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知事記者会見(令和元年11月13日)

記事ID:0023703 2019年11月15日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

令和元年11月13日(水曜日)16時

司会

 それでは、知事定例記者会見を始めさせていただきます。知事よろしくお願いします。

知事

 お手元に4種類の資料がありますが、まず、岐阜の鮎について海外推奨店の制度を設けまして、その第1号店ということで、タイの日本食レストランの「きさら」を認定するということでございます。11月25日(月曜日)に現地で認定式をやらせていただくということでございます。
 これは、飛騨牛の推奨店と同じ趣旨でありますが、岐阜県産の鮎の知名度の向上、あるいは、ブランド力の強化、あるいは更なる輸出拡大といったことが狙いでございます。岐阜県内の河川において漁獲された鮎、ないしは県内の養殖場で生産された鮎を年間30キロ以上使用する料理店・販売店を認定するということであります。
 今回の「きさら」は、私も行ったことがありますが、海外では初めて岐阜鮎を取り扱った店でありまして、平成27年から入れていただいております。バンコクの最高級ホテルのひとつである「コンラッド・バンコク」の中にあるレストランでして、昨年度は年間で岐阜鮎を約110キロ使用していただいたということであります。
この料理長さんが、進藤顕司(しんどうけんじ)さんとおっしゃいますが、この方は、タイに岐阜鮎を広めた先駆者という方でございます。
 玉田会長、河合副知事に行っていただこうということでございます。
 飛騨牛の海外推奨店が今、12ヵ国47店舗ということで着実に拡大しておりますので、岐阜鮎についても今後、これを追いかけるような形で増やしていこうと思っております。

 2番目が、プラスチックのゴミの削減モデルショップでございます。プラスチックの問題については、ゴミの流出を抑制する、あるいは、そもそも使い捨てプラスチック使用量の削減を進める、ということで、モデルショップの登録制度を創設いたしまして、11月14日(木曜日)、明日から募集を開始するということでございます。
 募集の対象は、繰り返し使える容器等を使用するとか、マイ容器に商品を提供する飲食店・コンビニ、あるいは紙ストローなど使い捨てプラスチックの代替となる製品を製造している事業所等ということでございます。
 登録いただきますと、ステッカーを配布して、県のホームページでもご紹介し、PRをしていくということで、1月の下旬にも初回登録の公表を予定しているということでございます。
 多くの店舗に参加していただいて、プラスチックごみの削減につなげていきたいということでございます。

 3番目が、「女性の活躍推進フォーラム」でございます。昨年に続いて2回目になるわけでありますが、11月25日(月曜日)にフォーラムを開催いたします。
 それで「ぎふ女(じょ)のすぐれもの」の認定式を行うと同時に、すぐれものの商品開発の裏話でありますとか、今後どのように売り込んでいくかということについてのアドバイス、ディスカッションというようなことをやります。昨年は都ホテルでやって賑わいましたが、今年も昨年に続いて、岐阜ならではの女性の優れた商品の企画・開発、そしてその商品の売り方・見せ方・伝え方などを、第一線で活躍するゲストと共に探っていくということでございます。

 4番目が、サラマンカホールの「ぎふ弦楽器貸与プロジェクト」であります。これは、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの3つの弦楽器を無償で貸与するプロジェクトということでございます。
 今年の8月から10月にかけまして、愛知県在住の楽器収集家の方から、県にヴァイオリン22挺、ヴィオラ10挺、チェロ8挺、合計40挺の弦楽器をご寄附いただきました。大変ありがたいことでありました。
 個人で弦楽器を貸与しておられた方でありますが、より広く有効に活用してもらいたいということで、音楽ホールへの寄附を希望しておられまして、特にサラマンカホールでやっております様々な音楽文化の振興とか、人材育成とかいろいろな取組みを高く評価しておられまして、ご寄附に至ったということでございます。ご意向を踏まえて、音楽を志す皆さんを大いに応援していきたいということで、サラマンカホールのプロジェクトということで立ち上げるということでございます。
 当面のスケジュールとしては、12月2日(月曜日)から来年の2月21日(金曜日)まで、希望者を募集して、審査委員会による実技・面談の審査を経て、貸与を決定するということでございます。
 このことを通じて、サラマンカホールの魅力をより一層高め、新たな音楽家の誕生、演奏技術の向上といったことにつながっていけばと期待しております。
 なお、今週11月16日(土曜日)にサラマンカホール25周年の「ガラ・コンサート」が、行われます。その際に、サラマンカホールのホワイエにこの弦楽器を展示いたしますので、ご来場の皆さまには是非ご覧いただきたいということでございます。
 私も倉庫にしまってある40挺のものをざっと見ましたが、大変迫力があって、よくこれだけのものをご寄附いただいたものだと、本当にありがたく思っているところでございます。

