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知事記者会見(令和2年1月21日)

記事ID:0024988 2020年2月14日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

令和2年1月21日(火曜日)14時30分

司会

 ただいまより知事定例記者会見を開催いたします。本日は発表項目の一つ目としまして、内ケ谷ダムにおける発電事業実施の協定締結式を行います。そのため本日は中部電力株式会社代表取締役社長勝野哲様、及び内ケ谷ダムの地元である郡上市の市長日置敏明様にご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 スケジュールについては、協定の締結、写真撮影、勝野社長からのご挨拶、知事からの挨拶、日置市長からのご挨拶、質疑応答の順で進めさせていただきます。
 それでは、協定の締結に移らせていただきます。勝野社長と古田知事には、お手元の協定書にご署名いただき、終わりましたら協定書を交換し、ご署名をお願いいたします。それではお願いいたします。
 <署名>
 ありがとうございました。それでは、写真撮影に移らせていただきます。お手数ですが、皆さまお立ちいただき、協定書1通を開いて勝野社長と知事でお持ちのうえ、郡上市長は横にお立ちください。それでは撮影をお願いします。
 <撮影>
 ありがとうございました。ご着席ください。それでは、本日ご参加いただいた皆様からご挨拶をいただきたいと存じます。
 はじめに、勝野社長お願いいたします。

勝野社長

 皆さんこんにちは。中部電力の勝野でございます。本日はこの場をお借りしてあいさつさせていただきますことをお礼申し上げます。ただ今ご覧のように、古田知事と岐阜県の内ケ谷ダムへの発電事業参加についての協定を、地元の郡上市の日置市長のご臨席の下で締結させていただくことができました。
 まず内ケ谷ダムでの発電への参加に対して、私ども中部電力をご選定いただいたことにお礼申し上げますとともに、岐阜県、郡上市はじめ地元の皆様方のご理解、ご協力をいただき本日締結できましたことを改めて皆様方に感謝申し上げたいと思います。
 岐阜県の所有されるダムの中での発電事業への参画は3番目になります。1つ目が阿多岐発電所で、2015年の7月。2番目が翌年の2016年6月に丹生川のダム発電所に参画させていただきました。最初の阿多岐発電所は2015年7月ですから、古田知事、日置市長に完工式にご臨席賜りまして、私が社長になってすぐ後だったので非常に鮮明に覚えております。その節は本当にありがとうございました。
 この内ケ谷の発電所については、2016年の1月に岐阜県から公募がございまして、私どもが応募しまして、翌2017年の4月にご選定いただいたということで、その後、本日協定締結ということに至ったわけでございます。内ケ谷発電所の概要はお手元の資料にあると思いますが、河川の環境を維持するための用水を毎秒3トン利用して、有効落差32メートル、そして出力が720kWということで、だいたい1年間の発電電力量は1,500世帯分に値するものです。これからしっかりと建設の準備をはじめ、そして地元の皆様、岐阜県のご理解とご協力をいただきながら、安全を最優先にしっかりと工事を進めてまいりたいと考えております。
 昨今は、低炭素とか脱炭素社会の実現ということが世界でも喫緊の課題となっております。私ども中部電力でも、やはり再生可能エネルギーというのは、一つは純国産エネルギーということで、非常にエネルギーセキュリティが高いということと、そして、CO2のゼロエミッション電源ということで積極的に開発を進めることとしています。現在私ども中部電力では、いわゆる揚水式発電所というものを除くと、約200万kWくらいの水力、太陽光、風力という設備を持っています。これから10年くらいかけて同じくらいの200万kWくらいをしっかり開発していこうということで進めております。
 なかでも水力発電というのは、太陽光とか風力のように短時間で出力が変動するものではなくて、しっかりとした安定した出力を持っていますし、年間を通しての稼働がしっかり見込める設備ですので、今回の内ケ谷の発電所も含めてしっかりと開発して、再生可能エネルギーの中枢をなしていきたいと思います。引き続き私ども取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力を賜りますようよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。

