本文
※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。
司会
ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
知事お願いいたします。
知事
お手元に資料を2つ用意させていただきまして、雪の関係、そしてお酒の話、この2点についてお話をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
今夜も雪が心配されているところですが、前回の2月4日からの大雪についての対応、ここから学ぶこともありましたのでご説明させていただきます。
2月4日からの大雪は、この冬一番の寒気ということで、4日から8日にかけて、長期の大雪になりました。白川村の観測では、5日に観測開始以来1位ということで、48時間に降った降雪量が129cmで、これも大変な記録でした。最大で277cmということで、3m超えにはなりませんでしたが大変な積雪がありました。我が故郷山県市では、倒木による一時孤立と停電が発生したということです。ちょうど私の就任翌日7日には、急遽「大雪に関する連絡会議」ということで、私も参加させていただきました。特に市町村の方々への呼びかけとともに、県民の皆様への呼びかけを行わせていただきました。
そして、特に今回は停電の影響が大きかったと思いますが、やはり大雪ではどうしても木が倒れる、これによって電線が切断されてしまうことに伴う停電です。山県市、そして関市を中心に比較的長い期間停電することがございました。そして今回、こうした雪による一つのレッスンということで、連絡が取れるということは結構大事なことでありましたが、今までは(停電が)1日位だったのですが、長期になるとスマートフォンが使えなくなる、連絡が取れなくなるということが実は一番危惧されたところですので、今後はスマートフォンへの充電器、発電機、そして特にお年寄りということを考えると電池による充電器、その他の対応。先立っては、ドローンで運ぶというような話をしていたのですが、こうしたことを踏まえて、何がより現実的な対応かを考える必要があると今回学ばせていただきました。そして、食料、燃料の備蓄なのですが、比較的家にあるもので対応することからすると、やはり連絡が取れる体制というのがいかに大事かと分かった次第です。そして、電力会社の中部電力に非常に一生懸命やっていただいて、迅速な停電解消に向けての取組みを頑張っていただきました。本当に感謝したいと思います。ただ、一方で、「木の国・山の国」と言われるだけあって、かなり大きな木が倒れることは、後の対策が非常に困難になることもございますので、今後は立木の事前伐採、私の家の横も枝の間を電線が通っているところがたくさんありますので、そうしたところも事前に対応することが必要かなと。そして間伐、こうしたことも本当に重要だと改めて今回の雪で感じさせられたところでございます。
今回は、県内で事故、怪我、亡くなられた方はいなかったですが、県外ではそうした事故も発生しております。特に私も、雪下ろしがいかに危険かということを経験しておりますので、今回私の実家でも80cm位降りましたが、屋根からのオーバーハングと言うのですが、皆さんは雪は落ちるものだと思われているかもしれませんが、今回のように連続して降ってくると、最初に降った雪が次の雪で圧縮され、そして内側の雪がほとんど凍っているので、屋根からはみ出ても凍っているものですから(雪が)落ちない。それがぐるぐると巻き込んでいくものですから、それで屋根が折れてしまうこともある。特に危険なのは、そうした雪を下から突っ突くと、全部自分の上に落ちてくる形になりますので、特に2人以上で(雪下ろしや除雪作業を)やってください。(屋根の)上から雪が降ってくると本当に埋まってしまいます。前回(の会見で)も言いましたが、(雪の中に)片足が埋もれるだけでも(体が)出てこれません。体半分埋まるだけでもその重みたるや相当なものがありますので、そうしたものに対する備え、(雪下ろしや除雪作業は)必ず2人以上でやってくださいということです。何が危険かもしっかり理解した上で対応していただくと。ヘルメットの着用、雪は重たいし硬いですからその危険性、そして梯子については私も経験していますが、オーバーハングがあると梯子ごと後ろに倒れていきますから、その固定ということも重要ということが今回のレッスンでした。
そして今夜ですが、またそうした危険があります。今のところは早め早めの対応ということで、名神高速道路などで予防的通行止めが本日(2月18日)16時から予定されていると伺っておりますが、従いまして不要不急の外出をできるだけ自粛していただきたいということで、(予防的な対策が)空振りで叱られるよりも、事故で起こる被害の方がはるかに(影響が)大きいですから、そういったことをご協力賜るとありがたいと思っております。そうは言ってもどうしても動かなければいけないこともあろうかと思いますので、その時には必ず冬用タイヤはもちろんですが、雪がかなり深くなってくると冬用タイヤも空回りしてしまうので、雪用チェーンというのもかなり有効だということです。あとは、車の中に食料や水、スコップ、そして携帯トイレもありますし、あとは軍手です。手がかじかんでなかなか動かなくなることもありますし、手で雪を払うことは大変なことになりますので、軍手は意外に盲点なのですが、そうしたものもしっかり対応していただきたいということです。これが大雪に関する報告であります。
