ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 知事記者会見 > 令和4年度 > 知事記者会見録(令和5年1月4日)

本文

知事記者会見録(令和5年1月4日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和5年1月4日(水曜日)15時30分

​司会
 それでは、ただ今から記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 待望の会見室ができましたので、またここでこれからずっとお世話になりますが、よろしくお願いします。いつもと勝手が違うので緊張しております。記者クラブの部屋の感じはいかがですか。スペースは十分ありますか。ご不満な点はないですか。

記者
 (透明な)窓がなくなった分、外の天気は見られないですが、部屋は暖かいです。

知事
 そうですか。とにかく使いこなすことが大事なので、もし違和感があったら、今のうちにどんどん言っていただいて、直せるものは直せるし、無理なものは無理ですから、しっかりと言っておかないと、後になってにっちもさっちもいかなくなるということがないように今から気が付いたことがあったらどんどん言ってくださいと職員にも言っています。皆さんも使い勝手の面で何かお気づきの点があれば遠慮なく言っていただいて、工夫できるところは工夫したいと思います。
 恒例でありますが、年頭始めはいつも、その年の県政について予定表を見ながらお話をすることになっております。
 今年の干支は「癸卯(みずのと・う)」でして、これまでの取組みが実を結んで勢いよく成長、飛躍する年に、干支通りなっていけばと期待しているわけであります。しかし、引き続き新型コロナの感染拡大防止というのがまず大前提としてあって、その上で、社会経済活動をさらに進めていくという一年にしたいと思います。できれば社会経済活動を進めていく中で、アフター・コロナに向かって勢いよく、脱兎のごとく飛び出せればと思っています。
 そこで主要事業予定を見ていただきますと、これは現時点で予定されているものを並べているわけでありまして、当然、年の途中でいろんな予定が入ってきます。
 まず1月は、今日の開庁から始まって、18日にいち早く防災訓練をやろうということで、危機管理の面でもこの庁舎の使い勝手をしっかりと確認しておきたいと思っております。
 それから、すでに会見でお話しております「第11回円空大賞展」は1月末から3月にかけて行われます。
 それから、新しい試みとして1月27日に「(仮称)森林サービス産業推進協議会」の設立ということで、森林空間をサービスを提供する空間として、それに取り組む産業に集まってもらおうという趣旨です。森林体験とか森林の魅力をアピールして、ワーケーションとか移住・定住とかを含めて広く森林を活用してもらうという発想で、こういった組織を作っていこうということです。そしてアイデアを出し合おうといった試みです。
 それから、今日開庁式を1階のミナモホールで行ったわけですが、1月30日に「『清流の国ぎふ』DX推進フォーラム」をミナモホールで開催します。このホールの仕事上のこけら落としとしてはこのDX推進フォーラムが最初になるわけでして、落合陽一さんをお招きして岐阜県のDX推進について、いろんな角度から議論していただこうと思っております。その後、「脱炭素社会推進フォーラム」、それから「オール岐阜・企業フェス」ということで、このミナモホールを積極的に活用していきたいと思っております。
 それから、3月のところにいくつか書いてありますが、様々な県の重要な戦略あるいは計画についての改訂作業が進んでおりまして、ちょうど今、パブリック・コメントをやっている最中ですが、これに1月末から2月にかけての予算編成を組み合わせながら、最終的な改訂計画、改訂戦略ということで打ち出していきたいということです。県全体の最上位にあります「『清流の国ぎふ』創生総合戦略」から始まって、「岐阜県SDGs未来都市計画」「岐阜県地球温暖化防止・気候変動適応計画」「岐阜県成長・雇用戦略」「ぎふ農業・農村基本計画(中間見直し)」「岐阜県リニア中央新幹線活用戦略」ということで、いずれも重要な計画、戦略が並んでいるわけで、一つひとつ丁寧にかつ戦略的に予算編成の面でも工夫して前に進めていきたいと思っております。
 それから、3月下旬から4月上旬というところで、「空宙博(そらはく)の日」ということで、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館も(オープンから)丸5年になりますので、そこで一区切りとしてのイベントがあります。
 それから、その下に郡上市の奥田洞谷ですが、これは令和2年の7月豪雨で大規模な土砂災害があったところでございまして、大変時間がかかっておりましたが、この3月下旬に土砂災害対策工事が完了します。いまだ避難している方がおられるわけでありますが、避難体制もそこで解除されるということで、いわば岐阜県の最近の豪雨の中では一つの弱点と言いますか、厳しいところを突かれた豪雨でありましたが、これについて一応完了するということでございます。
 それから、4月に入りますとこの庁舎の中に保育園を設けることにしております。職員もそうですが、岐阜市民の方もご利用いただけるということで「ぎふっこ保育園」と名付けて開所させていただこうということです。これはこの庁舎のプランを練る時に、職員へのアンケートや近隣の方々のニーズを確認しましたら、是非ということでした。この「ぎふっこ保育園」では、県庁舎の前の「ぎふ結のもり」もいわば園庭ということで保育園の皆さんに楽しんでいただこうと考えているところでございます。