司会

 ありがとうございました。続きまして、古田知事、お願いいたします。

知事

 改めまして本日このような形で合意書を締結しましたことを心からお礼申し上げます。ありがとうございました。いろんな経緯については既に勝野社長がおっしゃられた通りです。郡上市の大和にありますこの内ケ谷ダムですが、本来、洪水調節とか河川環境の保全といったことを目的としていまして、昭和58年度に着工したわけですが、このたび新たな目的として発電が加わったということでございます。
 完成及び発電事業の開始が令和7年度ということです。私どもも水力発電を含めて、あらゆる再生可能エネルギーの利用促進というのをエネルギー政策の大きな柱にしているわけでして、このプロジェクトによって、県営ダムが県民の皆様の生活にさらにお役に立つということで大いに期待しています。
 また中部電力におかれましては、先ほどお話がありましたように3件目ということで、このプロジェクトを引き受けていただきまして、大変ありがたい限りです。こういうエネルギー分野のみならず、例えば災害時における停電対策とか、いろいろな分野でのコラボレーションといいますか、協力も進んでいるところで、大変ありがたいパートナーでありまして、今回のプロジェクトもつつがなく進めていただけると期待しているところです。ありがとうございました。
 また日置市長におかれましては、今日こうしてご参席いただきまして、地元市としてご支援いただけることに感謝申し上げます。ありがとうございました。

司会  続いて、日置郡上市長、お願いいたします。
日置市長

 内ケ谷ダムの建設地、郡上市長の日置でございます。ただ今は岐阜県と中部電力との間で、現在建設中の内ケ谷ダムに水力発電所を設けていただくという協定を締結していただきまして、誠にありがとうございます。協定の締結式に立ち会わせていただいたことを光栄に存ずるとともに、本当にありがたく思っている次第でございます。
 郡上市は長良川等の水源地域でもあり、また地形も高低差に富んでいるという中で、水のエネルギーに対する包蔵水力というのは非常にあるということですが、これを現実のエネルギーに変えるためには、こうした水力発電所等の建設・整備が必要でございます。
 現在、農業用水等を使った小水力発電所等も県の力によっていくつか造っていただいておりますが、今回このような運びになったことを大変うれしく思っております。この上は、本来の目的であります内ケ谷ダムの治水あるいは流況調整を基本とするダムの建設と、この水力発電所の建設が安全に着実に順調に進むよう祈念申し上げまして、お礼を申し上げます。ありがとうございます。

司会

 ありがとうございました。それでは、記者の皆様から、この協定に関するご質問をお受けします。

記者

 ちょっと細かい話になってしまいますが、建設費とか維持管理費の負担というのも今日この段階では決まっているのでしょうか。

知事

 建設費につきましては、99.5%が岐阜県の負担、中部電力は0.5%ということです。発電施設そのものにつきましては中部電力が100%ということになります。

記者

 毎年の維持管理費などは、負担が発生するのですか。

知事

 管理費も同様の考え方です。今の比率です。

記者

 中部電力側の施設整備の投資額はいくらぐらいになりますか。

勝野社長

 私どもの発電所の建設ということですと、基本的に競争電源なのであまりオープンにはしていないですが、億円台の後半くらいで、今のダムの負担金を含めても一桁の億円台になるというくらいです。足して10は切ると思っていますが、詳細はこれから設計したりしていくので、大まかなところです。

勝野社長

 電力会社は、2020年に送配電部門と発電部門と小売部門とを分社化します。特に送配電部門というのは、いろんな発電事業者とか小売事業者を公平に扱わないといけないということで分社化するものですから、今回の発表は水力発電という形で、なるべく安く安定した電気を送りたいということで我々も設計して、中部電力の発電部門が送配電部門に申し込んでいるという形なのです。
 ここでお時間をいただきたかったのは、一昨年、昨年と特に台風中心の自然災害が多くて、特に一昨年の台風21号では、岐阜県、郡上市はじめ、大変長時間、広域にわたる停電でご迷惑をおかけしました。
 ご存じのとおり、国を挙げて電力会社間だけでなく全てのインフラという形で、安定供給に向けたレジリエンス(復元力)強化ということに取り組んでおります。事前の我々の設備の強化、あるいは地元の郡上市を中心に計画的な伐採もお願いしているとともに、いざ起きたときには情報連絡を密にしたりしながら迅速な復旧に努めていくということで岐阜県とも連携していきます。ぜひその点もこの場でお礼申し上げたかったので、改めて今ここで皆様方に、県・市の皆様に感謝申し上げるとともに、皆様方にもご理解いただきたいと思っております。ありがとうございました。

