ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 知事記者会見 > 令和5年度 > 知事記者会見録(令和6年4月1日)

本文

知事記者会見録(令和6年4月1日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和6年4月1日(月曜日)15時00分

司会
 それでは、ただいまから令和6年度最初の知事定例記者会見を始めさせていただきます。

知事
 令和6年度いよいよスタートということで、またお世話になりますが、よろしくお願いします。
 恒例でございますが、今年度の県の事業をお手元にお配りしておりますので、これに沿ってご説明させていただきます。
 4月1日、今日から電子契約サービスの全庁導入をスタートいたしまして、これまでは契約書を製本するとか、書類を受け渡しするとしていたことが省略されるということで、行政にとりましても、また申請者にとりましても、随分便利になるのではないかと思います。
 それから、4月6日でございますが、岐阜駅のアンテナショップ「THE GIFTS SHOP」がリニューアルオープンということであります。岐阜のすぐれものを並べて、いわば岐阜のショーウィンドウということでやっていますが、今回思い切ってリニューアルしまして、ギャラリーゾーン、ショップゾーン、イベントゾーンということで、岐阜のすぐれものをお見せするということです。岐阜駅はだいたい年間2,000万人が乗り降りするということで、そのコンマ何%でもお立ち寄りいただいて、お買い求めいただければという思いでおりますし、また、海外、県外からのお客様にも、岐阜県のすぐれものはこういうものですと、また岐阜県の魅力をそこで感じとっていただくということも期待しています。それから、今年度から海外向けのECサイトも設けまして、海外にもアピールをしていこうということでございます。
 それから、4月24日、国際園芸アカデミーのサテライト施設をワールド・ローズガーデンの中に開設いたしまして、仕入れから販売まで、まさに園芸についてのアカデミーとしての実践的な教育が行われるような体制になるということでございます。
 それから、高橋尚子杯の清流ハーフマラソンが、恒例どおりということで、4月28日にございます。
 それから、5月に入りまして、5月14日にG-クレジットの第1号の認証の交付式ができるのではないかと思っております。対象は中津川市と東白川村の森林組合になりますが、J-クレジットという政府がやっていますクレジットの対象にならないものについて、県が独自でクレジット認証するということで、価値を持ったものとして購入されると、その収入が森林づくりに使われると、こういう好循環を期待しているところであります。
 それから、県内に若者の就職促進をしようということで、奨学金の返還支援制度を新たに設けるものですが、この受付開始が6月1日からということで、県内で6年間働いていただくと支援金額の全額返還、3年間で半額と、そういう制度でございます。
 それから、外国人の支援ということで、「日本語教育総合支援センター」を国際交流センターの中に開設いたしまして、積極的な人材確保策の一環として、外国人に対するサービスをやっていこうということでございます。
 それから、7月の高等学校の総合文化祭でございますが、31日から8月5日までということでございます。だいたい全国から2万人の高校生が岐阜にやって来るということで、22部門、15市町で具体的な活動が展開されます。この運営はほとんど全てと言って良いくらい高校生が自主的にやっていまして、大いに期待しているところでございます。これが秋の国民文化祭の先駆けになるということでございます。通例でございますと、秋篠宮皇嗣殿下、妃殿下がお成りになるということでございます。
 それから、献血運動推進全国大会が7月中というところでございます。
 それから、奥飛騨温泉郷の平湯に、「中部山岳国立公園奥飛彈ビジターセンター」がリニューアルオープンいたします。この平湯エリアに、総合インフォメーションの拠点でもあり、また、魅力発信、自然体験の拠点ということで、リニューアルオープンするわけでございます。
 それから、8月に入りますと、東アジア農業遺産学会ということで、これは日本、中国、韓国の世界農業遺産の認定を受けた地域が集まって、学術連携、あるいは交流をしていくということで、世界農業遺産をめぐる日中韓の交流の舞台となっているということでございます。
 それから、「RIE KANETO Memorial Cup 2024」について、昨年初めてやりましたけれども、内容をさらに充実して、リオのオリンピック200m平泳ぎで金メダルをお獲りになった岐阜県ゆかりの金藤理絵さんにお来しいただいて、メモリアルカップということで、競技会を開催するということでございます。
 それから、木遊館のサテライト施設が、中津川市内、高山市内に、8月から10月にかけて開所をいたします。岐阜市内の木遊館そのものは今3交代制でやっておりますが、毎日満員ということで、大変賑わっております。
 それから、9月に入りますと、国民文化祭に先駆けてスタートしますけれども、9月から11月にかけて「清流の国ぎふ 地芝居・伝統芸能フェスティバル」ということで、地歌舞伎はもちろん見ていただきますが、それ以外の地芝居、伝統芸能、獅子芝居とか文楽とか、岐阜ゆかりの伝統芸能について、3か月近くの間ずっと展開していくということでございます。
