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知事記者会見(令和元年10月31日)

記事ID:0023458 2019年11月1日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

令和元年10月31日(木曜日)15時

司会

 それでは、発表項目の1つ目としまして、このたび、天皇陛下の御即位をお祝いするため、岐阜県と揖斐川町から献上する品について発表させていただきます。
 本日は、揖斐川町長、富田和弘様にもご出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、献上品を披露させていただきます。
 古田知事、富田町長、その場でご起立いただきご準備お願いします。合図に合せて幕をお引きください。それでは、どうぞお願いいたします。

 <除幕>

 それでは、写真撮影に移らせていただきます。
 <撮影>

 ありがとうございました。
 ご着席ください。

 それでは、富田揖斐川町長、知事の順で、今回の献上品についてご説明いただきます。
 それでは、富田町長よろしくお願いいたします。

町長

 天皇陛下の御即位をお祝いする献上品につきまして、7月中旬に、岐阜県の方から献上品を「さざれ石」としたいというお話がございました。揖斐川町として、大変ありがたく、お受けさせていただいたということで感謝しているところでございます。
 この「さざれ石」につきましては、日本の七高山、伊吹山のふもとにある揖斐郡揖斐川町春日で採掘されたものでございます。「さざれ石」は石灰石が長い年月の間に雨水で溶解され、そのとき生じた粘着力の強い乳状液、これは鍾乳石と同質のものでございますが、これが次第に小石を凝固して、だんだん巨石となり、河川の浸食作用により地表に露出したというものでございます。
 皇室への「さざれ石」の献上は、昭和52年10月に当時の春日村から、昭和天皇・香淳皇后、上皇陛下、皇太子殿下の時代でございますが、上皇后陛下にもなされており、これで三代続けて献上させていただける大変光栄なことになりました。
 また、揖斐川町におきましては、皇室の関係については、昭和天皇におかれましては、昭和32年の「第8回植樹行事並びに国土緑化大会」でスギの苗木のお手植えをいただきました。上皇陛下におかれましては皇太子時代の昭和51年に、昭和天皇がお手植えされたその苗木を地元の方々が手入れする様子をご視察いただいております。そして天皇陛下には、皇太子時代の平成27年の「第39回全国育樹祭」において全国育樹祭のお手入れ行事として間伐をしていただいております。
 これらのご縁によりまして、谷汲緑地公園及びその周辺の森を「揖斐すめらぎ(皇)の森」と命名をさせていただきまして、先週の10月27日(日曜日)に記念碑の除幕を行わせていただいております。
 このたびの「さざれ石」の献上により、皇室と揖斐川町とのご縁がより深くなることから、この上なく名誉なことであり、大変嬉しく思っております。

司会

 ありがとうございました。続きまして、古田知事、よろしくお願いいたします。

知事

 御即位をお祝いする献上品についてですが、今年の7月2日にそういう献上品を受けるということで閣議決定がなされておりまして、それに向けて、私どもも選定作業に着手したわけであります。
 岐阜県には素晴らしいものがたくさんあるわけなので、大変苦労したところでありますが、いろいろと熟考したうえで、県指定の天然記念物でもあり、国家また皇室にご縁のある「さざれ石」が一番相応しいのではないかということで、判断をさせていただいたわけでございます。そこで「さざれ石」の産地である揖斐川町に話を持ち掛けましたところ、大変快く引き受けていただいたということでございます。今年の9月に宮内庁へ献上願を提出しまして、10月に入って、受納する旨の連絡をいただきました。11月のいずれかの日に献上させていただくという流れになっておりまして、スケジュールも整理ができたものですから、今回発表させていただいたというわけでございます。
 小さな石が寄り添ってやがて大きな石となって、それに苔が生えるまで末永く繁栄するようにとの願いが込められているわけでありまして、令和の御代の平和と平安と皇室の弥栄(いやさか)を祈念するという思いで、お祝いするものとして、正に相応しい品ではないかと考えております。

