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知事記者会見録(令和4年11月29日)

記事ID:0261076 2022年12月1日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和4年11月29日(火曜日)15時45分

​司会
 それでは、ただ今から記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 先程、新型コロナの対策本部と、「オール岐阜」での協議会が終わりまして、改めて、「岐阜県医療ひっ迫警戒宣言」をお出しすることにいたしました。
 まず、このところの感染状況ですが、お手元の横長の資料をご覧いただきますと、従来お配りしていた資料とデータが違っています。従来は「10万人あたりの新規陽性者数(1週間平均)」でしたが、今回は「1日あたりの新規陽性者数(1週間平均)」での推移ということであります。1,100人がレベル1と2の境目、2,800人がレベル2と3の境目、5,600人がレベル3と4の境目ということです。このところの感染状況を見ますと、第7波の伸びるところよりは少し緩やかではありますが、着実に増えてきておりまして、今日も新規陽性者数は3,000人超えでございます。右肩上がりのトレンドに間違いなくなってきているということでございます。
 それから、次のページが病床使用率ですが、30%がレベル1と2の境目、50%がレベル2と3の境目、80%がレべル3と4の境目ということでありまして、この辺は、国が新たに設定したレベルの考え方に沿ったものです。現在はレベル2ですが、4割を超えておりまして、5割を超えてレベル3に届く勢いでありますし、県内のエリアを見てみますと、中濃、東濃、飛騨地域がしばしば5割を超えている状況でございます。
 それから、重症者数については現在0人ということでございます。これまでの最大値が24人ということです。
 それから、第7波と過去の波との比較ですが、確実に、第7波が落ち切らずに右肩上がりで推移しているということでございます。
 こういう状況の中で、国のレベルについての考え方の整理がありまして、この秋以降の感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合の対応について、政府の対策本部の方で発表されました。新規感染者数よりは医療への負担の度合いを見ようということで、特に病床使用率を中心にレベル分けをしているということでございます。
 お手元の縦長の「岐阜県医療ひっ迫警戒宣言」と書いた資料の4ページをご覧いただきますと、この表の中で、レベル1から4までの名称は国の考え方に準じています。感染小康期、感染拡大期、医療負荷増大期、医療機能不全期となっております。それに対して、国の方では病床使用率を、30%未満、30%、50%、80%と分けておりますが、私どもはそれに加えて、1日あたりの新規陽性者数(1週間平均)が1,100人でレベル1と2の境目、2,800人を超えますとレベル3になり、5,600人を超えますとレベル4になるということで、私どもとしては、1日あたりの新規陽性者数(1週間平均)を加えております。
 それから、レベル3から4のところで、重症者数という欄がございます。これも岐阜県として加えたものでございます。過去最高が24人ということでしたので、レベル4はあってはならない医療機能不全期ということですので、過去最高値をやや超える25人というのを一つの目安にし、レベル3の目安を10人ということにしました。
 それから、事象について書いてありますが、国としては「保健医療の負荷の状況」と「社会経済活動の状況」を見ながら、具体的には各都道府県で考えなさいということでございます。私どもとしては、「保健医療の負荷の状況」の中には、発熱外来とか救急外来がどうなるかとか、救急搬送はどうなっているのか、医療従事者の中の欠勤者はどうなっているのかといったことを中心に状況を見ていこうということでございます。それから「社会経済活動の状況」については、職場での欠勤者とそれに伴う事業継続の困難性といったことを中心に見ていこうということが私どもの考え方でございます。
 こうしたことを、その都度、トータルに総合判断をして、今どこにあるかということを見定めようということにしたわけです。これは、先般の専門家会議でも議論しましたし、今日も皆さんに見ていただいて、了承いただいたものでございます。現在の岐阜県の状況はレベル2であろうということでございますが、今、レベル3に急速に迫りつつあるということでございます。したがって、レベル3に至る前に少しでも先手を打って、これを抑え込んでいきたいということから、これは国のルールにはありませんが、「警戒宣言」というものを今回出させていただいたということです。国のルールでは、レベル3になったところで、さらに状況が悪化していく中で「対策強化宣言」でありますとか、あるいは、さらに悪化すれば「医療非常事態宣言」というものを、レベル3の中で2段階打っていくことができるということです。レベル4は何としても避けたいというのが国の考え方でございます。私どもは今回、レベル3の手前のところで、あえて「医療ひっ迫警戒宣言」という格好でまとめさせていただいたという状況でございます。
