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知事記者会見録(令和6年1月4日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和6年1月4日(木曜日)15時00分

司会
 それでは、ただいまから令和6年最初の知事記者会見を始めさせていただきます。

知事
 明けましておめでとうございますと申し上げたいところでございますが、年明け早々からいくつか穏やかならぬ事例も出ていますので、その辺りから少しご説明させていただきます。
 まず、1月元日の16時10分に発生しました、能登半島地震について申し上げます。まずもってお亡くなりになられた方とご遺族に対しまして、お悔やみを申し上げたいと思いますし、また被害に遭われた方々に対しても心からお見舞い申し上げさせていただきます。本県も震度5弱ということで、高山市、飛騨市に揺れがございました。県内で震度5オーダーの地震が観測されますのは、昭和44年、1969年の美濃中部地震以来55年ぶりということで、岐阜県にとっても大きな揺れでしたが、幸いというか、被害がかなり小規模に止まっております。私どもは元日に早速、「災害警戒本部」を設置して応急対応をしたわけですが、人的被害としては、大垣市在住の女性の方が避難する際に転倒されて、頭部を打撲されたということで1件、物的被害は高山陣屋、高山工業高校などで内壁のひび割れ、外壁の亀裂が発生したということでございます。水道につきましては、高山市内で一時的に1,500戸に断水が生じましたが、元日中には復旧が終わっております。その他、防災ヘリで上空から翌日見てまいりましたが、幸いにも住宅など建物の損壊や道路の寸断といった目立った被害は確認されておりません。ただ、なお揺り返しが続いておりますので、県民の皆様には十分な警戒をお願いしているところです。同時に、石川県をはじめとして、甚大な被害が発生しており、石川県、新潟県、富山県、福井県の4県につきまして、災害救助法が直ちに適用されております。すでに昼夜を分かたず懸命な救助活動が行われているわけですが、私どもは「岐阜県災害支援対策本部」を設けて対応にあたっているところです。隣県であり、かつ、本県も一部被害もございましたし、我が事として、まさに明日は我が身ではなく、今日は我が身として積極的に岐阜県の総力を挙げて支援していこうということでございます。
 支援の対応ですが、中部9県1市の災害応援協定があり、その枠組みの中で、今年は三重県がまとめ役ということで、順番に9県(1市)で持ち回っていくわけですが、三重県のリエゾンと連絡を取りながら、中部9県1市として支援にあたっています。岐阜県として既に動いておりますのは、昨日3日午後に、第1陣として、被災建物の危険性を判定する応急危険度判定士8名を現地に派遣しておりますし、県が保有する備蓄品から水、食料等を提供しております。この他に県内の多くの市町から、水や食料といった物資の支援も行っております。それから、本日16時、この記者会見後に出発しますが、避難所の運営支援として、こちらもまず第1陣として職員を6名派遣する予定です。
 また、お手元に資料をお配りしておりますが、県庁舎及び各総合庁舎で義援金の受付を開始したところでございます。
 そのほかに、まず県警約60名が広域緊急援助隊等として現地に参っておりますし、DMAT、災害派遣医療チームは、11チーム54人が現地で活動中でございます。また、消防庁からの指示を受けまして、緊急消防援助隊も61隊220人が現地で活動しているという状況でございます。そのほかに、災害派遣精神医療チーム、DPATも、今派遣の準備中でございます。そうしたことで、中部9県(1市)との連携、そして市町村との連携を取りながら全力で支援にあたるという体制でございます。改めて、安全の大切さ、強靭な危機管理体制の重要性について痛感しながら対応しているところでございます。

