと、実際に就職する方のうち、大体63%の方が帰ってきていると。放っておくと、3割の方しか帰ってこないという中では、中々効果はあると言って良いだろうかなと。今年度でちょうど10年になりますので、もう1回しっかり分析した上で、更なる発展にしていくのかなと思います。10年目の取組みとして、こうした奨学金制度を行うというものです。お手元の資料には細かいことがいくつか書いてありますが、ざっくりと今申し上げたとおりで、募集期間が昨日4月7日から5月23日までということで、是非とも県内に戻って、迷うようであればこれを使って戻ってきていただけるとありがたいなということです。

 3つ目については、お手元に配ってはいないですが、「働いてもらい方改革」について、これは(報道発表資料の)投げ込みをしていますので、ご存じかもしれませんが、その推進セミナーを明日県庁1階ミナモホールで行います。私もずっと申し上げておりますように、県内を回ってみると、本当に理想というか、これから求められる働き方の実例ということで申し上げておりました。これは公表されているのですが、伝統的な染物屋さんで、何がすごいかというと、今人材不足で、県内、日本中が悩んでいる中で、百数十名がほぼ全員日本人で、ほとんどが若者でして、しかも7割近くが女性ということです。この会社の特徴として、出勤時間と退勤時間のルールがなく、予め従業員の方がここ(の時間)なら働けるということで、申告制で働き方を決めると。しかも、この会社は人員募集していません。口コミで、働きたいという人が働けるように、とにかく顧客満足度ではなくて、従業員満足度を徹底するという方針でやっておられて、3代目の社長さんなのですが、伝統的な染物屋さんで、ガンガン伸びるという会社ではないのかと思いきや、Tシャツその他で非常にお洒落なデザインで人気を博しているのですが、10年間で売上げが 10倍以上になっていると。私もお邪魔させていただいた時には、引きこもりがちだった方がデザイナーとして活躍していたりとか、本当にこれからの働き方改革ならぬ働いてもらい方改革、その人にとって最も生産性の高い時間を選んで、働きたい時間に働いてもらうということで、会社も伸びるし、あまりしゃべってしまうと良くないのですが、これだけ伸びている、売上げが上がっているのを、地域のために、特に子どもたちの居場所を作るということで、駄菓子屋さんをやったり、非常に素敵な喫茶店を開設されたいとか、ある意味一つの理想形かなという方に今回講師に来ていただいて、明日の午後1時半から2時35分に、オンライン会議も併用していますので、是非聞いていただければと。先ほどの幹部会議でも、職員にもできるだけ聞いていただくようにと申し上げました。私も出ます。私の方からそういった3つの項目についてご紹介をさせていただきました。私からは以上です。

記者
 
プレコンセプションケアの出前講座について教えてもらいたいのですが、昨年11月から今年3月にかけて8校を対象に実施したということですが、試験的にやってみて好評だったから、今年度から本格的にやるという位置付けでよろしいですか。

知事
 
そういうことです。

記者
 
(対象者が)大学、短大、専門学校、高校ということなのですが、募集も学校単位で申し込んでもらって、保健師が学校で学生さん相手にということですか。

知事
 
そうです。将来的には授業に組み込むということがあるのでしょうが、まずは1回評価を聞いた上で、まずは希望する所には全部行こうという形です。無料ですので。

記者
 
この出前講座を通じて期待する効果としては、どのようなことを考えていますでしょうか。

知事
 
前にも申し上げましたが、昨年の調査で、岐阜県に住んでおられる若い女性の7割近くの方が、子どもが2人から3人欲しいと言っている。にも関わらず、子どもの数が少ない。これは、ある意味仕事が忙しくてということもあるのでしょうが、子どもが欲しいと思った時に、3人産んだらと考えた時に、自分の体調や年齢その他、精子や卵子の状態を知っていれば、どれくらいのタイミングで1人目の子どもで、それに合わせて仕事の仕方もどうあるべきかを考える。それを、ご本人が知っていることが結構大事で、それが広がってくると、今度は最後に用意した働いてもらい方改革ではないですが、そういう年齢の方の働き方というのが自ずと変わってくる。昔のような気合いと根性みたいな話ではなくて、それが社会の当たり前になるためには、多くの人が生物学的な正しい知識を含めて、特に栄養だとか、睡眠の意義がどれぐらい大きいかということを、特に若い女性の痩せ過ぎの問題だとか、後になってものすごく効いてきたりするということで、それを知識として少なくとも知っていただくことが、将来的に産みたい人が希望するだけ子どもを産める環境のベースを作る意味では必要だと思っています。

