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知事記者会見録(令和5年4月18日)

記事ID:0292972 2023年4月20日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年4月18日(火曜日)15時

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 お手元に資料をご用意していますが、まずは、「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2023」の大賞、審査員賞が決定したということで、4月22日に表彰式、開場式を行います。このArt Award IN THE CUBEは幅4.8m、奥行4.8m、高さ3.6mという、いわば箱、CUBEの中で何かを表現するということで、3年に1回、新たな才能の発掘、育成ということで、斬新な独創的な造形の作品を公募して行っています。第1回のテーマは「身体のゆくえ」、第2回は「記憶のゆくえ」、今回は「リアルのゆくえ」として、アートの可能性を表現していただくということで、国内外から574件の応募がございました。今、リアルとバーチャル、デジタルとリアルなどいろいろと議論がある中、限られた空間の中で、リアルというものをどう表現していくか興味深いところであります。それぞれの作品についての解説はお手元の資料にございますし、当日、審査員からもお話があろうかと思いますが、特に、大賞の千葉麻十佳さんの作品「Melting Hida Mountains」は、岐阜県内の川辺で見つけた火山石を、レンズで集めた太陽光の熱で溶かして、マグマにしていくという映像を、キューブ空間の中でプロジェクターを使って床に投影するという作品です。マグマから石になっていくのは必然の流れですが、その逆の石の時間を過去に戻して、土地の歴史を遡ると言いますか、今いる場所から、地球や自然の起源に向かって様々な思考を巡らすきっかけを与えるような作品でございます。そのほか入選した全14作品ともに、大変独創的で魅力的な作品であります。1回目、2回目を開催して、この箱の限定をどうするかは毎回議論になるのですが、もう少しやってみようということで、3回目となるキューブの中での造形芸術であり、是非多くの方に見ていただきたいと思います。1回目はコロナの前でしたので、37,000人程が来場されましたが、2回目はコロナ禍で人数を制限したため、8,000人弱の方にお越しいただきました。今回は開催時間の短縮や入場制限は設けずに開催したいと思っていますので、是非、お越しいただきたいと思っております。審査員もそれぞれの分野で全国的、あるいは世界を舞台に活躍していただいている方々でして、大変丁寧に審査をしていただいたと思います。これが最初のご報告でございます。
 2番目のご報告は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会選手村のビレッジプラザで各県から木材を持ち寄って、いろんな建物や部屋を造って、オリンピック・パラリンピックの用に供したわけですが、岐阜県の県産材を用いて、1つの建物を造りまして、その使った木を、資料の2枚目のページの一番下にありますが、木造平屋建を造りました。会期中の選手の生活を支える施設ということで、ヘアサロンに使われたということですが、1つの県で一戸建てを建てたのは、岐阜県と岩手県、山形県、東京都、熊本県、宮崎県日南市でして、他の県はそれぞれパーツの木材を持ち寄ったということです。そのため、選手村のビレッジをスタートする際は、私と(東京都)小池知事が代表で呼ばれまして、開村式に参加させていただきました。今回は、この木材がそれぞれの県に戻され、戻されたものをいわばオリンピック・パラリンピックのレガシーと言いますか、何か記念になるものをいうことで、東屋やベンチや遊具などを7箇所に作らせていただきました。そのうち、木遊館に作った遊具について、名誉館長の竹下景子さんや地元の園児にも参加いただいて、お披露目式をやろうということで、今月28日に予定しております。同時に、木遊館スプリングフェスタということで、竹下さんと園児との積木遊びとか、県ゆかりのオリンピック選手によるスポーツ体験等々をやる予定でございます。この休憩施設兼遊具、ミニボルタリング、積木といったものを木遊館に提供させていただきました。そのほか、ぎふワールド・ローズガーデン、森林文化アカデミー、清流長良川あゆパークに東屋を、岐阜メモリアルセンター、OKBぎふ清流アリーナ、県庁にベンチを用意しました。県庁は1階の西の方に既に置いてあります。
 資料はご用意していませんが、新型コロナウイルス感染症についてご報告したいと思います。先般、3月30日に専門家会議を行いましたが、引き続いて、今晩、専門家会議を行います。テーマは前回と同じですが、現在の感染状況をどう評価するかと、国の方で5月8日に予定している5類への移行をいかにスムーズに移行させていくかについて、岐阜県なりの丁寧なやり方を議論しているところでございます。今日も議論するわけですが、現状を申し上げますと、3月下旬以降ほぼ下げ止まりと評価できるのではないかと思いますが、昨年度(令和5年3月を除き)、7日間遡った10万人当たりの新規陽性者数の合計が最も少なかった6月24日が57.56人ですが、今日現在の1週間の移動平均を見ますと、51.95人ということで、昨年度の最も低い水準より低いところで推移しています。それから、病床使用率は現在4.9%です。医療機関の入退院の制限は、2月上旬には14機関で制限がありましたが、現在は1医療機関だけとなっています。それから、救急搬送が困難な事案は1週間単位で、2月の第3週は24件ありましたが、今月第3週は4件でございます。入退院の制限や救急搬送困難事案も、かなり改善されており、医療負担も解消されつつあります。これらは、県民の皆様や、事業者、医療機関の皆様のご協力の賜物であると考えており、改めてお礼申し上げたいと思っております。
 そのような中、どのように今後5類へ移行していくかとなりますが、国から既に大枠が出ており、診療報酬加算や病床確保料の見直し、幅広い医療機関による通常のインフルエンザと同様の対応への移行などの方向が示されています。それから、医療費の自己負担分にする一定の公費支援の継続などがありますが、特に、通常の対応への移行という点では、入院受入体制をどう拡大していくかについて、これまでコロナを受け入れていない病院についても、診療から入院まで極力受け入れていただく体制を作っていくこととなります。それから、入院調整についても、現在、保健所が中心となって、必要があれば具体的な調整に乗り出していますが、原則、医療機関同士で相互に調整していただく体制になるため、そこをどうスムーズにやっていくかということであります。3月末以来、岐阜県では試行として、医療機関同士で調整していただいています。今は感染者が比較的落ち着き、かつてのような大きな山場ではありませんが、試行段階ではスムーズに行っていると報告を受けています。その他にも様々な論点がございますが、感染状況の発見、データの獲得から始まり、検査、診療、入院、ワクチン等々、5類に向けて一つひとつ整理をしていくということになります。この辺りを今日、しっかり議論させていただいて、来週後半になると思いますが、最終的な岐阜県の方針を本部員会議、協議会で決定し、発表させていただくという段取りを考えているところです。
 例年、ゴールデンウイークは人の動きが活発になります。また、感染状況がこのところ落ち着いているところで、ある種の緩みがあって、人の動きは間違いなく昨年以上に活発化が予想され、既に活発化しつつあります。そのため、特に重症化リスクの高い方への感染を防ぐということで、是非、お一人おひとり十分注意をしていただきたいと考えているところでございます。私の方からの報告は以上であります。

