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知事記者会見録(令和5年1月17日)

記事ID:0272601 2023年1月19日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事、県警本部長、(株)ヤマップ代表取締役春山CEO及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年1月17日(火曜日)14時30分

​​司会
 それでは、ただいまから、株式会社ヤマップ、岐阜県、岐阜県警察との「山岳遭難事故防止に向けた連携協定」の締結式を行います。
 本日は、株式会社ヤマップ代表取締役CEO 春山慶彦様にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いします。
 進行については、協定の締結、写真撮影、株式会社ヤマップ代表取締役春山CEOからの挨拶、県警本部長からの挨拶、知事からの挨拶、質疑応答という順で進めさせていただきます。
 それでは、協定の締結に入らせていただきます。
 3通の協定書にご署名いただきます。署名が終わりましたら、係の者にお渡しください。それではお願いします。

(協定書署名)

司会
 ありがとうございました。
 それでは、写真撮影に移らせていただきます。
 お手数ですが、お立ちいただき、マスクを外して中央に3人でお寄りください。
 それでは、撮影をお願いします。

 (写真撮影)

司会
 ありがとうございました。
 マスクを着用のうえ、ご着席ください。
 それでは、株式会社ヤマップ代表取締役CEOの春山様からご挨拶をいただきます。

春山CEO
 この度は、お時間をいただきありがとうございます。株式会社ヤマップ代表の春山と申します。この度は、山岳遭難事故防止に向けた連携協定を岐阜県、岐阜県警察と結ばせていただいたこと、ありがたく御礼申し上げます。
 昨今、特に新型コロナになってから自然観光が脚光を浴びております。登山ですとかキャンプですとか、自然の中で体を動かすということが社会的な意義として深まっていると思っています。ただ、自然観光、自然のアクティビティというのは、通常のテーマパークのような遊び方と違って、命の危険、事故の危険性というのもあります。ですので、登山届を出すとか、自分の位置情報を家族と共有するとか、万が一に備えて、テクノロジー、スマートフォンやスマートフォンのGPS、あるいは紙の地図といった道具を使いこなして、安全にアクティビティを楽しむ、無事に家に帰るということを、岐阜県、岐阜県警察との協定を通して、私どもとしてもより貢献していきたいと思っています。その端緒が今日だと思っています。
 岐阜県の山岳観光、また、山の楽しみ方という分野に貢献していきたいと思っております。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。

司会
 ありがとうござました。
 続きまして、県警本部長、お願いします。

県警本部長
 本日、株式会社ヤマップのご協力を得て、同社と県及び県警察の三者による「山岳遭難事故防止に向けた連携協定」を締結させていただいたことにつきまして、県警察としては、誠にありがたいものと受け止めております。
 昨年、本県における山岳遭難の発生件数は129件、遭難者数は141人で、前年より36件、34人増加し、いずれも過去5年間で最高となりました。その背景には、いわゆるコロナ禍において、他人との接触を控えつつ、コロナフレイルや体力低下を防止するために低山登山を始めた人が増えたであろうことや、ウィズ・コロナを前提に社会が再活性化しようとする中で、北アルプスを目指す登山家が戻ってきたことがあるのではないかと思います。
 岐阜県は、「木の国・山の国」と言われますように、本県の大きな魅力である「山」を楽しむ県民や来県者が笑顔になってくれることは、長野県、富山県とともに全国屈指の山岳警備隊を擁する本県警察としても喜ばしいことでありますし、登山に伴う事故を防止するという使命感を奮い立たせてくれることでもあります。
 登山に伴う事故、すなわち、遭難の防止及び遭難者の早期救助にあたって、最重要事項ともいえるのが遭難者に係る情報の収集です。登山者の年齢、性別、登山ルート、携行品等を把握することによって、それに応じた装備や体制で早期に現場に到着し、効果的な発見、救助が可能になります。遺憾ながら、主たる情報源となるはずの登山届の提出状況は、過去5年間を平均しますと、条例対象区域内での提出率が約82%、区域外に至っては約14%と、効果的な発見、救助を阻む隘路(あいろ)となっておりました。
 こうした中、全国の登山愛好者から広く支持されております、スマホアプリ「YAMAP(ヤマップ)」を展開する、株式会社ヤマップとこの度、連携協定を締結できましたことは、万一の場合の発見、救助には大変有効でありますし、ひいては、登山者自身への備えを促し、登山事故の防止につながっていくものと心強く思います。
 今後、登山愛好者の方々が、より安全で快適に登山を楽しまれることを祈念いたしますとともに、県警察としましても、登山愛好者を含めた県民の一層の安全・安心の確保に努めて参りますことをお誓いしまして、私の挨拶とさせていただきます。