記者
 
国全体の話になるのですが、アメリカのトランプ大統領が相互関税を表明してから、株価が乱高下している状況なのですが、県内の産業への影響をどのように見通しているかということがまず一点と、あと県としてどういう対応をしてと考えられているかという2点を教えてください。

知事
 
直接的な影響というのは、まさに今回の株価、ある程度経済が分かっている人は想定したのだと思いますが、今度は株式の評価が変わると投資その他に影響してくるので。あと、これは直接的ではありませんが、心理的な影響は結構大きいかなと思っています。あとは、実際に発動した後の生産削減見通しを親会社がやると、それに伴って発注が減ってという形になってくると思います。これも含めてまだ状況を見ているところですが、皆さんそれを心配されると。したがって、投資に対する冷え込み効果というのは当然出てくる可能性があるのですが、ただ、ご案内のとおり、トランプ大統領自身も発言を二転三転させているとか、更には今回の関税の計算の仕方がおかしいのではないかとか、イーロン・マスク氏も異を唱えたりとか、アメリカの中でも混乱をしてきているので、株価に対する影響に対して、まずは相談窓口を作るということ。あともう一つ、更に言うと、混乱の間はやはり耐えなければいけないので、その間の資金繰りのための事業継続の窓口、そしてその予算は用意してありますので、しばらくはそれを用意しながら、県内の状況をちゃんと見極めていくと、そんな対応になると思います。

記者
 
現状はまだ直接的な影響は出ていないが、先ほど言われたように、今後投資とか、親会社の発注が減るということで、県内の今の現状としては、今後その影響が考えられるということでしょうか。

知事
 
そうです。多くの人がここで積極的に何かやろうということは多分なくなるでしょうから、そこの影響はあるでしょう。ただ一方で、2日、3日でこれだけ状況が変わっているので、世界中がそれ(関税)に対しては異を唱え始めている中で、ここから先は県というよりは国の仕事ではあるのですが、それ以外の国との連携だとか、国際的な動きを見ながら対応していくことだと思います。

記者
 
岐阜県もステージ発表を予定している大阪万博が今月13日に開幕するのですが、なかなかチケットが売れてない、前売りのチケットが当初の目標よりも届かなくて、少し盛り上がりに欠けるということなのですが、知事としてなぜ今回の大阪万博が盛り上がりに欠けるのかをどのように受け止められているのか、その要因をどのように見ているのかという点と、盛り上げていくには、こういった政策が効果的なのではないかとか、もしお考えがありましたらお願いします。

知事
 
そこは多分皆さんにお願いすることも多いと思うのですが、万博に関してはどちらかと言うと、開催が遅れているというニュースばかりがあって、前向きなニュースよりは、どちらかというと課題の方が多かったので、聞いている方からしても、ふーんという感じで、盛り上がりが少なかったのかもしれません。ただ、これは他の国における万博でも大体似たような状況があるのですが、それは差し引いたとして、これからどうやって盛り上げていくかというと、県としては、県の担当の日があります。その時に是非地元の方にも、より積極的に行っていただくとか、まずは県の足元から盛り上げていくような取組みがまずは大事かなと思っています。

記者
 
足元から盛り上げていく取組みで検討していることで、何か考えていることはありますか。

知事
 
今日も実はその打ち合わせやったのですが、ちょうど岐阜県の日に何をやるかということで、会場内に空席があまりに多いというような、出ていただく人にとっても、またそれを見に来られた方にとっても残念なことにならないように、迷っているのだったら是非行ってくださいと。あとは、これはまだ検討中なのですが、なかなか手続きが面倒くさいという話も聞かれているので、その手続きのハードルを下げることによって、関係者の方には、どっちでも良いのだったら行ってみようかなと思う人も結構いらっしゃるので、そういう方々にとっての取組みをしたいと思っています。

