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知事記者会見録(令和5年12月22日)

記事ID:0337740 2023年12月26日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年12月22日(金曜日)15時00分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。

知事
 お手元の資料に沿って、いくつかご報告したいと思います。まず「令和5年の県政を振り返って」という資料がありますが、今年1年間、どんなことがあったかをテーマに沿ってまとめたものです。また参照していただいて、色々とご意見を伺えればと思います。いろんな整理の仕方がありますが、私どもとしては、当初の予算編成の考え方を軸にして、今年1年間を政策的には2つの大きな柱で動いており、「1 社会経済の回復・再生・転換」と、「2 人口減少社会からの脱却」という2つの柱で政策を展開してきました。
 「1 社会経済の回復・再生・転換」については言うまでもなく、5月にコロナが5類に移行したわけですので、いかにスムーズに5類に移行するかという問題と、まさにアフター・コロナ社会が本格的に始動するということで、これに沿った政策を展開してきました。また、足元では、物価高騰の問題もかなり深刻でございましたし、コロナ禍でダメージを受けた経済社会活動について、様々な方から再生・再出発ということで、数次にわたって補正予算も駆使しながら、進めてきたところでございます。それから、インバウンドや国内観光といった、岐阜県の魅力発信についても、本格的な回復期に入ったということで、この時期を捉えて、サステイナブル・ツーリズムというグローバルスタンダードに即しながら、「岐阜未来遺産」という制度をスタートしたほか、木曽川中流域という1つの里川について新しい観光の姿を追及しました。国連の方からは、(国連世界観光機関(UNWTO)が推進する)「持続可能な観光地づくり国際ネットワーク(INSTO)」のメンバーにしていただけるということで、そうした面での活動もスタートしましたし、4年ぶりに海外キャンペーンもやらせていただきました。また、武将観光をはじめ、関ケ原を活用した様々なツアーも造成したということで、色んな意味でインバウンド、国内観光が動き始め、ほぼコロナ前に近いところまで来たということでございます。
 それから、もう1つの「社会経済の回復・再生・転換」で言いますと、アフター・コロナの構造的な問題について、正面から取り組んできました。「成長分野」、例えば航空宇宙分野、ドローン、あるいは様々なイノベーションのスタートアップへの支援、それから、「DX」については、あらゆる分野でDXを進めていくという観点からコンソーシアムを形成して、技術革新や実証・実験、あるいはDX人材の育成を行ってきました。「SDGs」、「脱炭素社会」についても、当然やっていかなければならないテーマということで進めてまいりました。特に、「G-クレジット制度」、岐阜県の森林資源の価値(二酸化炭素吸収量)をクレジット化して、森林・林業の振興に使っていくという制度もスタートいたしました。
 「幸せと豊かさの実現」については、不登校、ヤングケアラー、孤独・孤立の問題などコロナ禍でも深刻になりつつある、こうした様々な問題についても、支援の手を差し伸べていくということに意を用いたところであります。それから、人づくりという点で、先ほど申し上げましたDX人材や、木育などそれぞれの分野における人材育成についても、努力してきたところであります。また、「パートナーシップ宣誓制度」について、県として、システムとして取り込んでいくということでスタートしました。それから、清流文化の創造という観点からは来年に向けて、国民文化祭、高校生の総合文化祭の準備が本格化しておりますし、「エンジン02in岐阜」、「清流の国ぎふ地歌舞伎勢揃い公演」、「清流の国ぎふ将棋フェスタ」や、国際的な文化交流などを進めてきました。
 「安全・安心」という面では、5類移行後の感染症対策についての体制づくり、防災・減災、県土強靭化という観点から、特に社会インフラの整備に取り組みました。安全・安心の確保という観点では、有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)問題や、ツキノワグマ、コクチバスの問題、この辺りはまだ進行中ですが、こういった問題がありました。
 「2 人口減少社会からの脱却」という点では、「自然増」と「社会増」という2つの観点から取り組んできました。「自然増」については、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援をしていこうということで、様々な支援金制度を設けました。女性の活躍と子育てを社会で支える環境の整備ということで、「ぎふ女のすぐれもの」プロジェクトや、「ワーク・ライフ・バランス推進エクセレント企業」認定制度などを実施してまいりました。
 「社会増」については、コロナ禍でこれまでとは違った地方分散の動きが出てきたということで、魅力発信に向け、リニア中央新幹線を活用した戦略や、サテライトオフィスの誘致、本社機能の誘致を実施しました。県内就職の促進では、奨学金返還支援の創設や、Uターン奨学金の増額などを進めてまいりました。移住定住については、移住支援金制度を設けて、県内への移住促進に取り組んできました。このような人口減少社会からの脱却についても1つの大きな柱でございました。
 ここに書かれておりませんが、今年1年は、新庁舎をどう使いこなしていくかも、私どもとしては課題でした。幸い県民の皆さまからはこの建物について、特に県産材を積極的に活用していることをご評価いただいておりますし、岐阜県らしさということで、今もお出でになる方もかなり大勢おられまして、魅力発信の場として県庁を活用してきました。1階のミナモホールは、稼働率が9割を超えており、むしろ私自身が特定の日にちに、こういうことをやりたいと言っても、既に予約が埋まっているというケースが非常に多く、県庁挙げて、各部局が1階のミナモホールや、20階のスペースを有効に使っていこうと積極的な企画を出しており、そういう意味でも新庁舎効果はあったのではないかと思っています。従来は、私自身も長良川河畔を1日多い時には3往復位していましたが、私自身がそうですから、準備をするスタッフはさらに頻度多く行き来していたと思います。そういう意味で、移動時間・コストが随分軽減されたことが、行政サービスの向上、政策の質の向上につながっていけばよいと思っているところです。ざっとしたお話でございますが、1年を振り返りまして、このようなことでございます。
 それから、「主な受賞実績一覧」という資料では、必ずしも網羅的ではありませんが、目についたところを並べております。特に、今年は「スポーツ」関係において、鹿児島国体や、次のパリ五輪に向けた岐阜県ゆかりの選手の活躍が非常に顕著でして、いくつか掲載しています。「文化」関係でも、生け花やスピーチコンテストのほか活躍していただいております。

