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知事記者会見録(令和4年4月1日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和4年4月1日(金曜日)15時00分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 今日から新年度でございます。またよろしくお願いします。
 恒例ですが、令和4年度の県政運営について、お手元の「主要事業予定」を眺めながらお話させていただきたいと思います。
 新年度といっても、何か大きな節目というよりは、いろんなことがずっとひとつながりと言いますか、継続しているわけでありまして、とりわけコロナの感染状況も「第6波」が未だに収束していないわけであります。このところ、いわば下げ止まりというか、そういったことでこの先も決して油断できない状況が続いているわけでございます。10万人当たりの新規感染者数ですが、先月23日以降、微増しつつあるということで、これは本県のみならず全国同様の傾向であります。この増加の流れが、年度替わりに関連する、あるいは連休に関連する人流による一時的なものなのか、あるいは今後とも続く構造的なものなのか、よくよく注視しながら丁寧に対応していきたいと思っています。ちなみに本日の感染者数は523人ということで、1週間前は521人で、ほぼ同レベルということでございます。先ほど申し上げましたように、下げ止まりという状況がなお続いているということかと思っております。
 今年度の県政のテーマは、予算の時にもご説明しました通り、「『清流の国ぎふ』づくり~ウィズ・コロナからアフター・コロナへ~」ということでございまして、引き続き、ウィズ・コロナ対策に全力を尽くすと同時にアフター・コロナに向けて前に進んでいくということでございます。
 ウィズ・コロナにも関わらず、アフター・コロナを展望してしっかりと前へ行くということでございますし、ウィズ・コロナをしっかりとやれていることが、アフター・コロナへの対応を加速していく土台になるというように思っているところでございます。
 お手元の「主要事業予定」を見ながら、この先1年間、どんなことが予定されているかということを見ていきたいと思います。
 先ほど行ってまいりましたが、今日から岐阜市と一緒に鉄道高架化事業の現地合同本部をスタートいたしました。
 昨日、セレモニーをやりまして、今日から開始ですが、「こどもサポート総合センター」は児童虐待対策ということでございます。これも県・市が連携するということで、こういう県と岐阜市が連携するということが、コロナ対策のみならずいろんな分野で有効に行われていくことを期待しているところでございます。
 それから、次の「岐阜県野生動物管理推進センター」は野生動物被害対策ということで、ICT技術やAIを使って野生動物対策をやっていこうということでございます。これは岐阜大学と県とが共同で設置するということで、これも岐阜大学とのコラボということでございます。
 それから、4月20日に「清流の国ぎふ花と緑の振興センター」がスタートいたします。これはお手元に開所についての資料がございます。今日も花飾りがしてありますが、花き産業の担い手育成と産業振興の拠点として、県農業技術センターの中に設置しようということでございます。企業、大学とも産学金官連携で花の需要拡大、あるいは、花と緑の産業の活性化ということを目的に設置するものであります。諸々の研修、技術開発、それから花にまつわる様々な行事、あるいは新商品・新サービスの開発ということの拠点となる施設でございます。
 それから、4月24日は、「高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン」です。昨年はオンラインマラソンとなりましたが、今回は3年ぶりに実走するということで準備を進めております。来週、具体的なプログラムを決定し、また高橋尚子さんも県庁に来られますので、一緒に記者会見をさせていただく予定でおります。
 それから、昭和46年にスタートした鹿児島・岐阜姉妹県盟約50周年ということで、薩摩義士の三川分流工事にちなんでお互いに現代でも両県助け合っていこうということでございます。ちょうど50年を迎えるということで、様々な行事を予定しております。
 それから、これは杉原千畝さんの記念館があるところでございますが、リトアニアのカウナス市において、「Japan Days in Kaunas WA」というイベントが行われますが、そこに私どもとしては参加するということで、クロージングセレモニーでは、先般、「飛騨・美濃観光大使」になられました加藤さんが参加(ビデオ出演)することになっています。
 リトアニアにつきましては8,000kmという距離で隔てられておりまして、なかなか人の行き来が難しくなっておりますが、交流を続けようということで、7月を見ていただきますと、「リトアニアNOW2022」ということで、これは5年目ですが、毎年のように岐阜県で、リトアニアが現在どのような状況かということで展示とか、シンポジウムとか、人の招へいとか、いろんなことをやっております。今年もこれをやっていこうということでございます。