記者
 
プレコンセプションケアに関してなのですが、どうして学生を対象にしたのかというところを教えてください。

知事
 
一般の方に声を掛けて、来る人来ない人というよりは、まずは学生さん、たくさん集まっておられるというか、先ほどありました、特にこれから社会に出る、そういう中でこういったまとまって情報を聞く機会があるということと、社会に出るというタイミングとしては学生さんがまずは一番良いかなと。特に、学生ではない人にもやらないのかって話が出てくるでしょうから、この評価を見ながら、一般の方にという話も出てくるのかなと思っています。

記者
 
県としては、このような出前講座の形を取るのは、昨年の試験的な取組みが初めてでしょうか。

知事
 
昨年が出前講座のトライアルで、今回が本格的に出前講座をするということで、それが定着してくると、今度は授業に組み込んでもらうという順番かなと思っていまして、そのようになってくると、今度は学生だけではなくて、一般にもということで、順番で発展していけば良いなと思っています。

記者
 
プレコンセプションケアの出前講座以外の県の取組みというのはこれまでもあったのでしょうか。

子ども・女性部
 
プレコンセプションケアとして取り組み始めたのはこの出前講座が初めてで、それ以外ですと、男性不妊や女性不妊について、それぞれ取組みはしておりますが、プレコンセプションケアとしては今回が初めてとなります。

知事
 
一般的には、妊娠したことが分かって、その辺りからいろいろと教えてもらうと。パパママ教室とか、だいたいが妊娠してからのスタートだったので、プレというのはほぼ初めてに近いかなと。

記者
 
先週から始まった政策オリンピックの募集なのですが、既に集まっているものがあれば、件数と併せて教えていただければと思います。

知事
 
実は先ほども各関係部に聞いたのですが、おかげさまで結構盛り上がっていまして、週末に私の地元でも話題になっていました。応募は今のところまだないのですが、いろいろとうちは出すぞという話も聞こえてきていますので、ちょっとワクワクしながら待っています。

記者
 
トランプ関税に関して教えてください。県として、先週末、いち早く相談窓口を、中小企業向けや農業者向けに設けられたかと思いますが、そちらに寄せられている相談であるとか、そういった件数を取りまとめているのであれば、現時点の数や内容などを教えてください。

知事
 
今のところ、まだ件数の計算はなかったと思います。他方で、先ほど申し上げたように、まず何を相談して良いのかと、企業さん自身もこの日々変わる状況の中で、ちょっと心配しておられるが、具体的に何をしようかというところまではないと思っています。ただ、おっしゃっていただいたように、まず相談できる場所がありますということと、先ほど申し上げました融資の体制も整えていますので、一応レディーの状態で今お待ちしているという、そんな状況です。

記者
 
今回のトランプ関税を受けて、名古屋市が新たな中小向けの融資制度を設けるという発表もありました。先ほど、動向を見ていく、動きを見ていくとおっしゃいましたが、動き次第ではそういった新たな融資制度などの創設を検討されるのかどうか、その辺りも教えてください。

知事
 
特に名古屋市というか愛知県の場合は、自動車からの影響というのは皆さん心配されておられますので、そういう点では、そういった特別なものという、その特別のあり方がまた違うのかなと思いますが、岐阜県の場合は、自動車に対する依存度はそれほど大きくはないので、それ以外の分野というか、これまで関税というものはあまり経験してなかったところも、一律関税になった時の影響はまだまだこれからだと思いますので、その辺りを見極めて、必要に応じて必要な体制を取っていきたいと思っています。

記者
 
江崎知事は知事選の中でも、岐阜羽島駅を活用して、この万博のタイミングでインバウンドを呼び込みたいというお話もあったと思うのですが、現時点で施策としてやりたい、検討されているものがあれば、教えていただけたらと思います。