 それから、「エンジン03in岐阜」、これは昨年、一昨年に続いて3回目でございますけれども、昨年は高山で行いましたけれども、今年は岐阜、大垣、各務原でということで、文化人、有識者、タレント、いろんな方々に来ていただいて、いろいろと知的な交流をしていただくというところでございます。
 それから、巨大地震を想定してと言いますか、能登半島地震で起こったことをベースにしたシナリオを用意して、実践的な総合防災訓練を、特に県、市町村の連携のあり方、あるいはリエゾンの役割等々を、能登半島地震でいろいろと気づいたことについて、ポイントを見定めながら総合的な実践的な防災訓練をということで、9月1日に予定しております。
 それから、大関ケ原祭、秋の恒例でございますけれども、9月7日に夜の関ケ原から始まって、10月20日まで様々なイベントを実施します。
 それから、レクリエーションフェスティバル、これも恒例でございます。
 それから、各務原の空宙博(そらはく)の企画棟が9月末に完成いたしまして、10月12日から「月への挑戦-アポロ計画から50年、人類は再び月を目指す-」ということで、特別企画展が始まります。
 それから、物流2024年問題ということで、荷主あるいは消費者双方の意識改革、行動変容はどういったものかということで、シンポジウムやセミナー等によって論じていただき、対策を導き出していくということでございます。
 それから、介護の生産性向上センターが開設されますが、例えば介護ロボットを貸し出したりとか、介護そのものが人材不足でありますので、いかに効果的、効率的にということについて提案することになろうかと思っています。
 それから、秋頃に「ぎふ森の体験博覧会」、“もりはく”と言っていますけれども、これは森林サービス産業と言いますか、森林文化について、訪れた人や住民に対するサービスを提供しうる空間ということで、森林サービス産業をどう育成し、発展されるかという問題意識で、やってみようということでございます。
 それから、10月は「国民文化祭」と「全国障害者芸術・文化祭」が、10月14日から11月24日まであります。
 それから、これとほぼ同時に、「国際陶磁器フェスティバル美濃’24」が開催されますが、今回は出展者の数が非常に多く、盛り上がっていまして、また参加国が77か国ということで、非常に国際色豊かな、多彩な陶磁器フェスティバルになると思っています。
 それから、国民文化祭に関連して、開かれた文化交流ということで、ポーランドのシロンスク舞踊団の公演や、アルザスと連携した飛騨地域での「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」、ハンガリーと県内の陶芸作家とのコラボの展覧会をやろうというところでございます。それから、岐阜県で、ハンガリーの先生方においでいただいて教育を受けた方達の中で選んで、毎年リスト音楽院に留学していただいているわけですが、卒業生が100人を超えまして、世界各地で活躍しているということで、その方々と卒業生が一緒になって、コンサートをサラマンカホールでやろうということでございます。
 それから、毎年恒例ですが、「リトアニアNOW」ということで、今年も開催いたします。
 それから、国際園芸アカデミーが20周年を迎えますので、その記念行事ということで、花と緑の各分野で園芸アカデミーの成果を発表いただこうということでございます。
 それから、岐阜県農業フェスティバル、昨年は20万人を超える方々がこの県庁周辺にお出でになりましたが、岐阜県にとっては最大規模の農業のフェスティバルでありますが、それと併せて農福連携マルシェを開催するところでございます。
 それから、10月下旬には伊吹山の薬草文化を発信するということで、「薬草フォーラム」を開催いたします。
 それから、先日立ち上がりましたけれども、「清流の国 文化探訪 南飛騨Art Discovery」ということで、下呂市を舞台にアーティストがこちらに来られまして、飛騨と美濃の結節点である下呂の自然の中で様々なアートということで、地域資源とアートの交流と言いますか、瀬戸内海の芸術祭とか能登の珠洲でやっております芸術祭とか、そういったものと通じるものであります。
 それから、11月には「清流文化フォーラム」ということで、国民文化祭のプログラムの一つでございます。
 それから、「森の恵み感謝祭」、これは工務店とか家具屋、建材屋とか木工の関係者とか、木の恵みに携わる方々が大集合して、岐阜の森や、木の素晴らしさをアピールしようと、そういう行事でございます。これも国民文化祭のプログラムの一環でございます。
 それから、SDGsは昨年同様でございます。
 それから、主要計画の策定が3月にございますが、今回の能登の震災を踏まえた、「岐阜県強靭化計画」、「岐阜県地震防災行動計画」の改訂、「こども計画」等々ということでございます。
 それから、年度内とありますが、看護学生への修学資金貸付制度を開始すると同時に、卒業後、看護の仕事に県内で就いていただいた方には返済免除と、そういう制度を開始いたしますが、それによって看護師の人材確保ということでございます。
 それから、乗鞍スカイラインが災害で壊れていますけれども、トンネル工事に着工すると同時に、仮設道路が年内に完成します。完全復旧は令和9年度ということで、これも大工事でございますが、予定をしているところでございます。
 ざっと事業という点から見ていきましたが、今年度はこんなことが予定されているということでございます。
 いずれにしましても、着実な県政の推進ということで、今年度は「文化イヤー」ということで、文化分野に自ずと力点が置かれますが、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。私の方からは以上でございます。