 それから、お手元に参考資料ということで、チェックリストが付いております。これは前回お配りしたものと同じものでございますが、現在、いろんな機会に家庭向け・事業者向けに、これを毎日チェックしてくださいということでキャンペーンをやっているところでございますので、これも付けさせていただきました。
 今回ポイントとなる「医療ひっ迫警戒宣言」の内容ですが、「~かつてない年末年始を避けるために~」というサブタイトルをつけております。これの言わんとするところは、本文の中にありますように、このところ(感染拡大に)歯止めがかかっておらず全国平均を上回る勢いで増加しつつあるということ、そして、それは気温が下がり換気が不徹底になりがちな室内に人が留まりやすいこと、それから湿度低下に連動して空気中を漂う飛沫が増える等といったことが影響しているのではないかということ、それに伴って、病床使用率は現在40%を超えてなお上昇し続けているということでございます。さらに、このところ医療従事者への感染が拡がっておりますし、一旦、落ち着きを見せ始めていましたコロナ医療以外の一般病棟の入退院、あるいは救急医療の制限といったことも、各地でちらほら現れてきて増加しつつあるということでございまして、この夏、お盆休みに経験したような医療ひっ迫が再度目の前に迫って来ているのではないかという危機感でございます。このまま特に人流が多くなる年末年始に至りますと、第7波のピークを越えて、かつてない規模の感染爆発となるのではないか、そうなりかねないということでございます。そういったことから今回、「岐阜県医療ひっ迫警戒宣言」を発出して、諸々の対策を要請するということに至ったということでございます。
 次の2ページでございますが、それぞれの主体ごとの取組みが書いてあります。
 県の取組みとしては、ワクチンの年内接種、それから検査キットの配送体制や登録・相談体制の強化、それから外来医療体制の確保・強化ということでございます。
 県民の皆様に対しては、速やかにワクチンを接種していただきたいということ、それからいつも申し上げているような基本的な感染防止対策の徹底、それから外出、飲食、イベント等については、その場がどういう場であるか、感染リスクについて慎重に見極めながら対応していただきたいということでございます。それから体調不良時については、重症化リスクの低い方には、まずはセルフチェックをしていただいて、そのうえで陽性になれば登録していただきます。それから救急外来とか救急車の利用については、真に必要な場合に限ってお願いしたいということでございます。
 それから、次の3ページになりますと、予防検査、事前検査の体制も整っておりますので、いろんな都度に早期検査、事前検査をそれぞれやっていただきたいということでございます。
 それから、事業者の皆様に対しては、ワクチン接種をしやすい環境を作ってほしいということや、事業所内での感染対策の徹底でありますとか、福祉施設における集中的検査でありますとか、飲食店においては十分な換気をお願いしたい、あるいは、座席間隔の確保、パーテーションの設置をお願いしたいということでございます。それから場合によっては業務が停止する可能性もあるということで、そういったことに備えて様々な準備をしておいていただきたいということでございます。
 それから、医療機関については、お盆休みにやりましたように、休日の診療を行うとか、あるいは診療時間を延長するとかということで外来診療を強化していただきたいということが中心です。
 それから、市町村につきましては、ワクチンの年内接種完了に向けて努力をお願いしたいということであります。それからもう一つの特色は、感染拡大傾向が顕著な市町村、今日の時点では高山市、飛騨市、白川村の飛騨の2市1村が独自対策ということで、別紙2の対策を発表しておられます。これは今後、寒い地域から段々、冬の到来とともに美濃地域も寒くなってきますし、同じようなことが起き得るわけでありますので、これが一つのモデルとして参考にしていただきながら、各市町村ごとにも実態に即した対応をお願いしたいというメッセージも兼ねているわけです。飛騨地域については5ページにありますように、10万人あたりの新規陽性者数は1003.06人ということで、都道府県ベースで第1位の北海道が1080.81人、第2位の宮城県が1020.38人ということですから、これに次ぐということで、全国全体で見ても極めて高い数字にあるということです。それから病床使用率も、これは下呂市を含めた数字でありますが、47.8%で、期間の取りようによっては50%を超えている週もございます。また、クラスターによる陽性者数も急拡大しているということで、そういったことから様々な対策を丁寧に打ち出していただいているということでございます。県のみならず市町村レベルでも対策を合わせてやっていくということでございます。
 こうしたことを通じて、まさに医療ひっ迫に対する警戒のレベルを高めていきたいと思っているところでございます。
 私の方からは以上です。

