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知事記者会見録(令和5年10月31日)

記事ID:0328806 2023年11月2日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年10月31日(火曜日)16時00分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。

知事
 お手元に3種類の資料をお配りしておりますが、それに沿って申し上げたいと思います。最初に、岐阜県独自の森林由来のカーボン・クレジット制度、いわゆる「G-クレジット制度」でありますが、これを明日11月1日からスタートいたします。本県の豊富な森林の二酸化炭素吸収量をクレジットという形で県が認証して、価値のあるものに図っていくという制度であります。そして、このクレジットの取引による収益を森林所有者や林業事業者へ還元することで、森林整備に対する意欲・関心の向上や森林の整備そのものに繋いでいくということでございます。また、クレジットを購入する企業においては、企業価値の向上、地域貢献、脱炭素への取組みといったことにご活用いただくということで、「脱炭素社会ぎふ」の実現に繋げていければと思っております。自治体によるこうした取組みは「全国初」のものであります。かれこれ1年強、検討を続けてまいりまして、いよいよスタートすることになったわけでございます。国のJ-クレジット制度がありますが、この対象範囲が非常に限られているということで、その対象外であって、かつ、信頼性確保ということで、「岐阜県環境保全林整備事業」で間伐を実施した県内の森林を対象にG-クレジットの運用を開始するもので、国のJ-クレジットと県のG-クレジットはいわば補完するような関係になってくるのではないかと思っております。また、国のJ-クレジットについては、審査費用や手続き、申請資料等々、割と重たい仕組みになっていますので、私どもとしては、審査費用を無料として、申請者の申請面での様々な負担をできるだけ軽減して、申請しやすくしていこうということでございます。これから具体的に手が上がったところから、森林の状況を検証し、年度単位でクレジットを発行していきます。本格的な認証・売買が始まるのは、来年度以降ではないかと思いますが、昨年度、中津川市と東白川村森林組合において、既に試行作業ということで着手していますので、今年度末の3月には、第1号ということで認証できると思っております。これに続いて、次々と手が上がるとよいのではないかと思っておりますが、このように、G-クレジット制度をスタートさせていただくということでございます。
 2番目が、ポーランドのシロンスク県との交流事業でございます。今年8月にシロンスクに参りまして、「岐阜県とシロンスク県の協力と友好関係の発展に関する覚書」を結び、「経済、観光、スポーツ、文化」の4分野で交流を進めていこうとなったわけです。その第一弾として、ポーランド国立民族合唱舞踊団「シロンスク」が11月23日に、岐阜県で公演をしていただくということであります。また、この機会を捉えて、県立加納高校におけるワークショップや、シロンスクをはじめとするポーランドのパネル展を実施することといたしましたので、お知らせする次第であります。この舞踊団は、シロンスク県を本拠地とする、ポーランド有数の民族合唱舞踊団でありまして、海外にも1万回以上出かけて公演を行っていると承知しておりますが、今回は、岐阜県以外でも、東京や京都でも公演されると聞いております。この本県での公演については、先週火曜日の10月24日から申込みを開始しましたが、あっという間に6日間で定員に達したということでございます。先ほど申し上げましたパネル展は、11月25日から12月3日まで、県図書館で行う予定になっておりますし、ポーランド関連書籍の展示も併せて図書館で行いますので、足をお運びいただければと思います。
 3番目のご報告でございますが、県内の高校等と連携した若者の県内の就職促進事業でございます。本県では、若者の県外流出が大きな課題でありまして、既に岐阜駅の就職支援拠点の大幅リニューアルや就活フェアの開催、各種セミナーや相談などきめ細やかに若者の県内就職促進に取り組んでいるところです。今回は、高校生の段階から県内企業の魅力を知ってもらおうということで、少しでも将来の県内就職に繋がるよう、高等学校と連携して2つのイベントを12月に開催するということでございます。このアイデアは高等学校の方から提案があったものでございまして、積極的に取り組んでいただいているところでございます。まず1つ目は、岐阜県としては初めてですが、「高校生チャレンジ・オープンカンパニー」であります。高校生が県内企業を訪問し、企業の方々との交流、職場見学を行うということで、これを通じて県内企業の魅力に触れていただこうというものでございます。今回は、県立岐阜商業高校の1年生360人が3人から5人のグループに分かれ、12月5日、6日の予定で、県内企業約90社を訪問していただくということです。2つ目は、昨年度実施しまして大変好評でしたので、2回目を開催しようというもので、「オール岐阜・企業フェス・高校生の日」でございます。元々、大学生を念頭に企業フェスを行ってきましたが、高校生にも企業の魅力について、目を向けてもらおうということで、このフェスの間の2日間、参加企業数も去年の87社から245社に大幅に拡大して、高校生のための企業フェスをやるということでございます。また、明日(11月1日)から特設サイトを開設し、出展企業の魅力を紹介したいと思っております。このように、産業界や教育機関と連携しながら、様々な機会で県内企業の魅力発信、そして、若者の県内就職・転職を進めていきたいと思っている次第であります。私の方からのご報告は以上であります。