記者
 
総合防災訓練について、能登半島地震で得られた新たな知見もたくさんあると思いますが、こういったところを訓練の中で、反映させたいというものがあれば教えてください。中でも、今回被害が上下水道管が破裂して長期間断水したり、かなり生活に直結する部分で住民の方は苦労されています。仮に岐阜県で起きた場合にはどういった対処をするかといったようなシミュレーションをしていれば教えてください。

知事
 
能登半島地震と同程度の震災を想定するということで、特に私どもは現地に既に1万2千人・日以上が支援を行っているわけでありますが、皆さん帰ってきてそれぞれに報告がありますけれども、時期が正月元旦であったこと、それから孤立集落があちこちに多発して、それぞれがズタズタになり、ライフラインが途絶したということ、県・国からの応援人員、県の応援本部、市町村の災害対策本部、それぞれの避難所であったり、建物・道路の損壊現場であったり、そういったものをどう繋いでいって、情報の共有を図るか、全体の指揮命令系統の中でどう効果的・効率的に支援活動を進めていくかというあたりが、やはり一番課題になるのではないかというのが皆さん共通認識で、私どもとしては4つのテーマで岐阜大学の先生方とも相談しながら、いろいろと検討しているところです。1つは「孤立・ライフライン途絶の長期化に対してどう対策をとるか」、2つ目が「建物の耐震化をどう進めていくか」、3つ目が「避難所における生活・衛生環境の改善」、4つ目が今申し上げました「災害対策における県・市町村間の連携強化をどうするか」、こういった課題を念頭に置いて、能登半島地震と同等のことが起こった時にそれぞれどう県内市町村も参加をし、もちろん関係機関も参加をし、模擬的な、極力実践的なことをやっていこうと、さらに課題を洗い出していこうと考えております。

記者
 
午前中の新規採用者の辞令交付式の中で、公務員の心掛けとして公共の観点から仕事をしていってほしいといったようなメッセージが知事からあったと思います。他方で、前年度大変職員の不祥事も多かったかと思います。新年度、不祥事に対してどのようにして再発防止を進めていくお考えか改めて聞かせてください。これに関連して、昨年度起きた不祥事について訓示の中で述べられなかった理由があれば教えてください。

知事
 
新規採用職員に対しては、公務員のやりがいはどこにあるのかということでお話をさせていただきました。こういう言葉は使いませんでしたが、県民の目線で県民のお役に立つと、奉仕者であるということが役割でもあるし、やりがいでもあると、県民の皆様のお役に立つというか、あるいは喜んでいただける、そういう仕事に専念するということがやりがいなんですよということを申し上げました。裏から言えば、県民の皆様からの期待とかに違うようなことはあってはならないということを裏から申し上げたつもりであります。個々の出来事について解説をするということは、別の機会があるかと思いますけれども、研修等もありますので、今日初日の辞令交付をしたばかりですので、今申し上げたようなことをお話ししました。それから今日第1回の新しいメンバーでの幹部会議をやりまして、半分以上が新たに部長になったかあるいは部長として異動したといったことで、フレッシュな顔触れになりました。逆に幹部会では最近の事例を踏まえてハラスメント、職場の服務規律、心の健康、時間外勤務の短縮、そういった職場における様々な課題が、不祥事といったこともありますし、課題として出てきたので、そういったことについて部長として十分な目配りをするといいますか、対策本部も持っていますので、この後そこで個別具体的にやっていきますけれども、そういったことを強く申し上げました。それから次長クラス・課長クラスの辞令交付の際にも、強く申し上げたつもりでありまして、こういったことについてはしっかり引き締めていただきたいと思っております。

