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知事記者会見録(令和5年7月7日)

記事ID:0308436 2023年7月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年7月7日(金曜日)15時00分

​司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。

知事
 最初に、来週からの海外出張ですが、台湾・シンガポール・マレーシアにおける「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」の推進でございます。12日(水曜日)から18日(火曜日)まで3カ国・地域を回ってまいります。海外でのトップセールスは新型コロナでずっと途絶えており、直近では令和元年9月と、ざっと4年近く海外に行くことがありませんでした。今年度に入って、4月末に水際対策も終わりましたし、5月には(新型コロナウイルス感染症の)5類への移行、さらには円安という追い風もあり、インバウンドは着実に戻ってきております。この機会を捉えて、改めて、いわば海外戦略プロジェクトの第2ラウンドということで、岐阜ブランドのキャンペーンを行い、輸出やインバウンドのV字回復を図っていきたいということでございます。同時に、観光の世界では、世界的にも非常に「サステイナブル」が重要視されており、いろいろとアピールしていく中で、その辺りの観光に対する各国の考え方の変化なども感じ取ることができれば、それは1つの大事なことと思っております。
 まず訪れる台湾は非常に親日で、コロナ前は、岐阜県へ多くお出でになっておりまして、2019年には年間17万7千人の方が台湾から岐阜県に宿泊されていました。宿泊者数は岐阜県にとって(中国に次ぐ)2番目です。この間、オンラインで台湾の関係者といろいろとやり取りをしてきましたし、様々な博覧会などに参加してきました。今回、台湾交通部の観光局長、あるいは、台湾観光協会、こちらは会長がおられませんので、次席の秘書長と面談し、対面で意見交換・情報交換をしたいと思っております。お配りした資料のスケジュールをご覧いただければと思いますが、現地の旅行会社向けの商談会がございまして、これは富山県、長野県と3県連携で開催するキャンペーンです。
 毛色の変わったところでは、台湾に「楽天モンキーズ」というプロ野球チームがありまして、これは、日本の楽天の関連会社ですが、この球団が、岐阜DAYと称して、9月の試合の時に、来られたお客さんに対して、岐阜のキャンペーンをやっていただくことになっており、岐阜DAYキャンペーンの事前告知として、球団代表とご一緒に記者会見をやろうと思っております。
 それから、ステーキハウスで様々なレストランの関係者やメディア関係者などにお越しいただいて、飛騨牛のPRイベントを予定しております。それから、台湾で陶磁器や木工製品を扱っておられるセレクトショップの「治器(ドツワ)」で、岐阜フェアをやっていただきますので、そのオープンイベントに参加します。また、このお店は、いわば岐阜のモノづくりについてのアンテナショップとして、今後交流をしていければと考えており、アンテナショップ化についての意見交換もしたいと思っています。ちなみに、岐阜県のグローバル・アンテナ・ショップは、現在世界8カ国・地域で14店舗あり、今回合意できれば15店舗目となります。
 その後訪問する、シンガポールとマレーシアは、共に平成26年に訪問して以来、9年ぶりのトップセールスで、シンガポールは5回目、マレーシアは3回目の訪問になります。岐阜県にとって、この両国は海外戦略プロジェクトのいわば原点でもございますし、多くの方々に本県への観光交流にご協力いただいておりますので、改めて今回、参上しようということであります。
 シンガポールは、昨年のデータでは、岐阜県にとって(タイに次ぐ)2番目にお客さんが多かったところでございます。したがって、訪日旅行会社の代表の方々とも旧交を温めながら、今後の展開について意見交換させていただく予定です。それから、本県にとっての、グローバル・アンテナ・ショップであります、「supermama(スーパーママ)」と「atomi(アトミ)」の2店舗において、岐阜県産品フェアを開催します。
 それから、マレーシアのクアラルンプールでは、大手販売店「ドン・ドン・ドンキ ロット10」と、飛騨牛海外推奨店の認定式及び飛騨牛フェアを行うことにしています。海外の飛騨牛推奨店はこれまで12カ国・地域で64店舗ございますが、これで65店舗目になります。この推奨店とは、年間50kg以上の飛騨牛を取扱い、メインメニューに飛騨牛を載せ、かつ、そのレストランのクオリティが非常に高いということで認定しています。それから、5つ星ホテル内にある高級日本食レストラン「勘八(かんぱち)」で、岐阜鮎海外推奨店の認定式を行います。マレーシアでは初の岐阜鮎海外推奨店でして、その前に、タイの和食店で認定していますので、世界では2店舗目となります。
 その他大手の訪日旅行会社、県産品取扱店を訪問することになっていますが、県産品フェアの実施に向けた意見交換なども行おうと思っております。ざっと1週間でございますが、久しぶりに行ってまいります。