記者
 今週末に、岐阜県農業フェスティバルが大変盛況で終わったと思いますが、改めて来場者数と成果及び課題についてお聞かせください。

知事
 まず、来場者数については、初日の28日が88,000人、2日目の29日が118,000人で、合わせますと206,000人ということで、これは入場者数としては過去最高の人出でございました。2日間とも穏やかな好天に恵まれたこともございますし、「全国農福連携マルシェ」も開催し、全国27業者が、農業と福祉の連携商品である農福商品を、OKBぎふ清流アリーナで販売したわけですが、これも非常にタイミングが良かったと思っております。全国農福連携マルシェは、去年岐阜県で初開催し、イオンモール各務原で実施したのですが、私自身が全国の農福連携マルシェのまとめ役であるものですから、折角開催するなら、より大きな舞台でということで、農業フェスティバルにお招きしたものです。来られた方々も規模と盛況に非常に驚きつつ、大変満足していただいたのではないかと思っております。あわせて、「農福連携全国フォーラム2023 in ぎふ」を20階会議室で開催しましたが、これも全国から農福の関係者に来ていただき、岐阜県だけでなく、全国に開かれた農業フェスティバルとして、幅広く実施したことも非常に良かったのではないかと思っております。やはり、何年もコロナでなかなか出かけられなかったという状況が続く中、規模が大きいだけに、過去3年間は、天気の具合やコロナの状況を見ながら、毎年開催についてぎりぎりまで迷いながら、最終的にコロナ対策を優先しようということで、3年連続で中止してきました。ようやく4年ぶりに開催されるということで、皆さんがこのフェスティバルに、大変大きな期待を持ってみえて、かつ、供給サイドも、店揃え、品揃えを十二分にやっていただきました。それから、新しくなった県庁舎の1階のミナモホールや20階の清流ロビー、あるいは、ぎふ結のもりといった新しい空間をふんだんに使うということで、この新しい空間を見てみよう、行ってみようというインセンティブも働いたのではないかと思っております。いずれにしましても、非常に盛会でありましたので、来年度以降もさらに磨いていきたいと思っております。

記者
 発表事項にありました「G-クレジット」について、これまで制度創設に向けた審議会や有識者会議を取材してきましたが、こういった会議を聞いていると、まだまだ課題があると感じています。特にクレジットの売買について、G-クレジットと同じようなカーボン・クレジットは世界的に参入する動きが多くある一方、信用性を担保できない事例もあると聞いています。G-クレジットはJ-クレジットに比べて手続きは簡単というメリットはあるかもしれませんが、信用性を担保するという面ではまだまだやっていかないといけないことがあると思います。今後、運用に向けた課題をどのように捉えられており、その課題に対してどうアプローチしていきたいか、知事のお考えをお聞かせください。