記者
 奨学金の返還の支援制度の受付が6月1日から始まるということですが、初年度どの程度の応募者数を想定しているか教えていただきたいです。

知事
 
予算的には、811万円ということで、県内企業に就職する若者への奨学金返還支援制度は35歳未満の新卒・既卒の方で、日本学生支援機構の奨学金をもらっている、あるいは岐阜県の奨学金をもらっている、そういう高専以上の方々が岐阜県内で正規採用となった場合に補助をするという制度になっております。人数をどのように割り出しているかは後で報告します。看護学校の場合は、卒業後1年以内に看護師免許を取得して、直ちに県内の看護職員として5年以上就業するということですから、まだスタートの時期は決まっておりませんが、卒業してすぐ免許を取ってそこを対象とするということは1年目は少ないかもしれません。2年目から着実に増えていくのではないかと思います。予算的には3,600万円としております。仮にそれぞれ予算が不足するようなことがあれば、当然補正予算等の形で対処していくことになろうと思います。

記者
 
先ほど知事からお話もありましたが、今年は「文化イヤー」ということで、24年の国体が思い出されるのですが、同じように県民総参加ということを掲げておられます。そういった中で県民の皆さんに参加していただくには、知事として県民の方々にどういった経験・体験をしてもらいたいか、あるいは県民にとってどういったレガシーが残ることが期待されるかとか、具体的に今回国文祭、総文もそうですし、国際交流の深化もそうですけど、そういった体験を通じて県民に何を伝えて何を感じていただきたいか、知事の思いをお聞かせください。

知事
 
例えば文化祭一つを取っても、約330事業があります。それから42市町村全てが何らかの形で参加をするということで、まず市町村単位で自分たちの地域の文化自慢はこれだと、それを地域の住民を挙げてアピールしようということでプログラムを立てている部分もあります。それは正に地域として伝統をどう盛り上げていくかということで、住民の皆さんとのコミュニケーションとか、運動に繋がっていくのではないかと思います。それから県として、オール岐阜を対象にやっていくプログラム、例えば関ケ原もそうですし、全体のプログラムもありますし、国が実施する国としての文化プロジェクトもありまして、それが岐阜の地で全国から多くの方々がお出でになっておやりになる、そうすると全国大会でやっているこういう事業って一体どのようにやっているのかというのを地域の方とか知り合いの方とか興味のある方に参加していただくということで、いろんなチャネルがありますので、できるだけそれを、ちょっと今遅れているんですけれども、約330の事業が地域ごとにこのように展開しますよという紹介もあるでしょうし、ジャンル毎にこんなことをやりますよといった紹介もあるでしょうし、それから10月から11月にかけてスケジュール的にどんな風に展開していくのか時系列的に並べる方法もありますし、どのように約330事業を並べると分かりやすいかということで、今検討しております。その辺を分かりやすく見ていただくことで、参加を盛り上げていきたいと思っていますし、いろんな文化活動の発表というのはハードとは違いますので、結構柔軟に対応できるところがありますので、今からでも遅くないと、そういうことなら自分たちはこのようにやりたいと、あるいはぜひやっていただきたいというようなことで、草の根から全国規模、それから国際交流といったことを組み合わせながらやっていくということになろうかと思います。

記者
 
今回のコロナ禍ではオール岐阜という体制を知事が組まれて、非常に順調にいったというご報告をいただきましたし、実際にいろんな各分野の方、シームレスに働いてくださった部分もあると思います。こういった岐阜県を挙げてというところで、共同体意識というか、岐阜県としての誇りとか、ふるさとへの思いとか、そういったところというのは知事としての思いはいかがでしょうか。