 2番目が「大関ケ原2023」です。関ケ原について、岐阜県では、現地で平成27年から様々なイベントを開催しており、令和2、3年はコロナで中止しましたが、昨年再開し、今年はいよいよ本格的な大関ケ原祭ということでございます。岐阜県と関ケ原町が一体となって、関ケ原古戦場の魅力を発信するための各種イベントを行うということです。9月9日には、オープニングということで、関ケ原ナイト2023を開催し、石田三成の陣がありました、笹尾山の麓に特設ステージを設け、竹下景子さんの朗読、声楽家の方々のオペラやアリアの斉唱、そして、関ケ原の戦いのパフォーマンス等々も行い、最後に鎮魂の花火ということで3千発の花火が古戦場の夜空を彩ります。このステージの観覧にはチケット購入が必要で、来週7月12日から販売を開始することにしております。
 そのほか、のろし上げの再現、陣跡を巡るウォーキング、歴史家や研究者による関ケ原についての講演・対談や、「東西対抗 花いけバトル」、「東西人間将棋」など様々なイベントを、県と町が一体となって繰り広げ、いわば関ケ原を核とした武将観光推進のコアとなる行事でございます。昨年は、この大関ケ原祭に8万人の方がお出でになりました。今年はそれを超える方々を期待しているところです。

 3番目が「ぎふSDGs推進パートナー登録制度」の開始でございます。SDGsの推進については、いろいろやっておりますが、今回、「ぎふSDGs推進パートナー登録制度」を創設し、週明けの7月10日から募集を開始したいと思っています。積極的にSDGsに取り組んでおられる事業者を登録して、様々な形でその活動をアピールし、支援していく試みでございます。このために、ロゴマークとしては、清流の国ぎふのSDGsということで、森の国としての葉、清流の国としての雫や青色、そしてSDGsは17のテーマがありますので、17のテーマを10枚の葉や雫に色とりどりに連ねた、このようなロゴマークを用いてキャンペーンを積極的に行います。事業者の方々のSDGsの取組みをさらに促していこうということでございます。