 それから、すでに議会を通っておりますが、4月1日からは「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進条例」ということで、県産材の利用というところに注目した様々な施策を進めていこうということでございまして、これが脱炭素社会の実現にもつながるということでございます。
 それから、3年に1回やっております「清流の国ぎふ芸術祭Art Award IN THE CUBE 2023」をこの4月から6月にかけて3回目を開催します。今回は「『リアル』のゆくえ」というテーマで募集し、今、選ばれた14作品の作家がそれぞれに作品を作っているところでございます。
 それから、次のページの5月のところをご覧いただくと、「ぎふスタートアップ支援コンソーシアム(仮称)」ということで、産学金官、「金」は金融機関ですが、共同でスタートアップ支援の体制を作ろうということでございます。
 それから、7月に「県産材利用フォーラム(仮称)」の開催ということで、これは先程見ていただいた条例の周知をするという一環でございます。
 それから、9月にハンガリーのヘレンド博物館、ヘレンドというのはハンガリーにおける陶磁器の名窯でありまして、そこで美濃焼の展示会を開催することにしております。ヘレンドと美濃焼との間の交流協定がありまして、昨年は多治見の方で美濃焼とヘレンドの大変素晴らしい展示をしていただきました。
 それから「関ケ原ナイト」は予定通り、今年も9月に「大関ケ原祭」のオープニングとして夜のイベントからスタートし、10月の諸々の行事につながっていくということでございます。
 それから、「岐阜県農業フェスティバル」について、このところコロナで中止が続いておりますが、できれば何とかやりたいということです。特に農福連携に重点をおいて、「全国農福連携マルシェinぎふ」ということで、岐阜県としては(農業フェスティバル内で行うのが)初めてでありますが、全国から様々な農福連携をやっておられる方々をお招きしてアピールしたいということでございます。
 それから、来年の秋になりますが、国民文化祭、それから高校生の総合文化祭の1年前イベントを10月から11月にかけて予定しております。この辺から国民文化祭に向けて、様々な動きが具体化してくると思います。
 それから、脱炭素社会に向けて、岐阜県として独自の森林吸収クレジット制度「G-クレジット(仮称)」ということで制度設計をしております。国の「J-クレジット」は大変使い勝手が悪い、対象が狭いということで、独自の制度を作ってみようということでやっておりますが、10月中には実行に移したいということです。
 それから、地歌舞伎は今年から来年にかけて2年がかりで、勢揃い公演を次々とやっていこうということでございます。
 それから、時期は未定ですが、中国の江西省と岐阜県の友好提携35周年ということになりますし、それからブラジルの岐阜県人会創立85周年、アルゼンチンの岐阜県人会創立50周年、ペルーの岐阜県人会創立40周年ということで、中国からもあるいはブラジル、アルゼンチン、ペルーの岐阜県人会からもそれぞれお招きいただいております。どういう形でこれに参加するか、このところ私もこれでほぼ丸3年以上海外に行っておりません。そろそろこれも含めて海外戦略を具体的に動き出してもよい時期に来たのかと思っております。こうした記念行事もその一環として念頭に置いておこうということでございます。
 それから、一般国道417号の冠山峠道路が全線開通します。こうしますと福井と岐阜との間にしっかりとした道路が完成するということでありまして、福井県との交流が一段と進むのではないかと期待しているところです。
 ざっと現時点で確定しているスケジュールは以上でございます。
 それから、資料をお配りしておりませんが、新型コロナについてであります。本日の新規陽性者数は2,281人ということであります。
 それから、1週間平均の新規陽性者数は2,385人ということでありまして、少し落ち着いてきた感がここのところあるわけですが、年末年始における人の動きがどう感染につながっていくかというのはむしろこれからであります。医療検査体制の中で陽性が現れてくるのはむしろ明日以降ということで、明日からの数字を注目していきたいと思います。ただこの数日間は少し落ち着いた数字が出てきているということであります。3年ぶりに行動制限のない新年、年末年始であったわけでありますので、明日以降どのように数値が出てくるか注目しながら、岐阜県としては、「岐阜県医療ひっ迫防止対策強化宣言」を出しているわけでして、今月の22日までしっかりとデータもフォローし、また可能な限りの対策を打っていきたいと思っています。
 それから、新型コロナと合わせて要注意なのは、季節性のインフルエンザでありまして、岐阜県は定点観測を県内87箇所でやっておりますが、1定点当たり「0.16」ということで、流行の目安が「1」ですので、大きく下回っている状況であります。しかし、全国平均は既に「1」を超えておりまして、日本全国の平均値としては流行入りをしたということになるわけです。(本日9時時点では)「1」を超えた都道府県は既に15ありますし、「1」どころか「2」を超え「3」に迫っている県もあるということでございます。全国の動向も注視しつつ、この季節性インフルエンザについても十分警戒していきたいということで、新型コロナとの同時流行をかねてから心配しているわけですが、警戒がそういう意味で続くということでございます。
 私の方からは以上です。

