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知事記者会見(令和元年12月27日)

令和元年12月27日(金曜日)15時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。知事よろしくお願いします。

知事

 あっという間に御用納めになってしまいましたので、こういう会見をさせていただくわけです。
1年間を振り返ってと言いますか、振り返る間もなく、今週もバタバタとしておりました。まず何と言っても、1年間非常に早かったと言いますか、いろいろなことを考えながら、走りながらで、あっという間の1年であったというのが正直なところで、もう12月も終わりかというのが率直な感想であります。
 早かった所以がいくつかあります。いろいろな政策についてはお手元の資料に書いてありますので、また眺めていただければと思いますが、やはり一つは危機管理の問題が絶えず頭を離れないということで、特にCSF(豚コレラ)の問題が、特に今年の2月、3月、4月と、次々と豚舎が感染していくという中で、豚舎の対策、野生いのしし対策、それから国との関係、各農家の方々との関係、いろいろな角度から手探りでと言いますか、悩みながら進んできました。それが基調としては結構、意識の中のウェイトが高かったのではないかと思います。
 最終的に、10月下旬にワクチンをということで、今、小康を得ておりますけれども、逆にここで油断があってはならないということで、引き締めていかなければならないと思っております。
 思い起こしますと、昨年の御用納めの日は、8千頭の豚舎を早急に殺処分しなければならないということで、自衛隊も含めて、おそらく最大級の動員をさせていただきました。確か発見したのが12月24日、25日頃です。それで、1月5日までかかるということで、作業プランを作りつつあったのですが、何がなんでも年内に終わろうではないかということになりまして。正月早々から殺処分をやっているというのはよろしくないということで、何としてもということで、関係者もそのつもりで、さらにそのプランを加速させて、気が付いてみたら12月28日の深夜ですかね。全て終わることができて、まさに御用納めの日までには全部片付けたということで、これは信じがたいほどのスピードで作業が進んだわけでして、それでやっとお正月を迎えられたという感じでした。
それから比べると、少し落ち着いた感じはありますけれども、いずれにしても、この1年間、職員の皆さんの献身的なこの問題への取組みとか、自衛隊の皆さんには非常に難しいところをやっていただきましたし、他県からの支援もありましたし、市町村の応援もありましたし、建設業界をはじめ関係者の応援もありましたし、いろいろな意味で力を合わせながら、やっとここまできたかといった感じです。
 という中で、やはりまだまだ油断できないというのは、ワクチンを1回打てば100%感染しないということでもありませんし、生後30日の子豚については、親の免疫を受け継いでいるという前提でワクチンを打たないのですが、中には感染するものもいるとか言われています。それからASF(アフリカ豚コレラ)に対する恐怖と言いますか、備えも怠るわけにいかないということで、今、法律改正も含めて、次のステップの議論が政府、あるいは各党の間で、あるいは超党派で議論が進んできておりますので、年が明けるとそういった面で、ルール作りのところが急速に動くのではないかと思っております。
そういうこともあって昨日は、農林水産省といろいろと議論をさせていただきました。ずっと私自身は、これまでの経験を踏まえて、きちっとした、法律への位置づけも含めたいろいろな手順、いろいろな対策の法制化、制度化をやってくれと。それから法制化、制度化するにしても、ルールを明確にしてくれというようなことを、この1年の反省を込めて議論させていただいておりまして、この点については、年明けにおそらくどこかのタイミングで、国会を控えて、いろいろな案が出てくると思いますので、また突っ込んだ議論をしたいと思います。
あと、法案ができる前に発症するなんてことになりますと、これはこれで大きな問題になりますので、おさおさ警戒を怠りなく、かつルール化についても期待するということで、年が明けるという感じでしょうか。
 それから、やはり私どもにとりましては、昨年の7月豪雨の経験が、いろいろなところで風水害対策としてとられてきているわけであります。それに加えて今年は、台風15号、19号、21号ときて、特に15号のときのような大規模停電のもたらす影響をしっかりと認識して、中部電力も含めてでありますけれども、大規模停電に備える対策をいろいろな角度から打っていこうということであります。風水害対策も全く油断のできないと言いますか、いつでも、どこでも、ということでありますので、これもしっかりやらなければならないと思っております。
