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知事記者会見録(令和5年6月6日)

※知事、一般社団法人岐阜県水泳連盟加藤会長及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年6月6日(火曜日)15時00分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。まず発表項目の一つ目として、「RIE KANETO Memorial Cup 2023~ 岐阜から全国へ。そして世界へ!~の開催」について発表させていただきます。本日は、本大会の主催者である一般社団法人 岐阜県水泳連盟 加藤哲久会長にもご出席いただいております。
 進行について、まず加藤会長から本大会の概要等についてご発言いただいたのち、知事からの発言、質疑応答、最後に写真撮影という流れで進めさせていただきます。それでは、はじめに加藤会長から本大会の概要についてご説明いただきます。

加藤会長
 一般社団法人岐阜県水泳連盟会長の加藤と申します。この度は、お時間をいただき、感謝申し上げます。お手元に配布いたしました県と連名の資料のとおり、令和5年7月30日に、2016年リオデジャネイロオリンピック女子200m平泳ぎ金メダリストの金藤理絵さんをお迎えし、「RIE KANETO Memorial Cup 2023~岐阜から全国へ。そして世界へ!~」を、長良川スイミングプラザで開催いたします。岐阜県水泳連盟では、競泳の普及を図るとともに、ぎふ清流国体以降、低迷していた競泳選手の育成・強化につながる取組みを検討していたところ、岐阜県から共催という形でご協力をいただくことで、本大会の実現に至りました。ご協力いただいた古田知事には、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
 本大会は、ジュニアからシニアまでが幅広く参加できるものとするため、既存の全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水泳競技大会岐阜県予選会と岐阜県社会人選手権水泳競技大会を統合して開催いたします。大会では、ジュニア選手は21種の競技種目、社会人選手は13種の競技種目に参加し、ジュニアオリンピックについては、全国の舞台を目指すものであります。今回、金藤理絵さんには、本大会の名誉会長を務めていただくほか、各選手への記録証の交付や表彰におけるプレゼンターを行っていただく予定であります。オリンピアンと触れ合える数少ない大会であるため、選手の皆様には是非、積極的にエントリーしていただき、高みを目指すと共に大会を楽しんでもらいたいと思っております。
 なお、本大会の翌日、7月31日、月曜日には、長良川スイミングプラザの屋内プールにおいて、ジュニア選手を対象とした金藤理絵さんによる水泳教室の開催を予定しております。詳細は、決まり次第お知らせします。

司会
 ありがとうございました。続きまして、知事、お願いいたします。

知事
 加藤会長におかれましては、今大会の開催にあたり大変ご尽力いただき、心から御礼申し上げます。この大会の意義については、お話のあったとおりでして、県としても応援、後押しをしていこうということであります。金藤さんは、岐阜県体育協会に所属され、かつ、「ぎふ瑞穂スポーツガーデン」に所属されてトレーニングを重ねられました。そして、見事、2016年にリオデジャネイロ五輪で金メダルをお取りになりました。その後、私どもとしては、県民栄誉大賞をお贈りして、金藤さんにはいろんな意味でアスリートの育成やその他水泳競技の振興にご尽力いただいているところであります。そのような中で、金藤さんの活躍を称えると同時に、将来のアスリートの育成ということで、何かメモリアル、記念となる大会を考えていました。令和3年、2021年は、ちょうど5年の節目の年でしたが、コロナのため少し様子を見ていたところ、今回5類に移行して、コロナについても一つの節目を迎えたということで、県水泳連盟及びご本人にも相談し、この大会の実現に至ったものでございます。とちぎ国体や日本選手権では、今井月選手が大活躍をされ、パリを目指して、この夏には福岡の世界選手権にも日本代表としてお出になられます。彼女を先頭に岐阜県の水泳界が非常に盛り上がってきており、新しいメモリアル大会はさらにその後押しになるのではないかと思っております。それから、金藤さんには大変恐縮なのですが、メモリアルカップでいろいろと役割を果たしていただいた後、翌日は水泳教室を午前、午後と行っていただいて、さらにその翌日は県庁ミナモホールで講演会を予定しています。講演会では、彼女の水泳に対する思いやご経験などを語っていただこうということで、プログラムを計画しておりまして、これも固まったところでお伝えしたいと思っています。7月30日、31日、8月1日の3日間は金藤DAYSということで、岐阜県の水泳を盛り上げていきたいと思っております。お手元のカラーの資料にありますが、金藤さんから、メモリアルカップへの思いやジュニア選手へのメッセージなどの文章をお寄せいただきまして、彼女の気持ちがここに明確に書かれておりますので、ご覧いただければと思います。私からは以上でございます。