司会
 ありがとうございました。
 続きまして、知事、お願いします。

知事
 改めまして、大変意義深い協定の締結に至りましたことについて、株式会社ヤマップの春山慶彦代表取締役CEO、そして、岐阜県警察の加藤伸宏本部長をはじめ、関係者の皆様に大変お世話になりました。改めて感謝申し上げる次第でございます。
 私どもは、平成26年に、いわば全国に先駆ける形で、北アルプス地区及び活火山地区を対象に、いわゆる山岳遭難防止条例を制定いたしました。特に、登山届の提出を義務付け、義務違反には過料を科すという思い切った条例を制定させていただきました。今回の連携協定締結により、さらに登山届の提出促進、それから、いざという時の捜索、救助の迅速化といった面で大変迅速かつスムーズに事が運ぶのではないかと大いに期待しているところであります。これを機会に、改めて私どもとしても、登山届の提出、それから山岳遭難事故の防止について、各方面に強く啓発していきたいと思っている次第でございます。誠にありがとうございました。

司会
 ありがとうございました。
 それでは質疑応答に入らせていただきます。

記者
 まず、春山さんにお伺いします。
 既に長野県、愛媛県、熊本県と協定を締結されておりますが、早い時期に岐阜県を締結先として選ばれた理由を教えてください。

春山CEO
 先程もありましたように、岐阜県は「山の国」であり、山岳観光においては、日本においてトップクラスの県だと思っております。そういった山岳観光が盛んな県において、こういった協定を結ばせていただくというのは、県警の皆様にも貢献したいという思いと、県の皆様、岐阜県を訪れる皆様の登山の安全、便利ということを担保するためには、非常に有効ではないかという形でお話させていただき、今日、協定締結に至ったというのが背景です。

記者
 今後、締結予定の都道府県はありますか。

春山CEO
 山岳観光が盛んな県においては、私としても、こういった協定締結を呼びかけておりますし、自治体からもお声をいただいているという状態です。
 もちろん、協定を結んでいなかったとしても「YAMAP」の中で「見守り機能」というのがあり、県の方から問い合わせがあった時は、「YAMAP」ユーザーで、もし遭難した場合は、位置情報を県、県警の方に提供するということはやっています。ただ、より大々的に、しっかり周知しながら、登山届も出しながら遭難対策をしていくという意味において、今回の協定締結は、より深く踏み込んだ形で山岳遭難防止に貢献できるのではないかと考えています。

記者
 加藤県警本部長にお伺いします。
 「YAMAP」を選ばれた理由は何でしょうか。

県警本部長
 この分野ではユーザー、愛好者が一番多いということが理由です。

記者
 登山届の提出がかなり低迷しているということでしたが、県警として、これまでに登山届提出を呼びかける取組みとしてはどういったことをされているのでしょうか。

県警本部長
 ポスターですとか、あるいは、いろんなメディアの方々の協力を得て広報、啓発をしております。先程申しましたように、条例対象区域は8割の提出がありますが、条例の対象でないところの低山登山というところも、やはり登山届を出していただいた方が、遭難の時に(捜索・救助にあたって)助かります。非常に登山届の提出が少ないということ、そして遭難事故が増えているということで、この辺の手当てをするというところが県警察にとっても課題になっておりましたが、この協定締結というのは、その点ですごく有効だと思います。

記者
 知事にお伺いします。
 登山届の提出が低迷しているということですが、県として、今の提出率をどのように考えておられますか。

知事
 私どもの目標は100%の提出です。(条例において)罰則付きで対象となった地域については、8割を超える届出が出てきておりますので、さらに徹底するということでありますが、それ以外の地域が極端に低いものですから、条例の対象地域を広げるやり方をとるのか、そうではなく、むしろ今回のようにこの分野ではトップシェアのヤマップさんとの連携ですので、これを一つの契機として、どういったキャンペーンをやっていくかとか、いろんなことを考えていきたいと思っています。