記者
 今の発言の中で出たインフルエンザの件ですが、全国から見ると比較的落ち着いているという点について、これはどういった対策等が奏功しているのか、また他の背景により県内では流行していないなどの分析があれば教えてください

知事
 この直近の1週間、10日の間で急速に全国的に拡がったもので、それぞれ(定点観測の数値が)「1」を超えたところがどういうことであるか、必ずしもしっかりとした情報が出てきておりません。岐阜県としては、かねてからコロナとの同時流行を警戒して、手指の洗浄やうがい、外出に対する様々な注意喚起をしてきていますので、そういったことで慎重に皆さんが動いていただいているのではないかと思っています。このインフルエンザは県境関係なく一挙に拡がっていきますので、もう一段警戒を強めなければいけないと思っています。

記者
 資料の主要事業計画に「岐阜県リニア中央新幹線活用戦略」が改訂の項目として入っていますが、知事として、この辺をさらに見直していきたいという点があれば教えてください。

知事
 私どもは平成26年に全国で最も早く「リニア中央新幹線活用戦略」の第1弾を発表しました。まちづくり、インフラ整備、観光産業振興という観点など様々な観点からリニア中央新幹線をどう活用していくかについて、岐阜県を挙げて様々な検討をしてきております。大筋のベクトルが変わるわけではありませんが、問題意識として新たに出てきているのは、盛土や残土の問題です。こういった問題について、どう対応していくかも課題であり、SDGsをリニア中央新幹線の工事や活用の中でどう意識していくかや、新たな地方分散の観点からのリニア中央新幹線の活用などについて、このような論点を交えながら見直していこうというのが今の流れです。
 もう1つ、具体的なリニアの駅の姿について、どういう外観で、どういう規模で、その周辺のまちづくり・地域振興にどう関わっていくのか、アクセスとの関係もあります。駅にどんな機能を備えると良いのか、岐阜県らしいリニア新幹線駅の具体的な在りようを最優先で作業していまして、今年の5月位までにはJR東海に私どもの案を提示して、具体的にディスカッションしていきたいと思っております。

記者
 新庁舎への転居作業については、特に支障なく、スケジュール通り進んでいると考えてよろしいでしょうか。もし、問題が生じていたら教えてください。

知事
 今日の幹部会議でも議論しましたが、これまでのところは順調に進んできています。私どもが心配していますのは、作業そのものを順調に進めることは当然でありますが、まだ一部分は旧庁舎におりますので、今後、全庁的な会議を行う場合は新庁舎でやるわけですが、そのことでいろんな連絡ミスや連係ミスが2つの建物の間で起こらないように、十分注意する必要があるということです。また、移転をして使い始めたところで、使い勝手の点で課題があればできるだけ早く提供してもらって、直せるところは直すという話をしたところであります。