知事
 
例えば、先週金曜日に下呂に北川フラムさんが来られて、彼は一昨年度から昨年度の間に県内29の市町村を自分の足で歩き回っていろんな所をご覧になり、新潟でやり、石川でやり、瀬戸内でやり、九州でやり、地域の文化をどうアートと繋ぐかということをやっておられますけれども、今までやってこられた経験の中で彼がおっしゃるのは、岐阜県は飛騨美濃含めて非常に多彩多様で、しかも非常に充実した文化が存在していると、そのことを岐阜の人たちがどのくらい自ら認識しているかということもありますので、彼としてはそういう地域資源の掘り起こしと気付きを、アートを通じてやっていきたいということで、例えば今回来られたあるアーティストというのは、国道41号線の写真を撮って回り、国道41号線とはどういうところかという写真展をやりますというのもありますし、それはストレートな写真展であるのですが、そういうところから始まって、下呂の地から満州開拓団に行かれた方々の伝承されている物語をアートにして、それを連ねて「満州開拓団と下呂」というテーマで、この地域にこんなことがあったんだよと、こんな人たちが満州に行ったんだよということを知ってもらうとか、そういういろんな気付きをいろんな角度からやっていこうという試みです。それから、地域の人のボランティアを前提に組み立てておりまして、下呂の人がまずやってやろうということでないと、ただアーティストだけで独り相撲をしてもなかなか、つまりその地域の物語を語ってくれたり、いろんな材料を提供してくれて初めてそれがアートとして切り取られていくということですから、まさに地域を挙げてやるプロジェクトとして、これは一つの典型的な例ですけれども、地域とアートをどう繋げていくかと、それがしっかりと繋がれば自ずとそれがレガシーになっていきます。それからタイトルが「清流の国 文化探訪 南飛騨 Art Discovery」とありますが、この南飛騨を違う場所の名前にすれば県内どこも回れるわけです。今年は南飛騨ですけれども、例えば来年はこれが奥飛騨になったり、あるいは美濃になったり、東濃になったりとか、揖斐川流域だったりとか、ここの地名を変えていければ同じ仕様にもなる。だから「南飛騨 Art Discovery」に他の圏域の人にも参加してもらう。そしてこういうことなら自分たちの圏域でやってみようというモチベーションにもなるということに期待しているわけです。こういったことで、ずっと繋いでいく、そういう文化祭でありたいと思っています。

記者
 
総文と国文祭の今の進捗状況をお伺いしたいのと、進捗状況に向けて意気込みを改めてお伝えしていただければと思います。

知事
 
進捗状況で言いますと、昨年の春先辺りから次々といろいろなプロジェクトの手が挙がって、それに対する県の支援体制が徐々にできていって、今は約330のプロジェクトが当面目の前にあって、その一つ一つを地域の皆さんを中心に磨いている段階でありまして、秋に向けて準備がこれから急速に進むのではないかと思います。そういったことを進めていく中で、地域の方々の参加を促していくということで、これからまさに盛り上がっていくフェーズに入っていくのかなと思っています。

記者
 先月末に公表された包括外部監査の結果について質問させていただきます。監査の報告書の提言の一つに、今回、子どもの補助金がテーマでしたが、時代の変遷に合わせて公益上の必要性を確認することと指摘されておりまして、この報告書では、昭和の時代から特定の団体に対する補助金というのが多数確認された、その中には有効性に疑問が残るものもあるという提言がありました。この報告書を受けて、そのような有効性や時代とのずれがあるというものについてどのように見直していくのかについて、知事にお考えがあればお聞かせください。
 また今回、子どもの関係の予算でしたが、県には様々な補助金があるので、その中でも時代の変遷に合わせて変えていかなければならないものがあると思うので、そのあたりの何か方針があれば教えてください。

知事
 
まず、監査の作業自身は毎年、細部に渡っているのですが、一遍に全て見ることができないので、その年々によって、重点的にみるというのは、見ていただいているわけですが、特に今年は教育分野、学校の関係について抽出して見ていただいたということで、年々変わっていく中でいろんなご指摘やご指導をどんどんいただきたいと思っているわけです。
 そういう中で今回、特に私どもが反省すべき点は多々あるわけですが、問題が放置されていた部分がかなりあるとか、それから中には法令違反の可能性が排除できないものがあるということでご指摘をまずいただいたということで、この放置されたのではないかとか、あるいは法令違反の可能性があるのではないかと言われたところは、まずきちんと私ども自身も調べる必要がありますし、それから我々自身の検査で指摘したのにも関わらず、その後のフォローがないために指摘事項が実現されていないのにそのまま放置された例もありますので、指摘されたこと及び、我々が指摘してきたことが本当にそのとおり行われているかどうかのフォローアップもしっかりやっていかなければならないというのが、今回のある意味では一番の要のところで、急がなければならないと思いますので、そこのところの体制をきっちりしていこうと思います。
 それから、「時代の変遷に合わせて補助の目的が十分に見直されていない」というのは、このご指摘は非常にごもっともなことですし、決して財政が楽ではありませんので、これは監査という部分もありますが、来年度予算の編成過程でも監査の結果をしっかりと取り入れながら予算編成を行うということは心していかなければならないと思っておりますので、来年度予算も含めて厳しく見ていきたいと思います。