記者
 他の知事から、ヤマップさんは評判が良いよといったような情報を耳にされたことはありますか。

知事
 特段ないですが、県とヤマップさんとの協定締結は全国では4例目ですし、県警を含めた三者協定では全国で2例目ですから、これから(こういった協定締結が)進むのではないでしょうか。そのうちそういった話題が出てくると思います。

記者
 1例目はどこですか。

春山CEO
 熊本県が最初になります。

記者
 三者協定ということですが、県と県警察との役割分担はどのようになっているのかということと、県だけや県警だけという単体でなく三者でやることにより、より連携が強力になる部分があれば教えてください。

知事
 山岳の活用許可や山岳における危険防止など、広範な政策に県が目配りをしなければいけない中で、特に事故や罰則を付けたうえでのルール作りの話になると、県警察さんと連携していくこととなります。

春山CEO
 まずは遭難したときにしっかり遭難救助に向かえるように、「YAMAP」の位置情報データを、個人が特定できない形で県警察にお渡しします。僕らとしては、捜索に行かれる方が二次遭難に合わないように、また、今までのように何十人という体制で捜索するのは非常に手間がかかるので、デジタルのテクノロジーの力も使いながら、迅速な救助に役立つというのが第一義だと思っています。ただ、目指すところはやはり自然観光、山岳観光をどう盛り上げていくかが大事なテーマだと思っていまして、この山の1日の登山者数はどの位いるのか、どのルートから登っているのかなど、観光に使えるデータ提供もいずれはやっていきたいと思っています。その意味で、県警だけでなく、県行政と連携するというのは、そういう方向性も含めて、可能性のある連携協定だと思っているので、そこも視野に入れながら一緒に取組みができればと思っています。

記者
 届出の受付と登山情報の活用というところが「県」で、遭難時に情報を「県警察」が活用するということですか。

春山CEO
 そうです。そうして救助に行くこととなります。

記者
 登山届は、紙で出す場合と「YAMAP」を介して出す場合では、登山届の情報に違いは何かあるのでしょうか。

春山CEO
 ほとんどないです。登山届が義務化されていないところで登山届の提出率が低いというのは、デジタル化されていないことが大きな要因だと思っています。そのため、これをデジタル化することと、日本で一番使われている登山アプリである「YAMAP」がしっかり連携することで、低山での遭難事故の防止が一番のメインですが、登山届の提出率がどれだけ上がるのかなどの推移も見ていきたいと思っています。

記者
 記載事項は同じでしょうか。

春山CEO
 ほとんど同じです。ただ、登山届の記載事項は県や地方自治体によって若干違います。ただし、必要項目は、僕らは網羅できるようになっているので、大きな違いはないと認識しています。

記者
 「YAMAP」の共通フォームを使うことになるのか、岐阜県独自のフォームを使うのでしょうか。

春山CEO
 「YAMAP」上の共通のフォームになります。ただ、そのフォームは元々岐阜県様が使っていた登山届の内容を包含する形で網羅していますので、特段不備はないというご確認をいただいています。

記者
 岐阜県内だと、どのくらいの山情報が「YAMAP」に掲載されているのでしょうか。

春山CEO
 岐阜県の山のうち、「YAMAP」に登録している正確な数は今お答えできないので、後で別途ご回答します。ただ、岐阜県に限らず、百名山、二百名山、三百名山という有名な山だけでなく、地元の方に愛されている山々は、「YAMAP」上でほぼ全て登録しています。登録が無い山は、随時新しく作っているので、低山の山も既に網羅されていると思います。もし無ければ、新しく作っていますので、県の方やユーザから要望を受けて、地図を作っています。