記者
 加藤会長に伺いたいのですが、今回、ジュニアの大会と社会人の大会を統合して行うとのことですが、そのメリットと、今まで県内ではそのような大会は行われていたかを教えてください。

加藤会長
 コロナ前は、ジュニアオリンピックに出る選手と、社会人の大会を別々に開催していました。今回、古田知事の方から金藤さんを冠にした大会を開催したいとのお話を頂き、せっかく金メダリストがいるのであれば、子供だけでなく大人もふれあえる大会にしたいということで、大変ありがたい話だとお受けしました。メリットとしては、金メダリストを見て、そのような中で表彰していただくなど、ふれあえることはすごくありがたく、選手たちもすごく嬉しいのではないかと思っています。

記者
 今のお答えに関連して、古田知事にお伺いします。古田知事の方から、金藤さんを冠にした大会についてお話されたということでしたが、そのお話をされた意図を教えてください。

知事
 マラソンの高橋尚子さんを顕彰するということで、「高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン」を開催していますが、これも高橋さんがシドニーオリンピックで金メダルを取られ、それから、5,6年が経ち、現役を引退されたところで、岐阜県で彼女の活躍と今後のスポーツ界の振興、地域の活性化ということで、マラソンで高橋尚子杯をやりたいと実施したものです。これがある意味では風物詩として定着しておりますし、今回はシドニーとの姉妹レースということで、世界的にも広がりを持った大会となっています。この第二弾ということで、一つの節目のところで、金藤さんにお願いして、メモリアルレースとして開催するものです。金藤さんが金メダルを取った直後からやりたいと思っていましたが、ちょうどコロナも一段落したところでして、頃合いかということで開催させていただきました。

記者
 知事の中では、高橋尚子杯のように風物詩ではないですが、今年だけの開催でなく、それ以降も続けていきたいという思いはあるのでしょうか。

知事
 もちろん1回きりではなしに、継続してやることが大事だと思っております。
 もう1つは個人的な体験ですが、ちょうど私自身が川で泳ぎを覚えた世代でして、川で泳ぎを覚えたころの昭和30年代中頃から、岐阜県内の小中学校にプールが次々と出来ました。そのころ、岐阜県内でプール開きをやるときは、必ず1人の女性が登場しまして、模範水泳が行われました。子供心に、彼女はどんな人だろうと思ったわけですが、親の世代は興奮のるつぼでして、彼女が泳ぎ始めると、プール内にスピーカーで、ベルリン五輪のNHKの実況中継「前畑頑張れ、頑張れ、勝った、勝った」という放送がずっと流れ、その中でゆったりと泳いでいかれる。これが金メダルなんだと非常に感激した記憶があり、私どもの世代は、どこの学校でもプール開きと言えば、当時岐阜に住んでみえた、前畑秀子さん、当時、兵藤秀子さんに泳いでいただくことが一つの出来事として、みんなが感激したという、個人的な体験もありました。是非そういう感激を多くの子供たちにも体験してもらうのがいいのではないかという思いも個人的にはあります。

記者
 加藤会長にお伺いします。金藤さんが来てくださり、金藤杯もできるようですが、競技人口を増やしたいなど、どのような期待をお持ちでしょうか。

加藤会長
 金藤さんが金メダルを取った時は、日本中が感動しました。金藤さん自身は岐阜国体の時に成年女子平泳ぎが5位で、(ロンドン)オリンピックの選考会も落ちました。そこから這い上がって、リオデジャネイロ五輪で金メダルを取られました。努力という言葉が通じないくらい頑張ってこられたと思うのですが、そういう選手を見て、子供たちに夢を諦めずに目標に向かって頑張るということを知ってもらいたいと思っています。水泳だけでなく、これから歩んでいく人生の中で、いろんな障害にぶつかるときがあると思いますが、夢を捨てずに目標に向かって頑張るという気持ちを持つきっかけになれば幸いと思っています。金藤さんが出ていただけることはすごくありがたく、我々は万歳をしている状態で嬉しいです。

