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知事記者会見録(令和4年11月22日)

記事ID:0260037 2022年11月25日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和4年11月22日(火曜日)15時00分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 今日は、新しい県庁舎の竣工式、それから内覧会の予定を中心に話をしたいと思っております。お手元にいくつか資料をお配りしておりますが、まず配布資料1が竣工式と記念講演会の関係でございます。
 この新しい岐阜県庁舎ですが、平成28年3月に基本構想を策定いたしまして、令和元年7月から工事を開始したところでございます。3年余の大工事を経まして、無事56年ぶりに新庁舎が完成したということでございます。いろいろとご意見ご協力をいただきました県民の皆様、県議会、工事関係者あるいはデザインについてご指導いただきました関係者の方々、全ての皆様に感謝を申し上げる次第であります。
 12月16日に竣工式を開催させていただきます。式典については、資料にお示ししたとおりでありますが、午前中に式典を開催し、内覧をしていただきます。午後に記念講演会ということで、特に県庁舎デザインアドバイザーを務めていただきました、建築家であり東京大学の特別教授であります隈研吾先生に基調講演をやっていただいて、その後、パネルディスカッションを予定しております。
 それから、配布資料2が一般向けの内覧会についてでございます。竣工式翌日の17日(土曜日)と18日(日曜日)の両日に内覧会を開催させていただきます。本日から公募を開始しますので、是非応募していただければと思っております。応募者多数の場合には抽選とさせていただこうと思っております。メディアの皆様方については、別に事前に見ていただく機会を設けさせていただきますので、また詳細はご連絡させていただきます。
 それから、新庁舎の概要でございます。お手元に資料をお届けしてございますが、モニターの方にも画像がございますので見ていただきたいと思います。まず新庁舎の基本方針として3つ掲げております。
 「県民の暮らしを守る」ということで、特に、危機管理に強い県庁ということで、危機管理の本部を設置して対処するというための部分も当然ございますが、そもそも建物の耐震性ですとか、浸水対策、例えば、受電変電設備などを2階以上に上げて配置してあるとか、水・電力のライフラインの複線化とか、いろいろと危機管理の拠点としての必要な対策を盛り込んでおります。
 それから、「地域の魅力を発信する」という点につきましては、岐阜県の魅力ということで、外壁は県産のタイルでございます。それから内装はヒノキをはじめとして、県産木材、美濃和紙をふんだんに活用しております。そして1階にはギャラリースペースを設けまして、本県の自然・文化・歴史・匠の技等々の魅力を発信するということでございます。
 3番目の基本方針が「環境負荷やライフサイクルを低減させる」ということですが、照明全てをLED化し、断熱・遮蔽性能の高い窓ガラスを採用しております。また、空調、給湯等への地熱・太陽熱の活用、それから、電力の3割を再生可能エネルギー由来にするといった対策も立てております。
 続いて、内部についての主なところをご紹介したいと思いますが、私どもとしては、基本的に新庁舎は働く場でありますので、外装は比較的シンプルなものとしていますが、機能面で内装等を工夫しています。
 まずは1階でございますが、モニターの画像にありますように、まずエントランスホールでは、壁・床・吹き抜けなどに県産タイル、県産ヒノキを活用しています。モニターの画像は丁度エントランスを入ったところから、正面を見た図でございます。そして、受付カウンターには飛騨高山の千鳥格子を採用しました。また竣工式会場は1階のミナモホールを使いますが、このホールは500人の収容が可能でございまして、講演会、演説会、説明会等々いろんな集会でお使いいただけます。天井の照明は樹脂膜を使って、柔らかい明かりとしています。それから20階にとびます。清流ロビーと呼んでおりますが、東西約100m、南北に30mというスペースでございまして、開放感のある空間でありますし、高さ90m位から360度、岐阜、果ては伊勢湾まで見渡すことができるということでございます。このホールには会議室もございますので、会議室で会議をして、例えばホールの部分でレセプションをやるとか、いろいろなくつろぎの空間としても使えるわけですので、什器も工夫して入れていきたいということでございます。