記者

 知事にお尋ねしたいのですが、11月のいつ頃献上される予定か、教えていただけますでしょうか。

知事

 具体的な日にちについては、これから調整するということで、まだ決まっておりません。

記者

 他には、例えば、どのような候補があって、「さざれ石」を選ばれた決定的な理由というか、選考についての詳細を教えていただけないでしょうか。

知事

 ちなみに、平成の御即位のときには、献上品として美濃焼をお渡ししてるんですね。岐阜県には、美濃焼もそうですが、ユネスコの無形文化遺産になった伝統的な手すきの美濃和紙もありますし、春慶塗もありますし、いくらでもあるわけですが、この何年かの皇室とのご縁を考えますと、育樹祭のご縁ですとか、平和と調和という思いを込めた「令和」との思いをどう表現するかと考えたときに、この「さざれ石」が現時点では、趣旨としては分かりやすいということがあります。また、先ほど揖斐川町長からのお話にもありましたように、すでに、昭和天皇、香淳皇后とか、上皇陛下、上皇后陛下にお出ししているという実績もございましたので、そういうつながりも尊重して良いのではないかという、諸々考えた結果でございます。

記者

 今回、選ばれた「さざれ石」は、他の「さざれ石」と比べてどういったところが、素晴らしいといえるのでしょうか。

町長

 この石は、春日村時代から保有していたものですが、特に見ていただくとわかりますが、特に赤い石が入っておりまして、これが、日の丸を意味しているものとして、余計おめでたい石ではないかということで、選ばせていただきました。これに合った形のものを、皇后さまにも添えさせていただいたということでございます。

記者

 この石が採掘された時期とか、今日この形に加工されるまでに、かかった歳月はどのくらいなのでしょうか。

町長

 これは、春日村時代から保有していたものでありまして、加工したというよりも、河川の浸食等によって露出した状態そのままの石の形ということになっております。

記者  いつから、春日村で保有(保管)されていたのでしょうか。
町長

 これについては、14年前の合併以前の話ですので、おそらくそれ以前の10年なり20年の間ではないかと思います。

司会

 以上をもちまして、天皇陛下の御即位をお祝いする献上品に関する会見を終了いたします。富田町長は、ここで退席されます。ありがとうございました。
 引き続き、会見を続けさせていただきます。

知事

 まず、ひとつは、「ねんりんピック岐阜2020(にーまるにーまる)」の1年前イベントいうことで、明日から3日(日曜日・祝日)にかけて、イベントをいくつか行いますので、そのお知らせということでございます。
 1日(金曜日)がカウントダウンボードの除幕式、2日、3日が1年前イベントということでございます。この資料にありますように、諸々の企画を用意しております。応援大使の勅使川原さんとか、佐藤さんとか、タレントの方々にも来ていただいて、ぎふの木フェスタとかの他のイベントとも組み合わせながら、大いに来年に向けての体制づくりにつないでいきたいということでありますので、よろしくお願いします。

 それから、「第15回森のようちえん全国交流フォーラムinぎふ」の開催と、森林教育の総合拠点の名称と愛称の決定ということであります。11月2日(土曜日)から4日(月曜日・祝日)の3日間、「第15回森のようちえん全国交流フォーラムinぎふ」が、美濃市内の県立森林文化アカデミーで開催されます。
 「森のようちえん」のコンセプトは、森林などの自然の中での体験を通じて子育てに取り組むという、様々な保育活動を対象としております。全国的にも今、注目を集めておりまして、岐阜県内では22の団体がこのコンセプトのもとに活動しておられます。私どもも「ぎふ木育」の一環として、応援させていただいているところでございます。
全国から1000人規模のこの「森のようちえん」の実践者の方々が参加するということで、講演会、講座、交流会等々ございます。
 自治体が共催者として関わるのは、15回目でありますが、岐阜県が初めてということでございます。
アカデミーの涌井学長の基調講演を皮切りに、県内で先進的な取組みを行う団体を表彰する「ぎふ森のようちえんアワード」をこの際、創設をしまして表彰させていただこうということでございます。
 また、様々なプログラムを通じて、全国の実践者同士の情報交換や交流を活発化させていきたいということでございます。
もう一点が、森林教育の総合拠点の名称・愛称でございます。森林文化アカデミーの中に来年の春オープンします森林教育の総合拠点ですが、これは、子ども達の子育てだけではなくて、もっと広い意味での森林教育でございますが、専門家等のご意見を踏まえ、正式名称は「森林総合教育センター」でありますが、愛称は「morinos(もりのす)」という名前でございます。
 「森」にいる生き物の「巣」を表しておりまして、生き物が赤ちゃん期を過ごし、親から、そして自ら生きるすべを学び、巣立っていく場所ということで、自然界の様々な生き物にとっての「家」という意味を含ませているということでございます。
 ここで、森林教育プログラムの開発・実践を行ったり、体験をしたりということで、幅広く「ぎふの木育」が深化していくことを期待しているところでございます。