記者
 知事にお伺いしたいのですが、金藤さんにはいつ頃、メモリアルの大会を創りたいと伝えられたのでしょうか。また、その際の金藤さんの反応をお伺いさせてください。

知事
 いずれ、このようなことを考えているということは、かなり前から何となく言っていましたが、具体的な話は、去年の終わりから今年に入ってからです。コロナの状況を見ながらということでお話をしてきて、最終的には5類移行が見えてきたところで相談しました。金藤さんは岐阜国体で5位というお話が加藤会長からありましたが、国体では平泳ぎは100mしかなく、金藤さんは200m(が専門です)。100mと200mはまるで違う競技だと言っていましたが、苦手な100mで5位ということです。ロンドンの時は200mでしたが、残念ながら、(五輪出場が)叶わなかった中、リオデジャネイロ五輪では、200m平泳ぎで金メダルを取られたわけです。帰ってきて、「私はまだ1つやり残したことがある、岐阜県への恩返しが終わっていない」と言って、世界転戦中の疲れた体で、わざわざ岐阜県代表で国体に出られて、100m平泳ぎで優勝されました。これでやり残したことをやり遂げられたということで、岐阜への思い、アスリートとしての厳しさに感動した次第でありました。何らかの形でこういう大会が開催できればとは、それとなくお話ししていた次第です。

記者
 金藤さんはどんな反応でしたか。

知事
 喜んでという雰囲気でした。

司会
 それでは、写真撮影に移らせていただきます。知事と、加藤会長はご起立いただき、大会ポスターをお二人で一緒にお持ちいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 (写真撮影)

司会
 以上で、本日の発表項目の一つ目「RIE KANETO Memorial Cup 2023~ 岐阜から全国へ。そして世界へ!~の開催」について、終わらせていただきます。加藤会長には、ここでご退席いただきます。ありがとうございました。

 それではその他の発表項目に移らせていただきます。

知事
 お手元に資料をお届けしていますが、1つは、「清流の国ぎふ」文化祭2024の応援大使が決定しましたので、ご披露させていただきます。本県ゆかりのある4名の方に応援大使をお願いして、来たるべき国民文化祭を県内外に広くアピールをし、開催機運を盛り上げていこうということでございます。1人目は、ぎふ木遊館の名誉館長であり、岐阜関ケ原古戦場記念館のアンバサダーである竹下景子さんであります。竹下さんは、2006年の全国植樹祭の総合司会や、2015年の皇太子殿下をお迎えしての全国育樹祭のナビゲーターなど様々な岐阜県の行事やプロジェクトに関わっていただいています。2人目は、岐阜県図書館の名誉館長であります紺野美沙子さんです。紺野さんは、ご主人が郡上の方ということで、しばしば岐阜にお出でになっておられますが、図書館の名誉館長ということで、様々な朗読プロジェクトをやっていただいております。また、皇太子ご夫妻のご臨席の下で行われました、2016年の全国農業担い手サミットの案内人、いわゆるナビゲーターとしてもご活躍いただきました。3人目は、伊藤英明さんでありまして、昨年の「ぎふ信長まつり」に、信長の家臣役でご出演されましたし、ご本人自身は2009年に「ぎふ信長まつり」に信長役をやっておられます。また、2012年のぎふ清流国体の総合開会式の式典前演技や、全国育樹祭にもご出演をいただいております。4人目が、大前光市さんでありまして、下呂のご出身でありますが、2016年のリオパラリンピック閉会式や、2021年の東京2020パラリンピック開会式に出演されておられます。また、ねんりんピック岐阜の応援大使としてもご尽力をいただいております。結果的に見てみますと、4名とも東京オリンピックの県内聖火リレーにも参加いただきました。そういうご縁の深い方々に国民文化祭や様々な関連行事にもご出席いただくなど、盛り上げていだたきたいと思っております。委嘱式については、7月11日に県庁ミナモホールで、実行委員会を開催しますので、その場で行いたいと思います。併せて、4名のトークセッションを行いたいと思っております。国民文化祭も今日時点で残り496日と、500日を切った状況です。先週金曜日から県庁舎にも懸垂幕を掲げておりますが、応援大使の皆さんとともに、さらに応援していきたいと思っております。