次は新酒米です。新しい酒米ができたということで、そのお披露目です。名前が「酔(よい)むすび」と言う新しい品種です。一般のお米と違って、お酒にはお酒に適した米があるのですが、味が良ければ良いというものではなく、麹や菌、正確に言うと、菌にとっては良くないのですが、その菌にとっていろいろ苦しみながら発酵する過程で出てくるその物質が酒として非常に素晴らしいということがありまして、「お酒を磨く」と言いますが、芯になればなるほど今度は栄養価が減るがゆえに、菌がいろいろ工夫して生き延びようとする中で出てくるもので味わいが出てくるということで、一般に食べているお米で酒ができるわけではなくて、酒に適した酒米が今回研究所の努力の結果生まれたというものです。この酒を今週21日にお披露目ということで、JR岐阜駅に直結した「アクティブG」で行いたいと思いますので是非お越しください。今までは、ご案内のとおり「ひだほまれ」というのが酒米として非常に有名なものだったのですが、東濃地域などから「地元産の酒米を使って、オリジナルブランドを作りたい。」といった声がありまして、それに応えるためにいろいろ研究をしてこられました。昨年11月の研究成果発表会の中でもご紹介させていただいております、中山間農業研究所、そして食品科学研究所が試験醸造や酒蔵への現地指導を行って、42年ぶりの酒米「酔むすび」(を開発した)ということです。これはお米の品種であってお酒の名前ではないです。(今回は東濃の)9蔵が新しいお米を使って酒造りということで、取り組んでいただいたお酒を試飲していただくというイベントを「アクティブG」の「ふれあい広場」で行わせていただき、一般の方向けの試飲会もありますので、9銘柄のうち3つを試飲いただけるチケットを準備し、先着200名の方に枡とともに配布するということを行います。同じ酒米を使いながらも、醸造の仕方によって味わいは当然変わってきます。その辺りを楽しんで飲み比べていただいて、ファンになっていただければと思います。同会場では研究成果の紹介とか、醸造研究の紹介だとかそういったことも併せて行いますので、是非見識を深めていただければと思っております。それから、この日から24日までJR岐阜駅周辺の協力飲食店13店舗におきまして、お試し提供とか、アンテナショップ「ザ・ギフツショップ」でフェアも開催しますので、よろしくお願いいたします。
今後の酒の振興については、「酔むすび」という名前は、「人と人を結ぶきっかけに」なるという願いを込めて命名されております。そして、岐阜と全国、更には海外に繋がるきっかけとなることを願っております。実は内部で発表に先立って少しチェックをさせてもらいましたが、意外にこれは外国人向けになるかなというものでしたので、非常にすっきりした味になっているかなと思います。そして、折しも昨年12月に「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産になっていますので、こうしたことも含めて海外により積極的にプロモーションしていくと良いかなということでございます。また、専門的なことについては、今日は研究所の方もお越しいただいております。何でも聞いてくださいということですので、是非お試ししていただければということです。よろしくお願いいたします。私からは以上です。
記者
後ろ(バックボード)の(マスコットキャラクターである)ミナモが(前回の会見の時から)変わっていますが。
知事
気が付きましたか。お酒と除雪(をテーマにしたミナモ)です。
記者
これから、会見のテーマに応じて変えていくということでしょうか。
知事
そういうことです。そこは芸が細かい。
記者
知事が発案されたのでしょうか。
知事
いえ、むしろ職員からの提案で、素晴らしいねということです。せっかく県民の皆さんにいろいろ見ていただくには、こういうところでも発信ができると良いかなと。ミナモも健在です。
記者
大雪の対応についてお聞きします。今回学びもあったという話もされていて、かねてから集落が孤立しても大丈夫なように対策することが大事だとよくおっしゃっていると思うのですが、今回の大雪の対応を受けて、政策に反映させていきたい、やっていきたいことがもしあれば教えてください。
知事
先ほど申し上げたように、連絡を取ることができるのは結構大事で、孤立されたとしても、その方の状態として体調が悪いのか、それとも緊急事態なのかということも含めて。そうすると、携帯(電話)のバッテリーの節約のために(電源を)切ってもらったら困るので常に連絡が取られる状態にしておくことは大事かなと。したがって、バッテリーが切れそうだから(電源を)切るということはしないで、その代わりちゃんと充電できる体制がいるかなと。状況さえ分かれば、何かを運ぶのか、ヘリを飛ばすのかということを判断できる、それがいかに価値あることかということが分かりました。それが1つ。