司会

 以上を持ちまして協定締結式を終了いたします。勝野社長、日置市長には、ここでご退席いただきます。ありがとうございました。

知事

 私の方からは2点申し上げます。一つは毎年やっておりますが、岐阜県版の文化勲章とでもいうべき岐阜県芸術文化顕彰、それから岐阜県芸術文化奨励の受賞者を決定いたしましたのでお伝えする次第でございます。お手元にあるリストのとおりですが、この制度は顕彰ということでは昭和26年から続けてきておりますし、完全に功成り名遂げた方が文化顕彰だといたしますと、顕著な活動実績を収めつつもさらに将来の成果が期待できるという、どちらかというとさらに伸び盛りの方々に対する文化奨励というものは昭和49年からスタートしています。今回は芸術文化顕彰が3名、芸術文化奨励が4名ということでございます。
 芸術文化顕彰の篠田弘美さんは、「ひだ・みの創作オペラ」を通じて、あるいはミュージカルなどを通じて音楽文化の普及振興に尽力されています。
 多治見の合唱団ですが、国内のみならず海外での公演活動も大変活発にやっておられます。岐阜県屈指の代表的な合唱団ということで、また、福祉施設の活動といった地域貢献活動にも力を注いでおられます。
 それから地歌舞伎の勢揃い公演が先般スタートして、半年にわたって各保存会が演じていきます。この地歌舞伎についての演技指導をはじめとして、いろいろと伝承・普及・振興に貢献されました振付師の松本団女さん、この方も文化顕彰ということでございます。一昨年のパリ・スペインのサラマンカ公演もこの松本さんの指導で行われたものです。
 芸術文化奨励の方は、障がいのある作家の発掘とか、そういったことを写真で紹介する障がい者への支援活動にいろいろと力を尽くしておられます写真家・映画監督の大西暢夫さん。それから躁うつ病を患いながらも絵画制作に熱心に取り組んで活躍していただいております絵画作家の曽良貞義さん。そして美濃加茂市出身の坪内逍遙博士の業績を顕彰する活動を通じて地域文化の発展に寄与したということで「坪内逍遙博士顕彰会」の方々。そして全国的にも活躍しておられますし、県内のジャズ、音楽文化の普及活動にも尽くしていただいております音楽家・サックス奏者の野々田万照さんということでございます。
表彰式、受賞者による公演会は3月20日にぎふ清流文化プラザにおいて行われます。

 それから、もう一つが第10回の円空大賞展の開催でございます。いよいよ10回目になりましたが、平成11年度にスタートしておりまして、いわば、郷土の偉人である円空を顕彰して、ふるさとへの誇りを高めるということです。特に立体造形、絵画、映像等の分野において、いわば現代の円空さんというべき、円空を彷彿させるような、土着で革新的な芸術家の方々を表彰しようという制度です。既に今回の受賞者については昨年3月にこの場で発表させていただいておりますが、来週1月30日に授賞式、開場式を行いまして、さらに同日から3月8日まで34日間、円空大賞展を県の美術館で開催いたします。
 受賞者は、大賞1団体、そして円空賞が4名ということでございます。TaraOcean財団というのは、海洋科学探査船TARA号で気候変動・環境破壊が海洋にもたらす影響をずっと調査している団体ですが、必ずアーティストが乗船して、そのアーティストから見た海洋ということで、作品を残しておられるわけです。今度の展示会では、TARA号の航海の様子の資料とか、乗船したアーティストの作品を展示するということです。
 それから円空賞の4名についてもそれぞれ作品の展示とか上映を行うことにしておりまして、受賞者によるワークショップ、レクチャー、上映会といったことを関連イベントとしてやる予定です。以上が第10回の円空大賞展でございます。
 なお、ご案内のように、この円空大賞を中心的に担っていただきました審査委員長の梅原猛さんが昨年亡くなられまして、後を継いで東大名誉教授の辻惟雄先生が委員長ということで、今回、選考から一連のご尽力をいただいているところでございます。