記者
 先日、岸田首相が選挙前の演説直前に、爆発物に巻き込まれる事件がありましたが、知事の受け止めを教えてください。また、知事は多数の人の前でお話しする機会もあると思いますが、安倍元総理の件もありますし、ご自身の警備で変更、強化した点があれば教えてください。

知事
 統一地方選挙のまさに民主主義の根幹である選挙活動の行われている真っただ中でこういうことが行われたことは残念極まりないことですし、安倍元総理の残念な出来事以来再びということで、非常に残念で、あってはならないことが再び起こったという思いで、非常に重く受け止めているところです。私の身辺については、今、特に選挙運動をやっているわけではなく、通常の業務であり、コロナが落ち着いているとは言え、ある程度慎重に動いていますので、特には変わったことはしていません。その辺りは状況をよく見ながら、県警とも相談しながらやっていくことと思っています。

記者
 今日、農林水産大臣が閣議後の会見で、農林水産省の一部業務に、今話題の対話型AIのチャットGPTを使うという内容がありました。具体的には補助金の申請のマニュアルの改訂などが検討されているようですが、県としても、何か最新のテクノロジーを業務に取り入れていくというような考えはありますか。

知事
 大きな流れとしては、新しい技術を積極的に取り入れて、様々な改革や新しい分野を切り拓いていくという方向が大切だと思いますが、そういうことには絶えず、注意すべき局面、マイナスの局面もあるわけで、丁度その辺りを今、慎重に考えるべき時にきていると思っています。
 岐阜県の場合は、あらかじめ質問事項(と回答)をインプットし、問い合わせに見合うお答えするということをやっています。対話型はまだやっておりませんが、著作権の問題や、データの正確性の問題、プライバシーの問題、機密情報の保護の問題などいろいろあります。そういったことについては、国もいろいろと議論しておられますし、我々も注意深く見定めながら、積極的に活かせるところにどう活かしていくか、まさに今考えていく大事な時に来ていると思っております。

