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知事記者会見(令和2年5月31日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和2年5月31日(日曜日)14時45分

知事
 いくつかご報告をさせていただきますが、まずいつも申し上げております基準指標ですけれども、ご案内のように新規感染者数も、PCR検査陽性率も、感染経路不明者数もいずれもゼロということであります。入院患者数が2名になりました。そのうち重篤者が1人、これは変わりません。いずれにしましても、岐阜県として設定した基準値を十分下回っているということでございます。新規感染については29日連続のゼロということでございます。
 それから、併せて事実関係だけ申し上げておきますと、50万円の感染症拡大防止協力金でございますけれども、今日現在で申請受付件数が約1万7千件ございますが、これに対して支給決定済みが1万1千件ということで、約65%ということでございます。おそらく何件かは、資格要件とか何かで決定に至らないものも若干はあろうかと思いますが、多分、そういうものを除きますと、最終的な配布の3分の2は超えているんではないかということでありますが、なんとしてもスピーディに、速く配り終えたいと思っております。
 それから、今日の専門家会議ですけれども、冒頭の私のごあいさつで申し上げましたように、これまでの経緯を振り返りながら、若干の総括をしながら、第2波、第3波に備えて、どこまで手を打っておくべきかということについて議論をさせていただいたわけであります。これまでの対策の総括として言われておりましたのは、ひとつはやはり岐阜県においては、院内感染あるいは老人施設、障がい者施設といった、大きなクラスターになりかねないところでの発生がなかったことは大変良かったんではないかと。関係者がしっかりとした対応をしていただいたおかげかなということであります。
 それから、この専門家会議は今日で10回目なんですけれども、このメンバーが、感染症の専門家はもちろんでございますが、医師会、病院協会、合同本部を組んでおります岐阜市長、それから救急、防災、経済、まちづくりといった諸々の専門家を交えて総合的な観点からこの感染症問題に取り組んでいるということについては、先生方の間で、特に東京あたりで全国的ないろんな会合をやる際に、大変、岐阜のこの専門家会議の取組みというのは、非常にバランスの取れた効果的なものだということで、高い評価をいただいているということを、先生方の方からご紹介がございました。
 それで、できれば、まだこの問題は続くわけでありますので、この専門家会議を何らかの格好で常設化してはどうかというご提案もございました。これにつきましては私どもも、感染症対策、新型コロナ感染症だけではなくて、まだまだこれからいろんなことが起こり得ますので、できれば、例えば岐阜県感染症対策基本条例といったような、対策の基本的なバックボーンとなる条例を早急に用意をして、その中で、対策の進め方、それのプロモーターとしての、あるいはチェック機能としての専門家会議の常設化といったようなものも位置付けることはあり得るのではないかということで、議会までまだ数週間ございますので、できれば、この専門家会議の常設化というご提案に言わば触発された格好になるわけでありますが、この感染症対策の取組みについての岐阜県としての総合的な考え方をまとめた基本条例を早急に検討したいと思っております。できれば今度の6月議会に提案できればお出しをしたいと。そんなふうにも思った次第でございます。
 あと、PCR、医療提供体制、今後についてでありますけれども、一日600件程度の体制を目指すということをご報告したのでありますが、これで十分ではないかというご評価でありました。ただ、検査キットについては、特定企業の製品に依存するということではなくて、使用試薬、キットの多角化、あるいは備蓄といったことについても検討してはどうかというご指摘がありました。
 それから病床につきましては、当面確保している病床数は、これはこれで結構だけれども、個別病院の入院患者のいろいろな動きもございますので、よく現場の意向も聞きながら、必要な病床確保をしっかりやっていくようにと。こういうことでございました。
 それから、後方施設ということでホテルを借り上げている件については、5圏域で確保していくということについては結構であるということでしたが、同時に、災害時の活用といったことも念頭に置いたらどうかというご指摘もありました。