記者

 大河ドラマ「麒麟がくる」の放映がはじまり、第1回の放送をご覧になったと思いますが、感想ですとか、今後の展開への展望などはいかがでしょうか。

知事

 予定よりも2週間遅れてスタートしたわけでございますが、周囲も待ちに待ったという歓迎ムードを感じております。「麒麟がくる」ということで、私は「岐阜がくる」と言っておりますが、岐阜のいわば魅力を発信する一つのチャンスと言いますか、戦国の群雄割拠のるつぼの舞台がこの岐阜であったということを、改めて岐阜県民として誇りを持ちながら、ドラマの展開を見ていこうかと思っております。
 戦国時代というのは、皆様もそれぞれにご興味を持たれて、ご存じの歴史なのですが、今回は特に明智光秀とか、斎藤道三とか、どちらかと言うと前半生において謎の多い、どのように育って、どうあるところまでいかれたかというところがちょっと分かり難い方々について、群雄割拠の中で焦点を当てるということであります。本格的な成長大河ドラマであると同時に、謎の部分に光を当てながら新しい展開を目指していくという、大河ドラマの王道を行くと同時に、そこに一定の変化を見ていく、考えていくということだと思います。王道も楽しめる、そして謎の部分についての展開も楽しめるということかと思って眺めさせていただきました。
 (パブリックビューイングには、)本木さんがおいでになりまして、大変さわやかに斎藤道三への思い、あるいはドラマへの思いを語っていただきまして、これも非常に多くの人に強い印象を与えたと思います。大河ドラマ館もそれぞれ大変な入りで、岐阜市のドラマ館は既に1万人を超したということでありますので、これを一つのテコにして今年1年間、岐阜県の魅力をいろいろな形で発信していきたいという思いを強くしております。

記者  楽しくご覧になったという感じですかね。
知事

 そうですね。ドラマとしては、第一回ですから、いろいろな人が登場して物語が静かに始まっていくということですが、非常にわかりやすい筋立てで始まったような気がします。それと、4Kへの意識もあるのかもしれませんが、非常に衣装が彩り鮮やかですよね。特に、武将たちがそれぞれカラフルで、これは黒澤(和子)さんの衣装だそうですが、非常に鮮やかさを浮き彫りにしているので、これもまた非常に楽しめるポイントではないかと思って見ておりました。

記者  新型コロナウィルスに伴う肺炎への岐阜県の対応はいかがでしょうか。
知事

 1月6日に厚生労働省から通知がございましたので、7日付で医師会、病院協会、保健所、保健環境研究所に対して、注意喚起の通知を県の方から行っております。
 それから、国からも逐次いろいろな情報をいただいておりますので、それを同じルートで、県内へ提供させていただいております。
 幸い、今のところ県内でどうこうという報告はございませんが、中国で次々と発症事例が報道されております。それから、今朝ほどニュースを見ておりましたら、中国政府の専門家グループから、人から人への感染を確認したという発表がございましたので、更に警戒をという思いでおります。
 日本国内では、武漢から帰国された1人の方に新型コロナウィルスが確認されたと聞いておりますので、人から人への感染があるということをきっちり県内にも伝えて、十分警戒をしていきたいということで臨んでおります。

記者

 中国も春節を迎えて、県もインバウンドに取り組んでいますが、もし患者が県内で確認された場合の対応も万全になっているのでしょうか。

知事

 やはり対応にはスピード感が必要だろうということで、緊張感を持っていただこうかと思います。やはり発見を急ぐということが大事だと思います。ただ、新型コロナウィルスの検査は、疑われたら直ちに国立感染症研究所に持っていき、そこで最終的な確認をされるということですから、県の保健環境研究所でも一定の検査はしますが、そこら辺の発見をスピーディーにやっていくということがまずは大事だと思っております。その点についても、緊張感を持って対応してもらおうと思います。
 それから県庁の中では、いざとなったときの備えと言いますか、体制として、仮に県内で発生した場合には、直ちに知事をトップとした対策本部員会議を開くということを申し合わせておりますし、近隣県で発生した場合には、直ちに副知事をトップとした会合をもって対処するということで、そういう体制についても一応確認をしたところでございます。

記者

 先日、中津川市長選挙がありまして、大差で再選されたわけですが、中津川といえばリニア開業が2027年に迫っておりまして、今後、県との連携も必要となっておりますが、所感をいただけますでしょうか。