 2番目のテーマ「清流の国ぎふ芸術祭『第5回ぎふ美術展』の開催概要決定」については、第5回の美術展になりますが、来年6年8月17日から9月1日まで、県美術館で開催します。この美術展は7部門で、審査員は各部門2名ずつ14名全員が毎回入れ替わるということで、今回も各分野の第一人者に就任頂いております。県民の皆さま、また県外の方も含めて多くの方々に応募してチャレンジしていただきたいと思います。昨年8月に、第4回を開催していますが、県内外の4歳から97歳までの幅広い年代で、900点近くの応募をいただいています。今回も是非積極的に応募していただければと思います。

 それから、資料は出しておりませんが、感染症対策について、新型コロナウイルス感染症が5類に変更されてから、初めての年末年始をこれから迎えます。このところの数字を見ておりますと、私どもの「岐阜県リアルタイム感染症サーベイランスシステム」によるデータですと、11月中下旬辺りから、じわじわと増加に転じてきており、多い日は1日当たり840人の新規感染者という日もあり、じわじわと年末に向かって増加傾向にあります。まだ、レベル2相当の基準には至ってはいませんが、これまで過去毎年、この時期に感染が拡大しています。そういったことを考えますと、年末年始は移動、飲酒、様々な機会があり、それだけリスクが広がるということで、県民の皆さまには警戒をお願いしたいと思っております。変異株の状況も、今のところ、XBB系統の一種であるEG.5系統が主流ではありますが、その他もちらほら出てきておりますし、いつ新たなウイルスが発生するかも油断できません。こうした危機感を持ちながら、来週、東海3県知事会議を、久しぶりになりますが開催します。各県の直近の対策状況を共有しながら、3県知事共同メッセージを発出して、この年末年始に備えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 最後に、毎年お尋ねのある、今年1年を象徴する漢字でございますが、正直言って今年はいろんなことがありました。非常にポジティブな明るい面もたくさんありましたが、逆に色々な困難や、なかなか難しい課題や、残念な、悲しい出来事もあり、いろんな方がいろんな字を挙げております。一言で申し上げるのはなかなか難しいところですが、敢えて1文字にしますと、今まで以上に迷ったのですが、この「開」という字を今年の私なりの1字での総括と思っております。この「開」はいろんな意味があり、コロナからの回復、再開という様々な活動が再開されたという「開」もあり、アフター・コロナに向かって、様々な展開が広げられていくという、スタートという意味の開始の「開」でもあります。それから、県庁舎も今年新たに開庁しましたので、これも新しく「開」いたということです。基本的には、困難からの回復、あるいは、新しい展開が動き出したということ、また、我々の環境、県庁舎も新たに開くことができたということで、「開」という字を今年を象徴する漢字として挙げさせていただきました。私の方からは以上であります。

記者
 今、国政で「政治とカネの問題」が非常にクローズアップされていまして、岐阜県からは大野参議院議員に多額の不正還流の疑いがかかっております。知事として、政治とカネの問題、特に自民党を巡る不正還流の在り方について、受け止め、ご見解をお願します。

知事
 日々、様々な情報が飛び交っておりますし、既に捜査に入ったという状況です。そういった状況から、政治への信頼については、大変厳しい状況にあると思っています。個別具体的にコメントするのは、日々の流動的な状況、捜査中であるということからなかなか難しいですが、一方で、非常に残念だということと、やはり物価高騰、少子化対策、外交、災害いろいろ喫緊の課題が山積していますので、それらへの対応に遅れや停滞があってはいけないという意味でも、速やかに事態が解明されて、これが何であったのか、どこに問題があるのか、今後どう対応していくのか。常に問題が生じたときには、解明と課題の摘出、そして、それに対する対策という、常識的な組み立て方ですが、そうした流れの中で速やかにこの問題について、国民の信頼をしっかりと回復できるような形で、進んでいくことを私としては期待しているという気持ちでおります。