 それから、医療機関の経営状況について、病院、診療所を問わず大変厳しいということでご報告がありました。これについては国の2次補正予算の中で、かなり手厚い内容が用意されていると見ておりますので、国のメニューを踏まえながら、私ども6月の県としての補正予算の中で可能な限り対応していきたいと思っております。
 それから、冒頭申し上げましたことに関連するのですが、これまでなかったから良かったけれども、逆に、今の時期に備えておくべきこととして、高齢者施設、あるいは障がい者施設での感染予防のあり方について、事前に充分検討を進めておくべきではないかというご提案がございました。具体的には、こういった施設における早期のPCR検査の進め方でありますとか、いざ感染した方が発見された場合のゾーニングと言うのでしょうか、区分わけをあらかじめ決めておくとか。それから、そういったときに施設としての対応について、速やかに専門家の指導を仰げるような専門家派遣の仕組みを考えておいたらどうかとか。感染ということになりますと、ご本人とご家族もなかなか接触は難しくなりますし、それから、ご家族は濃厚接触者ということになりますので、医療関係者との接触も難しくなるものですから、ご本人、ご家族、医療関係者が接触しない中で事態が悪化するということもあり得るわけでありますので、事前指示という、専門家用語ではそう言うんだそうですが、事前にいろんな場合を想定して、ご本人、ご家族、医療関係者の間で意見交換していくというか、考え方を整理していく必要があるのではないかと。そんなような具体的なご意見、ご提言もございました。だいたいそんなところが今日の専門家会議でございました。
 それから、先ほど終わりました(東海)3県知事の共同宣言は、聞いておられたと思いますけれども、明日から人の移動を、県境を越えた移動について、国も慎重にということも言っておりましたし、私どもも慎重にということを3県ともに言ってきたわけでありますが、その部分が緩和されることでありますので、そういう人の移動の中に、今後、観光をどう進めていくかということについての連携も進めていこうではないかということで、今日、意見交換した訳でありますけれども、既に共同でやっていることもありますし、それを3県に広げるというやり方もありますし、新たな観光プロモーションということもあります。それから「GoToキャンペーン」という、1.6兆円ですか、大変大型の振興予算も政府の方で用意されておられますので、そういったものの対象として、東海3県の連携プロジェクトを提案したらどうかとか、そういったような問題意識について、基本的に合意をしたということであります。スムーズに議論が進んだのではないかと思っております。
 それから、お手元に資料がございますけれども、地域外来・検査センターですが、既に2カ所スタートしておるところでありますが、これに加えて、明後日6月2日から3カ所目ということで中濃地域において開設されますし、明々後日6月3日(水曜日)に同じく西濃地域においてもスタートするということで、それぞれ1日あたり最大20件程度の検査が可能になるわけであります。着々と地域外来・検査センターの設置が進んでいるということで、あと飛騨の方でもさらに今、調整をしているところでございまして、飛騨地域の医師会といろいろと議論をさせていただいておりますので、まとまり次第またご報告をしたいと思っております。
 それから、資料はお配りしておりませんけれども、岐阜県感染警戒QRシステムですけれども、昨日(30日)初日で、今日の昼までで登録者数が1,374人と。県有施設が1,283人、岐阜市の施設が544人ということで、大所の世界淡水魚園水族館、各務原の航空宇宙博物館、岐阜県の美術館、だいたい半分くらいの方が登録されたということです。ご家族で来ておられる方も結構おられて、そういった方々は代表者が登録されるだけでしょうから、その分を加味すると、絶対数で半分くらい行っていますので、かなりの程度、まだスタート段階ではありますけれども、カバーされているのではないかということであります。また、登録された方からは、大変、早めの情報収集ができるとか、簡単に登録ができるということで概ね好評だと報告を受けております。岐阜県と岐阜市で昨日スタートした訳でありますが、県内、岐阜市も含めて32の市町村が積極的に使いたいということでございますので、順次開始していきますし、残りの10の市町村も今、前向きに具体的なやり方を検討しているということでございます。これはこれで一つの簡便なシステムとして広くご活用いただければいいのではないかなと思っております。
 私の方からは以上でございます。