知事

 今回の選挙の一つの争点がリニアの評価であったと思います。そういう意味では、中津川市の地元としての、リニアの活用ということについての評価、審判が結果として現れたのだろうと思っております。
 かねてから中津川市を中心に、「東濃はひとつ」ということで、リニアの岐阜県駅を東濃と言いますか、東美濃全体でどう活用していくか。そして東美濃と中濃、あるいは飛騨をどう繋いでいくか。というようなことで、様々な検討をしてきておりますので、今回の結果、駅のできる地元でしっかりとした評価がなされたということですから、更に連携を強めていきたいと思っております。
 12月の県議会で、今年は東京オリンピック・パラリンピックとか、大河ドラマとか、ねんりんピックとかいろいろあって、ひとつの岐阜県にとってのターゲットイヤーだということを申し上げて、次のターゲットイヤーは2027年であって、リニアを岐阜県全体としてどう活かすかというところが、次の岐阜県の発展の節目になるだとうという答弁をさせていただきました。これについても、中津川市のほうからは非常に好意的にというか、積極的にご評価をいただいて、是非そういう姿勢で臨みたいという話も市長からいただいております。そういう意味では、非常に良い結果になったのではないかと思います。

記者

 雪不足が県内で続いておりまして、レジャー産業への影響が懸念されますが、対応についてはいかがでしょうか。

知事

 丁度4年とちょっと前ですかね。やはり雪不足の年で、冗談で「まさか県費を使って人工雪を降らせて、県費を使って雪かきをするというわけにいきませんね。」という話をしながら、丁度、選挙で飛騨から行くものですから、最初、郡上に入って高山に入ったのですが、急に大雪が降り初めまして、冗談で「雪と一緒に参りました。」と言ったら皆さん拍手喝采で非常に明るい顔をされていました。
 やはり雪と共に生きるということで、いろいろな生業やら、いろいろなことが成り立っておりますので、大変憂慮はしております。直接行政として手を下す話ではありませんが、経済への影響とか、地域、生活への影響とか、まずは注意深く眺めていきたいと思っております。今回、割と北から寒気団が結構下りてはきておりますので、注意深く見ていきたいと思います。

記者

 1月1日発効の日米貿易協定による、特に県内産業の牛肉、豚肉、自動車への影響は、どのように注視しておられますでしょうか。

知事

 関税引き下げとか、低関税枠の拡大とかいろんな部分がありますし、攻めの部分、守りの部分がありますので、一概にはいえませんが、一つひとつ関税の動向が価格にどのように反映され、ビジネスにどのような影響を及ぼすかということは、十分注意していかないといけないと思います。一方で為替レートも日々変わっているわけなので、その為替レートもまた、価格に影響するわけでありますので、そこら辺の組み合わせを見ていくことになると思います。
 ただ、岐阜のブランドものについては、攻めの姿勢で積極的にいくということで、特に攻めの典型が飛騨牛であります。アメリカの低関税枠が増えるということですから、今月の下旬から打ち合わせも含めて、うちのチームスタッフがロサンゼルスに行く予定をしております。今年の5月に飛騨牛のフェアをやり、飛騨牛の推奨店をいくつか認定させていただいて、併せて岐阜県の観光キャンペーンもやろうということで、現地の方々とどのようにフェアをやっていくか、打ち合わせに出かけます。積極的に出られるところは積極的に行きたいと思っております。

記者

 豚肉関係、養豚業者の方々は、そもそも事業の立て直しを頑張っているなかで、逆風になるかもしれないという可能性もありますが、その辺りはいかがですか。

知事

 ある日一気に変わるということではありませんので、岐阜のCSF(豚コレラ)も小康状態の中で、じわじわと再開の動きが始まってきておりますし、ボーノポークも戻ってきて、瞬間的には需給がタイトになっております。
 価格的には高めに推移しているという状況のなかで、改めて岐阜のブランド豚というのは、やはり美味しいと消費者の皆さんがおっしゃっておられますので、そのあたりがどのように海外との関係で勝負していけるかということはこれからの問題です。やはり岐阜の豚の良さというものを大いにアピールしていきたいと思っております。すでに、名古屋の「GIFTSPREMIUM」でもフェアをやりましたが、この後、豚肉についてのフェアをやっていくつもりですので、大いに岐阜の豚の良さをアピールしていきたいと思っておりまして、そういう意味でのサポートをしていきたいと思っております。