2つ目は今回山県市の方で孤立された方に「避難しませんか。」という準備体制をもちろん取ったのですが、「結構です。」ということで、これも確かに冷静に考えてみると、私も雪国(出身)なので避難をするということは第1次避難的には大事なことなのですが、避難所に行くと着替えが無いと。日常的に不便なものがあったり、特にお年寄りだと入れ歯の手入れだとか、着の身着のまま避難してしまった時の大変さと、逆に(何を避難所に持っていくかを)考えてすごい荷物を持って避難することもまた大変だと。そうすると、今申し上げたように、まずはご本人の意思を最大限尊重したいと思っていますが、ご本人にとって避難した後が重要で、避難すればまずは安全ということが第一優先なのですが、その後のことを考えた時に、もう1つのオプションもあるんだということを今回学ばせていただきました。食料と水、今回の場合は停電ではありましたが、ご本人がそれで良いということであるなら、(いつでも)緊急対応ができる状況さえあれば、無理に避難をしなくてもと良いこともあるかなということが一つのレッスンでした。
記者
避難するとなった時に、避難所への備えというのも大事ではないかと思ったのですが、知事のお考えを教えてください。
知事
おっしゃるとおりです。最低限、ベッドだとか毛布、その他暖を取るものが通常(大事)なのですが、やはりこれから高齢の方々が避難されるという時に不便さというものを感じられると思いますので、今後チャンスがあれば「何かあったら避難されますか。」ということを丁寧に聞いていくことが大事かと思います。
記者
お酒について、先程外国人受けするのではないかとのお話でしたが、海外へのプロモーション方法としてこういうものが良いのではないかというアイディアがあれば教えてください。
知事
お酒をお酒だけとして提供するというよりは、料理との組み合わせということが大事になるかなと思います。以前、フランス大使館の方に頼まれて、岐阜県のお酒を何としても調達してほしいということがありました。その時、通常我々が飲むお酒よりも少し発泡状態になっているものを(提供しました)。好みというのもあるので、どのシチュエーションで飲むことを想定されているかということと、逆に日本酒であるがゆえに、料理に合うセットを提供するのは結構大事かと思います。
記者
そのセットの提供の仕方というのですか、どのようにしてそういう場を設けていくかとか、その辺りいかがでしょうか。
知事
おかげさまで、今3,000万人を超える海外のお客さんが日本に来ておられます。せっかく岐阜へ来ていただいた方向けにより積極的に提供すると、そういう場を設けていくことも重要かなと思っています。
記者
副知事(の選任)についてですが、知事としていろんな方に会われてからと言っていたかと思うのですが、その後目処はいかがでしょうか。
知事
おかげさまで、予算について皆様にも報道していただきましたが、一つの形ができるところまでは職員の皆さんと一気にやりました。今度はそれを実際に実施していくにあたって、知事以外にいろんなプレイヤーが必要になってくると。ただ、それが単に私の分身というだけではなく、それぞれミッションがあろうかと思います。人を増やすなら増やすなりの目的ということが重要になるかと思いますので、私の中でもこれから実際に立てた予算を執行していく中で、どういった役割がより重要になるか、またどこが足りないのかと見極めた上で、選んでいきたいと思います。
記者
副知事に求めたい人物像というか、こういう人が良いなというものはありますか。
知事
これから政策をやる中で、まず全体を見極めた上で、あとはいろんな方と会う中で、ふさわしい方も選びつつ、必要な機能も抽出しつつ考えたいと思います。
記者
3月定例会において人事案を出されたりとか、そういった予定は今のところいかがでしょうか。
知事
いろんな可能性は考えておりますが、冒頭か終わりなのかということもありますし、6月議会の可能性もあったり、今のところあらゆる選択肢を予定しています。
記者
去年の暮れの話で、総務省が全国の都道府県別に育児休業の取得状況というのを公表されておりまして、岐阜県が2023年度において、男性職員の育児休業の取得が46.8%で、全国平均が43.9%なので上回っていると。分野別で見ると、一般行政部門が88.1%でこれも良いと。警察部門も68.2%で、どちらも全国平均を上回っているのですが、ただ、教育委員会が岐阜県21.9%で、全国平均が28.7%なので下回っているという現状があります。教育委員会の男性職員の方々が育児休業を取りたくても取れない状況なのかこの数字からは分かりませんが、この数字の受け止めと今後進めていかなければいけないことに関する知事のお考えを伺えたらと思います。
知事
