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知事記者会見録(令和5年4月28日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年4月28日(金曜日)15時40分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 新型コロナウイルス感染症対策についてですが、昨日、国におきまして、新型コロナの感染症法上の位置付けを、5月8日から第5類に変更することを正式にお決めいただき、今日閣議決定で、新型コロナウイルス感染症対策本部が5月8日に廃止されることとなりました。2020年1月から3年余にわたる新型コロナへの対応も一つの節目を迎えたということでございます。改めて、感染症対策にご協力いただきました県民、事業者の皆様、医療機関、市町村、教育機関の方々など多くの方々に感謝申し上げます。
 5月8日以降の対応については、既に1月下旬の段階で国から大まかな方針が示されていますが、それを踏まえながら、これまで市町村、医療関係者、経済団体、感染症の専門家、教育関係者、県議会議員の方々など各方面の方々と丁寧に意見交換を重ねてまいりました。その上で、お手元にございますが、5類移行後における対策をまとめさせていただき、先ほど対策協議会で決定していただきました。併せて、引き続き「慎重な感染対策を」ということで、メッセージを出させていただき、これも先ほど対策協議会で決定していただいたところでございます。第5類に移行しますと、法的あるいは枠組みの点では位置付けが変わってきますが、このメッセージにあるように、感染対策については、引き続き慎重な対策が必要であるということで、メッセージの上の方にある、今のウイルスの「感染力が非常に強く、条件が揃えば一気に感染が拡がる恐れがあること」、「高齢者や基礎疾患のある方の重症化リスク(が高いこと)」、「無症状の方でも後遺症に苦しむことがあること」という、新型コロナの実態は依然として変わらないため、慎重な対応を呼びかけています。
 それから、お手元にグラフがございますが、このところ新規陽性者数が低いところで横ばいのように見えますが、次の2ページ目をご覧いただきますと、4月上旬をボトムにじわじわと増えてきています。内容的には高山市や飛騨市等、県北部の感染が目立っているという状況にあります。これから大型連休を迎え、どうしても人の動きが活発になってくると、さらに感染が拡大する恐れもあります。そのため、引き続き「オール岐阜」体制を堅持し、日々の感染状況を丁寧に把握して、変異株の動向も注視しながら、必要に応じて速やかに対策を講じていきたいと考えております。県民の皆さまにはご自身、あるいは大切な方を守るために効果的な換気、手洗い、高リスクの方を感染させないための配慮など、必要な感染対策をお願いしたいと思います。
 先ほどの対策協議会でも申し上げましたが、特に岐阜県として重視した点を整理すると、6点になろうかと思っております。1つ目は、県民の皆さまからのご相談に対して、常時対応できるようなしっかりとした相談体制を堅持すること。2つ目は、必要な方が必要な時に医療・検査を受けられる体制を確保すること。3つ目は、感染動向を迅速かつ正確に把握するためのサーベイランス体制を確実にすること。4つ目は、基本的な感染対策をしっかり推奨させていただくこと。5つ目は、希望する方が確実にワクチンを接種できる体制を確保すること。6つ目は、オール岐阜体制による対応を継続するということでございます。こうしたことを旨として、県民の皆さまに対して、お手元にある対策を丁寧に周知徹底させていただきたいと思っております。特に教育現場の取扱いについて、今日、文部科学省からガイドラインが出てきましたので、これを来週早々に教育機関の方々とも丁寧に議論していきたいと思っているところです。
 また、岐阜県ならではとして、特に注意深くやってきたことの1つは、医療機関による入院調整でして、今後、基本的には保健所を経ず、医療機関相互で入院調整する体制に移行することとなります。それをスムーズに進めるため、既に3月下旬から試行として医療機関相互の調整体制に入っており、これまでのところは問題なくスムーズに調整が行われております。ただし、比較的落ち着いた時期での調整ですので、急増したときにはどうなるのかという課題は残るため、必要があれば、保健所が出ていくことや、さらには専門家も含めて対策を早急に検討する場面もあり得ると考えております。
 サーベイランス体制について、国では定点観測を週1回行い、感染動向の数字を1週間分まとめて公表することになっています。私どもも、それはそれとして、そのルールに従って定点観測を行ってまいりますが、それと併せて、これまで岐阜県医師会でやってこられた「岐阜県リアルタイム感染症サーベイランスシステム」を、コロナに適応できるよう改修し、毎日定点観測し、毎日公表します。観測地点についても、国の定点観測よりはるかに多い数の医療機関の状況をチェックすることで、より迅速に実態に即した丁寧な情報収集・公表をすることで、皆様方にできるだけ迅速に状況を知っていただけるようにし、また、迅速に対策を立てられるようにしていきたいと思っております。
 国では、ゴールデンウイーク後、すぐに対策本部が無くなるわけですが、「オール岐阜」の体制は、3年前に条例でこの対策本部を設置していますので、対策本部の体制を継続し、事態の変化に今の体制でしっかり対応できるよう、これも先ほど(の対策協議会で)ご了承いただきました。
 いずれにしましても、ゴールデンウイーク後のコロナの状況変化をしっかり見据えながら、移行がスムーズに混乱のないように、かつ、何かあれば迅速に対策を打てるように、十分注意して進んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。私の方からは以上でございます。