記者
 レベル分けとして、いくつかの条件を県独自で設けられていますが、それは全てを満たしたときに、このレベルにするということなのか、それとも、この中の1つでも満たせばこのレベルにするということでしょうか。

知事
 それぞれのレベルがどの辺りにあるのか、どういうトレンドでそこに辿り着いているかということもありますので、それぞれの数字、指標、事象をトータルに判断し、どうするかを判断したいと思っています。重要な指標ではありますが、特定の数値に達したら自動的にこうなるという類の基準ではございません。

記者
 特に飛騨地域の寒冷地でかなり感染が拡がっていることに対して、(高山市、飛騨市、白川村の)2市1村では独自の対策を取られていますが、県として、さらにこれらの地域に対して支援をすることは現段階で考えていらっしゃいますか。

知事
 県全体として、まず全ての市町村にお願いしたいことは、先ほどの「岐阜県医療ひっ迫警戒宣言」の中に書いてあることです。それに付加して、もう少しきめ細かに地域の実情に応じて、さらに踏み込んでやっていただいているのが、2市1村の対応と考えていますので、資料に書かれたことを着実に実行に移していただくようにお願いするということであります。
 それから、今日議論がございましたが、市民の皆さんにお話をする上でも、いろんなきめ細かなデータが欲しいという要望もございましたので、そのようなことについては迅速に対応できるようにしていきたいと思っております。

記者
 今回、行動制限といったものは入っていませんが、それは、変異株がまだ変わっていないからという理由や、そこまで感染が拡大していないからという理由で制限されていないのか、それとも、現時点のコロナ対策としては、もう行動制限は基本的に選択肢に入ってこないのか、どちらの方に近いでしょうか。

知事
 まずは先般、政府の対策本部で決定されたこの枠組みの考え方が、オミクロン株に対応したレベル設定ということです。このオミクロン株について、今分かってきている状況からすると行動制限ではなく、この4つのレベルの中で対応できる対策を一つひとつ丁寧に取っていくということで、政府の対策本部として、行動制限は視野に入れていないということです。私どもも、まずはその枠組みの中で、県としてよりきめ細かに判断すべき事象を整理したということであります。そういう枠組みの中のことでして、この先、例えば新しい株などいろんなことが起こった時にどうするかは別の問題です。現にこれまでやってきたまん延防止等重点措置や緊急事態宣言等の制度は法令上残っているわけで、まず今の議論の視野の中では、オミクロン株に対応したやり方としてお考えいただければと思います。