記者
 
小林製薬の紅麹サプリメントの健康被害について、サプリメント自体が国の規制の外というか、薬なのか食品なのか、中間のような存在かと思いますが、今回、岐阜の委託先の工場が製造していたところで、県として健康被害が今後見つかるようなケースにおいて、保健所の検査や相談対応など県民の不安払しょくのためにどのような対策を講じられるのかお考えがあれば教えてください。

知事
 
まず、この問題はまだ分からないことがたくさんあります。何が起こったのか、何が原因なのか、因果関係がどこまで追求できるのかというところに、まず今エネルギーを集中しているところで、その上に立ってどうあるべきかということが出てくると思います。
 岐阜県の状況を申し上げると、回収命令の対象になった食品に関する健康被害の情報は岐阜県では寄せられていないという状況です。それから、紅麹を含まない小林製薬の製品を食して、むくみの症状があったという報告案件が1件ありまして、これは医師が診断されましたが、因果関係は不明で、病状も回復しており必ずしも良く分からないというのがあります。それから、保健所への問い合わせが既に16件ありまして、私どもとしてはまず情報提供の面で何が起こっているのか、例えば回収命令がどんな製品が対象で、今どんな状況になっているかとか、この紅麹を使った他社の製品が自主回収に動いていますので、そうした情報や、相談窓口がこれだけあるということをお伝えして、とにかく当該製品を購入した方は直ちに食べないでください、それから少しでも何らかの不安がある場合は医療機関や最寄りの保健所に相談してくださいということで、本来は今回の出来事の直接的な場面の中で働きかけをするということと、それから大阪市が食品衛生法に基づいていろいろと動いておられますので、そことの連携ということで、回収や返品がどの程度進んでいるのかは連携を取りながら行っていきます。
 それから、岐阜県内で調査対象として原料を扱っている4業者に、販売先や回収状況等について聞き取りをやっておりますが、そうした中で、プベルル酸、青カビではないかという話が出ておりますが、青カビはどこからどう入ってくるのかということについては専門家でも非常に難しいということで、難しいけれども紅麹の中に意図しない成分が含まれているのではないかという議論が出てきておりまして、まだまだ流動的な所ではありますので、とにかくどう動いているのか確実な情報だけは間違いなくお伝えして、警戒していただくことかなと思っております。
 それからアピの池田工場は、委託を受けて完成品を製造する一種のOEM製品の工場ですから、小林製薬から持ってきた紅麹原料を使って錠剤にするということで、特にその過程の問題ではなかろうと、まずは事実関係の調査から入っているということでご理解をいただきたいと思います。その上で、ある程度原因が収れんされてくれば、それを避けるためにどうすれば良いかという話が出てくると思います。

記者
 
10月の国民文化祭で、フランス、ハンガリー、リトアニアの事業が集中していますが、今年、パリ五輪もあって国際交流という面では盛り上がると思います。改めて国民文化祭における国際交流に県が懸ける思いを教えてください。

知事
 
ある時期は県としては飛騨牛や鮎、富有柿、刃物などの県産品の輸出促進キャンペーンを一生懸命やる時期がありましたし、海外に県産品を扱う拠点、お店を広く作っていこうとか、あるいは飛騨牛をしっかりと扱ってもらえるレストランをつくるということをやってきた時代があるのですが、そういうことがずっと広がっていき、様々な交流がある程度の水準に達したということで、むしろ文化的な交流ということで、先方もこちらも関心を持ちながら、ちょうど国民文化祭があるということで、本来、国民文化祭は国際交流はほとんどやってこられてないわけですが、開かれた文化交流は国民文化祭にとっては相応しいテーマではないかということで、大きな柱の一つとして、私の出張中も含めてこれまで交流のあったところも含めて提案したところ、皆さん非常にスピーディーに反応していただいたところで、あと中国の江西省や景徳鎮などあるかと思いますし、別にこれで締め切ったわけではありませんので、ずっとこういう機会の話をしていこうと思います。ただ、面白いのは、ヨーロッパでは有名ですが、欧州文化首都というシステムがあって、毎年、特定の地域を文化首都にするということで、そこで欧州ワイドの行事を展開して、ヨーロッパとは何ぞやとかヨーロッパの文化を語るとかありますが、これにちなんで、岐阜県が今年は日本の文化首都になるという説明をしましたら、これが一番相手方にストンと落ちまして、あれやこれやと説明してもまあ何かやるらしいですねという話ですが、岐阜県が1年間文化首都で、この集約的な行事がこの秋にあるという話をしますと、いとも簡単に「それなら行きます」と、皆さん反応が良いものですから、そういう説明をしているところです。