記者
「遭難者の位置情報の提供」という点ですが、これはいわゆる電波が来ていないオフラインのところでも、位置情報が拾えるようなアプリなのでしょうか。

春山CEO
 正確に申し上げると、僕らが県警さんにお渡しするのは、遭難した方の経度緯度情報になります。遭難した方の経度緯度情報を「YAMAP」上でキャッチする方法は2種類あります。1つは、仮にそこが電波がつながっているところだったら、その電波を使って、僕らのサーバーに遭難の位置情報が残るということです。ただ、山は電波がつながらないところが多いので、専門的に言うとBluetoothという携帯電話の電波でない、電波連携をスマートフォン上で行い、「YAMAP」ユーザー同士で位置情報を交換するという機能を設けています。これを「見守り機能」と呼んでいますが、だいたい山に行っていただければ「YAMAP」ユーザーとすれ違うという状態になっているので、仮に、Aさんが山で遭難してしまい、Bさんがすれ違っていたら、Bさんが麓に降りて、電波のつながるところに戻ったら、Bさんが、Aさんがだいたいこの位置にいたという情報を「YAMAP」のサーバーにBさんが上げてくれるという、これが「見守り機能」の1つで「すれ違い通信」と言っています。その機能があるので、ユーザー規模を活かしながら、オフラインであっても遭難した人がだいたいどこで遭難したかを、ある程度分かるという仕組みを入れています。ただ、もちろん全くユーザーがおらず、電波がつながらないという状態になると、僕らのサーバーの方にも遭難者の位置情報は上がってこないので、その場合は「データがありませんでした。」ということを県警にお戻しするという流れになります。

記者
 本部長に1点質問があります。「YAMAP」の方で登山計画を出すことで、イコール登山届を提出したことになるということでしょうか。

県警本部長
 そうです。

記者
 先ほど、条例対象地域外の登山届提出率が14%ということで、特に低山の登山届の提出率アップが一番の目標だと思いますが、目標がもしあれば教えてください。

県警本部長
 数字の目標は特にありません。目標ではありませんが、先日、新聞の夕刊を見たら、ヤマップ社提供の全国で道に迷いやすい山のトップ5で1位が岐阜の権現山とありました。300m級の低山ですが、最も道に迷いやすいと載っていました。「YAMAP」の利用者の皆様の声を反映したものですから、そういう低山でも「YAMAP」利用者がたくさん利用していることがよく分かりました。そういった方々が情報を上げてくれれば14%がどんどん上がっていくだろうと期待しています。

春山CEO
 今の点を補足すると、「YAMAP」ユーザーが山で「YAMAP」を使ってくだされば、だいたいどこで道に迷っているかという軌跡データが貯まっていきます。なので、その道に迷ったというビッグデータを活かしながら、「ここは道に迷いやすいので、ちゃんと看板を付けませんか。」ですとか「ロープを張りませんか。」というようなご提案をさせていただいて、未然に遭難を防止するという取組みもやっています。地図にしっかりと反映するということと、現場で標識やロープを張るという対策のご提案をするということもやっていきたいと思っています。

記者
 春山CEOにお伺いします。
 最も早い協定ですと、どこの県でいつくらいに締結されていますか。

春山CEO
 昨年の2022年8月3日に熊本県と三者協定を締結しました。

記者
 (熊本県との協定締結から)半年ほどしか経っていないですが、実際に導入されたところで、届出件数が増えたとか、何か数字的な変化が出ているといった話はありますか。

春山CEO
 数値的な変化というのは、まだ正確な統計データが県から上がってきていないので分析はできていないのですが、実際に熊本県での遭難事故に対して迅速に連携しているといった事例は、熊本県内では既に進んでいます。