 次に、「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進フォーラム」の開催についてでして、7月27日にミナモホールで、このフォーラムを開催しますので、お伝えさせていただきます。今年4月1日に「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進条例」を施行しました。条例の施行に伴って、いわばキックオフイベントということで、オール岐阜による木の文化の発信をテーマとして、今回のフォーラムを開催するものでございます。フォーラムでは、事業者と県の間で県産材利用促進協定の締結式、隈研吾先生の基調講演、さらにはパネルディスカッションも予定しております。特に、この県産材利用促進協定は条例に基づいて、様々な事業者の方が木造化や木製品の利用を積極的に取り組んでいただくことについての協定でして、条例に基づくものとしては、今回が初めてでございます。具体的には現在、商業施設や福祉施設などの方から締結のお申し出を頂いているところでございまして、最終的に決まったところでまた発表させていただきます。このフォーラムの参加申込は6月19日から開始しますので、よろしくお願いいたします。

 それから、4番目がコロナの状況でございますが、お手元のグラフをご覧ください。「1定点当たりの陽性者数(1週間合計)の推移」というグラフがありますが、黒い折れ線は、国のルールに則った行政定点医療機関、岐阜県では87機関の1週間合計の陽性者数で、1週間単位で発表されています。現時点で一番新しいデータが5月22日~28日までの3.80人です。次のデータは今週の金曜日に発表されるということで、前の週の1週間分の合計値が、翌週の金曜日に発表されることになります。定点として選ばれている87機関、これは全体の医療機関の約1割になりますが、基本的には大手の病院が多いため、絶対数としてはやや高めに出ています。これは絶対数もさることながらトレンドを見ると、5月20日頃、一旦、少し増えましたがまた落ち着いた形となっています。
 一方、青線は、岐阜県リアルタイム感染症サーベイランスの値で、岐阜県の医療機関の約6割、485機関の協力を得て、毎日取っている数字です。毎日、その時点で前の1週間の合計値を出した数値です。これは中小病院を含めて、多くの医療機関を対象としていますので、国の定点観測よりは絶対値としては低く出る傾向にありますが、トレンドとしては似たような流れになっています。毎日数字を取っていますので、現時点で6月5日現在の数字を取っており、国よりも10日ほど早くデータが取れるため、県としてはリアルタイムで見ていく上では、この統計も大切ではないかと思っています。
 この485の機関で記録している絶対値では、レベル1から2の境目を10人と、とりあえず考えております。そこからすればまだまだですが、ジワリジワリと増えてきているという感じになっています。
 次に、2枚目の資料「1日あたり新規陽性者数(1週間平均)の推移」は、6割の医療機関から出てきた数字を割り返して、岐阜県トータルで日々どれくらい新規感染者数が出ているのかを推計値として出したもので、1週間の1日あたりの平均値となります。5月8日から5類に移行しましたが、この数値を見てみると、ジワジワと右肩上がりで増えてきている状況です。5月7日の211.4人から、現在は約2倍の429.6人になっております。第8波が落ち着いた底は、4月1日で126.6人。今はその3.4倍で、この1週間、毎日400人台の新規感染者が岐阜県で出ているということです。この水準は2月20日前後のコロナがかなり収まってきたころとほぼ同レベルであり、さらに遡ると第8波は10月10日あたりから始まったと言われていますが、その10月10日あたりとほぼ同じような値になっています。まだレベル2には達していませんが、私どもとしては引き続き、日々、チェックして数字に応じて必要な対策を講じていきたいと考えております。
 次の3ページ目が「確保病床の使用率の推移」です。5月8日から10%未満で横ばいでしたが、6月に入って10%を超えており、本日も12.8%ということで、これは感染者数が増えればこちらも増えることとなりますが、ジワリと増えています。このデータについては30%がレベル1から2への移行値ということで、引き続き注意深く数値を見ていきたいと思います。
 それから4ページ目が「圏域別陽性者の推移」になります。連休後のあたりでは飛騨地域が圧倒的に高かったのですが、その後落ち着いてきて、また5月末から再び飛騨地域が増え始めています。それから中濃地域もこのところ増えています。岐阜地域はほぼ平均並みで、西濃、東濃は少し落ち着いているというところで、地域的な動きもフォローしていき、引き続きコロナの状況については注意深く見ていきたいと思います。