記者
 森林吸収クレジット制度では、排出量を購入してくれる企業が必要になると思うのですが、10月中の始まる時点で購入企業も募集を済ませている状態で始まるのか、制度を構築してから募集されるのか教えてください。また、県内か県外かどのような企業から排出量を買ってもらうことを想定しているのか教えてください。

知事
 林業関係者の方々とも相談しながら制度構築をしていきますが、制度構築する中で、使い勝手の良い仕組みを出来るだけ取り入れていくことを念頭に置いておりますので、議論の中で積極的に活用していただけそうかを見極めながらやっていく必要があります。そういう意味では、議論と活用は切り離せない問題だと思います。ただし、制度として言えば、制度ができたところで正式に募集するということになろうかと思います。国が「J-クレジット」というものを持っておられますが、使い勝手が悪い、対象が非常に限られているという声が強いため、我々としては岐阜県なりの考え方をお示ししようと思っていますが、同じ問題意識は国も持っておられますし、国とも議論しながらやってきています。まずは岐阜県独自として議論を進めていきますが、当然、国やいろんなところが関心を持って、コミュニケーションの輪の中に入ってこられると思いますので、そうなった時に、オールジャパンの観点からどう位置付けていくのかという議論になるかと思います。

記者
 県独自の制度ですが、全国の企業に購入を呼び掛けていくようなイメージでしょうか。

知事
 県境で区別する必要はありませんので、できればそうしたいと思っています。全ての人にとって魅力のある制度を作り、この制度がうまくいけば、岐阜県だけでなく、全国的にもいろんな連携をとってさらに制度を広げていこうという話にも十分なり得ると思っています。そういう意味でも農林水産省とのいろんなディスカッションをずっと続けております。

記者
 冒頭に、今年はコロナに気を付けながらも社会経済活動の回復ということをおっしゃいましたが、知事として、今年2023年の抱負や県政の指針、こういったことをしたいといったスローガン的なものがあれば教えてください。

知事
 まだ少し早いですが、今はいろんな分野で課題が出てきていますので、これ1つといった旗の振り方はなかなか難しいと思います。コロナ1つ取ってもそうですし、脱炭素もDXもそうです。しかも、日本だけでなく、日本を超えて人類史的な課題に直面しているわけですから、そういう中で岐阜県として、どこまでどういう提案をしていくかを問われているのだと思います。そういう意味で標語をまず作ってではありませんが、今日新庁舎の開庁式でメッセージをお出ししましたが、過去の先人がやってきた県政をこの時期に改めて振り返り、それを継承しながら、新しい道を切り拓いていこうということです。新庁舎とともに新しい道を切り拓くというスピリットで困難な課題に取り組んでいきたい、前に進んでいきたいという思いでおります。

記者
 先ほど、海外戦略の話がありましたが、なかなか海外に直接行くことが難しい時期の中、浮かび上がってきた課題と、先程もそろそろ渡航をという話もありましたが、どのように具体的に対応していくお考えか改めて教えていただけますか。