 もう1つ、先ほどご案内したかと思いますが、高病原性鳥インフルエンザにつきまして、今朝、山県市の養鶏場から、死亡した鶏が増加しているという連絡を受けまして、直ちに中央家畜保健衛生所が農場に立ち入り、簡易検査を行ったところ陽性になっております。これが判明したのが(本日午後)2時ということで1時間前でございまして、これから遺伝子検査に入ります。おそらく明日の早朝に結果が出るものと思われますが、これで仮に陽性となれば、(県内では)令和3年の美濃加茂市以来、3年ぶりの発生でございますし、国内では今季6例目になります。仮に国が陽性、法律上は疑似患畜と言っていますが、判定しましたら、早速殺処分に取り掛かるということで、明朝以降、おそらく殺処分及び埋却処分に数日間取り掛かることになります。数百人のオーダーで6時間4交代制ということで、現在、これに備えて職員の体制を作りつつあるという状況でございます。そうした危機管理案件からの今年スタートですが、改めて身を引き締めてやっていこうという思いでおるわけでございます。

 年初ですので、恒例でありますが、お手元に1年間の主要事業予定をお届けしています。これを眺めながら、今年について申し上げたいと思います。全体として申し上げますと、今年は、アフター・コロナにおける「清流の国ぎふ」の新たな未来を創る政策の本格展開に取り組んでいくということで、その一環としていわば「文化イヤー」ということで、文化交流事業を展開していくというのが1つの大きな柱になっております。今年の干支が「甲辰(きのえ・たつ)」ということで、新たにまいた種が大きく成長する1年ということを期待したいわけですが、ちょうど60年前の甲辰には、今日の年頭の職員へのあいさつでも申し上げましたが、東海道新幹線の開業や名神高速道路の関ケ原-一宮間の開通、当時の新県庁舎の起工式も行っております。それから、東京オリンピックということで、日本全体が新しいステージに大きく変わっていった時代でありまして、そういう勢いのある、60年に1回の甲辰であります。
 お手元の資料をざっと見ていただきますと、それぞれに主要なものがございますが、3月に、県の様々な計画の策定、改訂作業がございまして、一斉に発表する運びになっております。いわゆる「教育大綱」、「教育ビジョン」、これはペアですが、それから、「保健医療計画」「地域福祉支援計画」「男女共同参画計画」といったものについて、策定作業を今急いでおるところです。それから、「第42回全国都市緑化ぎふフェア」につきまして、いよいよ実施計画を策定し、令和7年春の開催に備えて、準備をするということでございます。それから、3月24日は空宙博がリニューアルした日で、記念日にしておりますが、その日を中心に「空宙博の日」ということで、有人宇宙開発をテーマとした特別展を開催する予定でございます。それから、昨年11月にスタートしました「G-クレジット制度」、県独自の森林由来のカーボン・クレジット制度ですが、3月下旬には第1回の認証が行われるのではないかということで、今手続きを進めているところです。それから、都市計画道路長良糸貫線、これは、東海環状自動車道の(仮称)岐阜ICのアクセスに大変重要な道路ですが、これが完成するということでございます。
 4月に入りますと、電子契約サービスを全庁的に導入するということで、契約書の製本、記名押印、書類の受け渡し等々が一切不要になりますので、かなり大幅な省力化、省手続き化になると考えております。それから、ぎふワールド・ローズガーデンに新たに「国際園芸アカデミーサテライト施設」を設けまして、園芸を中心に実践的な教育が出来る場を今作りつつあるということでございます。また、5月には、恒例のバラのフェスティバルが行われます。