その時期、私がいたわけではないのですが、国で健康経営を推進してきた立場からすると、休めるかどうかというのは、実はその空気感というか雰囲気なんです。もっと言うと、その職場の文化です。仕事があるから帰れない、ないから帰れるというよりは、なくても帰りにくいとか、むしろ遅くまでやる方がある意味美徳とは言いませんが、当たり前だと。そういった雰囲気に抗い難い状況の中で、どうしても遅くなるというのが一般的だったと。健康経営の時も、やはり企業文化を変えるということをテーマに十年来やってきたのですが、やはりトップが変わっていくと、どうしても人は上司を見るので、上司の方の意識改革、企業で言うと社長さん、そこを変えていく。学校で言うと、校長先生もそうですし、教育委員会もそうですし、そこから文化を変えていくということが必要かなと思っています。
記者
言い換えるならば、岐阜県の教育委員会や教育現場に、まだ帰りたくても帰りにくい空気が残っているのではないかということが知事の見方の一つとしてあるという理解でよろしいですか。
知事
これから話を聞いてみようと思います。実際に本当に仕事が本当に多いのだろうというものもありますし、逆に私も内閣府で文部科学省改革の担当を少ししたこともありまして、やはり国からの調査だとかいろんな調査物で先生方は本当に大変だとありますので、そこを改善した上で、それでも遅くなるのであれば、今おっしゃったような文化の問題とか、その空気感みたいなものを変えていく必要があるかなと思います。
記者
いろんなことが初めてということで、定例記者会見というのも今回初めてになるわけで、改めてもう既に会見もされているのですが、定例記者会見というものについて、江崎知事の思いとか、こういったことを発信していきたいとか、こういったふうにしていきたいという最初の抱負をお願いします。
知事
今朝、来年度の予算ということで、皆さんにもたくさん(記事を)書いていただきましたが、県民の皆さんにとっても、今やっぱり不安と言うか、将来どうなってしまうのだろうかと。特に人口減少だとか、耕作放棄地が増えるだとか、また世界を見れば戦争だという中で、やはり今何が起きているんだということで、これから何をしようと思っているかということをちゃんとお伝えすることは、行政としての非常に大きな役割かなと思っています。なので、まさに今何が起きているのかを、皆さんを通じて発信できるものを見ることによって、「安心」と、更に言うと「ワクワク」と言うか、「こういうことが始まるんだ」と、だったら「こういう準備をした方が良いのではないか。」とか、特にこれは個人だけでなくて企業さんにとっても、県としてこういう取組みを将来に向かってしようとしているのであれば、「うちの会社としてはこういう投資をする。」、逆にそれはむしろ県の方でやるのだから、「違うところに投資を考えようか。」とか、そういういろんなことを考える道しるべと言うか、そういう材料を提供するというのは本当に大事かなと思っております。こちらから発信するものはなくても、多分皆さんがむしろこういうことを聞いて、県民の皆さんに伝えるべきではないかということを積極的にお受けするために、基本的には定例で毎回やるということをうまく考えたいと思っています。
記者
この定例会見自体もネットで配信されていると思うのですが、それ以外に、例えば知事として公務の中でSNSの活用とか、そういったものというのはお考えどうでしょうか。
知事
早速、今秘書課の方にお願いをしていて、私自身これまでもフェイスブックとかやってきたのですが、実は見事に見ていただく層が違うということも分かっています。フェイスブックは、年配とは言いませんが、割と年齢層が高いところで、若い方々はエックスだとかインスタグラムということにきれいに分かれています。しかも、発信の仕方も、文章型でいくのか、画像型でいくのかで反応も違いますし、実は驚くほど、見ておられる方はよく見ておられて、忙しい時にちょっと誰かに頼んで発信すると、「これ江崎さんの文章ではないですよね。」というのがすぐに返ってきます。それからやはり見ていただけるのであれば、私自身と言うか、県が何をやっていて、知事として何を発信しているかというのを、それぞれの年齢層向けにいろんな手段がありますから、それを発信することによって、社会に対する関心を持っていただくと、それが今度プレイヤーとして皆さんが活躍していく繋がりになるかと思いますので、もちろん皆さんの発信も大事ですが、いろんな仕組みを考えていきたいと思っています。
記者
ご多忙になるかと思うのですが、そうすると複数のSNSを更新、活用されていきたいということでしょうか。
知事
そうですね、はい。それが大事だと思っています。
記者
高額療養費制度の問題なのですが、今国の予算の関係で、与野党が対決されています。足元と言うか、地元では岐阜市長が一つ反対の方針と言いますか、お立場を示されました。江崎知事として、この高額療養費制度の負担上限引き上げについてどうお考えになるか教えてください。
知事