 それから3番目が、岐阜県美術館のリニューアルオープンでございますが、昨年の11月4日から1年間休館してきておりまして、大規模な改修工事を行ってきたわけでありますが、いよいよ11月3日(日曜日・祝日)にリニューアルオープンいたします。これにあわせてオープニングイベントを開催するということでございます。マスコミの皆様向けには、オープン前日の11月2日(土曜日)に、内覧会を行いますので、ぜひ、ご覧いただければと思います。
 まず、今回のリニューアルをきっかけに、これまでの基本理念が「美とふれあい、美と対話する」であったわけですが、もう一つ言葉を加えて「美とふれあい、美と会話し、美を楽しむ」として拡充していこうということでございます。
今回の改修は、空調機器の更新、照明のLED化、館内レイアウトの変更ということに加え、通路の段差の解消、キッズ・スペース、授乳室の整備を行いました。それから、南門の間口を思い切って、6メートルから15メートルに大幅に拡幅しまして、開放感のある正門として、隣接する県図書館と一体感のあるエリアを形成したということであります。
 実は、あの美術館の入り口は北西の角にあったのです。私の知る限りでは、皇室の方がおいでになる時にだけ開けて車で入っていっていました。通常皆さんは、バスの便のこともありますし、使い勝手から、図書館と美術館が並んでいますので、図書館の方から入ってこられていて、本来正門でないところが、あたかも正門のように来訪者には使われていたということであります。北西の門は、図書館から離れておりましてそこを使う人はあまりいないということであって、正門としてはしっくりこなかったものですから、むしろ積極的に南を正門にして、図書館と連携させる方が素直ではないかということであります。
 それから、アートツアーとかワークショップを中心とした教育普及プログラムにも、力を入れていこうということで、来館者と学芸員との繋がりとか、一般の会社員とか、学生とか、主婦の人に「アートコミュニケーター」、愛称「ながラー」というのですが、これは日比野館長お得意の名前の付け方なのでしょうが、来館者と作品との間をつなぐ一般の方々の参加といいますか、学芸員よりももっと身近な媒介者としての「ながラー」という名前の制度を設けて、一般の方々に応募していただいて、さらに美を楽しむということで協力してもらおうということも考えております。
 オープニングイベントの11月3日は、「楽美初日(らくびしょにち)」と、これも日比野さんお得意の命名だと思いますが、そこでいろいろとございます。企画展も3種類ありまして、特別に無料で今回は観覧していただこうということでございます。
 隣接する県図書館においても、同じ日に、紺野美沙子名誉館長の朗読会や体験講座等々を一体となってやっていくということでございます。お手元にパンフレット等お配りしておりますので、ご覧いただければと思います。

