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知事記者会見(令和2年1月6日)

令和2年1月6日(月曜日)15時

司会

 それでは、新年最初の知事定例記者会見を始めさせていただきます。知事よろしくお願いします。

知事

 改めまして、あけましておめでとうございます。ちょっと声が枯れています。風邪を引いてしまったものですから、お聞き苦しいと思います。考えてみますと、去年の今頃は、8000頭の豚舎の殺処分を終えたばかりで、緊張感が漂って、ちょっと殺伐とした感じがありましたが、それに比べると、今年は穏やかな休みを取らせていただきましたので、そういう意味では、本来もっと、良い声で元気にできるとよかったのですが、かえって油断して熱を出してしまったものですから失礼します。
 恒例ですが、お手元に2020年の主な事業の予定がございますので、これを眺めながら、今年何が起こるかということを申し上げたいと思います。
 それともう一つは、「ぎふ木遊館」の名誉館長の資料がお手元にあると思いますが、この岐阜県の主要事業で見ますと、4月28日にありますが、「ぎふ木遊館」がオープンすることになっておりまして、植樹祭とか育樹祭とかでいろいろとご縁が深く、お世話になっております竹下景子さんに名誉館長になっていただこうということで考えております。
 この木遊館は、もともとは、おもちゃ博物館といいますか、東京の四谷に、廃校跡を使って、もっぱら木で作ったおもちゃをずらっと並べて、入場料は確か千円するのですが、大変多くのお客さんが出入りして、一日そこで子どもたちが木のおもちゃに触れて遊べるような所があります。それを見に行った時に、そこで木のおもちゃのコンテストをやっていて、その最優秀作品が岐阜の郡上の木のおもちゃだったのです。
 岐阜にそういう素材がたくさんあるので、こういう事こそ、岐阜県がもっと積極的に、木育というか、子どもたちが木に触れられる機会をもっと増やすためにやったらいいのではないかということで、そこからいろんな方のアドバイスをいただきながら進めてきました。本当は県図書館の隣に造る予定でしたが、ほぼ設計もできてふたを開けてみたら、地中にいろんなものが埋まっていてそこは使えなくなったものですから、一転して場所を鷺山の「ぎふ清流福祉エリア」の方に持っていったということで、計画してから時間がかかりましたが、今年4月に完成ということになりました。
 これの予行演習みたいなことをメモリアルとか、十六プラザとか、いろいろなところでやっていますが、いつやってもお子さん方など、ものすごい数の人たちが来て楽しんでおられるものですから、大いに楽しんでいただけるのではないかと思っています。そのシンボル、顔として、竹下さんにお願いしようということです。
 1年の予定では、いろいろなことがありますが、岐阜県の今の政策で言うと、大きく3つの柱でやっています。人材確保・育成、人づくりという観点と、安全・安心の地域づくりという観点と、それから地域の魅力発信という観点と、3つの柱で政策を組み立てています。
 最初の人づくりという点で言いますと、3月の真ん中あたりにあります、第4次岐阜県少子化対策基本計画の策定でありますとか、4月の障がい者総合就労支援センターですとか、今お話しした「ぎふ木遊館」とか、5月の2つめにある「森林総合教育センター:愛称morinos(モリノス)」のオープンといったところが、人づくりに関わる出来事かと思っております。
ちなみに4月に「障がい者総合就労支援センター」と「ぎふ木遊館」が完成しますと、鷺山エリアで予定していたプロジェクトは全部完成ということで、障がい者の方々を中心に、相談、訓練、就労、医療、特別支援学校、プール、体育館、それから木育と、一通り、福祉エリアとして一つの大きな拠点ができるということです。今でも県外から多くの方々に来ていただいていますが、岐阜県としては、「ぎふ清流福祉エリア」がこれで一応完成するということです。
 それから2番目の柱の安全・安心の地域づくりという観点では、3月の真ん中あたりにあります、次期「岐阜県強靱化計画」、これは昨年の経験に鑑みて、大規模な停電対策ですとか、昨年の台風19号でありましたような、広域的な水害対策についてさらに強化をしていこうというような内容になるのではないかと思います。