記者
 具体的に何か動いているというわけではないということでしょうか。

知事
 特に動いているということではなく、まだそこは見定めなければいけない時期だという認識でおります。

記者
 統一地方選挙についてお伺いします。今日18日に全ての選挙が告示され、市長選挙4つのうちで3つが無投票で、町長選挙も4つのうち3つが無投票の見込みです。首長選挙のなり手がいないという状況が全国的にもトレンドですが、これについて知事はどのように見ているか教えてください。

知事
 選挙という制度の中では、そこに民意が反映されて選ばれた方が、首長としてリーダーシップを発揮していくというのが一番オーソドックスな流れですから、できるだけ選択肢があり、その中から有権者の方々が選んでいただくというのが望ましいことは事実であります。具体的に選挙とは勝ち負けの世界ですから、出られている方が手を挙げた段階で、既にどの程度広く支持を得ているのか、どういう立場でお出になるのか、そのような流れの中で対立候補が出たり出なかったりします。このような選挙戦という戦いの中では様々な考え方があり、一概に判断するのはなかなか難しいと思います。それぞれの選挙区の実情と、新人であれ現職であれ、出られる方がどういうスタンスでどういうことを訴えられているか、それがどう受け止められて、それに対する賛意あるいは反発、その辺りがどう候補者の擁立につながっていくかは、それぞれの地域の問題がありますので一概には言えません。今回、無投票で選ばれた方々は、ある意味ではそういう流れの中で、広く訴えられたということもあるのではないかと思います。十分、オール町民、市民の立場に立って、しっかり頑張っていただきたいという思いです。

記者
 今の話の中で、無投票についてはそれぞれの地域の実情があるということでした。その流れが過去から見て、今かなり広がっている傾向ですが、何が要因だと思われますか。

知事
 私は今、首長の立場にありますが、私は当初から県民党と申し上げて、できるだけ広くご支持をいただこうということで、一番最初の時もできるだけ県内をきめ細かく回らせていただき、いろんな立場の方の意見を聞いて、それらを踏まえて幅広く公約と言いますか、コミットメントを発表させていただいております。また、現職として立候補する時には、現職として実行してきたことを全部オープンにして見ていただく、ご評価いただくこととなります。地方行政とは、イデオロギーでやるというより、むしろ地域の生活といったことが一つの根幹にあるわけですから、地域の生活をどう良くしていくか、人々の幸せをどのような形で応援していけるかをできるだけ広く見ていこうと心掛けております。それぞれの候補者なり首長さんがどういうお考えでやっておられるか、そういう面で私は興味深く各地域の状況を見させていただいているということです。

記者
 統一地方選に関連してですが、先日、県議選が終了しまして、新しい県議が決まりました。現職の方が勝たれた一方で新人同士の激しい戦いを勝ち抜かれた方もいらっしゃいます。県政を一緒に作っていく要員として県議が決まったことについて、その辺りのご所感をお願いします。

知事
 常々申し上げておりますが、現在の制度は二元代表制ですから、首長としての立場と県議会議員として選ばれた方々の立場とが信頼関係と一定の緊張感の中で車の両輪として県政が動いていくということが大事だと思います。これまでの方もそういったところに努力してこられましたし、新しい方もその流れの中で是非率直に、積極的にご発言いただければありがたいと思っております。
 それから、今度の選挙において私が注目していましたのは、前の選挙と今回の選挙の間には4年間あるわけですが、そのうち3年間がコロナです。コロナの3年間は、各県民の皆さんお一人おひとりが平時とは違う様々な体験や思いの中で過ごしてこられました。しかも、そのような中でテーマや関心が、家庭生活、子育て、女性の活躍、あるいは、ハンディキャップをお持ちの方々など誰もが活躍できる場をどう作るかなど、ある種の閉塞感の中で自分の身の回り、生活、いろんなところにテーマを感じられて過ごしてこられたと思います。そういうコロナ禍を過ごしてきた方々お一人おひとりがどういう観点から投票活動をされるかと、それがどのように結果に表れるかに関心を持って見ておりました。もちろん選挙についてはそれだけではないですが、そういう意味で、コロナ禍において、どのように候補者の方が県民の皆さんと接しられ、いろんな提案をされてきたかという辺りを見て、感じた上での投票活動であったのかと思います。それが例えば、女性が顕著な票を得ておられますが、そういったことも影響しているのかという印象を受けました。

記者
 コロナに関して、来週後半に最終的な岐阜県の対応を決めるとのことでした。現在、感染の動きが落ち着いており、いろいろとスムーズに行っている部分があるかもしれませんが、今後、知事として、より重点化するテーマや、議論を深めていきたい点などがあれば教えて下さい。