 それから、お手元にコロナの数字をお配りしております、今日現在の最新のデータでございますが、この表に沿って申し上げます。最初の1定点当たりの陽性者数については、青と黒の折れ線グラフがありますが、黒い折れ線グラフは国が指定する約1割の定点観測医療機関のデータで、1週間に1回、1週間分をまとめて合計値を発表するものです。これは大手の病院が多いので、絶対値としては高く出るわけですが、大事なのはトレンドです。その下の青い線は、岐阜県のリアルタイム感染症サーベイランスのデータで、これは岐阜県の医療機関の約55%の医療機関が毎日データを登録していただいているものです。毎日その日から遡って1週間の合計値を出しており、よりリアルタイムな数値です。今日7月7日の最新データは、国の方の定点観測は6月26日から7月2日までの合計値のみですが、私どものリアルタイム感染症サーベイランスは、日々出しておりまして、最新の7月6日の数字まで出ております。トレンドとして見てみますと、だいたい同じような動きをしていますが、ほぼ1週間先にデータを取っている私ども(の岐阜県のリアルタイム感染症サーベイランスのデータ)を見ますと、この1週間の伸びが大変大きいです。ずっと一貫して伸びてきていますが、ここにきて伸びがさらに高まったという感じがしています。1週間前の5.73人と比べ、約3割増の7.61人ということで、来週金曜日に発表される、国の定点観測も、これに沿って、多分右肩上がりになってくるのではと思いますが、ほぼ1週間のズレで、これまでのところ同じような動きを辿っています。
 2ページ目(の1日あたり新規陽性者数(1週間平均)の推移)は、5月8日以降、推計値を用いて算出しておりますが、これは55%の医療機関の数字が出ているため、割り返して、トータルでどうなっているかを算出したものです。これを1日あたりの新規陽性者数の1週間平均でそれぞれの日、例えば、7月6日の914.3人というのは、7月6日も含めた1週間の平均値になります。4月1日の126.6人、5類に移行する211.4人から、今914.3人ですので、5類移行直後と比べて4倍以上、感染者数が増えてきているということが如実に分かるわけです。
 これを日々のカレンダーで見ますと、次のページ(の新型コロナウイルス陽性患者発生状況(推計値))ですが、このところ1日当たり1,000人を超える日が何日か出ています。統計上、月曜日は、前日の日曜日に休診の医療機関が多いため少し落ち込みますが、その分、火曜日にどんと膨れ上がるという傾向があります。それにしても、先週の火曜、特に今週の火曜は1,500人を超えています。その後も水曜、木曜と1,000人を越え、本日も827人です。対前週比の欄をご覧いただきますと、5月のゴールデンウイークの結果が、2週目にどんと出て、1.57と急増し、その後、0.88が1回ありますが、それ以外は着実に増えており、なお今も増勢が続いているという状況でございます。
 圏域別に見てみますと、次の4ページ(の圏域別陽性者の推移)ですが、中濃圏域が非常に高く、かつて観光客の急増で、非常に高かった飛騨地域がここのところ落ち着いてきています。
 それから、年代別に分析しますと、やはり若者のウエイトが高くなっています。人口比の数字と、6月26日から7月6日の年代別陽性者の数字と比べていただくと、例えば10代の感染者は人口比では9.3%ですが、感染者の比率では21.7%ということで、大幅にこの世代が増えていることが見てとれるかと思います。
 それから、病床使用率ですが、私どもはできる限り病床を確保するよう努力していますが、そういう中で、このところ、12、3%、多い時で14%と、ほぼ横ばいで推移しております。ただ、5月8日の7.5%と比べると、1.7倍です。レベル1から2に移行するのが30%ですので、次のレベルまでにはまだ余裕があります。それから、重症者数はこのところずっと0人が続いているということです。
 それから、最近、私宛のメール等で変異株がどうなっているのかを、県としてオープンにしてもらいたいという声がありまして、私どももサンプル調査ではありますが、できる限りゲノム解析をコンスタントにやってきております。それによりますと、4月中はオミクロン株の中でも、BA.5の系統が中心でしたが、5月に入りまして、同じオミクロン株ですが、XBB系統への置き換わりが進んでおり、現在、県内で検出されるウイルスのほとんどがXBB系統と、オミクロン株の中での置き換わりが進んだということでございます。それからXBB系統のうち、特にアメリカで感染拡大がみられた、XBB.1.5系統、ヨーロッパでみられたXBB.1.9.1、それからインドや東南アジアでよく見られているXBB.1.16のそれぞれありますが、特にどれが多数ということはなく、様々なXBBの感染がみられます。このように、単一の株だけが急増するという状況でなく、オミクロン株の中のXBB系統がそれぞれに増えてきているということでございます。いずれの株も感染性はこれまでのオミクロン株とほぼ同様とされており、現時点で病原性が高まっているということはないのではないかということでございます。ただ、着実に右肩上がりで陽性者数が増えてきておりますので、私どもとしては、来週火曜日に久し振りに専門家会議を開き、現在の感染動向について、いろいろと分析し、ご議論いただこうと考えております。そして、多分何らかの形で、今月後半から8月にかけて、仮にフェーズ2でなくても、夏休みシーズンに向けてのメッセージを出すべきではないかと思っております。なお、昨日、感染症法に基づく(感染症対策連携)協議会がスタートしましたが、この協議会は、新たな感染症に備えて体制を構築するという法律の構えになっています。予防計画を作る、様々な病床なりの数値目標を設定する、そして、それを実行するために、医療機関と岐阜県が協定を結ぶという体系になっております。それについては体制構築として、粛々と進めていきますが、このような日々のいろんな動きについての分析なり、様々な立場からのご意見は、専門家会議で経済界や教育界からご意見を伺って、スピーディーにやっていきたいと思っております。私の方からの報告は以上であります。