記者
 再来年2月に、知事として5期目の任期を迎えられると思います。来年は5期目の仕上げに入ってくると思うのですが、来年に向けた思い、その後も含めて所感を伺いたいと思います。

知事
 5期目の総括というには、まだこれから1年以上たっぷりあるわけですから、早いと思いますが、振り返ってみますと、この5期目のスタートの時点で、まずは「コロナを乗り越える」、「県民の命と生活を守る」、そして「アフター・コロナへの展望を切り開いていく」ということをひたすら申し上げてきたところです。1年目から2年目と依然としてコロナとの闘いが続き、2年目の後半から徐々にアフター・コロナを伺う動きがじわじわと出てきた中で、今年3年目は、まさに、ウィズ・コロナからアフター・コロナに移行ということで、5類移行とともに、先ほどご紹介しましたように施策的にも大きくアフター・コロナに向けて踏み出してきました。当初、私どもが申し上げていた、コロナを乗り越えて、アフター・コロナの展望を切り開いていくという大きな流れはだいたい当初想定したとおりかと思っております。そこで、来年は、アフター・コロナの政策を本格化していく中で、特に、タイミング的に、国民文化祭という大きな行事を控えておりますし、高校生の総合文化祭もあります。また、3年に1回の国際陶磁器フェスティバルもありますし、様々な文化についての岐阜県を発信するチャンスが巡ってきます。そういう意味で、清流の国ぎふ、清流文化をアフター・コロナの大きなテーマとして発信する、そのような1年になってくるのではないかと思っております。

記者
 先ほども質問のあった、安倍派ほかの政治資金パーティーを巡る疑惑について、伺います。大野参議院議員が、報道されている中では最大となる5千万円を超えるキックバックがあったのではないかという疑いがあると思います。県選出議員として、連携も取っていくお立場にあると思いますが、大野議員に疑惑があることについて、今一度、受け止めを頂けますか。

知事
 今おっしゃったように「ではないか」というお話について、こういう場で私自身がコメントすることは控えさせていただきたいと思います。ただ、先ほども申し上げましたとおり、こういう問題が起こっていること自体の問題と、様々な課題が停滞しかねないというリスク、色んな意味でとにかく速やかに事態を解明していただいて、かつ、対策も出していただくことが大事ではないかと思っております。

記者
 今回の疑惑に関連して、各地で政治資金の収支報告書で不記載、訂正があったのではないか(という疑惑が)岐阜県に関わらずいろんなところであるかと思います。知事ご自身としては、資金管理団体など収支報告書について、どのように管理されているのでしょうか。もちろん記載していないお金の出入りは無いでしょうが、その辺りについてもご意見を頂けますでしょうか。

知事
 どのようにというか、まさにルールに沿って、やらせていただいているつもりでおります。

記者
 リニアについてお伺いします。JR東海では、工事完了時期を「2027年」から「2027年以降」へと変更され、(それに対しては)知事コメントも出していただきました。関連して、静岡県の川勝知事が東京・品川-甲府間、岐阜-名古屋間の部分開通という手段もあるのではないかとの発言があり、これを受けて、(山梨県の)長崎知事が「そういった考えもあり、甲府-東京の開通はいいのではないか」と明言されました。この部分開通について、知事の受け止め、お考えをお教えください。

知事
 名古屋-岐阜間の部分開通は、私にはあまりイメージが湧きませんし、リニア中央新幹線は時速500kmというスピードで走るわけですから、そのスピードで走って人を運ぶというメリットを発揮する、そして、システムとして機能していく上で、細かく分断することにどのような意味があるかというところは、私自身よく理解できないところであります。具体的に、そういうことを提案される方がおられるとすれば、どういうことを意図し、念頭に考えられているのか、むしろ伺いたいと感じています。

記者
 知事としては、部分開通というのはよく分からない、あまりメリットがないのではないかというお考えでしょうか。

知事
 時速500kmで走る列車について、開通を細かく分けていくことの意味がよく分からないということです。

記者
 今日、東京の(国立社会保障・人口問題)研究所の発表で、2050年の人口推計が出ておりまして、岐阜県全体で2割以上が2050年には減少するとされているほか、自治体ごとに見てみると、白川町が41%位になるというのがおそらく最低で、半分を割り込むような自治体も複数出るという推計が出されています。人口減少対策も資料の中で出ていますが、長期的な視点になりますが、推計が出る中、今後どういう対策をとっていくのか、受け止めをお伺いできればと思います。

知事
 そのレポートが今日出るということは承知していますが、まだ私自身詳細を見ていないものですから、確認した上で必要があればコメントも出させていただきます。人口減少については、既にこれまでにいろんなタイミングで、いろんな試算値が出ていますし、都市消滅という衝撃的なレポートもかつてあったわけですが、かなりの精度でトレンドを追いかけていくと、ある程度数字が出てくるということだと思います。私どもが特に心配しているのは、コロナ禍で一段とこの減少のペースが速まってきているということは感じており、その辺をどう評価をして、これまでの見通しや対策、それから、加速した分をどう加味して今後の対策を考えていくか。その辺りは、まさに来年度の予算編成、また、これからの大きな課題だと思っております。

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