司会
 以上をもちまして、協定締結式を終了いたします。春山CEO、県警察本部長におかれましては、ここで退席されます。ありがとうございました。
 
 それでは、知事記者会見を再開させていただきます。

知事
 まずは、種豚「ボーノブラウン」の出荷再開ということで、「ボーノブラウン」というのは、霜降りの割合が通常の豚肉の倍ということで、岐阜のブランドとして大切にしてきたわけです。平成30年の12月に県の畜産研究所で豚熱が発生いたしまして、いわば全滅しました。これを何とか復活させたいということで、努力してきたところでありますが、来月から、県内の養豚農場に精液の提供を再開できるようになったということでございます。豚熱で全部殺処分をしたわけですが、幸いその発生以前に県内の養豚農場に譲渡していた種豚がおりまして、これを令和元年に買い戻して「ボーノブラウン」の再造成をしてきたという経緯でございます。
 その間、平成元年に、海津市に緊急避難豚舎をつくりまして、そこで種豚を保護すると同時に関市の方に新たな豚舎の建設を始めたということです。畜産研究所の再整備は令和6年度まで続くわけで、いまはその過程にあるわけですが、種豚の精液は提供できるようになったということです。特に再造成するなかで病気に強い改良を加えることができたということを聞いております。もう一回「ボーノブラウン」のブランドを大切に進めていきたいということです。
 その次が、森林サービス産業推進協議会の設立総会の開催ということでございます。森林サービス産業というのは、耳慣れない言葉ですが、ある意味では最近、私どもがいろんな専門家の意見を聞きながら使い始めた言葉であります。コロナ禍においてライフスタイルが変化していく中で、リアルな森林空間の魅力というものを大切にしていきたいということです。いわば森林空間の活用ということで、アウトドアの聖地というようなものになり得る高いポテンシャルがあるのではないかということで、特に岐阜県として森林空間における様々なサービスの提供といったものについて、協議会をつくって、そこで研鑽をつんで、情報交換、意見交換をし、PRをして森林サービス産業というものを中山間地で起こしていきたいという思いがあるわけであります。今月の27日に新庁舎の1階ミナモホールで、森林文化アカデミーの涌井史郎学長による記念講演を予定しております。すでに(協議会に)参加をしたいということで手を挙げておられる企業、団体が110に及んでおりまして、アウトドア関係の企業とか、林業関係者、木材産業、建設業、市町村、国の森林管理署、金融機関等々、関心が非常に高いということであります。新しい動きとしてご紹介させていただきました。
 3番目が、空宙博(そらはく)、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館ですが、リニューアルをしてこの3月で5年になるわけでありまして、それを記念して、3月25日から4月9日まで5周年イベントを開催します。一つの目玉が航空機のF-4(エフヨン)ファントムの展示ということです。F-4(エフヨン)ファントムとして展示するものは、日本独自の改良を加えた国産第一号機でありまして、試験飛行を岐阜の各務原基地でおこなっているというゆかりのある機種ということです。そのほかに各務原市内で製造しておりますヘリコプターBK117も展示をして、乗り込んで体験していただけるようになっております。それからJAXAが月面へのピンポイント着陸ということで、小型の月面探査機を駆使して、どこにでもピンポイントで着陸していく技術を実現していこうということでありますが、それらについての企画展を行います。JAXAが認証した宇宙日本食を新たに展示し、4月2日には、宇宙日本食としてのカレー、赤飯といったものを試食していただこうということです。今、官民あげて宇宙開発することが世界的なテーマになってきておりますので、そういう動きのなかで空宙博も世界の最新の魅力を伝える場として大事にしていきたいと思っております。
 最後に、岐阜県芸術文化顕彰・奨励の受賞者の決定であります。岐阜県芸術文化顕彰というのは岐阜県版の文化勲章とお考えいただければと思います。昭和26年からやってきております。顕彰の方はある意味では、すでに文化芸術分野で名を成して、業績を上げてきておられる方ということですが、文化奨励については、昭和49年からスタートしまして、すでに活躍はしておられますが、さらなる活躍が期待されるというどちらかというと、少し若手の新進気鋭の方々を顕彰するということです。これがこの度決まりまして、3月2日にぎふ清流文化プラザか、あるいはこの建物を使うかもしれませんが、受賞者による公演会を開催するということです。今回決定したリストについては、お手元のとおりでありますが、特に先般のユネスコ無形文化遺産に登録されました寒水(かのみず)の掛踊と郡上踊は、それぞれ保存会が長年に渡って、踊りの保存を大切に頑張ってこられたということで、特別賞で表彰することも含まれております。
 資料はお配りしておりませんが、昨夜コロナに関する専門家会議がありまして、日々データについては、夕方、健康福祉部長からブリーフィングしていただいておりますが、今の状態でいうと新規感染者について、一見少し落ち着いてきた感じがないわけではありませんが、非常に高いレベルで、なお推移しておりまして、高止まりということであります。病床使用率も5割を超えて推移しております。救急搬送とか、入院が制御といいますか、そういった医療の現場がまだまだ順調といえない状況でございますので、現在の「レベル3」の強化宣言というのは基本的に当然延長するのではないかということでございます。どれくらいの期間、延長するかですが、2月の中頃あたりまで延長するのが適当ではないかということでした。
 特に若者、20代のワクチン接種率が非常に低いということで、これを何とかすべきではないかという議論もありました。
 それから、前回の記者会見でも申し上げましたが、インフルエンザとの同時流行の懸念がありましたが、まだ流行期に入っていないということでした。今や岐阜県は完全に流行期に入りました。そういった同時流行に関わる更なる医療現場の困難がありますので、引き続き、油断なく強化宣言を実行していきたいということでした。