 最後に、資料は用意しておりませんが、豚コレラについてご報告がございます。昨日、農林水産大臣が、国際的に一般的な呼称である「ClassicalSwineFever」と、直訳すれば「古典的な豚の熱病」ということでありますが、この頭文字をとって「CSF」と表記して、アフリカ豚コレラについては、「AfricanSwineFever」ということでありますから、「ASF」というように表記すると発表しておられました。
 今日、農林水産省の方から、牛豚等疾病小委員会の津田委員長の名前で、名称についての見解ということで連絡がございました。これもすでに言われているところでありますが、1800年代にアメリカで初めて、いわゆる豚コレラが確認されたときに、同地域において人のコレラが流行していたということで、関連が判然としないまま、「HogCholera」と命名されたことに由来しておりますが、日本ではこれを直訳した豚コレラという名称が、これまで使われてきたということでございます。ところが、科学的にみますと、豚コレラはウィルスによって生じるものですが、一方で人のコレラは細菌によって起こるものでありまして、そういう意味では科学的には関係のないものであるということでございます。また、国際獣疫事務局(OIE)という国際機関でも、「CSF」が正式名称として既に使われているということでございますので、わが国においても、「CSF」を使い、アフリカ豚コレラについては、「ASF」を使うということでございます。なんとなく、豚コレラが人の病気のコレラを想起させて、何か人体に特別に脅威があるかのような印象を与える懸念もあったわけでありますので、この名称変更は、妥当な対応といえるのではないかと思う次第でございます。
 それから、この「CSF」対策について、この後農政部のほうからブリーフさせていただきますが、養豚業再生に向けたハード、ソフトの支援策を立ち上げるということでございます。
 ご案内のとおり、先月25日から豚へのワクチン接種がスタートいたしまして、「CSF」対策が一つの区切りを迎えたということで、今後経営をどのように再開していくかが大きなテーマになるわけであります。そういったことから県内養豚業の再生支援策を立ち上げるということでございます。
 内容的には大きく4つありまして、1つ目は、ソフト対策の補助制度を新たに設けるということで、経営課題の解決や再開に当たっての障壁のクリアを後押しするということです。再開に係る経費とか、点検やメンテナンスに係る経費とか、消毒等々の経費といったものに対する支援ということでございます。
 2つ目は、発生農家におけるハード整備への支援ということで、これは既存の県単独の補助制度がありますが、これをさらに積み増しして、発生農家の防疫対策を前倒しで応援するということでございます。
 3つ目は、県産豚肉の販売促進ということで、今月15日からワクチンを接種した豚が出荷され始めます。それで前向きな発信をしていきたいと考えておりまして、豚のおいしさをアピールする「地産地消Week」といったものを開催したり、あるいは名古屋の「GIFTSPREMIUM」で販売促進フェアをやるとか、消費拡大策をやっていくということでございます。
 4つ目がワンストップの相談窓口の設置ということで、農政部の家畜伝染病対策課に窓口を設置しまして、経営再開に係る相談、各種支援策へのつなぎ等々を一元的に行うということです。
 これら4つを順次やっていくということですが、詳細については後程農政部から説明しますので、詳しく聞いていただければと思います。
 それと、ワクチンの接種の手数料についても、第1回目の一斉接種分だけ免除するということにしておりましたが、ご要望を踏まえて、支援策の一環ということで、再導入する繁殖豚を対象に、原則として発生前の頭数に戻るまでの間、手数料を免除するということにいたしました。
 こういった支援策によって発生農家の経営再開、ひいては県内養豚業の再生への道を少しでも容易にしていきたいと考えております。私からは以上でございます。