 それから、6階は応接室、それから知事・副知事の関連の部屋が並んでいます。モニターの画像は、第一応接室ですが、壁はヒノキの大和張り、窓は県産ヒノキの無双格子という、格子戸を上げると明かりが採れるという構造になっています。それから、照明は本美濃紙による和紙照明で、什器は飛騨の家具でございます。地域の様々な資源や匠の技を来客の方々に体感していただけるようにということでございます。
 それから、執務室でありますが、基本的な構図はモニターの画像にありますように、天井が高く、敷居や廊下を無くした広々としたフロアスペースにしてありまして、課・室の間や職員間の連携強化、コラボが十分にできるようにということで、このような広がりのある空間にしています。この建物には廊下が無く、窓から窓まで全部貫いて、それぞれの机・椅子があり、真ん中の方は共用コーナーということで、会議をしたり、異なる部署の人との交流、意見交換をしたり、共用部分として自由に使っていただくということになっております。それから、換気については屋内と屋外の温度差を利用して、空気が入れ替わるような仕組みを採り入れております。
 次に議事堂をご紹介しますと、まず、エントランスホールでありますが、モニターの画像にありますように、議事堂におきましても、県産材や県産品をふんだんに活用しております。この壁はタイルで1枚1枚焼いたものです。それぞれ微妙に色合いが違っていますので、岐阜のタイルの素晴らしさを味わっていただけるのではないかと思っております。 
 それから、議場ですが、主な通路にはスロープを設置し、車椅子動線を確保してございます。それから、傍聴席には車椅子傍聴席ももちろんございますし、乳幼児を同伴して傍聴できる親子傍聴室も用意しております。また、手話通訳を表示する大型モニターも設置しております。モニターの画像は議場を傍聴席から見た図でございます。
 それから、この新庁舎では、防犯、個人情報の保護等に十分配慮をして、一種のゾーニング的な考え方を取り入れております。1階から3階、それから20階展望フロアは、来庁者の皆様が自由に往来できるエリアで、資料ではオレンジ色で表現しております。それから、来庁者と職員が面談するエリア、あるいはパスをもらって来庁者が移動するエリアを緑色です。それから、職員の執務エリアを青色に塗り分けております。面談等でお出でいただいた方々は、総合受付でチェックをした上で、パスをもらって、セキュリティを通ってエレベータで上に行きます。1階平面図中心辺りのエレベータは、外から入って、いきなり20階まで行けるようになっておりまして、展望フロアには自由に行き来していただけるようになっています。平面図左側のエレベータエリアはどちらかというと来庁者の方々がパスをもらって入っていくもので、平面図右側はどちらかというと職員が使い、平面図下側のエレベータは荷物中心となっております。
 それから、配布資料3ですが、今後の予定ということで、来年1月4日に新庁舎開庁式を行うことにしています。資料最後のページにありますように、一挙には移転できませんので、早いところで1月4日、10日、16日、23日とそれぞれスタートするタイミングが異なりますが、1月23日になりますと、全ての部署が新庁舎で業務を開始するということになります。1月中はそういう意味で新庁舎と現庁舎の併用という部分があり、県民の皆様にはご不自由、ご迷惑をおかけすることがあろうかと思いますが、ご理解ご協力をお願いしたいと思っております。新しい庁舎もいよいよ最終段階ということでございます。
 それから、一足先に「ぎふ結のもり」ということで県庁前の公園もスタートしていますが、今回の新庁舎を建てるにあたりましては、公園空間と建物空間とを全体パッケージとして設計し、楽しんでいただき、活用していただくということで進めてきました。以上が来月予定しています竣工式に向けての新庁舎の概要でございます。
 私の方からは以上であります。