記者
 
5月に予定されておりますG-クレジットの認証証交付式について、昨年度、県の独自の制度として、G-クレジットを作る方のシステムを構築されて第一号ということだと思いますが、次は買ってもらうための体制づくりのフェーズに移っていくと思います。購入のインセンティブになるものが必要になると思いますが、買ってもらうためのメリットや仕掛けの部分で何かお考えがあればお聞かせください。

知事
 
県という公的な機関が認証するわけですから、買ったところにしてみれば、一つはそのお金が岐阜県の森林づくりに役に立つというか、岐阜県の森林づくりに貢献する企業であるというPRができますし、それから、CO2の削減効果も認証しているわけですから、自分たちのCO2の削減効果の中で、この数字を取り込むことができるので、そういったCO2の削減と森林づくりに貢献するという、そういう企業の姿勢と言いますか、アクションとして企業価値をアピールするということになってくるのではないかと思います。

記者
 
小林製薬の回収対象でない商品を摂取した方の健康被害がどの程度のものだったのか、入院を要するものだったのか、症状が軽かったのか教えてください。あと、先程おっしゃられた保健所への問い合わせが16件というのは、いつ時点のもので、先程の健康被害を訴えた方を含むのかどうかということ。また、アピの池田工場への県の立ち入り調査があったと思いますが、結局、この調査結果としては、製造過程に問題は無かったという判断で良かったかということと、最後に、今後小林製薬関連で別の施設への立ち入り調査の予定はあるのか、合計4点を教えていただければと思います。

知事
 
まず、紅麹を含まない製品で症状が出たというケースですが、むくみの症状があるということで医療機関にかかって、医師からは異常無しという診断を受けたということで、併せて医師からは、むくみと健康食品との因果関係はよく分からないという報告を私どもは受けております。ご本人としては、昨年の秋に1日1粒、飲んでいた際にむくみの症状があったと、現在でも体調が悪い時にはむくみの症状が出ることがあるという言い方をされておられますが、医師の診断とその説明を受けた後、更なる申し出とか、追加的なものは今のところありませんが、何かあればもちろん言ってきていただけるものと思っております。
 それから16件は今日現在の数字ですが、今の1件は入っておりません。保健所への問い合わせで、どんな内容の問い合わせが入ってきているかと言いますと、「紅麹コレステヘルプを飲んだけど大丈夫か」、「それ以外の紅麹を含む食品を食べたが大丈夫か」というご心配、それから「紅麹コレステヘルプ以外の食品表示に「紅麹」の表記があるが大丈夫か」というお尋ね、それからそもそも「これを飲んだ場合、どういう症状が出るのか」という症状についてのお尋ね。こういったお尋ねが来ているということで、そこから先の自分に症状があるとか、これが心配というのは無いのですが、いろいろと日々、報道が出ておりますので、これからも注意深くフォローしていきたいと思います。
 それから、アピの調査は、大阪市からの依頼を受けた調査でございまして、3月26日に依頼があって、即日、立ち入り調査をしたのですが、調査項目が4項目ありまして、「アピ池田工場に対して同様の苦情があったのか」ということですが、これはありません。それから、「紅麹コレステヘルプの製造方法」ということですが、原材料を受け入れて、量って、混ぜて、錠剤にして、異物検査をして、中間試験をして、包装して、製品試験をして、出荷しますというプロセスをアピとしては報告したと。
 それから3番目の質問が「製造数量」。これについては、令和2年12月からやってきておりますので、途中で若干の製品の内容が変わったので、令和2年12月から令和4年6月までの分と、令和4年6月から今年3月下旬までの分の、それぞれの製造数量と製造期間を、店舗販売用と通信販売用とで分けて数字を報告したということです。その他に何かあればということですが、特にないということです。
 今後は、今とにかくオールジャパンで大阪市が中心となっていろんな調査が進んでいますので、そうした中で必要な要請があれば当然対応していくということになるわけであります。先程少し申しましたが、4社が卸としてこの原料に関わっておりますので、4社について立ち入り検査をして、近く結果がまとまり次第、大阪市に報告する予定ということで、これもまた結果が出れば報告させていただきます。