 4月に、岐阜大学の中に二つ。一つは「気候変動適応センター」で、これは気象状況についてのデータの提供ということで、風水害対策につながるわけです。もう一つは「小児在宅医療教育支援センター」ということで、小児在宅医療の拠点を岐阜大学の中に設けようということです。
 それから10月の一番下の欄にある「ねんりんピック」があります。このあたりがスポーツ、文化、健康福祉という意味で、安全・安心の地域づくりに関連することかなと思っております。
 魅力発信という意味では、観光に近いところのテーマですが、1月の大河ドラマ館の同時オープンは、もう今週の11日です。
 それから地歌舞伎の勢揃い公演。これは少し前から相談をしてきたのですが、県内29の保存会が1月から7月のオリンピックまでの間に、勢揃いで、順次入れ代わり立ち代わり公演を行うということで、いわば岐阜県の地歌舞伎界の勢揃いをやってみようということで、オリンピックイヤーに合わせて企画したものです。
 円空大賞は10回目になりますが、予定通りやろうと思っています。
 それからスマート農業ですね。3月の終わりくらいに書いてありますが、農業分野におけるITの活用ということで、それを実際に体験できる拠点を造ろうということです。
 それから、魅力発信ということになろうと思いますが、東海環状の関広見と山県の間と、三輪のスマートICが開通するということです。
 それから、あとは5月に「エンジン01in岐阜」があり、6月に花フェスタ記念公園の「モロッコ・ロイヤルローズガーデン」がオープンします。もう工事に入っていますが、今ある「モロッコ・ロイヤルローズガーデン」は、それらしいものということですが、今度はモロッコの手工芸庁の肝いりで、モロッコの素材と技術を使った、まさにモロッコ庭園そのもの、本物を造るということで、モロッコ政府も全面的に協力していただいているということです。
 それから関ケ原の古戦場記念館、これが石田三成の旗揚げの日を期してオープンします。
 オリ・パラでいきますと、カナダが岐阜メモリアルセンターで、イギリス、フランスが飛騨御嶽高原高地トレーニングエリアで、事前合宿を行って東京オリンピックに臨むということになっています。
 あとは杉原千畝の生誕120周年、命のビザ発給80年の記念事業も、リトアニアでは年間を通じてやるということですが、こちら側としては10月、11月を中心にやっていこうということで考えております。
 そんなようなことで、1年間いろいろと予定をさせていただいております。全体としていきますと、観光ビッグイヤーということをずっと、つとに申し上げておりますが、いろいろな魅力発信のチャンスがたくさんありますので、観光ビッグイヤーを岐阜のビッグイヤーにどうつないでいくかということで、魅力発信についてこれまでいろいろと蓄積してきたわけですが、それを今年1年間、目一杯発揮していきたいと思います。そしてそこからどういう財産が将来に残るか、将来につないでいけるかというあたりが魅力発信の課題であろうと思っています。
 もう一つは何といっても危機管理ということで、CSF対策の中で言うと、野生いのしし対策について、ある程度制度化をする、法制化するという議論が進んでおりますし、CSFよりもさらに怖いASFが迫っておりますので、ASF対策も制度化、法制化するということを、国の方もお考えのようなので、一緒になって考えていくということかなと思っております。それと自然災害は毎年のことですが、危機管理に強い岐阜県でありたいと思っております。
 今年の干支が庚子(かのえね)ということですが、庚(かのえ)は成長を得た草木が次の世代を残すために花や種子を準備する状態ということです。子(ね)は、十二支の最初ですので、生命が新たに芽生えていろんな方向に育ち始める状態だということだそうですし、ねずみは子どもをたくさん産むということで繁栄の象徴だということです。
 この2つを重ね合わせると、干支、十二支の世界では、新しい時代、新しい局面において、花が開いていくとか、繁栄していくことの始まりと言われているわけです。前回は1960年ということで、今上天皇の御生誕、日米安保条約、いわゆる安保闘争の時代ですし、国際的にはアフリカの多くの国が一斉に独立したアフリカイヤーという時期であったわけです。それから7回さかのぼると1600年、関ケ原の戦いということで、一つの新しい時代に向けての出発につながる、そういう縁のある年のようですが、岐阜県として観光ビッグイヤーをそういう年にしていきたいという思いでおります。私の方からはそのようなところです。