記者
 3年にわたる節目を迎え、5類移行後の対応も決まったと思いますが、知事の今の所感、お気持ちを教えてください。

知事
 3年余ということで、大変長い期間を要したわけですが、この間、コロナの株も次々と変わって、現在はオミクロン株となってきています。私どもとしては、スピード感のある決断と、専門的な知識・知見や現場の情報、そして、それらをしっかり踏まえた上での「オール岐阜」体制での一丸となっての対応ということを心がけてきました。それぞれのお立場で、まさに「オール岐阜」で頑張っていただいて、何とかこの3年余の間、頑張ってこられたということです。そのような体制を作ることができたこと、そして、今後もそのような体制を十分活かしていける一つの財産になったということで、多くの方々に改めてお礼申し上げたいと思っています。
 ただし、これで全てが良くなる、終わるということではありません。まだまだウイルスは手強いということ、また、今日、病院協会の先生がおっしゃっていましたが、「コロナに罹ってはいけない人がいることを忘れてはいけない」ということで、「特に高齢者や基礎疾患のある方などコロナに罹ってはいけない人が罹らないようにするにはどうしたらよいかを忘れず、一人ひとりがそれぞれの立場で慎重に行動していくということを基本にした上での5類への移行」ということをおっしゃっておりました。まさに私も同じ思いでございます。

記者
 知事からのメッセージもありますが、これから5類に移行するということで、県民へはどのように呼びかけていくのか、その方法も含めてお願いします。

知事
 まずはこのメッセージを中心に、これらの対策について、様々な情報やルートを通じて徹底的に発信したいと思っております。皆様方のメディアを通じてもお願いしようと思っておりますし、その他あらゆる手段を使って早急に発信していきたいと思っております。

記者
 この3年間を改めて振り返っていただきたいと思います。コロナの感染が拡大していく中での知事選の出馬、当選がありました。また、自宅療養ゼロが堅持できなくなったことやワクチン接種の進展などいろいろありました。改めてこの3年間の振り返りと、そこから学んだ点や今後に活かしていきたい点などを教えてください。