記者
 今回、「岐阜県医療ひっ迫警戒宣言」ということで、岐阜県独自で出されたわけですが、全体の時期の目安は出されないのでしょうか。

知事
 私どもが危惧していますのは、このまま行くと、それほど時間を置かずに、レベル3に入っていくのではないかということです。これに先手を打って、「オール岐阜」で最大限食い止める努力をしようということで出している宣言ですから、そのようなものとして受け取っていただいきたいと思います。ここに書かれた様々なアクションについて、「オール岐阜」でしっかりと対応していき、状況の推移を見ながら、必要があればさらにもう一段考えることもあり得ると思いますが、そのような位置付けであります。

記者
 レベル3への移行については、専門家会議等を開いて、レベル3に匹敵する状況と確認がなされた上で、次の対策強化宣言に移っていくという想定になるのでしょうか。

知事
 もし、今の判断を変更するようなことがあれば、あるいは明らかにレベル3という事態が来たときには、当然専門家会議を開きまして、事態の評価をします。総合判断として、レベルを変更するか判断し、その時の県内の各市町村を含めて置かれた状況を見ながら、さらに対策を付け加えていくことになるかと思います。しかし、今の時点では何としてもその手前で食い止めたいということです。

記者
 波の捉え方について、日本医師会などは先日、第8波に入ったという認識を示していますが、県としては現在、第7波の延長線上にあるという考えでよろしいでしょうか。

知事
 今日、この会合で村上先生から発言がありまして、「オミクロン株の中のBA.5が圧倒的主流という点については変わっていない。したがって、第7波がくすぶっている中での上昇と考えたい。」とおっしゃったわけですが、他方で波の形に着目して、第8波とおっしゃる方もおられます。この辺りは専門家の間でも意見が分かれていますし、そうしているうちに、五月雨的ではありますが、全国的に見ると新しい株も出てきております。定義論争は専門家にお任せするとして、まだ政府も公式に踏み込んでいませんので、私どもとしては状況に即してやるべきことをやっていこうということで、今回のような整理に至ったということです。

記者
 今回、「医療ひっ迫警戒宣言」ということで、もちろん感染拡大が続けば、「対策強化宣言」を改めて出すことも視野に入ってくると思います。国の枠組みの中では、行動制限は伴っていないということですが、「対策強化宣言」を出したとき、今回の「警戒宣言」とは中身はどのように変わってくるのでしょうか。

知事
 レベル3の中で取りうる対策である「対策強化宣言」については、国が特定の地域を「対策強化地域」に指定し、その地域は「対策強化宣言」を出して、いろんな対策を打ち出すというものです。この中には今のところ行動制限は考えられていないということです。それから、さらにひどくなったら、「医療非常事態宣言」という位置付けをして、さらに対策を付加していくということになっています。私どもとしては、この「警戒宣言」を続けていく中で、なお増え続けて、仮にレベル3になったとすれば、その状況にあわせて何を追加するかを専門家の先生方とご相談して対策を強化していくことになると思います。

記者
 可能性としては、行動制限は伴わないが、今回の宣言内容をさらに強化していくという形になるのでしょうか。

知事
 そうです。

記者
 最後に、県民へのメッセージとしまして、このまま感染が拡がれば、いつごろまでにどのような感染悪化が見込まれるといった危機感をお願いします。

知事
 オミクロン株は非常に感染力が強く、少しでも隙があればどんどん拡がっていくということで、急速に感染者が増えてきているわけです。他方で、全体としては、重症者は少ないということで、さらにこれまでやってきたワクチンの成果や集団感染の効果もあるでしょうし、いろんな意味でどんどん拡がっていく中でも、それを抑え込む努力の要素と、その隙を見つけてウイルスが拡がっていく要素とのせめぎ合いの中で結果が出てくるということです。
 私どもとして最も心配するのは、まさに医療ひっ迫です。国も病床使用率に着目してレベルを分けているのはそういうことでして、コロナの感染者のみならず、一般の病気にかかった人が本来受けられるべき診療が受けられないという状況になった時には、本当に医療体制自体が混乱に陥ります。助けられる命も助けられなくなるかもしれない、あるいは救急搬送も困難になるなどの非常事態に至るのを避けたいというのが基本的な私どもの危機感になっています。
 それから、先ほどの資料にははっきり書いていませんが、やはりこの冬のインフルエンザとの同時流行も非常に医療関係者が恐れているところでして、この2年間、かなり鳴りを潜めていたインフルエンザが、ここへ来て出てくるのではないかということで、そうなった時、なおさら医療のひっ迫を深刻化させるという医療の悪化を危機感として捉えて、最大限ウイルスの活動、感染を食い止める対策をやっていこうというのが今回のメッセージだと思います。