記者
 夏休みにあたってメッセージを出すか検討するという話がありました。現在、感染者数は増えていますが、レベル2相当ではないというところです。現時点で、メッセージではどういうことを呼びかけたいとか、どういったところを改めて注意喚起したいと考えているのか教えてください。

知事
 そこは、もう少し感染者数の増え方の中身を分析し、どういったことに注意していただくべきか議論を深めたうえでメッセージを出したいと思います。従来から申し上げている、基本的な感染予防のための所作はもちろんですが、今回の増え方についての実態を踏まえて、専門家の方々とも議論して煮詰めたいと思っています。

記者
 今週、文部科学省がチャットGPT等の生成AIについての指針を全国の教育委員会に通知しましたが、チャットGPTの教育現場での活用についてどのようにお考えでしょうか。また、チャットGPTを限定的であっても活用していくにあたって、小中高の先生方にチャットGPTを理解してもらう必要があると思いますが、それに向けて県教育委員会や県として教員向けにこういうことをやりますとか、例えば小学校でのモデル校なり授業をやりますなどといった対応をとられる予定はありますか。

知事
 ガイドラインをいただいたばかりのタイミングですので、県の教育委員会の方では、とりあえずはこのガイドラインを県内の各学校に周知するということで通知をしていただいたところです。これを見ながら、各学校と教育委員会と私どもで、どのようにこれから実践例を積み上げていくかという検討に入るわけです。このガイドラインも非常に慎重に書かれておりまして、そもそもタイトルが「暫定的ガイドライン」ですし、「方向性」といい、「限定的な利用から始め」や、「パイロット的な取組み」、「成果・課題を検証してから議論してください」のほか、そもそも「情報活用能力をしっかりしないといけない」、「教師のリテラシー向上も合わせてやりましょう」、「生成AI活用の適否については暫定的に考え方をお出しして、本当に効果的かどうかを判断しなさい」などと書かれています。このガイドラインが出たから具体的な動きが出てくるというよりは、とにかくいろんな角度から慎重に、一気呵成ではなく、いろんな角度から研究、検討しなさいという趣旨です。一方でチャットGPTの可能性についてもいろいろと注目されるところではありますが、他方で、この正確性や信頼性、個人情報や著作権の問題など、いろいろ言われており、それらを一つひとつ議論しながらということであります。県庁の中でも若手の勉強会をやりながら、先日、少しレベルを上げ、庁内連絡会議を設けまして、庁内行政実務にどういった形でチャットGPTの活用があり得るのかについて、非常に慎重に議論しているところです。使いこなすことが大事であって、使われてはいけないので、その辺りは、まさにガイドラインにも言っているように、方向性をよく見極めながら、徐々にやっていくということで、まさにこれから具体的な議論を始めたいというところであります。

記者
 マイナンバーカードのトラブルについて、昨日の全国知事会(による国への要請活動の中)で総点検(の期限)を11月まで遅らせる可能性があるという話もありました。各自治体での点検作業もあると思いますが、県としてはマイナンバーカードの総点検にどのように関わっていくのでしょか。また、11月頃までという話もありますが、そのスケジュール感についてどのようにお考えでしょうか。