 それから、令和7年4月以降に県内企業で就職する若者の皆さまに対する奨学金返還支援制度の受付をこの夏から開始し、県内企業への就職を積極的にプッシュしていきます。それから、ぎふ木遊館については非常に好評でして、県内各地域からサテライト施設をというご要望がありますが、まずその第一弾として、夏頃、中津川市、高山市に開館予定です。その後、西濃、中濃地域にも展開していく予定でございます。
 それから、高校生の総合文化祭が7月末から8月上旬にかけての1週間、それから、「第60回献血運動推進全国大会」を開催します。それから、山岳観光ということで、今、(高山市)奥飛騨温泉郷平湯に「中部山岳国立公園奥飛驒ビジターセンター」を造りつつあり、山岳観光の情報発信、魅力発信の拠点にしようということで、作業が続いており、7月中にはオープンの運びになろうかと考えております。
 8月になりますと、岐阜県の場合は、「清流長良川の鮎」が世界農業遺産になっていますが、日中韓の「東アジア農業遺産学会」というものがあり、これを岐阜県で開催するということで、世界農業遺産に関するいわば学術交流を行っていきます。それから、昨年初めて開催したところですが、「RIE KANETO Memorial Cup」として、オリンピックのゴールドメダリストの金藤理絵さんを顕彰するということで、2回目になりますが、メモリアルレースを行います。昨年、大変盛況でございまして、是非これは続けていこうということで、水泳連盟とともに進めているところでございます。
 それから、エンジン01、02と開催してきましたが、国民文化祭にちなんで、それに向けた知の交流ということで、「エンジン03 in 岐阜」を、9月7日、8日に開催するということで準備をしています。具体的には岐阜市、大垣市、各務原市の3市を舞台に、3回目の知の交流ということでございます。それから、「大関ケ原祭」については、昨年は2日間で10万人の方が来場されましたが、これも国民文化祭に合わせて開催することにしております。それから、「清流の国ぎふ 地芝居・伝統芸能フェスティバル」、これは地歌舞伎、文楽、獅子芝居等々の岐阜県の伝統芸能について、国民文化祭の特別プログラムということで開催を予定しているものでございます。それから、「ぎふ清流レクリエーションフェスティバル2024」、「秋のローズフェスティバル」、それから「国民文化祭」そのものが10月14日から11月24日の予定でございます。また、これと併せて、3年に1度の「国際陶磁器フェスティバル美濃」も開催されるということですし、7回目となる「リトアニアNOW」もこの時期に開催いたします。さらに、「岐阜県農業フェスティバル」については、昨年は2日間で206,000人の方に、この県庁及びOKBぎふ清流アリーナ、ぎふ結のもりにお越しいただき盛況でしたが、今年も10月下旬に開催いたします。岐阜かかみがはら航空宇宙博物館、空宙博については、新たな企画棟が10月に完成しまして、これも国民文化祭にちなんで、最新の宇宙開発についての特別企画展を予定しておるところです。また、女性の活躍推進フォーラムは6回目になりますが、今年も行わせていただきます。
 それから、「ぎふ木の文化祭(仮称)」として、岐阜の木の魅力をいろんな形で発信するということで、これも国民文化祭と併せて開催するものですが、11月上旬に予定しております。そのほか、「ねんりんピック岐阜」が2025年に開催されますので、その準備も始まるということであります。
 それから、乗鞍スカイラインの道路が一昨年9月に崩落して全面通行止めとなっていますが、いよいよトンネル工事を着工する、そして、仮設道路ができるということで、乗鞍公園線について、なんとか見通しを付けていきたいということでございます。ざっと今年1年間の主な事業についてご紹介させていただきました。そのようなことで今年1年取り組んでいきたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。私の方からは以上です。