高額療養費制度は、皆さんご存知でないかもしれませんが、本当にこの国の社会保障は素晴らしいものがあって、どんなに高い医療費であったとしても、個人の負担を一定程度に抑えると。ざっくり言うと、いくらかかっても月当たり10万円弱ぐらいで抑えるということができているのです。実は私、国で再生医療の仕事をしておりましたので、1回の費用が1,000万円かかろうと、ひと月当たりでの個人の負担は10万円程度に抑えるという、本当にある意味夢のような制度であります。これはまさに、この国の特徴であると同時に、何としても今度は厚生労働省で維持しなければいけないと。当たり前ですが、それがどんどんどんどん言われる、特に医療全体が高額化していますから、そんな中で維持するという中での議論だろうと思っています。ただ、実際には、それは財政の方の話であって、やはり患者さん本人からしたら、当然のことながら負担が大きいというのは、特に慢性疾患、特に癌の方々というのは、生涯にわたって治療を続けなければいけないので、これについてはいろんな配慮があっても良いのかなというのは、正直思うところです。
記者
そうしますと、きめ細かく、この間の予算でも知事からきめ細かくとありましたが、大枠ではなくて、ケースによってという配慮も良いのではないかということでしょうか。
知事
これはまさに、患者さんにとってみればそれが全てなので、そういう点では可能な限りそちらの方に財政を寄せていくというのは大事なことですし、こういう制度を持っている国は世界を見ても日本しかないので、そうした点では維持をしなければいけないし、患者さんの負担も軽くしなければいけないと。ただ、今まさにおっしゃっていただいたように、そうするとどこに妥協点を求めるかというと、より本当に困っている人のところを手厚くし、割とある意味、何とかなる人のところについては、という。ただ、それは制度設計では非常に難しいことになるので、ざっくりとやると。場合によってはそこを他の制度で補填していくことも将来的にはあるかなと思っています。
記者
雪の話題で、その他の被害のところで「淡墨ザクラ」の枝が折れたということで、その辺りの状況と知事の受け止めをお伺いできますか。
知事
今回の雪は非常に重かったということもありまして、プライベートのことで恐縮ですが、子どもの頃からあったうちの庭の柿の木が倒れてしまったりとか、うちの裏にある大きなしだれ桜も本当に大きな枝が折れてしまいました。なので、ある意味雪吊りとか、そうした記念物や大事なことについては支えもしてあるのですが、やはり雪の状況によっては、残念ながら折れてしまうということもあるかなと。一方で、杉とかの記念物については雪を支えようがないので、ある意味これは自然の中での不可抗力的なものがあるかなと思っております。ただ、そんな中でも、「こうした雪が降るんだ」ということを今回経験したわけですので、どういう枝が折れやすいかとか、やはり記念物として残すべきものについては、これから雪質の対応、支えの対応ということもきめ細かく対応する必要があるかと思います。
記者
リニアの関係ですが、リニア開通を見越して、知事はご就任前から東濃地方の可能性について度々言及されていると思います。開通後における、日本全体から見たあの地方の位置付けについて、かつての「東京から東濃へ」というフレーズとの違いを含めて、どのような構想をお持ちなのか教えてください。
知事
リニアにつきましては、瑞浪の水問題も含めて、いろいろ乗り越えなければいけない課題は多いのですが、むしろその先を考えることも大事だと思っております。今おっしゃった、かつて「東京から東濃へ」というのがありましたが、あの当時は(首都機能を)全部持ってくるという話だったのですが、おそらく今はそうではなくて、東京は東京で維持しながらも、特に防災ということを考えた時に、東濃の位置というのは津波は来ないし、そして地盤は安定していると。そして今回リニアができることによって、その可能性が一気に現実味を帯びてくるのかなと。特に、当時は首都機能ということだけだったのですが、場合によっては企業さんにとってのサテライト、場合によっては研究機関の分室、もっと言うと、58分で品川から東濃に来れますから、例えばビジネスをやられる方の、特に恵那方面のゴルフ場だとか、そういったものが東京の人にとって普通に使える場所になってくると。そうすると一気に当時言われていた「首都を移転する」というよりは、まさに「東京での経済活動をより豊かにする」。それと教育関係もそうですが、東京の子どもたちの遠足を東濃に持ってくるとか、本当に日本全体が豊かになるための、まさにある意味奇跡の乗り物として活かしていくということがこれから求められるのだと思います。
記者
例えば新年度に、かなり先の話になると思いますが、長い目で準備が必要だということを踏まえて、具体的な動きとしてお話いただけることがあればお願いします。
知事
これはこれからやることなのですが、実は内々で話をしているのは、今はどちらかというと中津川の駅がどうなるかという議論をしてきたのですが、駅だけではなくて、品川からリニアに乗って、暗闇を抜けて(中津川の)岐阜県駅に降りた時に、本当にこれすごいなと、別世界だなと思うような、そうした仕掛けがいるのではないかと。まさに昨日も議論していたところなのですが、それに向けた準備もできるだけ早く始めたいと思っています。