記者
 先ほど出ました条例案の件なんですが、初歩的で恐縮なんですけれども、感染症に特化したものという。

知事
 そうですね。新型コロナには限定しないで、岐阜県感染症対策基本条例、これは仮の名前ですけれども、そういった名称で、感染症問題についての取組方針を条例できちんと定めたらどうかなと。そういうことであります。

記者
 そうすると、これまでは感染症に特化した条例というのは存在しなくて、新しく設けると。

知事
 新しい条例です。

記者
 今から議会まで数週間ございますので、内容を固めていくと思うんですけれども、現状で骨子となる部分であるとか、改めて目的を、よろしいでしょうか。

知事
 まだこれから議論するところでありますので、この2月の最初の発症以来、試行錯誤でいろいろなことをやってきたわけです。
 PCR検査から始まって、体制づくり、それから医療の供給体制づくり、それから市町村と医療関係者と県の連携、さらには、この問題の社会経済的なインパクトということで、緊急事態宣言、休業要請から始まって、いったん社会経済活動を抑制するということを働き掛けて、そのための総合対策を作り、それが順調に行って、感染者数が急速に減ってきたということで、目標値を定めて判断基準を据えて、そして解除というふうに来たわけであります。
 それで今、第2波に備えて、コロナが潜む日常と言いますか、日常的に気を付けないといけないガイドラインを定めて、それから経済再生の支援策も講じていると。いろんなことを次々とやってきているわけなので、そういった今までやってきたこと全体を視野に入れて、この感染症対策は、自治体にとりましては総力戦であると。それでまさに県の総力を挙げていろんな角度から取り組むテーマであるということで、そういったいろんな角度の観点を一つも見落とすことのないように、しっかりと総力戦、総合対策として取り組めるような、そういう枠組みを整理したらどうかなと。
 それで、それを遂行するものとして、県自身の本部もありますし、岐阜市との合同本部もありますし、それから市町村とか、医療機関とか、経済関係者とか、入っていただいている協議会という仕組みもあります。それから今日のような専門家の会合もございますし、そういった諸々の企画、あるいは検討、あるいは意見交換、そういう仕組みをどういうふうに整理をするかと。
 それから、これまで非常事態宣言と言い、緊急事態宣言と言い、2週間作戦と言い、あるいは総合対策と言い、いろいろとネーミングを付しながらやってきたわけですけれども、そこら辺の対策の立て方とか、過去を振り返りながら一回整理してみてもいいのではないかと思っております。

記者
 明日から、県をまたぐ移動が国の基本的対処方針では緩和されます。今まで岐阜県としては、県内外含めて不要不急の外出は控えてほしいと要請してきたと思うんですが、その岐阜県の姿勢は、明日以降変わるんでしょうか。

知事
 いの一番に愛知県、三重県に行くことについて慎重にしてほしいという今までの言い方は、隣県と言えどもお出かけは慎重にしてくれということを強調していたわけですね。それはついこの間まで警戒県であった関東各県とか北海道とも同じように、同じ意味で言っていたわけでありますけれども、国の方針で、最後に解除された関東と北海道、これらの都道県には引き続き自粛をと。それ以外については、これまでのような自粛を積極的にお願いするということは(しなくても)いいのではないかということになりましたので、それに歩調を合わせるような形で、愛知県、三重県との往来については、コロナの潜む日常になるわけですから、慎重であることはあるにしても、まず、いの一番に自粛、自粛ということを申し上げるというところからは緩和された状態になるということでしょうかね。
 いずれにしても、不要不急なところをわざわざお出かけするのはやはり、まだ国内、第2波かもしれないという状況も一部にありますし、気を付けていただいたらいいと思います。また、どうしてもお出かけになるとすると、愛知、三重は経済生活、社会生活を重ね合うところが多いわけですから、出かけることになれば当然、マスク、うがい、手洗いといった基本的な、あるいは3密状態を避けるとか、基本的な行動様式はやっぱり守っていただきたいと。そこのところは変わらないと思います。

記者
 国の方針としては6月19日から、県境をまたいでの観光の移動というのが出ていますが、(東海)3県としては、(6月)1日からやっていこうというメッセージを出されましたけれども、この狙いと、逆に言えば、3県以外の外側は、まだそんなに力を入れないのかというところ。あと、感染の拡大の懸念というのが、3県としてやることの懸念というのは特にないのでしょうか。その点を教えてください。