知事

 資料はお届けしていませんが、ご報告として、豚コレラの予防的ワクチンの接種について一言ご報告したいと思います。
私どもが提出しましたプログラムの接種対象となるのは37施設ありますが、そのうち民間農場など19施設を対象に10月25日からワクチン接種を開始しました。そして翌26日までの2日間で39,888頭、約4万頭の接種を完了しております。
 当初の計画では、高山市に2万頭を超える接種をする大規模農場があるということで、完了には5日くらいかかるのではないかと思われたわけですが、農場の皆さんの事前準備とか、非常勤の家畜防疫員という形で民間獣医師の方にもご協力をいただいて、大変作業が順調に進んで、大幅に短縮して実施することができたということです。
 なんといっても待ちに待ったワクチン接種であるということと、万が一にもワクチン接種直前に感染して殺処分しないといけないということでは目も当てられないので、なんとしても急いで打とうということで、関係者の方々が一生懸命スピーディにやっていただきました。それから作業時間も夜遅くまで延長してやっていただいたということで、わずか2日間で約4万頭の接種を完了できたということでございます。
 これに関わった方々の数を申し上げますと、獣医師が56名、補助員が68名、合計124名ということでございます。作業にご協力いただいた民間の獣医師の方々、市の職員の方々、農場の方々にも御礼を申し上げたいと思いますし、県の獣医師、あるいは県職員の皆さんにも頑張っていただいたと思っております。
 残るは愛玩としての豚とか、いのししの問題でして、愛玩のミニブタは、もう昨日今日あたりでやっておりますので、間もなく終わる予定だということです。いのししは、結構暴れるために接種する方の危険もあるので、どういう形で安全に接種できるかを今、相談しているところで、愛玩の豚を終えた後、いのししの接種にかかろうという予定です。
 豚コレラ対策としてワクチン接種を一つの選択肢として、一歩前に進んだということですが、アフリカ豚コレラの問題もありますし、やはり農場の飼養衛生管理水準をさらに高めるとか、感染源である野生いのしし対策をさらに進めるとか、まだまだ課題があるので、気を緩めることなく、豚コレラの撲滅に向けて、引き続き全力で取り組んでいきたいと思います。私からは以上です。

記者

 豚コレラの関係なのですが、ワクチン接種についての国の意見照会に対して、例えば、接種は国の全額負担にするとか、接種を終えた農場では、豚コレラ感染が確認されても殺処分の対象にしないとか、県として要望されていたポイントがいくつかあると思います。その回答が、10月15日の知事記者会見の時点では、まだ来ていないということでしたが、その後、何か反応があったのかということと、もし仮にその回答があったのであれば、それを踏まえた今後の県の対応について教えてください。

知事

 今おっしゃったような課題は、岐阜県だけではなくて、他の県の皆さんもほぼ共通に持っている問題意識であります。先般の中部圏知事会議でもそうですし、全国知事会議でも同じ認識で議論しているのですが、今回とにかくワクチン接種を決めた以上は、一刻も早くワクチン接種をしようということで、接種をすることを最優先にやらしていただいたものですから、様々な問題は、これからまた議論していく問題だと思っております。
 ただ、この第1回目と言いますか、今回のワクチン接種については、2分の1費用負担ということで、専決処分で予算化もしましたし、他県も皆、そうしておられます。国の側からすれば、これはあくまでも予防的ワクチン接種であるのでルールに従って、今後とも2分の1負担をしてもらいたいということであります。
 それから、接種の担い手の問題についても、ルールとしては家畜防疫員となっているわけなので、それをいたずらに緩めて、逆にどういう資格で打っているのか定かでない状態で物事が進むのも好ましくないという意見もありまして、国としては、家畜防疫員に限定したい、こだわりたいということは言っています。ただ、常勤職員に限るとは言っていないので、非常勤職員という格好で雇い入れて、指揮命令系統もはっきりとした上でやることは可能ということで、今回もそういう意味で、民間の獣医師の方々は、そういう資格でやっていただいたということです。多分、我々の見通しからすると、これからまだずっと打ち続けていくわけですから、今回はそういうことで大変な勢いでやっていただきましたが、いずれ担い手の問題をもう一回きちんとしないといけないのではないかという思いがありますので、これも議論の課題として残っているということです。
 それから、豚コレラ発生時に全頭殺処分するのかどうかという話については、国の有識者会議の中では、いろいろ議論はあったようでありますが、国としては、やはり安全サイドで全頭殺処分と今は考えているということであります。
 これらは、文書では頂いていないのですが、先般、私の日程を見ていただければわかりますように、農林水産省の局長が即位の式の後、都道府県会館に来られて、小一時間、いろいろ意見交換をしたのですが、国としては、そういう意味では現状ルールでいきたいということです。私どもとしては、ルールはもちろんわかっているが、それに対しては、岐阜県に限らずですね、全ての県の問題意識として、引き続き議論させてもらいたいということを申し上げたところです。
 ですから、全然回答がないということではないのですが、今のところ、国とはちょっと距離があると言いますか、今のルールでいきたいと、しきりに言っておられます。