 それから、4月30日から「清流の国ぎふ 地歌舞伎勢揃い公演」の第2ラウンドがスタートするということでございます。一昨年から今年にかけて第1ラウンド、32の保存会がございますが、そのうちの3分の2くらいが、ぎふ清流文化プラザで順次公演をしたわけです。その第2ラウンドを4月30日にスタートしまして、令和6年秋の国民文化祭に向けて、「地歌舞伎ぎふ」ということでアピールしていこうということでございます。新たにぎふ清流文化プラザに取り外し用の花道を作ることができましたので、より魅力が増すのではないかと思っています。国民文化祭に向けて岐阜の地歌舞伎の意義、勢いを発信していきたいと思っております。
 それから、今申し上げました国民文化祭、これは同時に障がい者の方々の芸術・文化祭も行うわけでありますが、これに向けて4月中に基本構想を発表させていただこうと思っております。東京藝術大学の学長になられます日比野克彦さんが中心になりまして、いろいろと基本構想をご議論いただいております。4月中には日比野先生と私と一緒に、この発表の会見をさせていただこうと思っております。
 それから、ぎふワールド・ローズガーデンでの春のバラまつりですが、名称変更した後も、このところ入場者の入りが非常に好調でございます。10月を見ていただきますと、秋のバラまつりがあるわけですが、この秋までには「モロッコ・ロイヤルローズガーデン」が完成いたします。これは元々、モロッコ・ロイヤルローズガーデンというのはあったわけですが、今あるのが偽物というわけではありませんが、タイルから設計から、工事から何から何まで全部、モロッコの技術者がモロッコの手工芸庁の指導のもとに岐阜にやってきて、モロッコの素材を使って工事を行い完成させるということでございます。現在、国内への海外の方々の入国について緩和が進んできておりますので、順調にいけば4月末あたりに技術者の方々がおいでになりまして、5月から3か月ほどかけて、モロッコ・ロイヤルローズガーデンを完成させるということになっております。そのお目見えも兼ねて秋のバラまつりを行うというのが10月の予定でございます。今までのモロッコ・ロイヤルローズガーデンも良かったのですが、確かに、図面を見てみますと、まさに私どもがモロッコで見たそのままの素晴らしいモロッコタイルを使った設計になっております。
 それから、コロナの前は約2年にわたって、私どもは豚熱に悩まされてきたわけです。このところは小康状態ではあるのですが、その際の課題として、岐阜市にある中央家畜保健衛生所が県内全ての病性鑑定を担っており、これでは十分手が回らないということで、飛騨の家畜保健衛生所内に作るべきだということになりまして、それがようやく6月上旬に完成するわけでございます。豚熱等家畜の病性鑑定を飛騨の方は飛騨家畜保健衛生所で対応できることになるということで、岐阜県全体としてはこの防疫体制が一段と強化されるということでございます。
 それから、6月の「第48回全国高等学校総合文化祭実行員会の設立」ということで、これは令和6年に国民文化祭と並行してといいますか、その一環としてのプロジェクトで全国高等学校総合文化祭が行われますので、それの実行委員会がスタートするということでございます。
 それから、7月の最初の欄にありますが、国民文化祭、それから障がい者の芸術・文化祭それぞれの実行委員会が設立の運びとなっております。
 それから、7月16日に、いち早く県庁前の公園が完成いたしますので、開園式を7月16日に予定しております。新庁舎自体は12月を見ていただきますと、12月中旬に竣工式典と内覧会を予定しておりますが、一足先に公園の方が完成するということでございます。すでに桜の花が咲いておりますが、楽しみにしているところでございます。
 それから、9月に「ぎふ清流レクリエーションフェスティバル」があります。これは全国レクリエーション大会の後、レクリエーションというものを大事にして、健康づくりについて県が音頭をとって、全県的に秋にフェスティバルをやってきております。今年もぜひやりたいということで準備をしているところでございます。
 それから、宮川2号トンネルが9月中に完成するということでございます。延長約900mということで完成いたしますので、それのお目見えがあるということです。
 それから、多治見にあります現代陶芸美術館が開館20周年、それから県の美術館が開館40周年ということで、それぞれ、それを記念した展覧会を予定しております。現代陶芸美術館の方は「陶芸の現在(いま)」というテーマで、現代作家とかあるいは陶芸美術館がもっている作品を大きく展示していこうということであります。県美術館の方では前田青邨に焦点を当てた本格的な企画展が予定されております。
 それから、10月に入りますと、これも2年間、延期といいますか中止しておりますが、関ケ原のイベントであります、「関ケ原ナイト」も含めて10月上旬に予定しております。これと合わせて、日本将棋連盟とタイアップして「全国将棋サミット2022」を関ケ原でやろうということも予定されております。
 それから、5年に1回の「全国和牛能力共進会」があります。日本中の和牛のコンテストが5年に1回ございまして、かつて飛騨牛が2回連覇したことがあるわけですが、今回も高い評価を得ようということで準備しているところでございます。