記者

 来年の丁度今頃は、知事選に掛かる時期かと思います。昨年11月の会見では、「来年のことを言うと鬼が笑うと言うけれども、再来年のことは思いもよらない。」とおっしゃいましたが、知事選を1年後に控えて、現在の出馬に関する意思をお聞かせください。
 まだ決めていらっしゃらないということであれば、今期(4期目)の出馬を表明されたのが9月議会の頃だったかと思いますが、仮に出馬する・しないの表明を、だいたい何月くらいまでに決めたいというお気持ちがあればお聞かせいただけますか。

知事

 年が変わりましたので、「来年のことを言うと鬼が笑う」フェーズに入ったということになるわけですが、今ご紹介したような多くのテーマが次々と控えております。これらを確実にこなしていくと言いますか、実行していくということが、まずは大事かと思っておりますので、現時点で、どうこうコメントするという判断に至っていないという現状であります。
 それから2番目のご質問は、私の記憶では、3期目もそうですし、4期目もそうでしたが、ポスターとか、公約とか、これ以上日にちが経ったらポスターを貼れないというか、ポスターの写真を撮るのか、撮らないのか早く決めてくださいと、事務所からせっつかれて、ぎりぎりのところで決断したような経緯がありますので、9月というよりは、確か3期目のときは国体が終わってからですから10月の終わりくらいではなかったかと思います。もしかしたら記憶が間違っているかもしれませんが、4期目も、私は議会であまり表明したことがないものですから、10月に入ってからではなかったかと思います。
 いずれにしても、当面の役割と、そこから先にどういう課題が残されていて、それをどういうふうに考えるかというあたりでありますので、まだちょっと、そういう意味でいつ頃になればと期限を切っているわけではありません。
 むしろ、前回か、前々回か忘れましたが、ポスターの印刷が間に合わないから、とにかく決めてくれとうことで、やらないならやらない、やるならやるで決めてくれと言われて、大慌てで公約の原稿を用意したり、ポスターの写真を撮りに行った記憶があります。そんなことで、今回もどうするかは決めておりませんので、タイミングについても未だ、何とも申しかねるということです。

記者

 木遊館のことで、名誉館長となる竹下景子さんへの期待を一言いただけますか。

知事

 植樹祭、育樹祭もそうですし、夜の関ケ原の朗読劇もやっていただいております。いろいろな場面で、いろいろとお話をするにつけても、木とか森とか、そういった自然環境に非常に造詣がおありで、子育てというか、教育ということについても、しっかりとしたご意見をお持ちなものですから、まさに木育というテーマに最もふさわしいのではないかということです。しかも、岐阜の木や森の世界をよく知っていただいています。
 ご出身は一宮ですが、時々、彼女は「私は半分、岐阜県民です」と笑いながらおっしゃっておられます。岐阜のことについても、非常に関心を持っていただいておりますので、そういう意味でも、私どものイメージにはピッタリかと思っております。

記者

 2020年を目がけて、いろいろな仕掛けをしてきて、ようやく今年を迎えたわけですが、改めて、意気込みと言いますか、こういうふうに盛り上げていくとか強調したいところがあれば教えてください。

知事

 意気込みと言いますか、過去を振り返ってみると、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会は一つの山場だったのです。岐阜県が、国体という行事を通じて、何を日本にアピールしていけるか、岐阜のアイデンティティーをどう磨いていけるかということを一つの課題にして、国体に向けて、国体そのもの以外にも、いろいろなことをやろうとした経緯があります。
 国体が終わったところで、一過性の行事ではなしに、それを次にどうつないでいくかというときに、ずっと眺め渡して、そんなに遠くもなく、且つそんなに近くもないタイミングで、さらに、そこで辿り着いた岐阜県の発信力を高めていくチャンスというのは、次は東京オリンピック・パラリンピックだろうと考えたわけです。
 選挙の時にもしばしば申し上げたのですが、この頃、ほとんどこの標語は使われないのですが、東京オリンピックの誘致をしたときに、こういうスローガンを使っていました。
 「1964年、日本は変わった。2020年、世界を変えよう。」というスローガンで、キャンペーンを始めたのですね。このスローガンが、すごく私は気に入っていまして、まさに1964年は、戦後の荒廃の中から日本が立ち上がって、オリンピックを誘致して、オリンピックをやることを通じて東京が変わっていき、次の東京オリンピックは、そこからさらに発展した東京こそが、世界に何かを積極的にアピールをしてくというか、働きかけていくとになるという意味です。
 「変える」という言葉は非常に強い言葉だと思いますが、それと同じで、東京が世界を変えると言うのであれば、東京オリンピックという流れに乗って、岐阜が世界を変えるというくらいの心意気で、岐阜の魅力を発信しようではないかということで、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会から次の東京オリンピックまでのざっと8年間、岐阜から世界へということを心掛けてきたわけであります。それが、今日見ていただいたようなスケジュールの中で、いろいろなことが収れんしてきておりますので、一つひとつ成果を出して、さらにそれが次の時代につながっていくようにしていきたいという思いです。