記者
 新庁舎の件について県産材、県産品をふんだんに使って、来庁者に県の魅力を体感してもらうということは分かりましたが、知事が特に見てほしいところはどこでしょうか。

知事
 タイルとか県産木材とか美濃和紙とかといったものの魅力をふんだんに盛り込んでおりますので、そういったことについて是非、間近で見ていただきたいと思います。
 それと20階の展望ロビーは、岐阜のおかれた場所というものを体感していただくには、大変素晴らしい景観ではないかと思っております。その辺を見ていただければと思います。
 それから、これは県庁に入ってすぐのコーナーですが、1階にギャラリーを設けております。そこで様々なソフトを導入したり、あるいは県の魅力あるものを展示したり、その時々で魅力発信をしていますので、お楽しみいただければと思います。

記者
 笠松競馬の件について、競走馬が公道に出たという事案がありました、県として、何か安全対策として追加のものは考えていますか。

知事
 今回の事故は大変残念な、大変遺憾なケースでございます。今年度に入って5件目ということで、正直なところ、放馬事案が頻発しているということを感じておりまして、決して繰り返してよい話ではありませんので、どこに隙があったのかということを徹底的に見直す必要があるのではないかという思いで組合とも話をしております。
 まずは昨日、馬道の警備員を対象とした放馬訓練を改めて実施していただきました。同じく、昨日、管理者の下で組合と厩舎の関係者に急遽集まっていただき、放馬対策の強化について率直な協議を行ってもらいました。そこでは、設備面での全面的な強化・補強対策、ジャバラの柵を馬が勢いにまかせてぶち破ったということですので、相当強化したはずのジャバラの柵でありますが、ぶち破られるほどのジャバラの柵では意味がないので、ジャバラの柵を含めて設備面を強化しようということであります。同時に、馬の移動は子どもの通学時間帯は避けるようにということを徹底しようということとか、馬の輸送を馬運車に乗せて行うということに取り組んでいくべきではないかとか、そんな議論も出ております。至急、調整をしたいと思っております。
 それから、当事者間でいろいろ議論していただいておりますが、第三者も交えた検討会も含めて、外部の視点も取り入れた、より実効性のある対策も必要ではないかということで、外部の方を交えた検討会を早急に設置しようということで今、考えております。
 それから、本質的な問題は、円城寺厩舎と競馬場が離れているということで、常にそこに何がしかのリスクが伴っていると思っておりまして、その解決のためには、厩舎の移転ということを考えないといけない、早急に詰めていかないといけないと思っております。土地の確保の問題とかいろいろとありますので、笠松町、岐南町にも協力していただいて、根本のところの厩舎の移転について、早急に取り組んでいきたいと思っております。
 ということで、今回の事件については、何としてもここで食い止めたい、繰り返し起こしてはならないということで厳しくやっていきたいと思います。

記者
 ジャバラの柵をより強化したものにするとか、子どもの通学時間帯は馬の移動を避けるということは、やっていくということなのか、検討していくということなのか、どちらでしょうか。

知事
 この辺はやっていくということです。ただ五月雨式にバラバラやっていてもいけませんので、対策をきちんと束ねて、抜けはないかということもチェックしながら、最終的には第三者の意見も聞いてしっかりとまとめたいと思います。そして確実に実行に移していくということです。

記者
 ジャバラの柵とかのハード面の強化と、子どもの通学時間帯は馬の移動を避ける、馬運車で対応するということはやっていくということですか。

知事
 はい。

記者
 厩舎の移転も決まりでしょうか。

知事
 これは常にリスクをはらんでいるものですので、前々からみんな課題としては認識しているわけですが、これだけ事態が起こりますと、やはり早急に取り組まなければいけないというようには思っております。ただ、土地の確保とか、いろいろ、今日言って、明日できるという話ではありませんので、とにかくこの問題に積極的に取り組んでいくという姿勢で、笠松町、岐南町とも相談していきたいと思っております。

記者
 将来的な厩舎の移転も視野にということですか。

知事
 はい。

記者
 先日ありました岐阜市の「信長まつり」について、岐阜市からは大きな事故もなく無事に終わったとお聞きしていますが、あれほど賑わったことについての受け止めをお願いします。

知事
 岐阜の「信長まつり」というものがどういうものであるかとか、それから、信長が命名し、開いたこの「岐阜」という地の魅力とか、いろんな意味であの機会に全国に発信できたということは大変良かったと思っております。同時に、何といっても直前の韓国での悲惨な事故もございましたし、私は自宅でテレビで見ておりましたが、とにかく、まずは事故の無いようにということが最優先であったわけであります。警察の方の手配りも、参加された方々も、観客自らが犠牲者になりかねないという恐れもあったわけですが、その辺は随分自制をしていただいて、粛々とやることができたということで、そういう意味では非常に安堵している次第です。