記者

 豚コレラ対策でお伺いします。2つ目におっしゃられていた県単独事業での積み増しについて、もう少し具体的にお願いできますか。

知事

 この後、農政部から説明しますから詳しく聞いていただいたほうがいいと思います。資料もお配りしますので。

記者

 わかりました。この4つのプランを打ち出すその心は、というところを改めてお願いします。

知事

 先ほど申しましたように、豚へのワクチン接種の第1ラウンドが終わって、ここから先に進むということになりますと、どのように経営を再開するかとか、養豚業の再生をどう図っていくかということであります。加えて11月15日、明後日からワクチン接種した豚が出荷されるということでございますので、全体として、パッケージとして支援策を打ち出させていただいたということでございます。

記者

 いのしし対策について、狩猟の強化ですね。狩猟も解禁になりますし、1.5万頭への期待というのは、どのように展望なさっていますでしょうか。

知事

 猟友会の皆さんと、いろいろと議論を進めてきておりますが、これまでのところ防疫研修会という格好で、広域捕獲への参加を広くお願いしてきましたところ、県猟友会の会員約1,700人の方々から、捕獲事業への参加の申し込みがございました。
 現在、その捕獲許可手続きとか、防疫用の資材の手配とか、そんなことを進めておりまして、これが整い次第速やかに開始したいと思っております。
 まさに解禁後、本来の狩猟期間の終期に合わせた3月15日あたりまで、この広域捕獲を続けていきたいと思っております。ざっと4ヶ月間、捕獲期間がありますので、3,300頭程度の捕獲はしたいと思っているところでございます。

記者

 話題が変わりますが、サッカーのFC岐阜が降格圏に落ちておりますが、シーズンも終わりそうというところで、ご見解と今後の支援というところに関してはいかがでしょうか。

知事

 あと残り2試合ということで、ホーム1試合、アウェー1試合ということでありますが、最後まで全力で戦っていただきたいと思っております。
 降格圏の順位になることは確定したということで、わずかな望みではありますが、J3の藤枝というチームがJ2のライセンスが無い状態で、今2位と頑張っておられます。このチームが2位のまま残るということになりますと、降格するのは1チームだけになりますので、1つ上のチームを何とか抜けないかということで、残り2試合でその可能性がわずかでありますが残っておりますので、まず現時点では全力で戦ってもらいたいということですね。
 いずれにしても、このところ毎年のようにギリギリのところできわどい戦いをしながら、J2に残ってきているわけでありまして、どういう結果であれ、最終的に終わったところで、やはり今年1年間の、何が課題として残ったのかというところは、余程しっかりと議論をしなければいけないのではないかと思っております。
 このところ、大変厳しい状況が続いているのですが、観客の入場者数が非常に高い水準で推移していまして、先だっても残念な試合でしたが1万2千人というオーダーでお客さんに来ていただいております。そういう意味では、観客ないしサポーターとチームとの近さという意味では、J2の中でも非常に上位に位置するのではないかと思います。それだけに、今の結果は残念に思っておりまして、とにかくまずは、全力で頑張ってもらった上で、しっかりとした反省というか、もう一回見直しをするということになろうかと思います。

記者  新年度予算の編成時期になってまいりまして、来年度1年間の重点的な課題と言いますか、そういったものをどうお考えになってみえるかということと、併せて、新年度になると、知事の任期も残り1年になりますので、進退についてはどうお考えになっているか、伺います。
知事