記者
 現状、アピ池田工場に県として立ち入り調査に入っていて、今後、別の4社に対しても近く県で立ち入り調査を同じように実施して大阪市に結果を報告するということですか。

知事
 
より詳細に申し上げますと、アピ池田工場も、卸という面で、対象の1つになっているわけで、あと3か所ということです。

記者
 
残り3つを今後入るということですね。

知事
 
アピ池田工場の2回目を含めて、4社にはすでに調査に入っています。

記者
 
新丸山ダムの件で、2倍以上の事業費がかかり、予定時期も遅れてということがありました。県としても費用負担がありますので、知事の受け止めをお聞かせいただけたらと思います。

知事
 
この新丸山ダムのプロジェクトは昭和58年9月に大洪水がありまして、美濃加茂市、可児市、坂祝町、八百津町などで、4,000戸以上の家屋が浸水するなど深刻な被害が発生し、以来、これをどう解消していくかということで国家プロジェクトとして進んできております。そうした過去の被害と、現在は気候変動もありますので、さらに激甚化・頻発化しているという懸念の中で、できるだけ速やかにスムーズにこのプロジェクトが進んでいくということが地域の皆さんの願いでもありますし、私どもも期待しているわけであります。今回は様々な要素、建設資材価格や人件費の高騰もありますが、土壌中の重金属への対応や構造についての見直しなど、いろんなことが重なり、費用がかなり加算されておりまして、かつそうしたことに対応するための時間も要するということで、国からいろいろと説明を伺いましたが、やむを得ないと思っております。国に対しては、最新の知見と技術を生かしてできる限りコストを縮減しながら安全第一で不断の努力をお願いしたいと申し上げておりますし、それから今回の見直しについて住民に対してもよく説明してほしいと申し上げているというのが現状です。
 岐阜県の負担率は、事業の目的も変わりませんし、コストが上がるだけでありますので、費用負担の割合は変わらないと思っておりますが、岐阜県の負担率は総費用の約7.29%ということでございます。それでも当初に比べればかなりコストがかかって残念に思っておりますが、やむを得ないかなと考えております。

記者
 
リニアの開業の件で、コメントを出していただいたところですが、改めて知事のお考え、受け止めを聞かせてください。

知事
 
これはまさに日本の大動脈をどう形成していくかという、国家的なプロジェクトでありますし、その効果はいろんな面で、観光から、東海道新幹線に対するもう一つのラインを作ることによって危機管理やいろんな面でありますし、時間距離も急速に短くなるわけでありますから物流とか人流、いろんな面で効果が大きいプロジェクトでありますので、私どもとしては一日も早く、できるだけ早く開業を目指していただきたいというのは基本的な立場で、それは今回の発表で変わることはないのですが、そういう立場からしますと、既に岐阜県内でいえば9割の区間がもう工事着工済みということで、一歩一歩進んできているところであります。そういう中で、直ちに工事に着手しても開業まで10年はかかるという話でありますから、例えば今年スタートしても2034年までかかるというわけですから、これまでの2027年という時期からすれば大幅に遅れるということになりますので、残念に思っております。これをどう打開していくかというと、とにかく関係者で徹底した意見交換をしながら、着実に多くの国民の期待に応えていただける形で開業を目指していただきたいと思っております。

記者
 リニアの件で、今回の件を受けて、今後、国やJR東海に、(以前出された)コメントの中で一つ一つ丁寧に解決してとおっしゃっておられましたが、具体的にこういう取組みを進めてもらいたいなどの考えがあればお聞かせください。

知事
 
どの部分が頓挫しているのかはもうご案内のとおりでありますし、その部分に関わる関係者の間で積極的に議論を進めていただきたいと思います。何が課題で、どう乗り越えていくのかについて、具体的に課題を摘出して、それに対する対策を摘出して、かつ住民の皆さんに不安の無いよう説明していくということで、私はよく急がば回れと言っておりますが、丁寧に具体的に議論を進めていくしかないと思っております。環境の問題であったり水の問題であったりいろんな課題があるわけですから、どれが解決されていて、どれが残っていて、それに対してどういう選択肢があって、その選択肢についてどれが最も納得できるのか、あるいは納得できないのであればどういう理由で納得できないのか、一つ一つきっちり詰めていくと、こういう作業を徹底的にやっていただきたい。論点があっちに行ったりこっちに行ったりするようなことになってはいけないと、一つ一つ石を積み重ねていくように確実に議論が前に進むことを私としては期待しています。

<外部リンク>