記者
 強化宣言の解除に向けて、求められる具体的な数値基準みたいなものがありましたら教えてください。

知事
 1週間平均の陽性者数を2,800人という数字を使っておりますが、直近では2,900人でありますし、これをまずは確実に下回るということで、これはいわば先行指標的なものですので、まずはこれを確実に下回るということです。それから病床使用率は現場を表す一番わかりやすい数字でありますので、これが確実に50%を切る状態で、ベクトルが下の方に向いているかどうか、具体的に厳密なターゲットではありませんが、入院とか、救急医療の制限を行わざるを得ないような状態にあるという現場がどの程度あるのか、救急搬送の困難も含めて、その辺も丁寧に実際に調べて、その辺で判断したいと思っております。

記者
 コロナ以外の事例ですでに支障を来している事例、病床使用率が上がったり、従事者が出払っていたり、対応が難しくなっている事例はありますか。

知事
 例えば、緊急搬送困難事例というものが、直近ですと1週間に56件あります。かなりのケースが受け取れないということの報告がありました。

記者
 BA.2とかBA.5以外で、新たな変異株については、県内はどういった状況でしょうか。

知事
 状況がどのように変わろうが、ゲノム解析をしていく体制はしっかりと維持していく必要があるというご指摘をいただきました。岐阜県の場合、オミクロンの新しい株は、若干パラパラとありますが、まだ、置き換わりの動きはありません。第7波、第8波は一つながりではありますが、アメリカでは新しい株で、BQ.1とかBQ.1.1というのが検出されてから、わずかな期間で置き換わったというような例が紹介されました。したがって、新しい株が来たときは置き換わりのスピードについても、十分警戒する必要があるという認識でおります。

記者
 医療ひっ迫防止対策強化宣言の延長ということですが、宣言の内容として、さらに厳しくなるなどの変化について、どのようなことを考えていますか。

知事
 基本的には、宣言に盛られている内容をそのまま単純延長ということかと思っておりますが、例えば、時期的に受験期に差し掛かりますので、入学試験やその体制について、既にガイドラインを出していますので、各関係教育機関に対して、まさに宣言強化期間にあるということで、対策を徹底するようにということは付け加えると思います。タイミングに合わせた記述があろうかと思いますが、基本的には単純延長ということです。そのため、大規模接種会場や諸々の検査体制などを継続してやっていくということです。

記者
 若い人のワクチン接種が伸び悩んでいるということで、この動機付けをどうするかということについて何か追加対策を考えていますか。

知事
 何かインセンティブをということですが、積極的に接種しようと思うだけのインセンティブとは一体どういうものだろうかと、単にクーポン券だとか、そういうこととは少し違うのではないかと考えておりまして、もう少し議論してからだと思います。

記者
 県議会議員選挙の話題で、今井瑠々さんが立憲民主党から自民党に移籍して、全国的に注目を集めています。政策実現のために移籍され、県議選に出馬をするということですが、知事はその報道について、どのようにお考えになりますか。

知事
 この話は報道を通じて承知はしていますが、前回の衆議院議員選挙に決意して出られて、選挙戦を戦って、その結果を踏まえて、次を目指してということで、いろんなプロセスを経て、この時点の政治家としてのご判断と承知しております。その辺りの一つひとつの経緯やお考えがどう展開されているのかなど、メディアの報道以外は知りませんので、特にコメントする材料を持ち合わせておりません。政治家としてのご判断をされたことと思います。

記者
 与党の自民党の方が政策を実現しやすいということでしたが、政策の実現のしやすさに、与党と野党で違いがあると考えていらっしゃいますか。

知事
 私自身、県議会でこれまで少なくとも4期目までは、ほとんどの党から推薦をいただきましたし、若干、5期目の選挙についてはニュアンスの違いがありますが、推薦をいただいておりました。現実に、コロナ対策にせよ、景気対策にせよ、それぞれの党から要望をいただいておりますし、その内容をしっかりと吟味しまして、やれることはやっていこうとしています。何党だからということでなく、私自身、知事の立場として県議会と政策論議をしていく上では、政策のクオリティをあくまでも議論するという立場でやらせていただいております。