知事
 
どちらかと言うと、岐阜羽島駅は日本人というよりは圧倒的に外国人の方、特に新幹線のフリーパスを持っておられる方にとっては非常に有利な場所ということで、そこに向けて、お土産物であったり、食べるところということで、「BLOCK47」も含めて今どんどん整備をしていただいているところです。ただそれは、万博に向けてかと言うと、前から申し上げているように、万博が一つのシンボリックな動きとして、なかなか大阪市内にホテルが取れない時にということになっておりますが、実はありがたいことに、岐阜羽島駅辺りのホテルがもう既にいっぱいなので、そこから大垣市の方のビジネスホテルに人も流れ始めているので、その辺りも含めて、これから万博に向けて新たに何かするか、まず今の状況を見ながら、恐らく羽島の周辺の問題になってくるかと思いますので、それは見極めた上で対応したいと思っています。

記者
 
万博の岐阜県の日の関連なのですが、昨年10月の県議会で、これは古田前知事の県議会の一般質問の答弁だったのですが、一応予定では「地歌舞伎」であるとか、ユネスコ無形文化遺産に登録された「風流踊」ですとか、高校生の総合文化祭で披露された「花いけバトル」など、諸々約50公演を検討されているという話だったと思うのですが、今のところの予定としては、その辺りのところは変わりないでしょうか。

知事
 
50もできないので、2日しかないので、その間に1日2クールというか、2回出場していただくということを前提に、先ほどの「地歌舞伎」だとか、その辺のプログラムはほぼ決まっていますので、そこが2日に亘って岐阜県の日としてやっていくことになります。

記者
 
その辺り、私の記憶する限りだとまだ発表はなかったと思うのですが、いつ頃を目途に発表されますか。

知事
 
先ほど見たところ(資料が)ほとんどできていたので、配られているのかなと思ったので、近々に、もう始まりますから、間もなく公式プログラムの中に全部入ってくると思いますので、一刻も早く発表するようにします。

記者
 
トランプ政権による関税措置について、県としての影響等もあると思うのですが、そもそもトランプ政権の関税率の計算方法とか、いろいろな不合理だとかが言われ、指摘されていますが、知事として、そもそもこの関税施策に対してどのような評価をされるのかお聞かせください。

知事
 
実際に、日本の場合、特に国際貿易に経済のかなりの部分を依存している国からすると、そういった障壁を作るということ自体は望ましいとは思っていません。例えば今回のことでお分かりだと思いますが、障壁を作ることによって、全ての物価が上がってきます。これはある意味、アメリカ国内においても同じことなのです。ただ説明を聞いていると、アメリカ国内は良い影響ばかりの説明をしていますが、そんなことはなくて、逆に言うと、世界で作ればもっとたくさん売れたものが、全体として物価が上がるということは、それだけ需要が下がりますので、世界全体の需要を下げてしまった状態で世界経済が動く。その影響は当然アメリカにも来るし、そうしたことを考えた時に、何よりもここまでそれを先読みして株価が下がったということは、そういう効果というのは大きいということで、多分世界中も想定していたでしょうし、アメリカの中の経済学者でも想定していたのですが、それよりもアメリカファーストということで、かなり乱暴にというか、やってしまったことの影響が早速出ているので、良いか悪いかと言ったら望ましくはない。問題はむしろ、そうやってしまったが故に、これからどう収拾していくのかということ。そして更に言うと、トランプさんなので、間違いましたと言って退くこともないかもしれませんので、そうすると国際貿易にかなり依存してきたこの日本としては、やはり国内の経済を強くしておく。ある意味、今後想定されるであろういろんな状況に対して、やれることが結構たくさんあって、これは今度改めてお話したいと思いますが、岐阜県ならではのやり方もたくさんあるかなと思っていますので、そうした準備をするきっかけを与えてくれたかなと思っています。

記者
 この関税に関連して、既にいろいろブレているというご指摘が最初にありましたが、もはや予測の話になってしまうのですが、今後見直し的なものは来るのではないかみたいな今後の見通しについて、江崎知事の読みをお聞かせください。