記者

 接種が実現したことによって、既に感染が確認されて殺処分された農家の経営再開に向けての一歩になったと思いますが、改めて、ワクチン接種がはじまった今、県として養豚農家の経営再開に向けた支援の方針について教えていただけますか。

知事

 丁度、このワクチン接種の体制を作っていく中で、既に再開を目指しておられた1農場が、再開の体制が整ったということで、マーケットに出されたわけです。それが、特にボーノポークがマーケットに帰ってきたということで、県民の皆さんからある意味では安堵の声というか、やっぱり岐阜県のボーノポークは美味しいよねということで、喜んでいただいたということです。
 これから順次、再開に向けて、それぞれの農場ごとにいろいろと計画を立ててやっていかれると思いますので、そこら辺の流れはよく、一軒一軒きちんと、計画や要望を伺う中で、経営再開に向けての財政的支援も考えていくのかなという感じです。まずは、一つひとつそういう動きをよくフォローしたいと思っております。

記者

 10月24日に、リトアニアのギターナス・ナウセーダ大統領が来県されました。岐阜県では、現役の国家元首としては、初めての来県となりましたが、ナウセーダ大統領来県のご所感をいただけますか。

知事

 大統領に就任されたのが今年7月ですから、就任され、そして大統領として初の来日ということでお出でになって、天皇陛下の即位式も出られましたし、また安倍総理とのバイの会談もありました。大変ハードな限られたスケジュールの中で、東京以外にわざわざこの岐阜訪問を選んでいただいて、そして翌日早朝、セントレアからお発ちになったということで、かなり思い切ったスケジュールを立てて岐阜にお出でいただいたということで、大変、私どもとしてはありがたく思っております。
 私のみならず、県民の皆さんのそういう気持ちが特に強かったと思いますが、各地で歓迎の手を振られる方もお見受けしました。特に八百津町は、町長とも話をしたのですが、ざっと見たところ、住民の3分の1は外に出ておられました。いろいろな場所で、人道の丘公園だけではなしに、あちらこちらの街角で、高齢の方もお子さん方もみんな手を振っているという感じでした。大統領とも夕食の時にいろいろとお話をしたのですが、岐阜というのは自分にとっては笑顔の地域、笑顔が似合うというか、笑顔で包まれた地域だという印象を強くしたとおっしゃっておられました。そのように聞いてはいましたが、さすが杉原千畝を生んだ素晴らしい地域だということで、大変喜んでおられました。
 奥さんは、今回、鵜飼を観られなかったのは残念なので、また来たいというようなこともおっしゃっておられました。
 道で手を振っていると、車のスピードを緩めて手を差し伸べたり、各地でお子さん方とちょっとやりとりしたりとか、非常に丁寧に住民の皆さんとの交流もしておられましたし、いろいろな意味で岐阜県とリトアニアは、非常に近づいたというか、そういうことです。
 大統領は、リトアニアの国会が来年は杉原千畝イヤーにするということで、これから企画を練っていくということをおっしゃったので、それなら岐阜県も来年は、ザ・グレート・リトアニア・イヤーだということで、いろいろ考えたいということを夕食の時に申し上げました。本当に手を叩いて喜んでおられまして、是非、そういう意味での積極的な交流を進めていこうと、こんな感じでありましたが、大変、私どもにとっては、ありがたい、かつ非常に感激の1日でした。