知事
 どんな新しい制度を行うにしても、関係者との信頼関係、あるいは、その制度に対する信頼がベースになければ、どんな仕組みであっても機能しないわけでありまして、特に金銭取引が伴う制度であるだけに、通常の制度以上に信頼性が大事だと思っております。これは岐阜県というエリアの中で岐阜県が先頭に立って、県内の森林、特に岐阜県が補助金を出して、環境保全林整備事業ということできちんと間伐等整備した森林について、県が保障しますということを言っているわけです。そういう県の積極的な思いをどのように林業事業者なり、あるいはクレジットを買おうと考えておられる企業にアピールできるかということが大事です。まだまだ一歩一歩、制度の信頼性というか、岐阜県が先頭に立ってこういう仕組みを全国に先駆けて創って、そしてこれが「岐阜モデル」として、今後のクレジット制度の在り方について一石を投じるといいますか、J-クレジットもスタートはしていますが、正直申し上げまして、全国的にあまり進んでいないのが現状であります。そういう中でG-クレジットか、という議論もありますが、だからこそ逆に、岐阜という地域で県が前面に立って、こういう制度を創っていくというのは意義があるのではないかということです。この制度の創設については、林野庁ともよく情報交換をしておりますので、国とぶつかるところは全くありません。むしろ国の対象とするところと県の対象とするところとのすみ分けは出来ておりますので、それぞれにカーボン・クレジット制度を、相互により広く、広範に拡げていくということで、うまく回りだすと相互に取引が増えていくというのが一番の理想ですので、そういう意味では、国ともよく連携していきたいと思います。また、途中でいろんな方々からいろんなご意見が寄せられると思いますので、そういったことにも柔軟に対応していきたいと思います。
 それから、クレジットとして買い取った企業が、自分たちがこういうことで脱炭素に貢献している企業であるということを世の中に対して言った時に、それを県民の皆さんが受け入れてくれないといけないわけです。そういう買い取った企業の企業価値を評価するということも大事ですので、単に売り手買い手だけの信用ではなく、県民の皆さんのこの制度に対する信頼、信用も同時に築いていかないといけないと思っています。

記者
 通信制高校について、全国的に少子化が進む一方で、通信制高校の数は逆に増えていっている実情があります。県内でも同様の傾向にありまして、先日の私立学校審議会でも学校の新設に向けた議論があったところです。文部科学省では、新設について規制に向けた議論が進んでいる中で、岐阜県として、今後規制に向けた考えなどあればお聞かせください。

知事
 これは今当面する大きな課題だと思っておりまして、まだまだ議論しなければならず、議論を尽くす必要があると思っております。全国的な現象でもありますので、そういう規制を行った県と行っていない隣接県との関係がどうなっているのかなど少し広域的な見地も含めて、この問題についてはいろんな角度から検討したうえで、慎重に答えを出したいと思っております。これが現状でありまして、まだ先走った方向性まではお答えできる状況にはありませんが、喫緊の課題であるという認識で取り組もうと思っています。

記者
 陸上自衛隊の日野基本射撃場のことについて伺います。6月に事件が起こってから訓練が中止されていましたが、先日、11月6日に射撃訓練を再開する方針であることが公になりました。このことについて知事はどのように受け止めておられますか。また、訓練の再開に向けて自衛隊に求めていきたいことがあれば教えてください。

知事
 この事件は、通常、およそ想定外の全く思いがけない出来事であります。しかし、現にそういう思いがけないことが起こったということは、本当に重く考えないといけないと思っております。自衛隊ともいろんな意見交換をしておりますが、先般(県庁に)お出でになりまして、想定外のことではあるけれども、それをしっかり防げるような様々な手立てを講ずるということでご説明を受けたところであります。私どもの方からは、一つひとつ丁寧にやっていただくことはもちろんですが、地域の皆さんに対しても、自衛隊としての対策を十分丁寧に説明したうえでやっていく必要があるのではないかということを申し上げました。また、どんな制度を創っても、そのまた想定外というのは起こりえないということはありませんので、とにかく丁寧な対応が必要なのではないかと思っております。それから、当時現場におられた方の精神的なショックのようなものも、まだ完全に癒えておらず、そこも注意深くやっているという話がありました。そういったことも含めて、自衛隊としての指揮の問題もありますし、とにかく一つひとつ丁寧にということを申し上げたところであります。

記者
 今、お話に出てきましたように、県の方にも説明があったということですが、いつ頃、県庁に説明に来られて、どのような方が来られたのでしょうか。

知事
 私のところに来られ、今、日にちは出ませんが、比較的最近に来られました。そういった積み上げてきた対策を一通り説明したいということで来られました。

記者
 11月6日の再開に向けて心配なことなどはありますか。

知事
 (説明に来られた)その時に、先程のことを重々申し上げたということですので、これからも見守っていきたいと思いますし、何かあればすぐに連絡をいただくような意思疎通もしっかりしていきたいと思っております。