知事
 
読みというのはなかなか当たらないものですが、ただ実際に発動タイミングがこれからずれてくるでしょうから、やはり修正は彼にとってもしにくいでしょうから、いろんな条件交渉の中で発動をちらつかせながら、相手の情報を引き出していきたいというのがトランプ流の交渉だとすれば、さっさと発動してしまうと、恐らくマイナスの影響の方が顕在化してしまうので、そうでない手前のところでどこまで引っ張れるかということをしばらくやるのかなと。それはアメリカの話であって、世界もそれを唯唯諾諾と見ているわけではないでしょうから、その周辺、特にヨーロッパを中心にどんな対応をしていくのかと、それをちゃんと見極めながら、日本としても準備をすることになると思います。

記者
 
リニア中央新幹線に関連してお伺いさせていただきます。知事動静を拝見させていただくと、リニア実験線にご乗車されたと思うのですが、そのご感想と、リニア担当役員とも改めて面談をされていると思うのですが、その時にどのような話をされたのかお聞かせください。

知事
 
まず、今回私は初めてであったのですが、実際に山梨の実験線のところから乗らせていただきまして、時速500キロというのを体験させていただきました。やや技術的な話になりますが、やはり行ってみるものだなと思ったのは、多分皆さんもリニアというと磁気によって車体を浮上させて、それによって空気抵抗のないところで磁気で引っ張ると思っていると思いますが、今は下にコイルはありません。横にしかコイルはなくて、タイヤで走る形になっていて、時速150キロを超えると、もう一つ別に付けたコイルが勝手に電磁誘導で磁場を起こして、横から車体を持ち上げる形になります。ですから下にコイルはありません。前に引っ張るだけということで、これはすごいなと(思いました)。更に両側のコイルなので、車体がぶれると、この間の距離が変わることによって磁気が変わるので、こちらは引き戻そうとする力と、こちらは反発しようとする力があるので、基本的には理論的にはすごいなと思うのですが、横にぶつからない構造になっているということです。技術的な話はそれまでで、乗った感想ですが、本当に飛行機みたいです。ただ面白いのは、500キロで窓の外が見えないと何が起こるかというと、最初にまず乗って、時速300キロで端っこに行って、42キロを500キロで戻るんです。それが今度は前向きに500キロで行って元に戻るという、いわゆる1.5往復するのですが、最初後ろ向きに500キロで走っているのですが、前に走っているのか後ろに走っているのか分からないです。モニターが前向きなのですが、言われない限り分からないです。それぐらいすごいなというのと、その後で話をしたことなのですが、実は窓の外の景色が見えません。その代わり、天井にいわゆるプロジェクションマッピングではありませんが、これから行くであろう場所のいろんな宣伝をすると、まさに夢のような時間になるなという感じがしています。乗られた方はお分かりだと思いますが、今度は150キロから減速する時は、地上に着陸するということです。ドンと降りて、そこでタイヤが出るということです。これから技術開発の中で、その衝撃の部分を消していく、空力を使っていませんので、あくまで電磁だけで引っ張っていますので、いかに車体を軽くするかということの勝負だみたいな話を、特に技術の担当の方もいらっしゃったので、その辺りの話をしました。あとはいずれにしても、本当に人を乗せていく中で、今後人流、物流が変わるとの話を幹部の方ともしながら、(リニア中央)新幹線の意義についていろいろと議論させていただきました。

記者
 
岐阜県と言えば、瑞浪のところの問題がございますが、その点についてはお話の中で話題に上りましたでしょうか。

知事
 
毎日、スタッフの方は現場を回っておられて、住民の方からいただいているいろんな要望については基本的に全て答えるという方向で、傾いているところだとか、枯れたところに対応しているということで、それから地盤の沈下についても、日々計っておられるので、ある程度その数字を見ながら丁寧に対応していくと。とにかく私の方からお願いしたのは、やはり住民の方にとってみれば、もう結構時間が経っているので、しっかりとどう対応していくのかを発表していただきたいというのと、本当に毎日対応していただいているので、それを引き続きしっかりやっていただきたいと、そんな話をしました。