 そういう中で、残念でありましたのが、11月に入ってからの防災ヘリの問題です。パワー・ハラスメントに端を発して、パワー・ハラスメント問題を追及していったら、まさに安全管理、運航管理の面で不適切な事案があったということで、その2つの側面を早急に片付けなれば運航再開ができないということがありました。また、もう一つ、今世の中一般にある人材不足ですね。整備士の不足という問題があって、経験のある、知識のある整備士をどうやってリクルートするかということで、今一生懸命、あちらこちらに触手を伸ばしているわけであります。これも未解決のまま年を越すということでありまして、大変残念なことであります。危機管理でもあり、特にパワー・ハラスメントの問題についても、単に一センターの仕事ということでなく、十分目配りをしていかなければならないという思いでおります。
 一方、政策面では、今年3月、地方創生総合戦略の第2弾を、5カ年計画ということで発表させていただいて、それに沿って、お手元の資料にありますように、「『清流の国ぎふ』を支える人づくり」、「健やかで安らかな地域づくり」、「地域にあふれる魅力と活力づくり」の3つを柱に、様々な角度から県政を展開したということでございます。
 特に「人づくり」のところは、いろいろな場面で意を用いながらやっていかざるを得ないところでありまして、何をするにも、まず担い手がいなければ始まらないということです。製造業であれ、観光であれ、農業であれ、林業であれ、医療・介護であれ、どの分野も、とにかく担い手をどうするかということについての岐阜県なりのシステムや、担い手を育てていく受け皿を、それぞれの特性に応じて、関係者の皆さんと議論しながら、順番に用意をしていったということです。それから、外国人の受け入れについても、障がい者についても、就労という観点から、受け皿を用意していくなど、そんなことをやや横断的に、「人づくり」ということについては、かなり丁寧にやろうということで、努力してきたのではないかと思っております。
 それから、「魅力づくり」という意味では、来年が観光ビッグイヤーになるということも念頭に置きながら、最大限、岐阜の魅力の発信をということでやってきました。
ありがたいことに、今年の前半では、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館での若い人たちへの研修、宇宙研修、宇宙講座、航空講座と言いますか、これが、企業版ふるさと納税の使い道として、非常に良い使い方だということで、大臣表彰を受けたり、ONSENガストロノミーウォーキングのグランプリをいただきました。全国のドラマ、映画、アニメ等々のロケーションジャパン大賞もいただきました。「半分、青い。」という朝ドラのパワーのおかげですが、これも大いに活用して、魅力を発信したわけです。いろいろロケ地も推薦したわけですが、それが評価されたということです。それから、去年のことでありますが、岩屋ダムの、ぎりぎりのところでのオペレーションが、ダム大賞ということで、安全・安心の運用ということについて、評価を受けたこともありました。
そういう意味で、いろいろと評価を受ける面もあって、大変ありがたいことであったわけでありますが、関ケ原の整備でありますとか、ぎふ清流里山公園の整備でありますとか、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館でありますとか、観光誘客、企業誘致等々、いろいろな面で、着実に前に進んでこられたと思っています。そのひとつの現れが、インバウンドが大変好調でございまして、これを引き続き、さらに伸ばしていきたいということであります。
 そういう魅力発信ということで、これを来年の観光ビッグイヤーにそれぞれ繋いでいくと言うか、さらに発展させていくと言うか、そういうことをさらに続けていくのだろうと思っております。
 もうひとつは、政策云々ではなしに、やはり平成から令和へという時代の変わり目といいますか、そういう中で、ご即位の関係で東京に6往復しました。それぞれの機会に参列させていただいて、じっくりと時代が変わることを実感したというのも、今年のひとつの大きな特色であったかと思います。
 スポーツの面では、オリンピックに向けて、県の美濃手すき和紙が賞状に採用されるとか、食材とか、県産材とか、いろいろとオリンピックの場で活用される方向になってきました。岐阜県から、かなりメダル有望な代表選手をオリンピック・パラリンピックに送れるのでないかということもあります。唯一残念だったのは、FC岐阜がJ2からJ3に落ちることになったものですから、捲土重来、いろんな反省も込めて対策を練っていかないといけないと思っております。スポーツは、中京高校も含めて、各種目において顕著な成績をあげましたけれども、サッカーは残念な思いが残っております。
 ということで、ちょっとなかなか一言ではまとめにくい1年ではありましたが、いろんな方面に目配りをしながら、なんとかここまで辿り着いたというのが実感であります。
おそらく、来年は観光ビッグイヤーでありますので、引き続き、思い切って魅力発信をしていくということと、危機管理については怠りなく、引き続き、この二つの底流が続くのだろうと思っております。とりあえず、1年間を振り返っての感想は、あまりまとまりませんけれども、こんな感じでございます。