知事
 いろんなアプローチがありますが、1つは、コロナの始まる直前、岐阜県はインバウンドが目一杯でホテルが足りないという状態で、年間166万人(2019年)のインバウンドがありました。10年前(2009年)は15万人位で、急に10倍以上に膨れ上がったわけです。これも世界戦略をずっとやってきて、世界各地と持続的な交流を行ってきたことの1つの成果だと思います。しかし、このコロナで直接的な交流が途絶えて、なんとかリモートで顔を合わせながら議論し、人が動かなくても物は動くということで、岐阜県の優れたものをお出しし、様々な旅行博や展示会にも岐阜県として参加していますが、どうしても限界があります。また、直接出かけて、直接反応を見る、あるいは交流戦略を直接議論することが不可欠な状況に至っています。
 この3年の間に、少し薄くなったところをもう1回、ネジを巻き直すという意味では、東南アジアの主要国は全部そうですし、具体的な交流が進んでいるアルザスを含めたフランスとの交流や、先般、商工労働部長に行ってもらいましたが、展示会に特に飛騨のものを出したイギリスのロンドンもあります。ハンガリーも私が渡航しないままにやり取りをしており、先方から(来訪の)リクエストが来ております。オリンピックを通じて交流の深まったポーランドからもカウンターパートとなる県から招待が来ており、5月に何とかして来られないかと県知事や国の観光大臣からもお誘いを受けています。それから、モロッコとはこの間、モロッコガーデン(のオープニングセレモニー)を岐阜県で開催しましたが、様々な交流をしかかったところで途絶えていますので、こういった途絶えているところをしっかりとつなげ直すというアプローチもあります。それから、この後やろうとしていた、アメリカ西海岸ロサンゼルスへの岐阜県の進出や、シアトルとはオンラインで協定を結びましたが、シアトルの航空博物館と岐阜かかみがはら航空宇宙博物館との具体的な交流を進める話や、これから切り拓こうとしているところもあります。限られた時間と、物理的な渡航の関係を考えて、どういうプライオリティで、どういう順番で行くかを考えなければいけません。
 それから、岐阜県として参加し続ける予定の国際旅行博もたくさんありますので、中でもポイントとなるところにはそろそろ行った方がよいという感じもしています。国内のスケジュールもありますし、コロナの「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を出しながら、さっと海外に行くわけには行きません。前後左右眺めながら考えているところです。今年はそういう意味で、国際戦略をどういう手順で進めていくか考えどころと思っています。

記者
 時期未定という海外関係の予定もあります。感染状況等はあると思いますが、予定として、いつ頃という目途が立っていましたら教えてください。

知事
 先方からは、いつでもよいから何としても来てくれとお誘いが来ていますので、むしろこちらで、先ほど申し上げましたプライオリティの中で考えていく必要があります。仮に私が行けないとしても、副知事に代わって行ってもらうなど、そういった対応を含めて、全体のプライオリティを考えなくてはいけないと思っています。具体的なスケジュールはまだ決めかねているところです。

記者
 新県庁舎ができたばかりですが、今後のインフラ整備といいますか、県のインフラの中でもかなり老朽化が進んでいるものもあり、かといって全てを直したり、新しく造ることは難しいと思いますが、その辺り、今後の県有施設の在り方も含めてどのように整備されていくお考えか教えてください。

知事
 県の財政状況を考えますと、そろそろ慎重に見極める時期に来つつあります。この県庁舎が終わって、あと非常に時間のかかる、かつコストのかかる解体工事が待っておりますので、そういったことも含めて、諸々の県有施設について、点検をする必要はあろうかと思います。県立公園については一昨年から昨年にかけていち早く総点検をして、強化すべきことは強化してやっておりますので、公園関係はだいたい目配りは済んでいると思います。「岐阜関ケ原古戦場記念館」にしても「ぎふ木遊館」にしても「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」にしても、これらは比較的最近造ったものでありますし、それぞれにコロナ禍においても非常にお客さんの入りが好調でありますので、これらはどちらかというとソフトです。施設をどうこうというよりもその施設のなかで何をするのかという企画をもっともっと練っていかなくてはいけないという部分もあります。明らかに老朽化しつつある施設もありますので、その辺のバランスの中で考えていくということになろうかと思います。ただ、施設もさることながら、もうひとつは、施設ができていけばできていくほどそれぞれに維持費がかかるわけですので、維持費のコスト増ということについてもトータルに点検する必要があると思っているところです。