記者
 
先週も質問が上がっていましたが、選択的夫婦別姓についての考え方をお伺いしたいのですが、子どもの姓というお話はございましたが、そもそもの大前提として、夫婦別姓が議題に上る中の一つの要因であるところに、そもそも女性が改姓する割合が94.5%に上っているという厚生労働省の調査があったと思うのですが、この現状について、そもそも女性に偏っている現状についてどのように評価されるかお伺いさせてください。

知事
 
昔の憲法のように、(苗字が)男性の方ということではなくなった意味においては、まず選択肢があるということが一。その結果として、(改姓する)90何%が女性になっていると。多分今回の議論はその偏りをどうするかという話なのかなという気がしています。そうであるならば、やり方はいくつかあって、本当にその中でそうでないように変えていくというのもあるのでしょうが、そうでないから別姓に一気にしてしまうのはちょっと早いのではないかなということはこの間申し上げたとおりで、そうなった時に子どもにとって見ると、兄弟で苗字が違う、そしてお父さんとお母さんで苗字が違うということの意味を子どもが理解できるかということです。それともう一つ、これは悩ましいなと思うのですが、海外では結構あるという説明を受けることが多いのですが、元々苗字は「ファミリーネーム」と言うと。それから多分皆さんも英語の時間で夫婦のことを、「ミスターアンドミセスグリーン」のように習いましたよね。だから、海外では「別姓が当たり前」の当たり前がどの辺のことを言っているのかということ。あと、それが子どもにとって影響があったのか無かったのかという中に、「あった」とは聞いていないという説明は聞くのですが、「無かった」という話も聞いていないということです。だから、恐らくその辺りも含めて、何の現状をどうしたいのかというところで、そのための方法としてこれしかないのかということについては、本当にしっかりと議論が必要かなと改めて思っております。

記者
 
「政策オリンピック」についてなのですが、県政に対する自己高揚感を高めるという意味で、意義ある施策ということだとは思うのですが、現状のところですと、あくまで団体に限らず、自治会というのは確かに民間に近いと思うのですが、結構、市町村とか団体に限られていて、元々県にコネクションを持っている方に対して、現状募っている部分も多いかなと個人的には思います。そういう点において、今後、例えば本当に一般県民、自治会も一般県民と言えば一般県民だと思うのですが、今後さらに広く一般県民から募っていくということはお考えでしょうか。

知事
 
「政策オリンピック」自体も初めての経験なので、多分皆さん、私も地元で話をしたら、「僕たちも出して良いの。」みたいなのはあったりするので、一応、皆さんも発表していただいているように、活字としては自治会と書いてあるので、自治会であれば当然どこでも良いのですが、ただ、その後で実際に提案していただいた方の広がりだとか、それは政策に(重きを)置いたものになると思います。今回は、たまたま防災訓練も、一人でやる人もいるかもしれませんが、どちらかと言うと共助ということを設定している以上は、ある程度の面的な広がりからすると、自ずと自治会、それから自治体になってきただけの話で、恐らくこれからやるであろういろんな「政策オリンピック」の中では、個人というのも十分あっても良いかと思いますし、特にトップランナー方式ですから、それをその良し悪し、効果も含めて、そうしたものが見極められれば、それを今度は県として実施していく、市町村でやっていくと、いろんなパターンがあると思います。今回は、たまたまその(内容が)防災訓練と鳥獣害だったので、結果的にそれ(市町村や自治会)になっているだけで、これから提案を見ながら、個人の提案もあるかもしれないので、ちょっとその辺りは見極めたいと思います。

記者
 
トランプの関税について、県内での影響の試算的なものは出されているのでしょうか。

知事
 
まだ出していないと思います。

記者
 
今後、今は不確定要素が多い中で状況を見極めていくとおっしゃっていましたが、今後、その県内の影響の把握の仕方は、具体的にどう考えられているのか教えてださい。

知事
 
まずは今回の相談窓口、不安に思っているというのは調査にならないので、実際に窓口に来られた方が具体的にどういう不安を伝えていただいたかというのが一つの流れだと思っています。あとは金融機関です。まさに資金調達の文脈の中で、いろんな銀行の中での情報共有の一端をお伺いする。あとは、シンクタンクの方々もいろいろ調査されていると思いますから、そうしたものを総合的に見ながらやっていくのかなと思っています。