記者
2馬力選挙について、昨今、自分の当選を目指さないで他候補を応援するために立候補するという、そうした事態が発生しているかと思います。昨日、19府県の知事が、国に対してこの2馬力選挙に対する対策を求める緊急アピールをまとめましたが、2馬力選挙というものに対して知事のお考えをお聞かせください。
知事
これはある意味、制度の盲点を突いた仕組みかなと思っております。特にそういったやり方の前に起きたことを覚えておられるかもしれませんが、いわゆる供託金さえ払えば公共の電波を使って何をしても良いみたいな、そういう雰囲気がありました。今おっしゃったのはその延長線上の話なのだろうと思っています。そうするとこれは、要望するというよりか、国自体が考えなければいけない、選挙というものの在り様です。おそらくこれも一つ言えるのだろうと思いますが、お金がある人はたくさん何人も何人も立候補して、それである特定の人を応援することになると、おそらく選挙法自体の趣旨を違えることになると思いますので、そこはしっかり考えていかなければいけないですし、今まではどちらかというと選挙というものに対する一種のリスペクトがあって、「そんなことはしないよね。」という中で運営されてきたものが、逆に「違法でなければ何をしても良いんだ。」という、そんな文脈の中でそうしたことができる。これは違法ではないので、今すぐにいかんということではないのですが、それが果たして公正な選挙としてふさわしいかどうかという議論、これはまさに国が行うべき議論として進んでいくのだろうと思っています。
記者
先日、村上総務大臣が、全国現在1,700ほどある市町村について、個人的見解として断った上でありますが、300から400の市で済むと、極端なことを言えば県庁も全部いらないという発言をされたかと思います。この点につきまして、県知事の立場から受け止めをお願いします。
知事
これはまさに、私も4年間地方を回ってきた中で、行政コストという観点からすれば少ない方が楽かもしれません。ただ、実際の住民サービスということからすると、本当にこれまでの歴史も文化も違うところが、まさに費用がかかるからということだけで乱暴に一緒にしても良いのかということはかなり疑問かなという感じがしています。そういう点で、私も旧山県郡の美山町という、本当に山の中ではあるのですが、そこにはそことして守るべきもの、場合によっては行政サービスもそれぐらいの単位でやった方が良いサービス、これは自治会というものがあるかもしれませんが、そうしたものも含めたいろんな多様な行政のあり方が必要だと思っています。そしてもう一つ、県庁がいらないかもしれないという発言の裏には、政策をどちらがやるんだという議論になるのだと思います。基本的には基礎自治体という住民サービスをやる場所、それは必ず必要になります。その一方で、ある程度、基礎自治体ではないのだが、いろんな政策をやっていく単位が国だけで良いのか、それともある程度の大きさ、以前に道州制みたいな議論もありましたが、それにも少し絡む議論だと思いますが、どのサイズでやることが、今まさにこの国にとって、そして国民の皆さん、県民の皆さん、住民の皆さんにとって良いのかという議論の中で決まっていくことだと思っています。そういう点では、岐阜県として一つチャレンジしたいなと思っているのは、やはり未来についての政策をやるには、県という単位もなかなか捨てたもんじゃないぞと、むしろその方が今のこの国の課題に答えが出せるというのであれば、大臣の個人的な見解に対する我々の答えになるかなと思います。
記者
県として捨てたものではないということは、県として果たせる役割があるということかと思いますが、具体的に県だからこそ果たせる役割というのは、どういう点があるとお考えなのでしょうか。
知事
国全体だと、やはりいろんな仕組みをやるにあっても、ざっくりとした形でしかできなくて、きめ細かい対応というのは非常に難しくなります。それに対して住んでおられる方々、実際に顔を見るというところが近いぐらいのところで。ただ一方で経済活動・経済単位としては、多分市町村では小さすぎると思うのです。そうすると、ある程度の経済圏がありながら、ある程度きめ細かい政策を打つという意味においては、その単位というのは自ずと決まってくるかなと思います。
記者
国の議論に絡む話ですが、与野党協議の中で、私立高校の無償化について、今、日本維新の会との協議で話題になっていると思います。私立高校の無償化について江崎知事の見解をお聞かせください。
知事
基本的には、子供たちにとって学ぶチャンスが広がると見れば良いことだと思っております。あとは、最終的には財政の問題なんだろうと思います。一方で、無償化ということ自体というよりは、いろんな支援が入ることによって私立高校の自由度、それが制限されることになってはいけないと思っておりますので、まず生徒さん、親御さんの負担を軽減するという意味では良いことだと思っています。