記者

 CSF(豚コレラ)が沖縄で発生したことへの受け止めと、県の職員を派遣されているようですが、今後の支援について教えてください。

知事

 正直、大変びっくりしましたし、深刻に受け止めております。つまり、CSF(豚コレラ)というのは、いつでもどこでも発生し得るのだということの一つの表れだと思っております。私どもの経験がお役に立てばというとで、先方と調整して、すでに職員派遣をしておりますが、あらゆる協力を惜しまないという姿勢でお手伝いをしていきたいと思っております。

記者

 県の防災ヘリについて、今日、運航の検討会が行われておりますが、知事としては防災ヘリがどのように運航していくのが望ましいとお考えでしょうか。例えば整備士が見つからない場合は、民間に全部委託してしまうとかが考えられますが、知事のお考えをお聞かせください。

知事

 今回の防災ヘリの問題は、いろんな課題や問題点が一挙に表れてきたものと受け止めておりまして、この検討会もこういった問題点を、一通り全部こなして、一定の方向性を出していただこうと思っております。問題として、コンプライアンスといいますか、職場におけるハラスメントの問題ですが、これは、実態調査も含めて何が起こってどうであったということを評価する必要がありますし、場合によっては処分という問題もでてくるわけです。それから機体整備をどうチェックするかということについて、チェック体制の在り方とか、チェックの在り方とかいうところも問われているところであります。それから3番目に経験と資格のある整備士を確保する必要があるわけでありまして、日本全体として非常にタイトなわけですが、そういった中でどのように人材を育成、確保していくかという問題もあります。それから、現地のセンターでの物事に対する組織的な対応だとか、組織管理という問題もありますし、センターと本庁との指揮命令関係、指導関係だとか、そういう組織のマネージメント、組織としての意思疎通とか連携といった問題もありました。
 大きく(1)コンプライアンス(2)機体整備(3)人材確保(4)組織マネージメントと4つのテーマが一挙に出てきたと思っておりまして、このテーマを意識した検討会の有識者のメンバー構成になっていると思いますので、これらの方々に率直に議論をしていただいて、それぞれに答えを出して、それに沿ってまた対応していきたいと思っております。
 すでに1号機は委託しているわけです。問題のヘリは警察との共同運航という問題があるものですから、単純に委託すれば済むということではありませんので、県警ともよく相談しなくてはいけません。それから整備士については、私どもとしては募集をしておりまして、何とかこの4月1日から、人材を確保するように努力しているところでございますので、検討会の議論も含めてまずは、必要な人材の確保をきちっとやって、対応できるようにしていくというところを積極的に追求していきたいと思っております。

記者

 防災ヘリの件ですが、ハラスメント全体や、格納庫での(油脂類の)不適切な保管など一連の調査はどうなっているのかということと、整備士の募集要項をみると4月1日から採用となっていますが、4月から運航再開という目途はあるのでしょうか。

知事

 ハラスメントの方は当該問題になった人に関する調査はかなり進んでいます。この際、あの組織のなかで、他には無かったかとか調査をやっていくと、他にもそれらしい話もでてきているものですから、その確認もしているということです。いずれにしても折角の機会ですから、とにかくトータルに調べようということで、これは急いでやります。これはかなりやってきておりますから、そんなに時間はかからないと思います。
 機体整備とかいろんな管理の問題もルールがあって、そのルールに沿って行われていなかったということで、ベテランが「自分が良いと言えば良いんだ。」ということで、強引にチェックを妨げていたということです。これも曖昧なところがたくさんあるわけではありませんので、組織の中でのダブルチェックであるとか、組織の中の上下関係とか、指揮命令関係をきっちりするということになるのではないかと思います。
 それから運航のほうは、この春は機体の検査に入りますので、仮に整備士が順調に確保されたとしても実際に動き出すのはもう少し後ですから、逆に検査の期間中、新たにお願いした整備士が一定の訓練とかをする時間的なスペースはあるということです。そういう意味で順調にいけば、4月に確保して、そういったことも含めて良い形で再開できればと期待しております。

記者

 3号機については、県警との共同運航を続けられるというお考えでよろしいでしょうか。

知事

 それぞれの運航とか、実績とかを考えますと、やはり共同運航という形態は、県警のほうも必要としておられますし、私どもも、稼働率とかいろんな意味でバランス上、うまく回せればそれが一番良いのではないかと思っております。

司会

 以上を持ちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。

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