 次に、「新型コロナ・シンポジウム『感染症との闘い~これまでとこれから~』の開催について」です。5類に移ってほぼ1カ月が経過したわけですが、この機会にこれまでを振り返って、今後に備えようということで、新たにシンポジウムを来月10日にミナモホールで開催することとしました。メインテーマは「感染症との闘い~これまでとこれから~」です。基調報告としては、これまで最前線で陣頭指揮を執っている堀健康福祉部長が行います。その後、コロナウイルスの教育問題を議論する協議会の委員長である、松川禮子岐阜女子大学学長をコーディネーターにパネルディスカッションを行うということで、県の専門家会議のメンバーである村上先生、三鴨先生、そして竹内先生に、それぞれの専門の観点から振り返りと今後の方向性について、ご議論いただきます。加えて高山市で旅館を営む、本陣平野屋の女将の有巣栄里子さんにもご参加いただき、特に観光という観点から、コロナ禍における苦労話やさまざま工夫された点等、今後の展望について語っていただければと思っています。6月14日から募集を開始する予定であり、岐阜県公式YouTubeチャンネルでどなたでもご覧いただけるよう配信しますので、よろしくお願いします。以上、私の方からは終わります。

記者
 
新型コロナについて、6月8日で5類移行から1カ月となります。現在、1医療機関あたりの感染者の合計が3.58人ということですが、この数字についての率直な受け止めを、改めて教えてください。

知事
 
警戒態勢を取るべき水準からみれば、まだまだ落ち着いていますが、トレンドとしてはジワジワと増えてきている状況にあります。1カ月経ったところで、そういう状況にあることを認識いただき、お一人おひとり自らの、また、大切な方を守っていくという基本的な姿勢を、場面に応じて判断・対応していただきたいと思います。

記者
 
感染対策と並行して、各イベントが再開されたり、新たなイベントが開催されます。一方で、例えば高齢者施設などでは、コロナ5類移行後もまだ感染対策を続けているところがたくさんあります。そうしたところに話を伺うと、今後、コロナ5類移行後、次に感染対策を緩めるのはどの場面なのか、基準が分からないという声を聞きます。県として、今後、感染状況がレベル1のまま続くとしたら、医療機関を含めて緩和していったらいいのではというメッセージを出す意向はありますか。

知事
 
5類移行後の基本的なスタンスは、それぞれの方の自主的な判断を尊重することになりますが、基本的にはまずは重症化を避けなければならないということで、高齢者や基礎疾患を持った方々には特に注意を呼びかけるほか、感染された方の行動範囲について注意を呼びかけることに重点をおいているのが現状です。このところ病院クラスターが目立っており、病院では受け入れ体制をしっかりやっていただいていますが、そうしたリスクがあるということで、それぞれの病院、施設について重点的に注視していくという「重点化」という流れになっています。それはオミクロン株が続いているという前提であり、今、XBBに移行しつつありますが、これもオミクロン株の範疇ということで、今の基本的な考え方を続ければよいと思いますが、仮に全く新しい株が海外から観光客等を通じてやってくるようなことがあれば、それはそれで株に応じた対応を考えなければならないと考えております。

記者
 
コロナの関係で、圏域別にみて飛騨の割合が非常に高いということは、おそらく外国人観光客、インバウンドの影響があると思います。今後、この上昇トレンドは、観光需要が増す中で少し冷や水を浴びせるようなデータかと思います。観光需要の回復に向けて何か支援を考えていますか。

知事
 
ゴールデンウイーク明けに飛騨地域が群を抜いて高かった頃には、かなり観光的な要素があるということで観光関係者も警戒されていましたが、その後落ち着いてきました。それがまた増えているのは、病院クラスターの面もありますが、観光全体、特にインバウンドが急速に回復しつつありますので、これに対しては一定の必要な対策を取りながら注意深くV字回復に対応していくことが必要です。それぞれ観光関係者もこの3年強の経験も十分理解していただいておりますので、日々の感染者のデータを見ていただき、注意喚起をしていきたいと考えています。それから、ここにきてワクチン接種も伸びてきており、特に高齢者、基礎疾患のある方に優先的に2回打っていただくことになっており、そういったことにも注意深く対応していきたいと思います。