記者
 2点お願いします。1点は、信長まつりが今週末に迫っているということで、去年に比べると普通の形ということでどういった盛り上がりになるのか、また、今年の祭りに対して知事として期待することを教えてください。
 もう1点が、東京の江東区長が、インターネットの有償広告を使って(票を)集めようとしたということで、本人も事実関係を認められていますが、辞職の意向を固められています。単刀直入に、知事がこれまでの知事選の中で、そういった動画やインターネットの有償のサービスを使って選挙運動をしたということはありますでしょうか。

知事
 まず、後者については、そういうことはありません。
 前者の方は、去年は木村拓哉さんがお出でになって、予想外の反響を呼んで、むしろ何とか無事故で無事終わればというような盛況ぶりでございましたが、今年は、これは岐阜市の行事でもありますし、岐阜市さんとしては通常に戻すというか、むしろ若い方の信長役とか濃姫役とか、若い方にチャンスを与えようとされておられますので、それは一つの選択肢ではないかと思っております。ただ去年の例で私がよく申し上げていますのは、信長まつりという一つの毎年のルーティンの行事の中で、これまでにないちょっとした調味料を加えると、これだけ反応なりが違ってくるのだと。そのため、特に、観光政策やイベントなどにおいて、一般論でありますが、一つのヒントになると(思っております)。これは当たり前に思っていること、こんなものと思っているところに、思いがけない調味料や、思いがけない組み合わせがあると、一挙にその行事が違って見えてくる、違った受け止め方をして盛り上がるということで、そうことを観光政策や文化交流など、いろんな面でヒントになるのではないかと、常々申し上げております。そういう意味では私自身、一つのいい参考例として去年のことは受け止めております。そこから先は、岐阜市さんのご判断ということで、ただ去年の余韻もまだ残っておりますので、また柳ケ瀬の活性化ということで、皆さんいろいろ頑張っておられますので、そういう中で去年のような大混雑は無いにしても、相当な盛り上がりが期待できるのではないかと思っております。

記者
 岸田首相の所信表明でありましたライドシェアの導入・検討についてですが、安全性の問題もありますが、やはり運転手不足が喫緊の課題だと思います。自治体の方でも研究会を開くと明言されたところもありますが、知事自身のライドシェアに対する考え方と、今後の対応についてお伺いします。

知事
 この前、中部圏知事会議での一つのテーマが地域公共交通をどうするかということで、根っこにはローカル鉄道の非常に厳しい状況が挙げられています。そのような中、車の輸送と、その車の輸送の選択肢の一つとして今のライドシェアについても挙げられており、課題としてそれぞれまた検討しましょうということで議論が行われました。県内の市町村ともよく連携を取って、国も一歩前に出ようということでありますので、積極的に検討してみたいと思っております。

記者
 明日の知事の行事が入っている件ですが、UNWTO(国連世界観光機関)の「持続可能な観光地づくり国際ネットワーク(INSTO)」に国内では地域としては初めて入るということについて、日本では、まだあまり注目されていなかった新しい枠組みかもしれませんが、入ることによる岐阜県へのメリットや知事として期待する効果を教えていただけますでしょうか。

知事
 
私どもは、観光政策においてはグローバルスタンダードを見ながら、そのグローバルスタンダードのもとで地域の魅力を大いにアピールをしていくということで取り組んでいます。UNWTOとはまさにグローバルスタンダードの総本山というか、国連の観光機関ですので、その国連の観光機関の繋がりのある組織との連携は、私どもはグローバルスタンダードとの繋がりという意味で重視しておりました。そうしたところ、岐阜県のそういう姿勢を評価していただいて、是非入ってくれということで、明日からスタートします。そういう意味では、国連をはじめとするグローバルスタンダードのサークルの中に、岐阜県が積極的に入っていって、そういうところといろいろと情報交換や意見交換、交流をしながら、さらに岐阜県の観光政策を磨いていくという意味で、非常に重要な一歩ではないかと思っております。私どもとしては、少し前から積極的に働きかけをしておりましたし、コロナの前に私自身、スペインで地歌舞伎のPRなどをした時に、UNWTOの本拠地があるマドリードに行き、UNWTOそのものの会員になる道はあるのかということを先方と議論しました。そこからいろんな議論が繋がってきておりますが、今回、いよいよスタートするということで、大いに期待しております。

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