知事
 まずは感染状況をどう把握するかですが、5類になると、いわゆる定点観測ということで、医療機関の1割程度が既にインフルエンザでも指定されていますが、指定された定点の状況を週に1回確認して届け出て、発表されることになりますので、週1回かつ限られた定点での観測については、それはそれとしてきっちりやっていきます。それに加え、私どもとしてはこれまでやってきたデータとのつながりをどう考えるかという観点から、岐阜県なりにもう少し迅速かつより丁寧なデータの取り方がないか議論しています。今、インフルエンザにおいて、岐阜県医師会のシステムである岐阜県リアルタイム感染症サーベイランスシステムを既に持っておりますが、このシステムは、定点観測よりも幅広いデータを毎日取っています。そこで、このシステムを改修しながらコロナに応用していくことで、より正確かつ迅速に把握できる体制ができないかという議論を、サーベイランスの段階では行っています。
 宿泊療養施設については、かなりたくさんのホテルを確保しましたが、既に3月末の段階で8つの施設は閉鎖しておりますし、これから5月7日に向けて、これらは閉鎖の方向になろうかと思います。それから、様々な予防的検査あるいは薬局でやっている無料検査は、5類になれば終わっていくわけですが、重症化リスクの高い方への感染拡大防止というのは大事な課題ですので、高齢者施設とか障害者施設の職員に対する予防的検査は継続していきます。続けるべきものと、通常の5類どおりやるべきものと、少し分かれるところは出てくると思います。
 医療機関に対して、今のインフルエンザと同じく、幅広く診察、入院を受け入れていただくことですが、今までコロナを受け入れてこられなかった医療機関は、一定の体制整備をしなければいけないので、そのための費用をどのように支援していくか。また、広くどこの病院でも受けられると言っても、今までは専門のルートを作り隔離するなど、いろいろ工夫してやっていたわけで、院内感染対策上、その辺りをどうしたらよいかを、専門家の先生方に各医療機関ごとにしっかりと指導していき、必要な資機材も応援していくようなことが大事ではないかと思います。そういった指導体制も課題になると思います。
 ワクチンについては、自己負担のない特例臨時接種という形で1年間延長になっておりますので、希望する方が確実に受けられる体制をきちんと維持していくという観点から、どこでどのように受けたらよいかを整理するなどといった課題を一つひとつ丁寧に詰めていき整理して、来週後半には発表させていただきたいと思っています。今日の専門家会議はそのプロセスにあるということでございます。

記者
 コロナについて、5類移行という一つの区切りを迎えますが、この3年間を振り返って、知事として、手ごたえや最も苦労されたこと、考えられたことを教えてください。

知事
 ある意味では未経験の部分が非常にたくさんあり、コロナとはどういうウイルスでどうなるのか、特に第一波、第二波の頃はかなり手探りでやっていました。特に危機管理は先手先手ということでありますが、その先手という意味が、どこまで行動制限するのか、どこまで行政が介入したのかというあたりを、国の方針やいろんな現場の実情について絶えず気を配りつつも、オール岐阜でとにかく関係者が一丸となってしっかりと議論を行ってきました。いろんな意見、実情を踏まえながら、一丸となって結論を出し、その結論にそって足並みを揃えていける体制を、岐阜県全体としてどう作っていくかに前半戦はかなりエネルギーを割いたと思います。その一番の象徴が、第一波が起こって間もない頃、私自身が岐阜市役所にお邪魔して、岐阜市幹部の皆さんと一緒に、保健所を一つにしましょうと(提案したことです)。岐阜市内の感染者は岐阜市の保健所が、それ以外は県の保健所が診ることになっていましたが、パンデミックはいつどのように広がっていくか分かりません。また、どちらかが少しでも手が空いていればもちろん協力するという訳ですが、協力とか連携とかそんな生易しいことではなくて、一つにすることとしました。そして、同じ場所で一緒に仕事をして、記者会見、発表を全部一つにすることで、保健所体制を一本化しました。それも一つの引き金となって、岐阜県の本部員会議には岐阜市長には必ず出ていただきましたし、私も当初の段階ではかなり岐阜市の本部員会議にも出ていろいろと意見交換もしました。また、同時にオンラインが急速に広まり、市町村長さんたちとも高い頻度で直に意見交換をする場を次々に作っていきましたが、そのような体制の構築にかなりエネルギーを使いました。ただ、あるところまで来たら後は、いつ何を提案しても、すぐに集まり、すぐ結論を出すという流れができ、これはこれで良かったと思っています。この「オール岐阜」とは、コロナを経て私なりに手ごたえを得た財産と思っており、岐阜県が危機的な状況にあるときに、どのようにオール岐阜で対処していくかについての一つのやり方としての財産と思っております。
 それから、医療機関においても、病院協会や医師会があり、個々の医療機関もさまざまな状況にありますが、(オール岐阜として一丸となって)コロナ用のベッドをどう確保するのか、また、ワクチンの接種においても、急ぐなら休みを返上し、土曜も日曜も夜もやっていただき、高齢者のワクチン接種率は、岐阜県は全国トップでした。これは何か特別なことをしたわけでなくて、津々浦々、開業医の先生方が休日返上して、せっせとワクチンを打っていただいたという地道な積み上げがオール岐阜での結果に繋がったということです。そういういろんな面で、このオール岐阜での協力体制とは、行政にとっても、それぞれのお立場の方々にとっても財産として大事にしていけたらいいと思います。このところいろんな場面で「オール岐阜」が合言葉のように言われますが、これは単に言葉の問題でなく、このコロナの中で培われてきた財産でないかという感じを持っております。