記者

 今朝、沖縄の首里城で大半を焼失する火災がありました。県内にも貴重な文化財や世界遺産がありますが、改めて防火対策を再計画するなどの考えはありますか。

知事

 今年の4月にパリのノートルダム大聖堂の火災がありました。おっしゃった分野については、かねてからいろいろと気配り手配りはしているつもりですが、ノートルダム大聖堂の火災を受けて、防火対策の徹底ということを、この春、ワンラウンドやったわけですが、今回の首里城の件で、実は文化庁の方から改めて点検・確認をしてくれという通知が来ておりまして、それを踏まえて市町村に対してもこの分野の徹底を再度お願いしているところです。
 例えば県内で言うと、今年度、国の重要文化財、その他重要文化財を持っている博物館等々、59件を対象に、自動火災報知設備、消火設備の設置状況の緊急調査をやっております。自動火災報知設備はほとんどが設置済みですが、未設置のものが若干ありましたので、早期設置を働き掛けていますし、簡易消火用具・消火器は全ての施設で設置済みでした。
 いずれにしても貴重な財産ですので、改めて念には念をというか、徹底的に防火対策はやっていきたいと思っています。特に県有施設で言うと、国史跡の高山陣屋があります。これは首里城と同じように史跡の中に当時のものを復元したものですが、屋根は板葺きです。ですから、その分、火災対策というのはよほど気を付けないといけないということで、今回、首里城は夜間に火災が発生していますが、高山陣屋では既に常駐の警備二人が宿直して、夜間も含めて定時巡視を行っています。
それからもう一つ、陣屋近辺の住民の方々を加えて、自衛消防隊というものを日常的に組織化していまして、非常時にはサッと消火活動に取り掛かれるような体制も一応とっているということです。
 加えて、自衛消防隊を中心に、毎年、防災訓練を陣屋としてやっているということで、いろいろと努力はしていますが、今回の残念な事例に絡めて、さらに徹底したいということです。

記者

 豚コレラに関して、先日ワクチンの接種が終わって、11月のおそらく中旬の終わりごろから、ワクチンを接種した豚が流通してくる時期かと思います。知事は先週の農業フェスティバルで、豚肉が安全だということをPRされて試食もされましたが、取材していると、そもそも豚は豚コレラワクチンだけでなく他の病気のワクチンも打っているということを意外と消費者の方は知らないのかな、という印象を受けています。そのあたりも含めて、今後の風評対策には、県としてどのように取り組んでいく予定でしょうか。

知事

 さっきも申し上げましたように、ボーノポークがマーケットに再び出てきたということで、これを皆さんが歓迎していただけたということは、まず一つ、その分については、風評ということではなくて、素直に喜んでいただけたと思っております。
大変多くの方々が買い求めて、喜んでいただいたということですから、こういう状態を続けていきたいという思いで、農業フェスティバルの時にも、いちいち風評被害という言葉を使うのではなくて、とにかく岐阜の豚、おいしい豚が戻ってきたと、よかったねと、ブランドとして大事にしようということです。そういう機運が全体に広がっていくように、引き続きいろんな機会をとらえて岐阜の豚の魅力をアピールしていきたいと思います。
 そもそも当然ですが、我々もワクチンを打ちますよね。だからワクチンというのは予防注射なのです。だから豚の予防注射ということで、何かこのワクチンが特別な強烈なもので影響の有無を心配しないといけないものではないのです。普通の予防注射だということをうまく言えないかということで、国の皆さんとも話をしていますが、そういうワクチンの呼び名についても、オールジャパンで考えていったらどうかということも話しています。
 確か農林水産大臣も、自分は子どもの頃からいっぱいワクチンを打ってきたので、私はワクチンだらけだが何か支障があったことはない、とおっしゃっていたのも同じ趣旨だと思います。
 そういう思いで、素直に岐阜の豚のすばらしさを積極的にアピールしていくことが基本ではないかと思っています。

記者

 豚コレラ対策で、農林水産省の方針がいろいろと変わる中で、この1年1か月余り、養豚場、野生いのししの対策等いろいろ進めてこられたと思いますが、ワクチン接種という節目を迎えた中で、職員の豚コレラ対策の取組みに対して百点満点で点をつけるとしたらどれくらいのところを考えていらっしゃいますか。