記者
 
先週の大雨で、県内でも被害がありました。これから大雨、台風シーズンとなりますが、どのように対応していく考えでしょうか。

知事
 
先週の大雨は、防災訓練を行った翌日ということで、訓練に従って早速、実践という巡り合わせになりました。特に、線状降水帯と言われますが局地的な豪雨が急激にやってきて、今回は愛知県、三重県をはじめ全国6県で発生しました。岐阜県は幸い線状降水帯は免れましたが、中津川市や恵那市を中心に降りはじめからの雨量が200ミリを超えたところもあり、土砂災害や冠水もあちこちにありますので、これに対する復旧を急ぐと同時に、今回起こったことについて、全県的に周知をして対策に抜かりのないように引き続き注意深くやっていきたいと思います。まだまだ本格的な出水期はこれからなので、緩むことなくやっていきたいと思います。

記者
 
最近、県内の自治体でもマイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいるかと思います。県として状況をどのように把握しているのか、そして、県として国にお願いしたいことなど、どのように対応していかれるかを教えてください。

知事
 
マイナンバーカードそもそもは、利便性や業務の効率性などいろいろなメリットがありますが、一方で、個人情報の保護をはじめ、安全安心なシステムでなければなりません。いろんなケースが生じていますが、一つひとつ丁寧に原因の究明と再発防止策を立て、それを県民の皆さんに丁寧に説明していくという姿勢が大切ではないかと思います。
 起こっている事例は、都道府県の事務そのものではありませんが、市町村の中の不適切ケースは市町村から都道府県を通じて総務省に報告することになっており、県は県内のどこで何が起こっているのかを知りうる立場にあります。これまでのところ、市町村から8件の報告を受けているところです。そうしたことを単に国に報告するだけではなく、どういうことが起こっているのかという事例について、県内市町村と共有して、適正な処理について、それぞれ注意深く対応していただくように周知徹底するということで、先般も、市町村を構成員とする岐阜県・市町村DX推進連絡会議をオンラインで開催し、注意喚起しているところです。

記者
 先月末に都内で開かれたリニア中央新幹線建設促進期成同盟会の総会について2点質問があります。
 1点目が、静岡県の川勝知事も初めて総会に出席されたとのことですが、その時にリニアは一貫して賛成という発言がありました。また、水資源や掘削土に関する問題への懸念も示されておりますが、一方で他県の知事からは早期着工を求める声もあると思います。こうした川勝知事の姿勢に対して古田知事はどのようにお考えでしょうか。
 2点目が、古田知事は総会で「中間駅及び周辺整備に関する検討部会」の設置を提案されました。周辺のまちづくりも含めた提案だったと思いますが、この提案をされた思いについて、改めて教えてください。

知事
 まず前者については、静岡工区における環境、特に水資源の問題、それから自然環境への影響、生態系への影響といった議論が行われていますが、これについては、国が有識者会議を設置し、客観的、科学的な見地から既に何回も検証作業が行われております。私どもとしては、リニアの早期開業に向けて、国、静岡県、JR東海の三者で行われている検証作業で、もちろん有識者の方々が積極的に議論しておられますが、速やかに、かつ、円滑に調整を進めていただきたいということについて、私どもは多くの知事の皆さんと同じ立場であります。川勝知事におかれましては、今回リニアそのものは積極的な推進論者ということで、期成同盟会に入っていただいて、リニア促進期成同盟会ですから、リニア促進期成同盟会の一員として積極的にこの調整を進めていただきたいというのが私としては申し上げられることです。
 後者については、リニアの岐阜県駅は既に令和4年6月に起工式を終えて工事が始まっており、そこにどういう駅ができるのか、その駅の機能、デザイン、景観等、それから地域のリニア岐阜県駅を起点としたまちづくり、地域おこしといいますか、あるいは二次交通も含めた交通体系などいろんな面で総合的に駅をどう位置付けて、どのような駅を作っていくのかについては、これは中津川市民の皆さんだけではなく、岐阜県民全体としての関心であります。さらに岐阜県だけでなく、各県それぞれも同じように関心のある中で、岐阜県は作業がやや先行しているわけです。起工式も終わって工事が始まっているため、私どもとしては岐阜県らしいリニア駅・周辺整備検討会を設けて、専門家の先生方にも入っていただいて、検証作業を始めています。まず気になったのは、今、JR東海が出しておられるリニア駅の案というのは、高さ約30m、長さ約1.3kmのコンクリートの塊がどんとできます。そのコンクリートの塊の中をリニアが走っていくということで、そのコンクリートの塊には、ほとんど窓がないため、高さ約30m、長さ約1.3kmのコンクリートの塊ができたとして、それが地域の中でどう位置付けられて、どう見えるか、どう活用していくのかということです。それについては、やはり駅全体の設計、デザイン、それから駅舎そのもののデザインや色合い、形をトータルで見ていく必要があると思います。JR東海にも私どもの検討会には入っていただいて一緒に議論しておりますが、そういったことをまさに意識的に議論する時期にきたのではないかということで、岐阜県としては、そういう意味ではやや先行して議論しております。その議論をご紹介しながら、少なくとも地上駅については共通の問題意識を皆さんに持っていただいて、そして、各関連地域とJR東海との間でお互いに理解し、合意できる内容にしていきたいと思います。
 もう一つは、そのエリアを設計するにしても、コスト負担をどうするかという問題も当然あるわけで、そういったことも含めて、幅広く議論していこうと提案させていただきました。地上駅の知事の皆さんは、もちろん賛成でありますが、それ以外の方々もいろんな意味で関心があるということで、何らかの形で参加いただけると承知しております。