記者

今年の漢字を一文字でお願いします。

知事

 毎年一番困るのですが、去年ここで立ち往生したので、さっきから考えていましたが、なかなかぴったり来るものは難しいのですけれども。強いて言うなら、時代が変わるというか、物事がどんどん変わっていくと同時に、物事が前に前に進んでいくという意味合いも込めて、起承転結の「転」という、物事が前に前に回っていくということを、一生懸命心がけてきた一年かと思っています。

記者

 時代が変わるということと、前に進むということの意味を込めてということですか。

知事

 はいそうです。

記者

 知事の4期目の最終年となるわけですが、改めて意気込みを教えていただけませんか。

知事

 来年をどうするかは、新年の記者会見がありますので、年末年始、ゆっくり今年の反省を含めて考えながら、来年の抱負は新年の記者会見のときにお話しさせていただこうかと思います。さっき申し上げましたように、大きな基調としては、危機管理と魅力発信というのが大きな底流としてあろうかと思います。

記者

 リニア中央新幹線に関してですが、静岡県との絡みで2027年の開通が厳しい状況になっているようですが、岐阜県として2027年の開通が厳しくなっていることに対しての知事の所感はいかがですか。

知事

 リニア中央新幹線の推進は、まさに、期成同盟会を組んで、沿線の県を挙げて取り組んでいるテーマでありますので、当然、所定のスケジュールで、できれば前倒しでもしていただきたい思いでもあります。同時に、一つひとつ課題を間違いなくこなしながら前に進んでいかないといけないということで、スピードと連携ということをいつも申し上げております。JR東海と沿線の県ないし、県民の皆さんが連携して前に進んでいくということが大事だと思っています。
 岐阜県についていえば、今年は4月に中津川工区で落盤事故がありました。それで4月から工事が止まったわけです。11月に入って、ようやく工事が再開されたということで、ざっと7か月、中津川工区の工事が止まったのです。その間、私どもも、なぜここで、このタイミングで落盤事故が起こったのか。その場所ついての原因究明と対策という側面と、同じことが他にも起こるようなことがあっては、とてもではないが前に進めない、他の場所でも同じようなことを起こさないための対策をしっかり議論していかなくてはならない、ここはじっくり時間をかけて、丁寧に議論しましょうということで、地盤問題の専門の先生方もお入りいただいて、相当丁寧に議論しました。その議論もオープンでやらせていただきました。それから、地域の沿線の方々にも丁寧に説明するということでやってきました。
 その間、もちろん急ぐということはあるのですけれども、この状態では、何日、何か月遅れるという議論はありませんでした。如何にして、この落盤事故を乗り越えていくかということで、JR東海も含めた関係者が懸命に考えて、対策をきちんと打ち出したということです。これで専門家の目から見ても、住民の方から聞いてもよかろうということで、7か月経ったところでOKを出したということです。
 これは予め期限を切っていたわけではありませんで、納得のいくまで止めるということで、納得が得られたら再開するといことでやってきたわけです。ということで、今また工事が再開されているわけでありまして、この間、岐阜県のこの案件について、もちろん遅れているわけですけれども、遅れる遅れないという議論ではありませんでした。これをどう乗り越えるかということに皆さんが集中して、答えを出してきたということで、一つひとつ、間違いなく手順を踏んでいくことが前に進んでいくうえでは大事なことで、単に当該箇所の事故の問題ではなく、私としては、全線を通じての落盤というものに対する警戒をどうやっていくかということについて、JR東海さんも一生懸命考えてこられたと思っております。
 こういうことを一つひとつ積み重ねていくことが大事なことだと思っております。ですから、他の場所について云々言う立場ではありませんけれども、私自身の考えとしては、岐阜県は、まだいろんなところを掘っているわけですから、最後まで掘りぬいて仕上げるところまで、不安なく安全に進める必要があるわけです。これからも、何か起こるかもしれませんので、そういう問題を間違いなくスピード感をもって、かつ連携してやっていくということで、自ずと答えが出てくるのではないかと思っています。

記者

 政府予算が102兆円と発表されて、岐阜県として気になるのは豚コレラ関係でしたが、経営再開ですとか、風評被害に関する項目が見当たらないのですが、知事会とか、県としても独自に要望されていたと思うのですが、政府予算に対する期待感はどうでしょうか。