ただ、その結果として公立高校と同じようなことが要求されるのであれば、それはちょっと残念なことになると思いますので、その両方が実現されることが望ましいと思っています。
記者
県予算の関連で臨時財政対策債についてのお考えを伺いします。臨時財政対策債について、基本的には県債に含めるべきだと思うのですが、地方税で戻ってくるので、県の借金じゃないというのは結構都合の良いようにも思うのですが、臨時財政対策債について、どのようなものだと考えているか、お伺いできますでしょうか。
知事
国が出すべきと整理したお金の中で、足りない分だけ先に県で借りておいてという制度なので、主体として国の決める金額に対する一つの手法だと思っています。
ですから、借金という意味では誰がするかだけの話で借金は借金なのですが、それを主体としてどちらがやるか、この場合はやはり国から来るお金が足りないので、貸しておいてという感じなので、ある意味他とは区別するということはあると思います。
記者
実際、ペースどおりに借り換えの時でも10年先延ばしに臨時財政対策債も含めていたというわけで、県の借金としての扱いも結構されていると思いますし、実際、公債費のグラフにおいても臨時財政対策債含みのグラフが出されていて、県の借金としての要素がかなり大きいような気がするのですが。
知事
それはどの単位でものを見るかだけの話で、最終的に戻ってくるまでの単位で見れば、元々国が出すことを予定したお金を出しただけの話です。ただ、単年度で見ると自由度を制約されるということはもちろんあるかもしれませんが、ある意味、その政策そのものが単年度主義の予算の中で見えてくる、ちょっと徒花みたいなものかなと思っています。
記者
県債の残高として見るときに、臨時財政対策債を含めたものを出すべきか、それとも臨時財政対策債を抜いたものとして示すのが第1であるべきか、どちらがよろしいと思いますか。
知事
交付税というものを国として見るのであれば、外した方がいいと思います。
記者
雪下ろしは2人以上でやってくださいという呼び掛けがあったかと思いますが、過疎地においては案外難しいことなのかなと思います。2人以上の複数でやったほうが安全なことは間違いないと思いますが、それができない場合は、行政としてどういったサポートができると考えられているでしょうか。
知事
これは実際に現場に行けば分かりますが、1人は別に雪下ろしをしなくて良いんです。例えば、奥さんが見ているだけで良いのです。目の届く範囲でやってくださいねということが第1です。ただ、どうしても1人暮らしの方はありますので、場合によっては雪下ろしそのものを推奨しない。
今回、大変ありがたいことに、雪下ろしではないのですが、私の妻が実家に行って、1mぐらい積もった雪を雪かきしていたら、ありがたいことに近所の方が次々と集まっていただいて、10人ぐらいで一気に雪かきをしてくださったのですが、ある意味、ボランティアも含めて、特に1人暮らしのところで、大雪というのはずっと続くというよりは、今回のようにここでピークが来るぞというのは分かりますので、そういう時に1人ではやらないでください、場合によっては市町村と連携して、どうしても必要最低限のところはボランティア、チームで雪かきをすると、そうしたことも必要になるかなと思っています。
記者
公のお金や人を使ってやるというのは、やはり個人の住宅は難しいという考えなのでしょうか。
知事
むしろ、自治会活動でもあっても良いかなと思っています。実際に私も先日帰った時は隣のお爺さんお婆さんのところに雪かきしに行ってきましたから。そういう点ではやはりまず近所での共助がまずベースにあって、ただそれをもっとシステマティックにやる時に、予算が必要になるかどうか、必ずしもお金を払うからやってくださいということはないかもしれませんが、そのあたりは地域によっていろんなバリエーションがあっても良いかなと思っています。
記者
お酒の(発表の)方で、冒頭法被を用意されていたと思うのですが、発案は商工労働部でしょうか。何か法被に込めた思いはありますか。
商工労働部
商工労働部では県産品をいろいろと扱っておりまして、県のPRするところをちりばめて用意したものです。
記者
(2月21日の)お披露目記念行事に知事もご出席されるということで、今後も知事としての発信力として、こうしたイベントに先頭に立って参加していかれる思いがあるのでしょうか。
知事
私が出ることで少しでも役に立つのであれば、できるだけ積極的に行きたいと思っています。
記者
先程リニアの関係で、中津川の駅について、降りた人が別世界に感じられるようなというお話があったと思うのですが、古田前知事もJRが示したパースのデザインは改良すべき点があるという趣旨のお話をずっとされていたと思うのですが、知事としても、このデザインに関して改良すべき点があるようにお感じでしょうか。
知事
これはJRの問題というよりは、こちらの問題かなと思っていて、もともとJRは中津川に駅を作るかどうか、ある意味迷っておられた立場からすると、必要最低限の駅を作るというのは当然彼らとしては合理的な判断だと思います。