記者
 
リニアに関連して、先日、御嵩町議会の一般質問で、今回で退任される渡邊町長がフォーラムを6回開催したということで、最終的には、受け入れを前提としてこれからも計画を進めていく、白紙に戻す気はないということを明言されました。6回のフォーラムを通じて、町長自身がまだ理解が深まっていないと、先日のフォーラム後の記者会見で発言されています。理解が深まっていないということを認めつつも受け入れを前提とすることは変えないという町長の姿勢について、知事としてはどのようにお考えでしょうか。

知事
 
いずれにしてもまだ結論は出ていないことであり、かつ、今月末には選挙が始まって、現職の町長は出馬されず、次の方にバトンタッチをしていくことになっております。まずは選挙戦がどのような形で戦われて、手を挙げられた方々が、こうした問題について、まさに地域の最大の関心事の一つだと思いますので、これらについてどういうお考えなのか、そういったところを注意深くフォローしながら、新しい町政の中でこの問題についてしっかりと議論していただくことを期待しております。

記者
 
重ねてですが、実際、残土処分場ができる地域の2つの自治会は正式に反対するということを表明されて、町に伝えられています。この状況で進めていく、変えないとしていることについては適切だと思われますか。

知事
 
地域の住民の皆さん、地域の行政及びJR東海のお考えを積極的に調整しながら物事は進めていくわけですが、まだ調整が終わっていない状況で、いわば中断する格好になるわけですから、申し上げましたように、次の新しい町政の中で丁寧にしっかりと議論していただきたいと思っております。

記者
 
リニアの話になりますが、先日の総会の場で山梨県知事が静岡工区の問題に対して、沿線の各都府県が意見交換する場を設けてはどうかと提案されました。事務方で調整されると思いますが、知事個人のご意見として、そういった意見交換の場があった方が良いとお考えでしょうか。

知事
 
かなり何回にもわたって、国の専門家会議といいますか、議論が進んでおり、そういう中でJRもいろんな説明をしておられますし、静岡県もそれに対していろんなコメントを出しておられます。静岡県自体もそういった専門家会議を設置しておりますし、この専門家会議を設置する以前にも、何回かにわたっていろんな議論が行われてきた経緯と蓄積のある話です。そうしたことについて、何とか全体を動かしていこうという立場で沿線の知事が集まって、それぞれに多少内容が違うかもしれませんが、先程のご質問にもあるように、地域によっていろんな課題があるわけですので、そういったそれぞれが抱える課題について情報を共有しながら、知恵を出し合っていく、経験知を出し合っていくという場があることは、それはそれで結構なことと思います。具体的にどんな形で行われるのか、その辺りは私自身としては、それぞれの経験知を持ち寄りながら、全体を円滑に、スムーズに進めていくためにどうしたらよいかを議論する場だろうと理解しております。

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