知事
 まず、このマイナンバーカードの総点検については、2段ロケットになっているわけです。まず第1段階は、そもそもマイナンバーカードに紐づけをする時にどのようにやっているかというお尋ねがあり、そのお尋ねに答えるというのが一つです。そのお尋ねに答えると、今度はデジタル庁、あるいは、各所管官庁が眺めて、それならこの分野とこの分野は全てのデータについて総点検しなさいと、総点検する分野が確定するわけです。そしてその指示がきたところで、そのテーマについてはとにかく洗いざらい間違いがないか確認して、間違っていれば訂正し、同時に再発防止策も考えるということです。まず今行われている手法が、そもそもどの程度のものかという瀬踏みをするための点検と、「これは危ない」と判断した時に、全てを洗いざらい調べましょうという点検と2段階あるわけです。しかも紐づけしているテーマがいろいろあり、それぞれの担当の責任省庁があるわけですので、そのテーマに応じて、このようにチェックをしなさい、こういう手順でやりなさいと指示が来ることになっています。
 今日現在でそのような指示が来ているものの一つは、障害者手帳です。これに関しては具体的な段取りを既に示していただいており、これは県の事務ですので、県としていただいた手順に沿ってやっていくということで、スケジュールを立てながら今やっている状況です。
 それから、健康保険については、地方共済の保険なら地方職員共済組合とか、国民健康保険なら市町村といったように保険者がいますので、保険者に対してこういうチェックをしなさいということが来ており、これも指示に沿って作業していくということです。保険の方は一部、第2ラウンドに入っておりまして、第1ラウンドを終えて第2ラウンドの個別点検に入っているという状況です。
 ところが、29項目や何項目と、いろいろな数字が出ていますが、紐づけの対象となっているものがたくさんあります。そして、それぞれについてとにかく早く手順を教えてくださいと、地方が言っているわけですが、先程連絡があり、厚生労働省の所管部分については、今日中に手順とスケジュールを出しますということです。それから来週12日(水曜日)に、その他の省庁所管のテーマについても同じように出しますというように言われております。それが出てきたところで、その実務に関してどのくらいのボリュームで、どんなスケジュールで、事務的にどう対応していくかについて、県の事務に関わるものは県自らが、市町村の事務に関わるものは市町村がそれぞれやらないといけません。
 実は、今日の午前中に、市町村に対して、この現状についてどのように考えているかということを申し上げました。とにかく手順は分からないし、スケジュールは分からない、それからどの程度コストがかかるのか、マンパワーは大丈夫かなど、およそ検討がつかないので非常に心配であると、とにかくできるだけ早く全体の姿を教えてほしいということでした。それから、手に負えればそれはよいですが、たまたま所定の機関ではできない場合もあり得るわけですし、あるいは非常にコストがかかるとか、そういったことについての手当てをどうしてもらえるのか、そこも含めてきちんと国の方に言いたいという意見が、ほぼ共通でありました。私どもとしては市町村ともよく連絡を取りながら、国に対しては必要なことを言っていこうと思っております。
 ただ、私どもとして申し上げているのは、準備作業は早くやった方が良いということです。準備作業とは、あるテーマについて、どのくらいのボリュームのものがあるかということで、例えば「特別支援学校への就学に必要な経費の支弁事務」というのがあるとすると、その項目というのは一体、どのくらいの数になるのか。1万件なのか、百件なのか、千件なのかで全然違います。言われている29の大きなテーマの中をさらに行政事務としてある程度細分化して、それぞれについてどの程度のボリュームかについても、一応下調べはしておいた方が良いということで、県としてはかなり下調べを進めております。市町村にもそういう下調べをしながら向こうから出てきたフレームに当てはめて、さてどうかということです。従って、今日出てくるであろう厚生労働省の分と、それから来週出てくるであろう他省庁の分が出てきたところで、ようやく全体像が分かるというところに来ます。仮に拙速にやって、また何かあれば、これは本当に何のことか分からない話になってしまいますので、丁寧に詰めていく必要があります。そういった丁寧な詰めの作業をするとともに、再発防止策も含めてきちんとやっていくということです。
 それから、いずれにしてもどこかで人手がいるわけですから、ヒューマンエラーをどのように考えるのか。いろんなことを考えていかないといけないので、そこをきちんと詰めながら国に所定のスケジュールの中で報告していくということです。ちなみに、先程の障害者手帳の方は、国から言われたスケジュールの中でこなしていけるのではないかと思っております。

記者
 
新型コロナウイルスの関係で、資料の4ページ「圏域別陽性者の推移」について、6月下旬から飛騨圏域が下がり、全体的には上がっていますが、特に中濃圏域が上がっていることについて、県としてどのような分析をしているか教えてください。