なので、むしろ我々はそうではなくて、中津川に岐阜県の駅を作ったことが、まさにリニア、JRにとっても良かったなと思っていただけるような環境を作った時に、果たしてその駅で良いのかを問うていく。こちらの方が準備せずに、ただあの駅が良いとか悪いとかという議論ではいかんよねという話は、まさに昨日、関係部署と協議したところです。むしろJRに、こんなに変わるんだったら、もっと良い駅、もっとある意味魅力的な駅を作りたいと思っていただけるような、そんな準備を県としてしていきたいと思っています。
記者
知事会見についてですが、週1回、会見場は県庁の中に固定するのでしょうか。時間もこの時間なのか、教えてください。
知事
原則、ここ(県庁)にしたいと思っています。ここの場所でこの時間を原則に、多分、皆さんも予定が立てやすいと思いますし、あと場合によってイベントによっては、ここではない方が良いこともあると思いますが、そういう機会があれば考えてみたいと思います。
記者
(酔むすびの)栽培地はどこですか。
農政部
今回栽培しましたのは、中津川市、恵那市、瑞浪市、土岐市、多治見市の生産者の方に手を挙げていただき、心ある方に作っていただきました。
記者
収穫量はどれぐらいですか。
農政部
今年の目標俵数を400俵ぐらいと酒屋さんからは要望されていましたが、初めて作られたということで、いろいろご苦労されて、最終的には360俵です。
記者
720mlで大体いくらからいくらぐらいの価格帯で販売なさる予定ですか。
商工労働部
1,000円台後半から3,000円台前半の間で設定しています。
記者
9銘柄で、岐阜県の酵母を使っているのは何社で、銘柄は分かりますか。
商工労働部
「若葉株式会社」さんが泡出しG酵母、「株式会社三千盛」さんが泡出しG酵母を使っています。「林酒造株式会社」さんG2酵母、「山内酒造株式会社」さんもG2酵母を使っていただいてます。
記者
雪の関係で、農業生産施設の被害を出していただいていますが、農作物に関しての農業被害はあるでしょうか。
農政部
農作物の被害は現時点でありません。農業生産施設の被害額については、現在、算定中です。
記者
(農業生産施設の)被害について、雪が降る時間の長期化の影響があったりするのでしょうか。
知事
今回は雪が重くて、降った時間が長かったですね。今まではどちらかというと一晩でドカンと降っておしまいというのもあるのですが、割と降り続く、昔子どもの頃の記憶はそのような事例ばかりだったような気がするのですが、割と最近は(まとまった)一山物が多いのですが、その時と比べると割と長かったかもしれない感じがします。
記者
先程から呼び掛けをされている中ですが、雪が降ることが予想されていて、また予防的通行止めもこの後16時から始まると思いますが、県としてどのように備えていきたいか伺えますか。
知事
まさに危機管理チームが連絡体制を取っておりますし、私も今日は何時でも駆けつけられるようにしようと思っています。ありがたいことに、この新しいシステムで市町村と画像で連携が取れるようになっていますので、そうしたものをフルに活用することによって、まず先立って、市長の方の会にお越しいただいた時に、現場では市長の方も含めて被災者になっている可能性がありますので、できるだけまず情報を集めて県庁に投げてくれと、その中でこちらの方で整理して、どうすべきか、何が必要なのかというものを市町村と連携を取って対応するようにしたいと思っています。
記者
「政策オリンピック」の関係ですが、県の知事室のホームページを見ると、知事の言葉で「新しいアイディアなど、皆様からの意見提案をお待ちしております。」と書いてますが、これは政策オリンピックの一環でやっていると考えて良いですか。
知事
むしろ、そうしたことをやりますよという宣伝です。「政策オリンピック」はもう少し具体的にどういうテーマで、今回予算では分かりやすいのは2つですが、テーマによってもう少し噛み砕いた方が良い、できれば今回はどちらかというとプロ向けなのですが、例えば小中学生からアイディアを募れるようなレベルにまで分解した、そんなオリンピックをやりたいなと思ってます。
記者
実際、この知事室で募っている意見から採用することもあると考えてよろしいですか。
知事
それはどちらかと「政策オリンピック」そのものというよりは、やはりそのテーマによって競い合うというか、より良い知恵を出していただくというのが政策オリンピックなので、今回はそういったことをやりますよと、その中で、例えば「政策オリンピック」自体のテーマになるようなものもそういうところから抽出していきたいと思っています。
記者
「(ご意見は)すべて私が目を通します。」とありますが、実際目を通していらっしゃると思うのですが、この2週間ぐらいで、目を通されて、こういった意見が多かったとか、何かありますでしょうか。
知事
どちらかというと、ありがたいことにむしろ激励が多いです。頑張ってください、変えてくださいというのもあったりとか、あとはとても具体的な話があったり、県民の皆さんにとってはこうして新しく変わる中で、いろんな期待をしていただけているなということを非常に感じております。