記者
 コロナの飲み薬のゾコーバについては、シオノギ製薬が作って、22日に承認され、昨日から全国で供給が開始されたとのことですが、県内ではどれくらいの病院や薬局が採用しているのでしょうか。

知事
 今データを持ち合わせていないので、夕方のブリーフィングまでに用意しておきます。

記者
 ゾコーバは効果が期待される一方で、併用してはいけない薬が多数あるとのことですが、それを迷って使用をやめるという病院が全国ではあるとのことですが、県として何か病院に対して指導であったり、アドバイスをしていくということはあるのでしょうか。

知事
 それは、まだ専門家会議の方では議論していないので、これからの課題だと思います。

記者
 他県では年末の医療体制の人手を確保するために、医療機関に協力金を支払うことを決めたところもあるようですが、岐阜県の予定はありませんか。例えば休日に一日開けると15万円とかいったものです。

知事
 私どもはこのお盆休みに、全県的に各医師会にもお願いをして、広く診療体制の強化をお願いしたところです。今も医師会も含めて、声をかけて体制を手厚くしていこうとやっております。すでにかなりの数の医療機関から手が挙がっておりますので、そのラインでさらに、最大限協力していただくように要請をしていくということが今、行われているということであります。特に改めて新しい協力金制度を作るとか、そういうことはしておりませんが、お盆休みに通常の倍以上の医療機関に協力をいただいたので、引き続き最大限協力をお願いしたいというスタンスでやっております。

記者
 レベル分類の判断の指標で、特に重視する項目があれば教えてください。重症者数が低い中で10人というのはどのくらいのものなのか気になるところです。

知事
 私どもは24人というのを過去に経験しています。これは、本当にぎりぎりというか、綱渡りの状況でありましたので、その辺りがあってはならない数字として線を引くとすると、レベル4で25人としているわけです。そこに至る途中のプロセスとして、一つのわかりやすい目安を置いて、なんとしてもその手前で食い止めようという意味で、10人という数字が置いてあるということです。この辺は専門家の先生方の実感に基づいたものです。

記者
 必ずしもここに至らなくても、同じように上がっていなくても、レベル3に入っていくということでしょうか。

知事
 総合判断ですから、例えば発熱外来がパンクしそうだとか、救急搬送が特定の地域では全く受け入れられないとか、入院お断りとか、そういった病院が次々と出てくるとか、あるいは医療関係者のクラスターとか、大量コロナ感染ということで病棟の閉鎖に追い込まれるとか、一般的な職場での事業継続が困難になるようなクラスターが続出しているとか、そういうことに伴って医療がとても追いつかないというようなことがあれば、重症者数が10人未満であってもこれは判断をせざるをえなくなることは十分あり得ると思います。

記者
 今日、医療機関への要請のなかで、「診療・検査医療機関の増加、診療時間の延長や休日診療体制の拡充などを強化」とありますが、それは年末年始に向けてということなのか、まさに今週末、来週末の今からということなのかどちらでしょうか。

知事
 まず、お盆休みに大変協力いただいた後、せっかく頑張っていただいたので、一斉にやめないで、やれるところは継続してお願いしたいと、この秋にずっと言ってきましたが、それでもある程度落ち着いてきたわけです。そこで今回また急増している中で、もう一段ということで、思い切った対応ということでお願いしているわけです。もう今からということで年末まで待ってというわけではありません。