記者
 新しい知事室になったということで何か使い心地だったりとか、今までの知事室と何か変わったところがあれば教えてください。

知事
 知事室に限って言えば、今までの知事室は三つの機能を一つの部屋で一緒にやろうとしていたわけです。つまり、執務机のある執務スペースがあり、職員と議論する会議スペースがあり、お客さんをお迎えする応接スペースがあって、これを一つの部屋に押し込んでいたわけです。それぞれに機能も違いますし、使い勝手も違いますから、机の上やら、会議机が散乱していても、そこの応接セットにお客様をお招きするといった、ちぐはぐなことがどうしても生じておりました。今回はそれぞれ部屋を分けまして、応接室は応接室、職員と会議をするところは会議室、執務をするスペースは執務室と分けました。そういう意味ではそれぞれの部屋の使い道に応じて使いこなしていくといいますか、やりやすくなったのではないかと思っております。
 今まで、全国いろんな知事のところにもお邪魔することがありますが、応接室に行ったら、そこに執務机があったなどというのは見たことがなかったわけですので、やはり応接室は応接室、執務室は執務室ということで、そこの使い勝手の悪さが解消されたのは、よりやりやすくなったのではないかと思います。それ以外の家具の類は基本的にはそのまま持ち込んでおりますし、スペース的には、そこそこですので特に変わったところはないです。

記者
 今のところ、職員の方から新庁舎について感じていることや何か改善点などを伝えられたということはないですか。

知事
 職員に声をかけているのは、新庁舎がどうかということと、とにかく気が付いたことがあったら早く言ってくれと、今のうちだよということを申し上げております。職員の皆さんは新しい仕事場が出来つつあるということで非常に張り切ってやってくれているので、そういう意味ではありがたいと思っております。

記者
 岸田総理が今日の年頭記者会見で少子化対策に力を入れて取り組んでいくということがあり、都知事が子ども一人当たり5千円の補助を検討するといった対策を打ち出しています。出生数が80万人を割るというような報道も出ておりますが、この少子化対策に対しての知事のご意見だとか、具体的にこのことについてどう進めていくか、お考えがありましたら教えてください。

知事
 県の主要事業予定の中で「『清流の国ぎふ』創生総合戦略」がありますが、これは安倍内閣の地方創生の流れを汲んだものです。地方創生の法律があり、それに基づいて、各県が戦略なりプランを作っているものですが、私どもは安倍内閣の地方創生よりもかなり先だって、「人口減少社会への挑戦」という長期展望を早いうちに出させていただいて、平成の20年頃ですが、若い人にレポートを書いてもらって、まとめて出していただいているわけです。この3年間のコロナ対策の流れの中で、もともと構造的にある少子高齢化とか人口減少は、安倍内閣時代にこの計画を作り、それも改訂を続けていますが、想定以上にデータ的には悪化しているわけです。ですからコロナ対策をやりながら、そのさらに根っこの構造問題である少子高齢化というのはコロナによってむしろ悪化しているという認識を持ちながら、この創生総合戦略にどう書き込んでいくか、予算にどうメリハリをつけていくかということが、まさに我々の課題かと思っております。

記者
 「医療ひっ迫防止対策強化宣言」の件ですが、宣言を続けるという判断もありますし、解除するという判断もあろうかと思いますが、その判断の基準についての今のお考えを教えていただけますか。

知事
 まず、「レベル3」に移行して、且つベクトルが急速に上向いているということで強化宣言を出して、国の方もそれを理解していただいているわけです。数字的にみると、ほんの数日ですが落ち着いた数字が出てきています。これは年末年始のデータの問題もあると思いますので、明日以降の状況を見ながら、まだ解除云々する時期には程遠いと思っておりますが、どのように数字が動いていくか、よく見極めていきたいと思っております。よく危機管理は先手先手を打つというようなことを言われますが、私自身は、先手を打つということは思い切った措置を採るということですし、逆に緩める時にはむしろ慎重に緩めていくというスタンスで今までもやってきておりますので、そういった意味で、データも含めて慎重に見ていきたいと思います。

記者
 今年は統一地方選がありまして、県政の両輪である議会の方で大きな動きがあるかと思います。今回の統一選は、知事5期目就任の後の初めての選挙になりますが、議会との関係ですとか、議会の状況をどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

知事
 かねてから、県の行政と議会とは車の両輪ということをずっと申し上げておりますし、お互いに切磋琢磨して、それぞれの視点で知恵を出し合って、目指すところは岐阜県の発展でありますので、大きな違いはないと思います。そのためにお互いに切磋琢磨していくということを申し上げているわけです。現実に議会でのいろんな質疑とか、やり取りをご覧いただければ分かると思いますが、そういう意味ではお互いの切磋琢磨という関係が、よい方向に向かっているのではないかと私自身は思っております。

<外部リンク>