記者
 二点お伺いします。
 一つは、県の新庁舎が完成するということで、竣工式典でお話されるかもしれませんが、改めて、完成にあたっての今のお気持ちを教えてください。

知事
 この庁舎も56年になりまして、不具合があったり不便があったりといろんなことが課題として浮かび上がっている中で、今回、広くいろんな方々の意見を伺いながら、新しい庁舎の完成に至りました。構想を作ってから6年、また構想を作るプロセスに2年くらいかかっておりますので、そういったことを踏まえますと、もう8年前後、時間をかけて丁寧に議論してここまでやってこられたということでございます。順調に手順を踏んで、ご意見も伺いながら、出来るだけそういったものも盛り込みながらここまでこられたということで、大変ありがたく思っております。
 ただ、これは単なる引越しではなく、常々申し上げておりますが、「新しい酒は新しい革袋に盛れ」と言われておりますが、新庁舎に入ることを契機に県政の新しいステージを我々が担って創っていくということで、職員一同が改めて心を新たにしてしっかりと取り組んでいきたいということです。そのための施設的な面での危機管理でありますとか、リサイクルでありますとか、行政サービスとか、いろんな面でやりやすい状態ができたわけですから、これを最大限活用して、最大限の行政サービス、最大限の県政の展開ということで、一丸となって頑張っていきたいという思いです。

記者
 二点目です。新型コロナについて、新規感染者数が新たな波が来ていると思われるほど減らない状況となっています。明日、専門家会議を開かれるということですが、率直な受け止めと対策について教えてください。

知事
 すでに感染者数は上昇軌道に乗っておりますし、しかもその流れが急速であります。それから病床使用率も、いよいよ40%というオーダーに乗ってきましたので、年末年始に向けて、もう一段、警戒態勢に入る必要があるのではないかというのが基本的な認識であります。
 国の方でも、新しいフェーズを設定して、フェーズの大枠は国の方で整理するが、具体的に今、どのフェーズにあるかを認定するための指標とか、具体的な判断は都道府県でやるようにというような方針が出ております。今月いっぱいで新しいフェーズについての国の枠組み、その中での各都道府県の対応の仕方といったことが整理されますので、その整理をしながら、できるだけ対策が遅れをきたさないように手を打っていきたいと思っております。
 国では、フェーズ2から3に移って、「対策強化宣言」とか、場合によっては「非常事態宣言」とかいうような事態になる一つの節目を、例えば病床使用率50%超というようなことを言っておりますが、私どもからすれば、40%を超えて、ゆっくりと上がってくるわけではなく、急速に事は動きますので、これから月末に向けてのデータを見ながら、遅滞なく、岐阜県として、新しいフェーズの中でどこにあるのか、そして、必要があれば躊躇なく宣言を発していくということを検討したいと思っております。そこら辺の考え方なりタイミングなりといったことについて、明日の専門家会議で徹底して議論したいと思っております。

記者
 県庁舎の跡地について、どういった活用をしていくかということですが、スケジュール感としてどういった形で活用について考えていかれるかということを教えてください。

知事
 まずはしっかりと移転し、きっちりとやり終えるということですが、この建物については取り壊しは決まっておりますので、どういうプランで取り壊していくかという、取り壊すためのプランを今検討しているところです。それができ次第、そのプランに沿って解体していくというのが第一です。これもそんなに簡単ではありませんので、いろんな角度から注意深くやっていきたいと思っております。
 そのあとの、(跡地を)どう使うかということについてですが、私自身の想いとしては、この跡地をどうするこうするではなく、新庁舎をいかに有意義に使っていくか、新しい県政の展開に向けて有効に使っていくか、県民の皆さんにもこの新しい県庁舎に馴染んでいただいて、よりよいコミュニケーションを取れるようにしていくということが、まず第一でありますので、そちらを気持ちの上では優先していきたいと思っております。その上で、ここをどうするかについては、少し時間をかけて、予算的な面でも、次々とハードを作っていく状況でもありませんので、ゆっくり、いろんなご意見も聞きながら検討していったら良いのではないかと思っております。次は跡地だ、次はこれだというように急いで進んでいくということではなかろうと思っています。