知事

 当初申し上げましたように、発症時点での、熱中症であったか豚コレラであったかというあたりの初動のところは、やはり36年ぶりということもあって、必ずしもパーフェクトではなかったということもあると思いますが、それ以降は献身的に殺処分という、慣れないというか、誰に頼むわけにもいかない、かつ過酷な仕事を、職員を挙げて献身的にやってきてもらっています。
 それから個々の豚舎、農家の方々と非常に丁寧に意見交換をして、彼らの悩みやら要望やらお考えも丁寧に聞きながら、また国のいろいろな方針が出てくる中で、それの持つ意味とか問題点とかメリットとか、いろいろなことについて丁寧に対話を続けてきているということで、今も、現場とのコミュニケーションなり、現場の実態をきっちり把握するという意味では、職員は非常に一生懸命やってくれているのではないかと思います。
 今回のワクチン接種も、わずか2日間で、本当に予想外のスピードで対応してもらいましたし、そういう意味では、農政部だけでなく県庁挙げての取組みを続けてきているということで、感謝しています。
 ただ、県庁挙げて取り組むという体制も長引けば長引くほどどうしても疲れも出てきますし、そういう意味で、一方ではよほど健康管理にも気を付けながら引き続き頑張ってもらわないといけないということで、そういったことを気にしながらこれからの対策を考えていきます。
 しかし、これは完全に長期戦だということで、終わりを意識してやる仕事ではないので、そういう意味では長期戦の構えで粘り強く一つひとつやっていくという、これは県政史上あまりないことなのではないかと思います。私もこれだけ出口の見えない仕事はやったことがない。そういう意味ではタフさが要求されるので、ぜひ激励もし、健康状態も考え、いろんな意味で目配りしながら引き続きやっていきたいと思いますが、これまでのところ本当に頭の下がる思いでおります。

記者

 災害対策に関してお伺いします。関東・東北の台風災害の全容が少しずつ見えてきましたが、新年度の国の予算が決まってくる時期になってきまして、国土強靱化はあちら(関東・東北)の方に重点配分されてしまうという予想も出ていますが、岐阜県として、新年度予算の災害対策・国土強靱化で、ここだけは譲れないというポイントがあれば教えていただけますでしょうか。

知事

 昨今の災害対策というのは、有り体に言えば想定外の常態化というか、通常想定される、これだけやっておけば大丈夫というところを超えて起こっているケースが非常に多いわけですね。
 それだけに、いざ起こると非常に集中的で激甚化しているということなものですから、まずとにかくこれで大丈夫ということはないことが次々と起こっているということを念頭に置きながら、かつ実際に起こっていることもよく見極めながら、かつ財源もフルスケールであるわけではないので、どう優先順位をつけていくかというあたりをきちっと議論していくということかと思います。
 当面、私どもは昨年の7月豪雨ですね、これを整理して、そういう中で優先的にやるべきこと、例えば上流に非常に弱点があったとか、倒木対策を徹底しないと集落が孤立したり停電が長引いたりするということで倒木対策をどう徹底するかとか、浸水の見通しとか、被害の予想などを厳しく見つめていくというか、そういうことがあります。
 それから昨年の例でいくと、水位計というのですか、あれもここは大丈夫だろうというふうにして、十分できていなかったり、設置したとしてもいつ逃げるかという基準値がよくわからないということがありました。
 ハードの面でいろいろ整備していく部分と、どう逃げるかという、避難のためのシステムというか体制という部分と、ハード、ソフト合わせて、昨年のものについてはかなり徹底して分析をして、それに優先度をつけて予算化するということですね。
 ただそういう予算の中で、国の国土強靱化の予算は使えるものですから、使えるものはどんどん使わせていただいていると。ただ国の強靱化は3年計画ですよね。いま議論していますのは、大臣方にも、このあいだ二階さんにもお話ししましたが、3年たったら終わりですかと。3年たったら終わるということはあり得ないので、その後のことを今から考えていただきたいということを国に対しても言っていますが、そうこう議論している間に、今年に入って台風15号、19号それから21号と、次々とやってきました。
 それで、さらにいろいろな意味での弱点というか課題が明らかになってきているので、本県としては、今年について言うと、台風15号で何が起きたのか、どんな課題が明らかになったかということを、職員と専門家で組んで現地に行ってもらって、ちょっと落ち着いたところでですが、勉強して帰ってきていますので、それが去年の7月豪雨対策に上乗せする部分になります。
 また、台風19号以降の話はまさに今、復興・復旧、あるいは救援活動が中心で、そのために職員を大勢派遣していますから、それが最優先です。落ち着いたところで、またこれはこれで分析をして、岐阜県にとって足らざるところを補っていくということの積み重ねの中で優先順位が決まってくるという感じですかね。

司会

 以上を持ちまして知事定例記者会見を終了させていただきます。

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