知事
 
これは正直に申し上げまして、私も同じ疑問を持っています。中濃圏域のどこに何があるのかということで、例えば特定の病院で大きなクラスターが出たとか、何か特筆すべき出来事があって伸びているのかという問いを発していますが、今のところ現場からの返事としては、何か特定のとこに偏って大きな数字になっているわけではなく、全体的にとにかく増えてきている状況ということです。ただ、それだけでは前に進みませんので、さらに詰めていきたいと思います。今日現在で言うと、飛騨の方で言われているような説明のようには、まだ明らかになっていないような状況です。

記者
 現段階では原因は不明ということでしょうか。

知事
 全体が増えているとしか言いようがないというのが、現場からの答えです。

記者
 
昨日夕方の専門家の方が集まった会議の中で、中濃圏域の病院の方が、美濃加茂市と可児市が特に増えているという話がありましたが、そこのところはまだ分析されていないということでしょうか。

知事
 
来週の専門家会議に向けてやろうと思っていますが、例えば美濃加茂市と可児市といわれると、かつてコロナの第3波、4波、5波を議論したときに、外国人の方々のクラスターが非常に目立ったわけです。今回は、データを以前とは同じように取ってはいませんので、限られたデータなり限られた観点からの分析になるわけですが、今の2つの市の流れを見ますと、その部分を少し掘り下げてみるかという感じがします。

記者
 
今回、飛騨牛のPRを台湾とマレーシアで行われるのですが、海外で飛騨牛をPRするのは、どういう客層にどんな飲食店にPRするのか詳しく教えてください。

知事
 いろいろなパターンがありますが、例えば、クオリティの高い地域・都市で著名なレストランにその国の著名なシェフに集まっていただいて、飛騨牛を目の前で捌いて、目の前で料理して、シェフやレストランのオーナーに目と舌で飛騨牛を感じていただいており、一般消費者ではなく、そういう人たちに対するキャンペーンを行います。その土地その土地で、ステーキでもいろいろなソースがあるので、シェフによっては、その土地に合った調理をしたり、この飛騨牛の柔らかさとサシは自国にはないので、今までにない新しい調理法をやってみましたというような実験もします。そういったことをやりながら、理解を深めていき、場合によっては、そこで商談になっていくこともありますが、そういうアプローチもあります。
 また、インフルエンスの大きい著名人に集まっていただいて、あるいは料理の専門家、さらに、食材や料理に関するメディア、新聞、雑誌、放送分野の方々に集まっていただいて、試食をして意見交換をします。JAからも行っていただきますので、そういう方々を対象とすることもあります。飛騨牛は超高価なハイブランドの肉ということで売り出しており、安い値段では売りません。そのため、トップクラスのレストランを使われるであろう方々、そういうところでアピールできる方々をいろんな形で選んで集まってもらうこともあります。
 場所によっては、料理学校で生徒を集めて、先生が目の前で飛騨牛を調理して、皆で食べながらディスカッションをするというケースもあります。あるいは、大使の公邸で、日本大使がお目にかかる方々、政府の閣僚や経済界のトップの方、地域の有力者の方々にご夫婦連れで来ていただいて、パーティ、レセプションをやって食べていただくということもあります。極端なケースとしては、かつてフィリピンで実施したときは、大統領以外の政府の要人がすべて集まりました。一人200gのつもりで試食いただきましたら、30分で全部消化しました。こんな美味しい肉は食べたことがないと。遅れてきた人は看板だけです。また別途考えましょうということになりましたが、そういう極端なケースもありました。
 それから、ベトナムでやったときは、在日ベトナム大使、ベトナム政府のご配慮で、ベトナム政府の迎賓館で、肉を焼いたり鮎を焼いたりしました。迎賓館に、政府として要人を集めてもらってやったこともあります。今回はそこまで手の込んだことはしませんが、レストランのやり方にある程度任せながら、そのレストランのレベルでやるというのが基本です。

記者
 自衛隊訓練生の銃撃事件に関して、発生から間もなく1か月になります。発生から初の会見になるかと思いますが、発生から今日まで、事件とその捜査に関しての知事として所感があれば教えてください。また、それに関して、容疑者が銃弾を基地の外部に持ち出したかったとの供述を捜査当局にしていることが明らかになっています。県民の安全安心を守るために、県として何か自衛隊に求めていきたいことがあれば教えてください。