記者
 リニアの計画についてお尋ねします。先般、御嵩町内でリニアの残土候補地の一部に国が選定した重要湿地があることがわかりました。町は法令上環境の改変に際しては、情報公開の義務があるという条例を持っている一方で、町はこの事実を6年にわたって公表していませんでした。一方で、知事が会長を務めるリニア期成同盟会では工事の実施にあたっての情報公開の努力義務が何回も決議されています。県の生物多様性戦略の中でも湧水・湿地は小規模な開発により埋め立てられてしまうことが多いため、このような場所の重要性について啓発するとあります。加えて、湿地は県民や国民の財産であるという側面もあると思います。こうした点を踏まえて、県として、あるいはリニア期成同盟会の会長として残土処分の候補地と重なる湿地について、更なる情報提供とか、湿地保全の重要性について啓発していくというお考えはないでしょうか。

知事
 この問題のいろんなプロセスを追っかけてみますと、正直、課題を残したという感じがしております。この発生土の処分場ということで候補地についての情報提供が行われたのが平成25年度から28年度にかけてのいろんなやり取りの中で、最終的にJR東海に御嵩町のほうから候補地の情報提供があったわけであります。その時点ではまだ重要湿地についての見直し作業が終わっておりませんで、環境省としては検討中という状況であり、そのあと平成28年になって選定がありました。その時に東濃中濃地域湿地群というざっくりとした選定の仕方をしたものですから、ここ、あそこといった具体的な説明が十分なされなかったきらいがありました。当該場所の美佐野ハナノキ湿地群が含まれているのか、含まれていないのか、何となくもやもやっとした状況でずるずる来てしまったということであります。情報公開云々ということ以前に、そこをきちんと確認して、含まれるなら含まれる、含まれないなら含まれないということを見極めて、それを明らかにしていくことが基本ではないかと思います。ざっくりとした選定があったことをどう受け止めたかということになるのですが、あいまいなままずるずる来てしまって、そして正式にこの重要湿地に含まれるということが、明らかになったのは今月に入ってからの御嵩町での会議で、正式なお話があったということであります。
 このプロセスは正直申し上げまして残念なプロセスでありまして、もっと早くそれらについてもきちんと言っておくべきだったと思っております。かなり関係者の間では東濃中濃地域湿地群は広く含んでいるので、そこに入っているのではないかと言われておりましたが、それを丁寧に環境省にも確認するなり、もっと行政が迅速に動くべきだったと思っております。いずれにしても含まれることが明らかになったわけであり、住民の皆さんも、県も環境省も御嵩町もこれは共通の認識でありますから、今度は重要湿地群としてどのようにこの場所の保全をしていくかということついて、しっかりと保全対策を見極めて、これが適地といえるのかどうかしっかりとした議論が必要ではないかと思っております。JR東海もそういう前提で対策を整理しており、今後まとまれば、JR東海が発生土置き場計画という形で策定をして、これが提示されます。そうすると、これについての住民の意見交換とかいろんなことを経て、ある程度意見を整理したうえで、今度は環境影響検討書というのが、JR東海から出されます。それを踏まえて御嵩町として行政の判断がありますし、県もそこで発生土置き場計画と環境影響検討書をあわせて県の専門家会議できっちりと専門的な立場からチェックをするということになります。こういう正常な、きちんとした整理の手続きに入るわけですから、十分これに対してチェックして、関係者が納得いく結論を得るように努力していきたいという思いでおります。

記者
 コロナの感染状況ですが、国の示した新しいフェーズで50%を超えると宣言などいろんな基準が示されていると思いますが、その中で今後どういった対策をとっていくのか、知事の中で今考えていらっしゃる対応を伺いたいです。

知事
 国の方で議論されている大きな枠組みでいきますと、いろんな大きなイベントをどうするかとか、大人数での食事とか、外出とかいったことについてどの程度慎重にやるかといったあたりで、ある種判断の幅があろうかと思います。それ以外の、行政、事業者、それからお一人おひとり、あるいは医療機関の諸々のコロナ対策といったことについては、すでに11月前半の私どものメッセージの中に全部織り込み済みで、実施中であります。仮に国の枠組みのなかで、もう一段進むとしても、議論になるのはそういった諸々の自粛的なことをどの程度慎重にやるかというところが一つのポイントとなるのではないかと思います。その辺を中心に議論していくことになるのではないかと思います。それ以外のいろんな論点がありますが、これは私どもでは全部実施済みで、今までやってきたことをさらに徹底してやればよいと思っております。