 それから、これも2年続けて中止している「農業フェスティバル」も10月に予定しております。この農業フェスティバルは県の行事としては最大規模のお客さんがおいでになる行事となっています。
 それから、同じく2年中止して延ばしておりました「エンジン01 in 岐阜」も10月に予定しております。
 それから、前にもご紹介したと思いますが、世界中に26の岐阜県人会があります。その岐阜県人会が一緒になって「岐阜県人会インターナショナル」という組織を作りまして、その第1回の「岐阜県人世界大会」というのを岐阜市内でやろうということで、いろいろと企画を練っているところです。これも10月末に予定されております。
 それから、同じくコロナ禍で2年連続で延びております「FIA世界ラリー選手権フォーラムエイト・ラリージャパン2022」を、これは豊田から恵那に入ってくるルートですが、この秋にやろうということでございます。
 それから、1月4日が新庁舎の開庁式ということでございます。
 それから、1月中に「森林サービス産業推進協議会」の設立があります。これは仮称でございますが、どういうことかというと、森林空間を活用して、様々なサービスを提供する産業を育成していこうという着想でございます。林政部の方で森林サービス産業、あるいは森林サービスというコンセプトを具体的に練っていこうということでございます。来年1月にはこういった組織も作っていきたいということでございます。
 それから、3月には、年度末になるわけでありますが、地方創生のいわゆる「『清流の国ぎふ』創生総合戦略」の改訂とか、あるいは「地球温暖化防止・気候変動適応計画」の改訂、それから「ぎふ農業・農村基本計画」の改訂など、ビジョンものの改訂が続きます。
 それから、「ねんりんピック」が令和7年の開催予定でございますが、そろそろ基本構想を策定するというところにくるわけであります。すでに十分な準備をして待ち構えていたわけですが、コロナで延びたということで時間的にまた間が空きますので、もう1回基本構想を練り直そうということでございます。
 それから、空宙博が5周年を迎えますので、それに合わせたイベントがございます。
 あと、まだ具体的なタイミングは決まっておりませんが、これも仮称ですが「リニア活用戦略アクションプラン」ということで、今、東濃地域全体を、リニアを契機にどのように発展、ビジョンを描いていくかということで、活用戦略アクションプランを策定中でございます。それも年度中のどこかで完成させたいと思っております。
 それから、ウィズ・コロナを踏まえ、アフター・コロナをにらんだ、「岐阜県成長・雇用戦略」の改訂があります。
 それから、令和2年の7月豪雨がございましたが、そこで郡上の奥田洞谷で大変激しい土砂崩落がございました。これの対策工事が完了いたしますので、それに合わせて、避難体制の解除が行われるということでございます。
 それから、我々としては大変ありがたいニュースなのですが、一番下の濃飛横断自動車道「堀越峠」のところです。これは郡上市から下呂市に向かう途中なのですが、交通の難所として大変難しい工事になるということで、国が権限代行といいますか、直接、国に工事をしていただこうということで、それを前提とした工事の調査への着手が年度中どこかで行われるわけでございます。この部分がうまく抜けますと、濃飛横断自動車道が東濃から下呂を経て、郡上までということで、これはリニアと合わせて、岐阜県にとっては大変重要な濃飛横断自動車道、本格的な高規格道路に向かう大変重要な契機になると見ているわけでございます。
 こういったところが今年度の様々な予定されているプランでございます。
 それからもう1つは、お手元に「『“ほっと一息、ぎふの旅”キャンペーン(第1弾)』の開始」についてということでございます。旅行割引でありますが、新年度の第1弾ということで本日から発売を開始いたしまして、来週5日から28日まで、岐阜県在住者を対象にした、いわゆる県民割を順次スタートいたします。内容はこの資料にある通りでありますが、1人1泊あたり旅行代金の50%、5,000円を上限に割引、それから日帰り旅行も対象になるということでございます。それから合わせて、電子観光クーポン「ぎふ旅コイン」2,000円分の配付も行うということでございまして、コロナ禍で大きな打撃を受けている観光事業者の支援ということでございます。なお、今回のキャンペーンではワクチンの2回接種歴、または陰性の検査結果について、旅行開始時、またはチェックイン時に確認するということにしておりまして、ご理解ご協力をお願いしたいということでございます。このキャンペーンは感染状況を見極めながら経済社会活動を回していくという観点で実施するものでありますが、「第6波」は冒頭申し上げましたように、いまだ収束していないということでございますので、利用される方にはマスク着用、こまめな手洗い、三密の場所回避、マスク会食でありますとか、体調の不調時には旅行も含めて行動を抑制していただくとか、そういった旅先あるいは旅行途中でも基本的な感染防止対策をお願いしたいと思っております。それから、受け入れる観光事業者の方々に対しましても、感染防止対策を徹底していただきたいということを重ねてお願いする次第でございます。
 以上が私の方からのご報告、ご説明でございます。