知事
 これは一つの大きな危機管理のあり方が問われた事例だと思っています。しかも、今回のコロナの問題は、岐阜県あるいは日本だけの問題ではなく、この地球上の生きとし生けるもの全てが共通に問われた課題ということで、そのような中、岐阜県として、一つの行政区画、自治体として混乱を生じないように、あるいはパニックに至らないように、未知のウイルスにどう一丸となって立ち向かっていくかという困難なプロセスであったと思っております。そういう意味で、今どうなっており、それに対して、専門家や行政も含めて、我々は何を考えて何をやろうとしているかということをできるだけスピード感を持って公表し、そして多くの意見を取り入れながら、手探りででも、とにかく一歩一歩前へ進んでやっていくしかないという場面において、この「オール岐阜」の体制は大変有効に働いてきたと思っております。まさに岐阜県挙げて一丸となった取組み、端的な例を言えば、保健所の体制も「オール岐阜」で保健所を一つにして運用いたしました。また、ワクチン接種で言えば、開業医の皆さんも休日を返上して打っていただいて、接種率も全国的に高い水準となっております。今後も、国の定点観測以上にスピーディーに丁寧な実態把握をしていこうということで、多くの医療機関に協力を求めていますが、この「オール岐阜」のスピリットを大事にして頑張っていきたいと思っております。

記者
 5月8日に5類に移行した後、具体的に私たちの生活のどういうところが変わって、どういうところが変わらないのか、県民に呼び掛ける予定はありますか。

知事
 これまでのように法律に基づいて、さまざまな制約を課していくというアプローチはなくなります。行動の自粛や飲食店の営業の仕方など、いろいろと法律上可能な手立てがあったものが一切無くなり、多くの点で自主的な判断に委ねられるわけです。ただ、行政としては単純にご自由にどうぞとはいきませんので、どういった点は自由にやっていいのか、どういった点は気を付けた方がいいのかを丁寧に伝えていく必要があります。例えば、手洗いや換気(の考え方)や、マスクの着用が効果的な場合、感染した方の外出の考え方など、同じスタンスで社会生活を送っていただけるように、しっかりとしたメッセージを出す必要があると思います。
 それでもさまざまな不安や疑問がある場合に、相談に応じられる体制を整えておくことと、仮に、感染して入院の必要がない場合は自宅療養となりますが、これまでのように保健所から、今どのような状況にあるのか丁寧にヒアリングすることはなくなるので、自身で検査キットや体温計を用意して、対応できるように自ら判断できる材料を備えていただく必要があります。それに対して、県として必要なアドバイスをしていきたいと思っていますが、自主的な判断に委ねることが多くなることについて、丁寧にお伝えしていかなければいけないと思っています。他方で、どうしても入院が必要な場合は、必要な病床を確保して、医療機関に迅速に対応していただくことも怠らないよう、必要なベッドの確保や医療体制や救急体制を確保していきたいと思います。自主的な判断と、いざという時の行政なり医療機関での対応の組み合わせをよく見定めていきたいと思います。

記者
 現時点では感染者の状況が、若干増えているとはいえ、そこまで多くはない状況で、当初はあまり問題がなく動いていくと思いますが、仮に急拡大していくと綻びが出てくることもあると思います。そのあたりの懸念材料や注意していきたいところがあれば教えてください。

知事
 まずは5月8日をどういう状態で迎えるか。このところ、じわじわと感染者数が増えていますが、これは新年度になってからの人の動きや、岐阜県で飛騨高山が非常に増えているのは、お祭りや観光客の急増などによるものと考えられますので、まずは実態を油断なくフォローして、状況の変化をお伝えしていき、まずは5月8日をどう迎えられるかと思っています。
 その上で、先般の専門家会議で、反転した時にどういった状況になったらどうするのかという基準や目安を考えるのかとの議論がありました。今のオミクロン株であればフェーズ1、2、3、4とあり、それぞれの定量的な基準と、救急搬送がどの程度困難かや病院の閉鎖事例がどの程度あるかなどのさまざまな要素でフェーズが分けられていますが、それが使えるかもしれません。全く異なる株が出てきたときには、同じ基準が使えるかどうかが分からないため、状況の変化に合わせて迅速に、反転したときにその時の判断の仕方や目安を議論しておかなければいけません。そうした意味での警戒をしながら、いろんな角度から検討を続けていき、5月8日以降、仮に状況が変われば、状況の変化をできるだけ早く察知して、できるだけ早くこのような対策が必要といったことや、この水準は超えていけないということが言えるか検討していきたいと考えています。

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