 新年度予算について言いますと、来年度はまだ具体的にきちっとした柱立てというか、どういう構えで、どういう方向でというところまでは、むしろこれから議論しようということですが、来年度はオリンピックがあり、その後、和歌山から引き取ってきましたが、ねんりんピックもありますし、その前にエンジン01もありますし、関ケ原の記念館も立ち上がります。それから大河ドラマのブームにうまく乗って、観光キャンペーンをやっていこうという流れもありますし、昨年来続いております、インバウンドの流れもさらに高めていく必要があります。それからリトアニアが来年は1年間を通じて杉原千畝イヤーにするということなものですから、こちらもそれに呼応して、リトアニア・イヤーといいますか、さらに交流をしっかりとやっていくということです。
 ざっと見ただけでもいろんな課題がたくさんありますし、また、「CSF(豚コレラ)」の問題もまだとても終息と言えるような状態ではありませんし、今の再開支援がどのように動いていくかということで、一歩一歩やるべきことがたくさんあります。
 そういう意味で、来年の数多ある課題、とりわけ観光ビッグイヤーとしての岐阜県の発展の道筋に沿って、新施策、予算を組み立てていくということです。
 それから、地方創生については、岐阜県はいち早く、戦略はもう作ったわけですが、そういう中で、やはりイノベーションとか、5Gとか、SDGsにどのような施策で取り組んでいくかとか、そういった地方創生の大きな流れの中のテーマもありますから、それを岐阜県としてどう具体化していくかということも重要です。そんなふうに山積していますので、それをきちっと組み立てて予算化していこうと思っております。
 それからここのところずっと予算が右肩上がりで、少しずつではありますが、増えてきておりますので、大きな流れとしては、できれば積極予算を組めればとは思っていますが、これも、収支をよく見極める必要がありますので、そのあたりも丁寧に見ていきたいと思っています。
 それから、その先の話は、まだ正直思いも寄らないというか、まずは順番に足元から一つひとつ着実に対応していくということですので、そこから先の話はまだまだ、来年のことを言ったら鬼が笑うといいますが、再来年のことを言ったら何が笑うか知りませんが、まだまだ思いも寄らないという状況です。

記者

 2点質問いたします。1点目は、明後日からワクチンを打った豚の出荷が始まるということですが、改めて消費者の方へのメッセージと言いますか、県の対策についてはこの後ブリーフィングがありますが、安全だということとか、消費拡大をという知事の思いをお聞かせください。
 もう一点は、いのししのワクチンの空中散布の話が出ていたと思います。今日も麻布大学の方で勉強会をやっていらっしゃると思いますが、空中散布についての知事の見解をお願いします。

知事

 まずは、再開につきましては、先般、農業フェスティバルでも積極的に岐阜の豚肉をアピールさせていただきましたし、とりわけボーノポークが一部マーケットに復帰しましたし、皆さんに味わっていただいて、やっぱり岐阜の豚は美味しいと評価をいただいておりますので、そういった岐阜の豚の魅力を、いろんな機会をとらえてアピールしていきたいと思います。
 そもそも、ネーミングの変更もありましたが、人体に問題のあるものではありませんので、前回この記者会見で、豚の予防注射とも申し上げましたし、ぜひ岐阜の豚のすばらしさを、まずは地産地消とよく言いますが、みんなで味わって評価をして、盛り上げていきたいという、そんな思いでおりますのでよろしくお願いしたいと思います。
 それから、野生いのしし対策としてのワクチンの散布ですが、一つの手法としてあり得ると思っておりますので、これは具体的にどのようなやり方をしたらいいのか、まさに今検討中ですので、その検討の結果を待って、しっかりとしたフィージビリティ(実現可能性)といいますか、そこを見極めてやっていくのだろうと思います。
 いずれにしても、陽性のいのししがじわじわと広がってきていますので、国全体としても、岐阜とか愛知は既に陽性の豚が蔓延している状況の中で、それが外に広がらないようにということでベルト地帯を設けて、そこに経口ワクチンを撒いて、一つの防護線にするということですが、その国の言っている防護線が今じわじわと、西も多少はありますし、東の方がじわじわと広がってきております。
 そうすると経口ワクチンを撒くといっても、どういう撒き方をするのか、どれくらいの量をどうやっていくのかというあたりは、おそらく国としても議論になってくると思います。そういうベルトの外側・内側というバランス論とか、空中散布を含めた撒き方の問題とか、それから正に猟友会によって狩猟をするわけですから、そのタイミングとかも問題になってきます。それから経口ワクチンを撒いて食べてもらうタイミングとか、いろいろなことを考えながら手探りでやってきていますので、そうしたことを間違いなく確認したいと思います。
 今日の神奈川の麻布大学での検討会はオープンにやっていただいております。本県からもスタッフは参加しておりますが、私どもの有識者会議のメンバーであります岐阜大学の浅井先生と北海道大学の迫田先生が一緒に音頭を取られまして、こういった格好でドイツからも研究者が2人来ていただいて、オープンな形でいろんな論点を議論していただくというのは大変良いことではないかと思います。そうした議論の成果を踏まえて、またいろんな提案もあるのではないかと思いますので、そういったことを一つひとつ着実にやっていきたいと思っています。

司会

 以上を持ちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。

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