知事
 感染対策については、この合意の2番目に、「第2波、第3波の発生抑制に向けた観光施設での感染防止対策の徹底」ということを掲げておりますので、そこについてはお互いに慎重にということは変わりないと思います。
 もともと、社会生活、経済生活で重なり合っているわけですから、国全体の流れの中で、この我々の県境のバリアが低くなるとすると、次は観光交流だろうと。ものの順番としてですね。かつ、観光というのは、本来的に人を集めると言うか、人が集まるということです。しかし一方で、3密を避けましょうとか言っているわけなので、やはり、段階的に慎重に観光を進めていく必要があるということで、慎重に、かつ連携をとりながら、せっかくお互いに観光立県ということでやるとすると、近隣で、少しパイの広いところで交流を進めるところから始めるほうが、移動範囲を狭く市町村に限定するとか、県内、1県に限定するというよりは、既にある程度そういう交流があるという前提で、観光という形で、人が動き出すというのはいいのではないかと。
 かつ、国もいずれ遠からず、「GoToキャンペーン」ということで打って出ますので、そういう時に、この広域的な連携というのは、大いにアピールできるポイントになるのではないかと。そんな思いで、3県一致したということだと思います。

記者
 先ほど知事は、専門家会議の協議内容に関して、現在確保していらっしゃる、今後増やす後方施設ですが、災害時の活用もするべきではないかというような提案があったとお話しされていたと思います。その災害時の活用を、もう少し具体的におっしゃっていただけますと。体調不良の方を一時的に受け入れるような避難施設とするのか、また違う目的を考えていらっしゃるのか、そのあたりはいかがなのでしょうか。

知事
 あまり深く議論したわけではありませんで、こうやって場所が確保されていて、それでいわば隔離施設ですよね。隔離施設ですから、きちんとしたマネージメントが伴っている施設ですから、いざ、そういう災害時に、急を要する場合に、そういうきちんとマネージされたところを、避難場所のひとつとして使うということも、頭の片隅に置いておいていいのではないかという、サジェスチョンというのがあったということです。
 それじゃあ明日から具体的に、どういう場合にどう使うかというのを、すぐ検討に入ろうということではありません。本当に、とにかく逃げ場を失って、さぁどうするかという時に、こういうものがあるというのも頭の片隅にあれば、窮余の一策として、あるいはあり得るかもしれないと。特に岐阜県は、風水害が多い県ですから、そういうご提案というか、ご示唆ということで、今日のところは受け止めさせていただいて、かと言ってすぐ何かするわけではありませんけれども、まさに頭の片隅に置いて、これから進めていくと言うか、そんなところですかね。

記者
 今後の医療提供体制の中で、高齢者とか障がい者施設の部分が課題だというふうな意見が出たということでしたが、今後の考え方ですね、例えば県としての、こういうふうにやってほしいというようなガイドラインなどを作っていくようなイメージでしょうか。

知事
 ある程度のガイドライン的なものはあるのですけれども、やはりずっと眺めていきますと、集団感染という時に、地域にとって非常にウィークポイントになりがちで、あっという間に広がっていく恐れのあるところが、こういう分野であります。それなりに警戒してきたことは事実で、別に手抜きをしていたわけではないんですけれども、今の凪の状態、小康状態の中で、先ほど申し上げました一つひとつについて、丁寧に現状を掘り下げて、そしていざという時に、本当にあっという間に広がりかねないような時に備えて、どうするかと。
 要望段階から言えば、施設にお世話になっている人もそうですし、そこの職員の方、介護の方々も含めて、PCR検査をどういうふうにやっていくのかというところから始まって、いろんなことを、今少し小康状態なところで、一番の弱点として意識的に詰めていったらどうかということです。私どももそれは大賛成なので、別に手抜きしていたわけではありませんし、非常にいざという時の難しいところだと認識はしておりますので、非常に的を射たご指摘と受け止めたということです。

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