記者
 
備蓄米が放出されているということですが、13週連続の値上げでスーパーでも高値が続いている状況ですが、流通させるための対策といいますか、県内での米の流通というのが現時点で見られているのかということと、まだ高い(価格)水準ですが、流通させるための対策を教えてください。

知事
 
まずは、先立て農林水産省が発表したところですが、実際に米の生産者から最終消費者に届くまでの間に、いろいろ関わる人がいくつかあります。それがこれまではどちらかというとJA中心の大手だったところに、自主流通的なところ、そちらの比重が増えた。それによって、いわゆる通常のマーケットでよくあることなのですが、できるだけ高い値段で売りたいということから、個々がそれぞれに備蓄を始めたことによって全体の品薄感が出ているというのが一応公式の説明です。
 その結果として何が起きたかというと、実際に生産している米農家さんも、かつて1キロあたり1万円だったものが、今は2万円ぐらいになって、ある意味(さまざまな費用等を)ペイする値段になってきたという説明がある一方で、最終小売価格は4万円ですから、その倍になった分はどこにいったんだという議論になってきます。ここから先は、どの主体であったとしても、やはり当たり前で高い値段で売りたいというのが、自由主義、資本主義の当たり前の世界ですが、今度、高すぎると買い控えの話になったり、米離れになっていきます。更にこの間、ヒアリングしてきたところからすると、今すでに今年の秋の収穫に向けて、今まで直接買いに来なかった人が米農家に買いに来ている。この結果、先ほど2万円と言いましたが、2万円というのはAさんも把握している一般的な標準的な価格なのですが、即、農家の段階で3万円、4万円の価格を提示する議論も始まっています。そうすると何が起こるかというと、今までのような流通ルートが多分壊れていく。今高いから良いやと言ってこの値段を引っ張ってしまうことによって、これまでの流通ルートが完全に変わってしまう可能性がある。これが良いことかどうか分かりません。ただ、他方で農家からすると今まで1万円だったものが、なんとかトントンの2万円になった。でも今回、3万円、4万円にいくんだということを農家さんがレッスンをすると。そうすると、本当にこれが単純に元に戻るかと。一方で、これだけ売れるだろうとなると、多分米の作付けが増えていきますから、来年以降の生産量は増えると。その辺りのせめぎ合いの中で、今後の価格が決まっていくと。ただ、実際そうは言っても4万円を何とかしてくれという話が多分ありますので、今、農水省が放出したものについても、一応、放出が終わった。これからは恐らく、今度、(米を)持っているとチキンゲームになってしまうので、どこかで売らないと逆に在庫だけ積み上がってしまうので、その辺りを見極めて出てくるので、本当はもう少し早い方が良いのではないかという議論がありましたが、逆にマーケットとしてもっと高い値段を維持したいというところの限界点にそろそろ来ると思いますので、そこから下がっていくのかなと思っています。

記者
 
県内で流通させるための対策として、県として考えられていることはありますか。

知事
 実際、小売りの手前のところに物が無いという状況だったりするので、あとは、本当に備蓄されているところについては放出してくださいというか、言わなくてもそろそろ放出しないとやばいかなと思っているかもしれませんので、そのあたり、もし引っ掛かるところがあるのであれば、促していくとかそういうことになると思っています。

記者
 
県として流通を止められているというか。直接買い付けに行く消費者さんであったりとか、店頭に卸が卸さないという状況の中で、具体的にこう声掛けていくであるとか、そういった行動を取られたりすることはあったりしますか。

知事
 
これは先ほど申し上げましたが、まず農水省がそういう説明をしたというだけであって、当たり前ですが、価格が動いている中で売るか売らないかは個人の自由なので、そこを高いけど、早く安い値段で売れというのは、自由主義とか資本主義の問題ではないので、そうすると彼らが売った方が合理的であると考えるような仕組みを考えていくということしかないかなと思っています。