記者
 BCPについて、業務停止に備えて様々な準備をということですが、具体的にはどういうことでしょうか。

知事
 BCPはBusiness Continuity Planといいますが、一つの危機管理です。例えば人がいなくなったとか、いろんな取引が途絶えたとか、いろんなアクシデントが起こった時に、社会的な混乱を最小限に食い止めて、事業の継続をできるだけ安定的にするための2段3段の用意を予めしておくということです。クラスターが発生して大量に感染者が出れば休ませなければなりませんから、そうなったら人手が減ったらどれだけ対応できるかといった人の配置をどうするかとか、契約関係をどうするかとか、取引業者にどのように伝えるかとか、そういうような危機的な状況が万が一起こればこういう対応をしますということをあらかじめよく準備をして、お伝えしておくことが、いきなり混乱に陥らないための工夫だということで、そういった備えをお願いしているということです。

記者
 何か資金繰りなどを手厚くしようとかそういうことではないですか。

知事
 そういうことではないです。例えば県庁でも職員の3分の1がコロナにかかったら、県の業務のうちのどこを重視してやって、どこは少し待ってもらうかとかいったそういう類の危機管理対策はありうるわけです。急に職員が増えるわけではないですし、どこかから借りてくるわけにはいきませんので。それは県としてのコロナ期間中の危機管理としてあるわけで、そういったことを企業それぞれにいざというときにどこまで耐えられて、事業が継続できるかということの見極めと対策を考えておいてもらうということです。

記者
 感染症法上の位置付けとして、現在のオミクロン株の感染力は強いですが、重症者数は少ないということで、2類から5類への引下げということが議論されていますが、そのことに対しての知事のご意見を伺いたいです。

知事
 今、改正感染症法案が国会で議論されていますが、すでに附則で、政府は位置付けのあり方について速やかに検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとすると書いてありまして、この法律が参議院を通過すれば当然必要な措置を講ずるという方向に動かれると思います。知事会でも今月17日にオンラインで開催しましたが、医療・予防接種にかかわる公費負担の在り方の丁寧な検討や、感染症法上の取り扱いの見直しを含めた出口戦略とそのロードマップを早急に示すことということがコンセンサスとして出ているわけです。そうなると2類か5類かという二者択一の問題なのか、コロナの状況にふさわしい整理をして、結果として眺めた時に、極めて5類に近い形になるといった中間的などちらかに寄った判断もあり得ると思います。単純に5類ということになると、医療機関による全数報告は要らないということになりますし、保健所による入院調整も要らないということになります。そういう意味では医療機関、保健所の負担は圧倒的に軽減されるわけであります。他方で全額公費負担であったものが医療費にせよワクチンにせよ患者負担の問題も生じてくるということもあります。そうなるとこれまでやってきたコロナ対策とか関連業務とかいろんな支援策全体を大幅に見直すということになります。その辺で5類というなら5類に合わせた見直しになりますし、2類から5類に近づいていき、この辺までは5類に近いことをやるが、この辺は公的に支えがいるとか、いろんな判断があり得ると思いますので、二者択一にはならないでこれから議論がなされていくのではないかと思います。先ほどの知事会のコンセンサスが基本的には私どもの立場ですから、その辺も踏まえて慎重な言い方をしております。
 オミクロン株ということではいろんな議論は進んでおりますが、変異株が出てきたときに変異株がどういう性質であるかということを踏まえての議論も将来ありうるわけです。そういうことの余地をどのように考えているかとか、いろいろと考慮要素はあり得ると思いますので、その辺は丁寧にやっていただいて、例えば改正時期をどうするか、スケジュールをどうするか、そのためにやらないといけない作業は何かといった、その辺も含めたトータルな議論をお願いしたいと思います。単に分類だけの問題だけではなく、その分類の変更に則した対応について、混乱なくスムーズに行けることも含めて、しっかり議論してもらいたいと思っております。

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