知事

 政府予算について申し上げますと、トータルとしては非常に頑張っていいただいたと思っております。例えば、発生予防、まん延防止という観点からしますと、発生予防、まん延防止対策について、令和元年度補正予算と2年度当初予算を合わせて、255億円。令和元年度の当初予算57億円と比べて4倍強となっています。
 野生いのししの捕獲強化という面では、令和元年度補正予算と2年度当初予算を合わせて、132億円。令和元年度の当初予算107億円と比べて25億円の増となっているので、マクロ的にはよく見ていただいたと思っております。
 内容的にも衛生管理の向上とか感染防止対策の面では非常にきめ細かくやっていただいているのですが、私どもからしますと農場のハードの整備ですね。衛生管理基準をあげていけばいくほどソフトの方はかなりみていただいておりますが、ハードの方はもうちょっとあってもと思っておりますが、経営再開のところもさらにお願いしたいところはあります。
 多分、国として予算で対応する部分とビジネスとして当然一定のコスト負担をもって対応するところを、予算当局との議論のなかで一定の仕切りをされたのではないかというのが私の想像ですが、これからの対策としては衛生管理基準のレベルアップと野生いのしし対策と、それから農場再開対策と、この3本柱ですね。もう一つ加えれば、水際対策ですね。水際対策はほとんどが国にやっていただかないといけないことですが。そういう柱の中で言うと、引き続き、今申し上げました、ハードのところと再開支援とをもう一段お願いしていきたいなと思っています。
 あとは、再開の動きがこれからどういう形でどの程度出てくるかですね。それからそのためにコストがどうかかるかとか、その辺は年が明けて動きが出てきたところで見極めながら、早め早めにまた要望していきたいと思います。

記者

 防災ヘリの関係で、指導役の整備士が停職1か月で、そもそも辞めるという意思を示している中で、懲戒自体は、パワハラが一人に対してあったということについてされたわけですが、安全性の観点とか、過去にもあったのではないかとか、いろいろと判明したことがあります。それに対する懲戒をもしするのであれば、あと数日ということになりますが、それがないのかという確認をさせてください。
 それと、有識者組織が今どういう状況で準備が進んでいるのか伺います。

知事

 後者から言いますと、今人選しているところで、年明け、1月のどこかで第1回をできるだけ早くやりたいと考えています。年末年始にかかってきて、ちょっと遅れていますが、急ぎたいと思っています。
それから、最初の話は、かつていわゆる不正資金というか裏金の時もありましたが、辞めた人に対する処分がどういうことになるかということですね。
 一般論でいうと、しっかりと事実関係も含めて、かつ、関係者にも見ていただいたうえで、「何々処分相当」ということはきちっと発表して、もちろん間に合えば処分をするわけですが、間に合わない場合にはそれをはっきり発表することによって、ある種の社会的制裁となるということがルールとしてはあります。議論は急ぎますが、お辞めになるタイミングと合うかどうかは、ちょっと難しいのが正直なところです。

記者

 岐阜市の中学生がいじめで自死された件で、教職員の多忙化というのが課題として挙がっていると思いますが、県としてのこの問題についての認識と、何か対策・対応を考えられていることがあれば教えてください。

知事

 今回の事件の中で、多忙ということが一つの要因ではないかという報告が出ているわけですが、この多忙の問題はつとにずっと議論されてきて、今年の3月に、新年度からという意味なのですが、「教職員の働き方改革プラン2019」が発表されております。県立学校はもちろんですが、市町村立学校に対しても、市町村の教育委員会を通じていろいろと対応していただく、あるいは必要な支援も行っていくということで、一旦この4月からこの「教職員の働き方改革プラン2019」が打ち出されておりまして、ここにいろいろなことが書いてあります。
 ですから、まずはそこに書いてあることを、きちっとやっていこうというのが今の県の立場ということで、これも4月からスタートで、まだ動き出したところです。今のような事態ですから、教育委員会のご判断もあると思いますが、私としてはどこかで、このプランがスタートしてまだ9カ月というところですが、どのくらい進捗してきているのかとか、やってみての課題はあるのかとか、あるいは過不足はどうなのかというあたりは、どこかで議論してみてもいいのかなという気がしますが、教育委員会とよく相談してみたいと思います。

記者  先ほどの漢字の件で、念のため確認ですが、展開の「展」、展示の「展」ですか。
知事  起承転結の「転」です。
記者

 もう一つ。先ほど、一つは時代が変わることで、もう一つは物事が前に向かっていくことを心掛けた1年とおっしゃいました。その後者の方で、今年は豚コレラの対策などに追われたと思いますが、そういう中でも知事として、物事が岐阜県として前に進んでいくというところは、特にどういったところですか。具体的に施策面で取り組まれたことを教えてください。