記者
 能登半島地震の件でお伺いします。岐阜県も早々に支援や職員派遣を進めていらっしゃるかと思います。今後も能登半島の自治体では、さらに行政の負担が増えてくると思われますが、珠洲市や輪島市などの行政への支援について、県として職員を派遣して支援するような、長期的な支援を何か考えておられますか。

知事
 これは岐阜県だけが突出して何か特別なことをするというよりは、やはり9県1市で足並みを揃えて、そして石川県のニーズもしっかりと見極めながら、一定の役割分担でやっていくことになろうかと思います。今おっしゃった点については、例えば東日本大震災の時にそうでしたが、岐阜県は当時、宮城県の多賀城市を担当しており、多賀城市との関係でいろんな支援をしてきましたが、相対でいろいろな面から総合的な支援をしていくという手法はありますので、そうしたことが考えられるのではないかと思います。今は応急と言いますか、やるべきことが山積みですので、そうしたことを行いながら、復旧復興に向けてのマネジメントをやっていくと思います。そういう辺りからはおっしゃるようなことは役割分担でやっていくことになろうかと思います。

記者
 鳥インフルエンザについても大きな影響をもたらすと思います。県内で養鶏業者が多数あると思いますが、仮に高病原性(鳥インフルエンザ)と判定された場合、例えば財政的な支援策などについて、検討されていることがあれば教えてください。

知事
 これまでも何回か経験してきておりますので、まずは衛生管理の問題についての指導支援や、そのためのいろんな資材の支援など、そういったところから経営支援に至るまでいろんな手立てがありますので、応援していきたいと思っております。

記者
 能登半島地震について、現在救助活動が行われていますが、能登半島では輸送交通ネットワークが寸断されて輸送が難しいという面もあります。岐阜県でも今後大きな地震が予想される中で、今回の地震から今後活かせることや、県の地震対策に活かせる政策などがあれば教えてください。

知事
 県職員を送り出す時にいつも言っていることなのですが、先方の行った先の状況に応じて最大限の支援をすることはもちろんですが、併せて、仮にこれが岐阜県で起こったらどうなのか、この支援状況や支援体制などについて学ぶことや参考になることがあるのかなどもしっかりとレポートしてくれと言っております。そういう積み重ねの中で強靭な危機管理体制を岐阜県としても作っていく、また、他県のこうした例に学ぶことができるよう、支援すると同時に学んで帰ってきてほしいと申し上げています。そういう意味で、それぞれの場所や被害の状況によって、対応は随分違うと思いますので、一般論にいきなりというよりは、まずそれぞれの実態をよくよく見極めて、現地で行われていること、参考になること、あるいは疑問に思ったことや、秩序立ったルートでは時間が間に合わない場合に、直接岐阜県から緊急応援するなど、いろんなことがあると思いますが、そういったことを学んでいくと同時に、その都度できる限りのことを支援していこうと思っています。

記者
 能登半島地震の関係で、フェーズがまだ早いかもしれませんが、死者や安否不明者のお名前が出てくる中で、岐阜県の方で、例えば、帰省されていて行方が分からない方や、県在住の方でそういった方がおられないでしょうか。

知事
 今のところはそういった情報はなく、岐阜県ゆかりの方にまつわる情報は全く入ってきておりません。ただこの点についても十分注意してフォローしていきたいと思います。

記者
 鳥インフルエンザについて、簡易検査で陽性ということでかなり厳しい状況にあるかと思いますが、知事としての受け止めをお聞かせください。

知事
 過去の例からしますと、おそらくここまで来ると、感染という判断がなされる可能性が非常に高いわけで、その場合は24時間、4交代制でとにかく急いで殺処分、埋却処分をしないといけないということですから、まずその体制をしっかりとるということ。それから、現在、周辺の農家には、この事情をよく周知徹底して、例えば、不用意に行動しないとか、出入りに気を付けるとか、いろんなことを注意深くやっていただきながら、順番に課題を解決していくということになろうかと思います。

記者
 新県庁舎が開庁して1年経ったわけですが、庁舎の評価などをお伺いしたいです。

知事
 職員の皆さんからも、いろいろと改善すべき点について、細かいところも含めて要望も聞いておりますが、庁舎全体や、それぞれの職場、各セクション、それから1階のミナモホールや20階の清流ロビー、ぎふ結のもりなど、それぞれ1年間いろんな場面で活用して、大分使い勝手も分かり、この県庁エリアを中心に、これまで以上に多様な試みを進めていくことができるようになりました。実際の稼働率も非常に高く、1階のミナモホールは9割を超えておりますが、シンポジウムやセミナーなど、いろいろ人が集まって議論したり交流したりすることについて、このエリアで非常に時間のロスが少なく、効率的、効果的にできるようになってきており、全体として上手く使いこなしつつあるのではないかと思っております。改めて、1年経ったところで、職員の皆さんの意見ももう一段聞きながら、事務事業の改善の一環として、さらにまた工夫をしていきたいと思っております。

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