記者

 先ほどおっしゃった11月中旬に予定されているリトアニアのイベントは、具体的にはどういったことを想定されているのか、現状で何かあれば教えていただけますか。

知事

 10月と11月に両方書いてありますが、10月はリトアニア側が1年間を通じていろいろなことをやって、そのピークを10月にもってきています。これには、我々としては積極的に参加するという形になると思います。おそらくリトアニア側としては、杉原千畝を国民により強く知ってもらういろいろな新たな取組み、最後に泊まったホテルの前に杉原千畝の記念碑を作るとか、いろいろなことを考えておられるようですが、それはリトアニア側のことで、それに参加するということです。
 11月はこちらの側ですが、「リトアニアNOW」という、リトアニアを紹介するイベントをこのところ、一昨年、去年とやってきています。これをもっと大々的にして、リトアニアの多面的な魅力を紹介するということと、それから杉原千畝の業績を思い切って内外にアピールするということと、できれば、10月から11月のタイミングでこちらから人を向こうに出したり、向こうから人をお招きしたり、人の交流も思い切ってやりたいと思っています。
 リトアニアは歌と踊りの国というか、ユネスコの無形文化遺産になっている民族舞踊がありますが、そのような方々がこのところ岐阜を覗いていただいていますので、それを大型化して交流ができれば、というようなこととか、子どもたちの交流も、できれば八百津町とも相談しながらやっていきたいと思っております。

記者

 昨年12月に中国への日本産和牛の輸出が解禁になったかと思います。知事は、日頃から飛騨牛の振興に力を入れていらっしゃいます。今後の中国への輸出政策についてどのようにお考えでしょうか。

知事

 今年は、5月の欄にあるように、アメリカ西海岸トップセールスということで日米貿易協定に基づいて、かなり低関税枠が大きく広がりますので、これを活かして飛騨牛をアメリカの西海岸に持っていきたいと考えているところであります。中国についても今おっしゃったようなことがありますが、中国のマーケットとか、流通経路とかがまだ、よくわかりませんので、少し勉強する必要があると思います。中国とひと口に言っても、非常に広いものですから、一番やりやすいやり方としては、江西省とすでに30年のご縁がありますので、江西省の牛肉のマーケットがどうなっていて、新しい解禁のなかで、岐阜の飛騨牛をどこまで受け入れる余地があるのかとか、そのあたりを勉強してみたいと思っています。一昨年(2018年)の秋に江西省に行きましたが、そのときには、江西省の方々は飛騨牛というのは、あこがれの高品質な牛肉であるということは皆さんよくご存じで、飛騨牛を食べたいということで、岐阜に来たことがある人は、飛騨牛のすばらしさをずいぶんおっしゃっておられました。その辺から少し入っていくのかなと思っています。
 もうひとつは、上海に県の人を出していますので、上海のマーケットがあり得るかどうか。かつて上海の伊勢丹で岐阜フェアをやったことがあるのですが、そのときには、飛騨牛まではやっておりませんでしたので、上海もあり得るかもしれないという感じはします。もともとの飛騨牛キャンペーンの最初の出発点は香港ですから、香港で成功したことが上海でも十分あり得るのではないかという気もしております。もう一つの切り口は上海ではないかと思っております。いずれにしても、もうちょっと勉強して、ある程度見えてきたところで直接出かけて行って、やってみるということかなと思っております。

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