知事

 これも一言でいうと、岐阜の魅力発信をいろんなジャンルで一斉に進めていくということを心掛けたつもりです。
その場合にも、絶えず担い手というか、人材を確保しながら前に進めていくということで、例えば林業で言えば、スマート林業などを進めつつ、一方でコンソーシアムをつくり、技術開発もやり、担っていけるような人材と技術を確保しながら前に進んでいくということです。そのために森林文化アカデミーに、新しい教育機関を、造ろうとしていまして、隈研吾さんにも手伝っていただいていますが、例えばこれが一つのやり方です。
 それから農業についても人手不足だということで、産品ごとに県内で既に15〜16の研修施設が各地にできて、そこに県内どころか県外からも研修生がおいでになって、相談、研修、技術習得、就農、就農後のアフターケア、これを地域ぐるみ、あるいは業種ぐるみでやるという体制がかなり各分野で進んできています。
 そういったことを一方で進めながら、それでもなおかつ、人手不足の問題を解決するためにはスマート農業ということで、全国に先駆けてスマート農業の指針を作り、スマート農業フェアをやらせていただきました。そのように、分野ごと、一つひとつ、物事が動きつつあるというか、そういう感じがします。
 それから、私自身としては大変ありがたいと思っていますが、縦軸ですね。郡上のあゆパークと、美濃加茂のぎふ清流里山公園と、各務原の航空宇宙博物館と、この縦軸に非常に人の動きが出てきました。1年を通じて同じ展示をしているわけではありませんので、絶えず企画を更新して、外国との交流も取り入れながら、絶えず動いて、動きながら施設をアピールしていくということで、縦軸ができてきたのかなという感じがします。
 それから、「半分、青い。」があって、今度、大河ドラマがやってくるという中で、東濃と、関ケ原が武将観光ということで横に繋がっていくということで、これもまた広域観光的なことを発信できるのではないかと思っています。
先般県議会で質問があって、私も実は内々考えておったのですが、どうしても清流岐阜というと長良川を中心に考えるのですが、木曽川というのも岐阜県にとっては大事な清流ですし、その周辺にはいろんな営みがあるので、その営みをどう束ねてアピールしていくかということもあります。
 長良川の場合は国連の世界農業遺産を獲りに行こうということで、流域市町が一致団結していろいろなことをやったわけですが、木曽川についてはどうするか。かつては日本ライン、日本ライン下りというのがありましたが、あれが無くなってからは、ちょっとそういう意味での、つなぐというところが弱くなっているかもしれないなという気もしまして、そこをつなぐ努力をすると、縦と横がつながってくるということで、さらに岐阜県の魅力発信の可能性が高まってくるのかなということを思っています。
 この間のお土産物大会も、ものすごい数の、500を超える商品が並んでいましたが、実はあれを冊子にして、昨日、撮影現場にもっていって、俳優さんたちにお見せしました。そうしたら、こんなことをやっているのかということで、ものすごく元気が出るというか、注文したいというようなことを口々に言っておられました。地域の人が一生懸命工夫して魅力を発信するという一つの試みではありましたが、これも少し動き出してきたのかなという感じもします。
 国際交流で言うと、初めてリトアニアの現職の大統領が来られて、来年は「杉原千畝」イヤーにするということをおっしゃっていましたが、最近私どもが入手したプログラムによると、本当にリトアニア側は年がら年中「杉原千畝」イベントなのです。それを大方この間、リトアニアの方で発表されたので、こちらもそれに合わせてやっていかないといけないということです。これは単にリトアニアという国と岐阜県との交流をどうするかということではなく、国際交流はいろんなやり方があって、こういうリトアニアとのやり方も一つの積極例として、他の国との交流にも参考になるのではないかということで、前向きに進んでいけるのではないかと思います。
 地歌舞伎は完全に自立しました。どこで公演をやっても超満員ですし、海外でも評価は高いですし、担い手の皆さんも自信をもって、どこにでも出ていって、堂々の演技ができるということです。来年は勢揃い公演で明智光秀をテーマにした舞台を、29の保存会があるうちの3つでやります。これも岐阜県の魅力の一つとして定着したかなという感じがしています。
それやこれやバラバラ思いつくままに申し上げていますが、結果としてのインバウンドの数字ですし、企業誘致も絶えず4〜6番目のところで推移しておりますし、特に東海環状自動車道西回りを念頭に置いた企業の進出も、特に三重県側からのアプローチもありますし、着々と西回りが進んでおりますので、早く前倒しででもやってつなぎたいと思っています。間違いなく効果が出つつあるという感じがしております。ちょっとまとまりのない話ですが、そんなようなことで、前に前にという趣旨です。

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