記者
 例えば、忘年会などこれからの経済活動はいろいろあるかと思いますが、その辺りについて制限をかけていく方向なのか、どうでしょうか。

知事
 国の枠組みではまず、飲食についての時短とかいったことは視野には入っていません。それに参加する方々の対応とか、お店の換気だとか距離を置くだとか、仕切りを設けるとかいろいろありますが、そういったことを徹底していただくとか、ある種の自粛ということについてどの程度強く要請していくかというところが国の枠組みになっております。私どもも、その辺について、もう一段踏み込んでいくかということを議論していくことになるのではないかと思います。
 もう一つは、全国的にも今、北海道を先頭に北の地域の感染者が非常に多いです。これまで第6波から第7波のほとんどのケースでは逆に沖縄が圧倒的に多くて、それに大阪とか、東京とかの大都会が続いて多かったという流れがありましたが、今回は北の方が圧倒的に多くなっています。
 岐阜県についても人口比でみますと、高山、飛騨、白川村といった飛騨地域が非常に多いです。ですから岐阜県の中で特に多く出ている地域について、さらに踏み込んだ対応をするかどうか、これは各市町村と県との間でよく相談をしてやっていくというやり方もあると思います。その辺も相談して、きめ細かい市町村ごとの状況も見極めたやり方も検討課題になるのではないかと思います。

記者
 先日シーズンが終了したFC岐阜について、残念ながら今年もJ2への昇格ができませんでしたが、FC岐阜はJ3にいるチームではないと知事もセレモニーの中でおっしゃっておられました。改めて今シーズンの総括と来年に向けて期待されることであったり、県の対策などがありましたら教えていただけますか。

知事
 FC岐阜につきましては、社会人リーグからJFLにあがって、J2にあがって、それからJ1を目指していろいろと努力して、残念ながらJ2からJ3に下がって、そして捲土重来でもう一度J2に戻り、J1を目指そうではないかと頑張っていただいているわけであります。そういったプロチームとしてのトップチームの勝ち負けの問題、これをどう勝ち抜いていけるか、どういう体制をつくったらよいかという議論が一方でありますが、一つは地域に根差したチームとして、岐阜県全体のスポーツ振興とか、サッカーの発展とか、地域とFC岐阜とのコミュニケーションなり、つながりという意味では相当チームとして選手の皆さんも努力してやっていただいております。トップチームの成績が皆さんの期待するところまではいっていませんが、かなり地に足のついた、地域密着的な活動をしっかりとやっていただいて、それがベースとなってスポンサー企業もしっかり支えていこうという流れにありますし、観客数もJ3の中ではトップグループであります。そういう意味でのチームとしての、地域、スポンサー、サポーターとの関係はかなりしっかりとした基盤もできております。
 施設面でも県もお手伝いをして、今、メモリアルの競技場は全部J1仕様になっています。ですから、勝ちさえすればいつでもJ1に上がれるというところまで整備されておりまして、環境面の整備もできております。
 それからユースとか、FC岐阜セカンドといったところも非常に実力をつけて、それぞれのレベルで非常に好成績を残しているわけです。最後に残っているのは、トップチームがいかに勝ち抜いていけるかそのことによって、さらに地域に根づいたFC岐阜がもっともっと地域の皆さんから大きな支援を得ていくというか、地域全体が盛り上がっていくということに至ります。ですから、そういう意味で、私の個人的な感想をいえば、根付く方は本当にしっかりやっていただいておりますので、それから飛び出ていくというか、上に突き抜けていく、勝ち抜いていくところをどう組み立てていったらよいかということですが、これはプロスポーツでありますので、私ども素人がどうのこうのコメントするところではありません。しかし、やっぱり結果が問われるということで、ぜひ来期に向けては結果を残せるような、仮に少し時間がかかっても、よい結果に向けて確実に前に進んでいけるようなチームづくりといいますか、そういう手ごたえを感じられるようなチーム作りを期待したいと思っております。

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