記者
 コロナに関して、医療ひっ迫に関して、病棟の閉鎖や入院制限など、どの程度の件数かお分かりになりますか。

知事
 今、手元にないのですが、昨日の数字では、有意に減っているという状況ではないということでした。数字はお示しするようにします。

記者
 今日は火曜日ということで、過去の最大を更新することが多い曜日ですが、今日の感染状況についてはいかがでしょうか。

知事
 今日は3,403人で、何と比較するかですが、見かけ上、数字は減っています。今日は日曜日というお休みがあって、翌日月曜日はまず減り、その後、火曜日は必ず膨れ上がっていきます。先週の火曜日は1,667人ですが、先週は三連休でしたので、三連休明けとなった先週の水曜日は5,401人です。そのため、休み明けの数字としては、5,401人と比較することになりますが、単純に曜日と比較すると逆に増えているということです。1日1日で一喜一憂することではありませんので、私どもとしては今日、明日、明後日位のデータを見て、本部員会議、協議会、記者会見を開くという、いつもの手順を経て、最終的な方針を決めたいと考えています。そのため、明日、明後日の数字をしっかり見続ける必要があると思っています。

記者
 JR東海の社長交代について、リニアの問題として、着工の遅れやローカル線の維持などがありますが、どんなことを期待するのかお伺いしたいです。

知事
 (リニア中央新幹線については、)社を挙げてというか、今や国家事業の位置付けですので、国も沿線地域もJR東海も一丸となってこのプロジェクトの実現に向けた体制を組むべく努力をしています。そういう中で、これまでにない新しいかつ大規模なプロジェクトですので、環境対策や地域への影響などいろんな面で丁寧なチェックをしながら、前に進んでいく。同時に、これをどう生かしていくか、活用策も併せてしっかりと議論していく必要があり、新しい社長になられても、JRとしては、引き続き実現に向けて努力されると思います。県としてもしっかりと安全対策、環境対策を取りながら、一緒にスクラムを組んで行きたいという思いです。

記者
 改めて、「ボーノブラウン」の出荷再開に対する知事の期待のコメントと、鳥インフルエンザの発生が全国的に続いていますが、県の対策、対応について教えてください。

知事
 岐阜県の畜産としては、まずは飛騨牛が思い浮かぶのですが、飛騨牛も海外輸出が急速に伸びていますし、かなりしっかりしたブランド牛としても、地位を築いてきたと思っており、引き続きやっていきます。それに続く岐阜県の畜産のブランドとしては、この「ボーノブラウン」は、霜降り豚という豚肉の素晴らしさを、私どもとしてはアピールしようとしていた矢先に、豚熱に罹ったということで非常に残念な思いをしました。たまたま外部に預けていた豚がいたということで、当時、私が議会で答弁した記憶がありますが、完全に「ボーノブラウン」が復活するには15年かかるのではないかと言っていましたが、皆さんが頑張っていただき、量はまだ少ないようですが、精液と種豚を提供できるというのは、大変頑張っていただいたと思います。是非、まさに岐阜県の新しい豚のブランドとして、積極的に応援していきたいという思いでいます。
 鳥インフルエンザですが、私どもも平成29年から令和3年にかけて、悩まされたものですが、令和2、3、4年と急速に、特に今年の発生は凄まじいものとなっています。秋から5月位にかけてピークになるわけですが、昨年の10月以降現時点まで、国内24道県で60事例が起こっており、殺処分はなんと1,108万羽に達しています。私どもはすでに苦い経験がありますので、平常時から徹底的な消毒の実施やいわゆる飼養衛生管理基準を徹底的に守るとか、鳥インフルエンザのモニタリング検査のようなものも積極的にやっているところです。
 また、発生予防対策として、例えば、去年の10月には養鶏場の近くにため池があり、そこに鳥が集まることが懸念されたため、吹き流しなど鳥避けの仕掛け、あるいは注意看板を設置しました。それから、石灰を用いた県内全養鶏農家の一斉消毒を11月、12月にやりました。今日から3回目の一斉消毒もスタートしているところで、全県挙げて頑張っていただいています。それから、市町村あるいは関係団体と連携した防疫演習もやっているところです。たまたまこれまでのところ岐阜県ではこのラウンドでは発生していませんが、明日は我が身ということで、引き続き徹底的に油断なく対策を講じていくということです。

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