知事
 
この話はまだ明らかでないことがたくさんありますし、正直、想像を絶するような出来事であり、今この時点で私の方からのコメントは差し控えたいと思います。いずれにせよ、状況や原因も含めて明らかになっていく中で、県として取るべき対策が議論できるのでないかと思いますが、現時点ではコメントは控えたいと思います。

記者
 その事件と関連して、こうした事件が起きると、若い人で自衛隊に入りたいという人が辞めて、志願者が減るという懸念についてはどうお感じですか。

知事
 自衛隊もそうですし、いろんな組織、企業、事業体ではまさに人手不足の時代ですし、どうやって職場の魅力をアピールして来ていただけるのか、また、来ていただいた上は、やりがい生きがいを持って活躍してもらえるのか。人手を確保して、しっかり育てて、活躍してもらうというのは大きな課題になっているわけで、自衛隊も例外ではありません。そういう意味で、こういう事件が起きたというのは、自衛隊にとっても、日本国全体にとっても、残念なことと思っています。これについて、状況がもう少し明らかになったところで、人をどう組織の中で育てていくのか、どのようにリクルートしていくのか、そういうことについてそれぞれに議論していくのかと思います。

記者
 
海外戦略について、インバウンドをさらにPRしていくということでは、岐阜県の場合、美濃、飛騨地域でいくと、インバウンドは飛騨地域が主流になっていると思います。美濃地域において、魅力的な地域にしていくための取り組みとして求められることについて教えてください。

知事
 
東南アジアの方々における大きな関心の一つは「雪」です。雪を知らない人が多く、雪景色やスキーに対する憧れがすごくありまして、それをどう演出していくかがあります。また、日本と言えば「侍の国」ですから、武将観光、戦国観光、お城も含めて、歴史、文化、それから城郭、戦いの跡、そういったことを戦国観光という格好でパッケージとしてお見せするなど、彼らの地域に無いもので、しかも今まで一般に言われている日本にもう一つ深みのある、本物の日本に近づくというようなことに皆さん関心を持たれます。岐阜には地域資源がたくさんありますので、いろんなカードを出しながら、どこにその商談が向いていくのかを分析しながらやっていくということも必要です。
 今回は時間が無いですが、かつてやったのは、当該国のミスインターナショナルの代表に岐阜に来てもらい、10日間なり、いろんなところで過ごしてもらって、ご本人が気に入るような形で映像を作って、その国のミスインターナショナルに岐阜を語っていただきました。それから、ダイアナ王妃をはじめ、イギリス王室の衣装のデザインをやっているインドネシアの有名なデザイナーがいて、この方のアトリエを訪問していろいろ意見交換して、岐阜に来てもらったことがあります。その国を代表するデザイナーから見た岐阜ということで、彼がデザインを提供しているインドネシアのトップクラスの方々をお招きして、彼らが見た岐阜の見どころを紹介していただきました。岐阜県人が見た岐阜だけではなしに、現地のいろいろな立場の人が見た岐阜をアピールしながら、どういうところに皆さんが惹かれていくのかを積み上げていくのが、最終的に商談に繋がるということでやっています。そういう流れをもう一回、呼び戻していくためのキャンペーンということです。私の念頭にある、雪と侍は分かりやすいコンセプトですが、まだまだ、食材、それこそ飛騨牛もあります。それから、「郡郷」ということを言われる方もあります。これは郡上と白川郷のパッケージツアーで、これは我々が作ったものではなく、現地の人が作られたものです。このようにいろいろとありますので、そういうやり取りをしながら進めていきます。

記者
 
輸出の関係で、飛騨牛が堅調に推移している中、さらに増やしていくためには、県産品の生産体制が重要となりますが、知事として生産業者の方々へのお願いではないですが、改めて生産体制を増やしていくための施策はいかがでしょうか。