記者
 時期尚早ですが、次の知事選についてお伺いさせてください。先日の統一地方選では、徳島県や大分県、奈良県、鳥取県など、多選の候補の動向や世代交代などが話題になりました。また、昨日、当選4回で古田知事と同じく、再来年度に任期満了を迎える秋田の佐竹知事が「次の選挙は1万%出ない」と記者団の質問に答えていました。統一選の知事選の動向をどうご覧になっているのかと、次の知事選についてのお考えが現段階であればお聞かせください。

知事
 知事選においては、私が知事会を通じていろいろご縁のあった方々ばかりでありますから、それぞれの県で、どういう主張をされて、どう選挙戦を展開されて、どういう結果になったのか、一つ一つ丁寧にフォローしております。終わってから話をする機会もありますが、それぞれの県の政治情勢や、ご本人の多様な状況もありますし、しばしばオールジャパンの政治情勢を直接受ける場合もあり、それぞれのいろいろなケースがあるということで拝見させていただいております。
 私自身については、まだ云々する時期でなく、ちょうど折り返しを過ぎたばかりでありますし、課題山積です。まずはとにかく、今申し上げましたような、5類への移行をスムーズに行い、かつ、オール岐阜のコロナ体制に対する皆さんの信頼関係をきちっと確保しながら進んでいくという節目に来ておりますから、そこをきちんとやることが課題です。またその他さまざまな課題がありますので、まずはそれに全力投球するということです。

記者
 コロナの定点観測に関して、医療機関の1割程度で週1回ということを、もう少し迅速に丁寧にデータをとれないかということですが、具体的には医療機関の数や頻度を増やすというイメージになるのでしょうか。

知事
 インフルエンザの状況の中でも、岐阜県は独自のシステムを取っており、定点観測と言っても非常に数は多く、毎日発表しています。そのため、既に岐阜県医師会としてインフルエンザでやっているシステムを改修し、コロナに適応できるようなシステムに作り変えていくというやり方ではどんな形になるか、また、これは医療機関の協力なしにはできないため、どうご理解いただけるかもあります。これもまさにオール岐阜できちんと理解と協力を得る必要はありますが、一つのモデルがすでにありますので、このモデルを大切に、体制を考えてみようという議論をしているところです。

記者
 県議選に関しまして、女性が顕著な票を得ていましたが、今回の県議選の一つの特徴として、30年を超えるベテラン県議の票が伸び悩んだことと、女性が票を伸ばしたことと思っていますが、その件についてどのようにお考えでしょうか。

知事
 これも個々の選挙区ごと、どういうバランスの中で選挙戦が行われているか、また、どういう候補者が出ているかで状況は違います。また、選挙区もそれぞれ区切られた中での選挙戦ですから、一概に断定することは難しいと思います。ただ、先程、女性が非常に票を集められたということの一つの切り口として、コロナ禍で皆さんの生活に対する思いにアピールされるところがかなりあったのかという感想を持っていることを申し上げましたが、選挙そのものの全体分析をしている訳ではありません。ただコロナ禍でいろんな人々の政治に対する期待や思いがおそらくあるのではないか、そういうものが選挙という形でどういうふうに表れるのかという、私なりの問題意識を持っていたということを申し上げたものです。

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