知事
 
輸出については、まずは品物をどう評価してもらうのか。そして、評価されたとして、どういう流通経路で持って行くのか。それから、どういう形で、相手国の輸入通関をクリアしていくのか、さらに、そのための手続きや基準がいろいろあり、それを乗り越えていかなければならないなど、たくさん課題があります。それを一つひとつ潰していくということですが、私自身のキャンペーンは、まず現地に行って、その品物の魅力を感じ取ってもらう。私一人で行くわけではなく、その品物を生産している方も一緒に行って、手ごたえを感じ取っていただく。次にそれを個別のレストランやアンテナショップをやりながら、一方で、旅行博や食の博覧会など、さまざまなエキシビション、展示会に岐阜県として参加する。手ごたえが見えるものもありますし、そこに生産者も参加していただく。そこでこれはいけるとなったら、今度は生産者、流通業者自ら商談を取っていただく。私は商談をする当事者ではありませんので、きっかけは私どもが作りますが、そこから先は自ら切り開いていくということです。行ってみて、岐阜県の産品が高く評価されているということで、徐々に、一緒にきっかけづくりということで私のキャンペーンに参加していこうという人もいますし、私自身がいろいろな事をやって動いていますので、自分に必要な所だけ参加して、あとは自分自身で勝手に動いて商談を取るという方もおられます。そういう意味では、それぞれがそれぞれの立場でやっていくことになります。生産についても、急速に売れていけば、もちろんネックになっていくので、品揃えができないと言ったらおしまいですから、生産体制を増していくためのスマート農業や人材育成などいろんな面で行政的なお手伝いはやってきています。

記者
 マイナンバーカードの相次ぐトラブルを受けて、まずは、このトラブルに対するお考えと、このような不安がある中、来年秋に保険証と一体化するという指針が示されましたが、それに対する考えをお聞かせください。

知事
 新しい制度やシステムを社会全体に行き渡らせて移行するという、壮大なインパクトの大きい案件だと思います。したがって、そのようなものを作るときには、事前のいろんな角度からの点検、試行などいろんなことをやりながらジワジワと作り上げていくということが重要です。一般的には、土台からきちっと積み上げ、これでいけるとなったら、実際の運用に行くことが大事だと思いますが、そういう流れからして、今回、いろんなことが起こった結果、総点検ということで、もう1回見直そうとなっているわけです。再び同じことが起こらないように、どこにどのような問題があったかを、この際、徹底的に洗い出していただいて、これならいけると確信を持てる状態で、国民の皆様が安心して活用できるようなしっかりとした信頼、確信を持てる状況で再スタートするということが重要で、スケジュールありきでは必ずしもないのではないかと思います。ただ、今までそれなりに進めてきたことですし、ゆっくりのんびりやればいい話でもなく、急速にデジタル化が進む中で1つずつ、カード化をして、いろんな便宜や認証などを進めていく上で、乗り越えなければいけない重要なテーマであり、迅速かつ丁寧に進めていただきたいと思います。先ほど申し上げましたが、私どもも、私どもなりに、予めある程度の準備をしておいて、国から手順が示されたら、直ちに反応できるようにして、そして、言うべきことはどんどん言っていくと。しかもこれは各論ですから、具体的にどこができて、どこができないのか、ヒューマンエラーなのか、システムエラーなのか、そこは我々も現場にいる人間もこぞって議論に参加をして、積極的に提案、意見を言っていくことも大事ではないかと思います。

記者
 今年度に入って、県内の2つの自治体で、町長がセクハラで町の職員の方から訴えられたという問題が相次いでいます。同じ首長として、知事がセクハラ、パワハラ問題に対して、報道をどうお感じになられたのかということと、セクハラ、パワハラに対してどのような思いがあるのかお聞かせください。また、県として、注意喚起などを、県内の自治体に行っていく予定等あれば教えてください。

知事
 いろんな角度からご質問いただきましたが、セクハラはセクハラであり、あってはいけないということは明らかです。何かをするというより、あってはいけないという一語に尽きるのではないでしょうか。

記者
 
特に、注意喚起などを行われる予定はございますか。

知事
 それぞれに選ばれて、仕事をするわけですから、コメントをするまでもないお話だと思います。

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