記者
 県民割について質問します。今、おっしゃった県民割ですが、北信越のブロックですとか中部への拡大については28日以降また検討するということになるのでしょうか。

知事
 感染状況を見極めながら慎重にやっていこうというスタンスでございますので、まずは県民割からスタートするということで、その後については、状況次第でもありますし、他県のやり方も併せてよく見ていく必要があるということでございます。

記者
 県民割について、感染状況の悪化次第では、前回もそうだと思うのですが、期間中の取りやめというのも可能性としては考えられると思います。そういった数字でラインを引いたりですとか、そういったことは考えていらっしゃるのでしょうか。

知事
 一律のライン設定は致しませんが、例えば、感染の悪化のスピードでありますとか、先行指標ではありますが、新規感染数とか、病床の詰まり具合とか、陽性率とか、重傷者の状況とか、データも含めてでありますが、総合評価をしながら考えていくことになるかと思います。

記者
 コロナの感染状況について、「まん延防止等重点措置」が解除されてから10日程経つのですが、解除による影響と、冒頭下げ止まりということもおっしゃられましたが、感染状況との兼ね合いというのはどのように考えておられるのでしょうか。

知事
 今、下げ止まりになっていること自体も、私どもとしては、すでに懸念材料であるわけで、これらの原因分析とか、岐阜県固有の課題はどうかとか、全国的にどのようであるかとか、そういった諸々の分析については、来週、専門家会議を予定しておりますので、それに合わせてデータ解析をしながら議論していきたいと思っております。そういう意味で、全国を見ましても「まん延防止等重点措置」をやらなかったところもありますし、かなり早い時期に解除したところもありますし、様々でありますので、それぞれがそれぞれどのようにその後展開してきているか、そんなところもよく見ていきたいと思っております。
 それから、ワクチンの方も先般、再拡大防止ということでアピールした際に目標値を掲げさせてもらいました。一応、3月末の目標ということで出しましたので、この機会にご報告させてもらいますと、私どもは高齢者の接種率を3月末までに概ね9割という目標を掲げましたが、昨日時点で88.5%ということで、この数字は全国第1位でございます。私どもとしては概ね9割ということをほぼ達成できたのでないかと思っております。そのほかに2つ目標を掲げておりまして、既に2回接種されて、3回目ということで3回目の対象となる県民の方々の中の何%が打てるかという目標は概ね6割ということを考えておりましたが、結果は62%となりました。これは目標達成でございます。それからもう1つは、幼児も含めた総人口、全人口の中で接種者が何%かということで、45%を目標にしておりましたが、直近では47.3%までいきました。この数字は全国第2位の数字でございます。そういった意味で3月末で高齢者への接種はほぼ完了したと言っていいのではないかと思いますが、4月以降は現役世代が中心となりますし、特に若年層の接種率向上が課題になってくると思いますが、いろいろと工夫をしながら、「オール岐阜」で、この追加接種については加速させていきたいということでございます。これ自身も1つの感染対策として効果が期待できるものでありますので、こちらもしっかりとやっていきたいと考えております。

記者
 今のワクチン接種の進捗状況についてですが、全国的に接種率があまり上がらないというところで、岐阜県がうまく進んでいる理由というのをどのように考えていらっしゃいますか。

知事
 岐阜県の場合には、県と市町村がまず綿密なプランを作って、市町村は市町村で開業医に至るまで丁寧にどこにどのように配布して、どのようなスケジュールでやっていくかということで、国から回ってくるワクチンについて非常にきちんとしたきめ細かなプランを作っています。そして、それをその通りに実行していくということで、隙間なく打つ体制というか、これが第1回、第2回を通じてしっかりとしたものが出来てきておりますので、それに即してやっていくということです。
 それから、そういう流れの中でも、あるテーマ、ある分野について、接種が遅れることがあれば、そこのところは県の集団接種という格好で補完していくということで、とにかく国から回ってくるワクチンは隙間なくきっちり打つということをやっています。その流れの中で、別にレースをしているわけでありませんので、ぱっと比較することはないのですが、私どもとしてはしっかりと対応できてきているのではないかと考えております。これはそういう意味では県内津々浦々まで、皆さんに協力していただいているという結果ですので、大変ありがたく思っているところでございます。

記者
 コロナの感染状況の件について、年度が改まって、歓迎会とか花見であるとか、連休も控えていまして、なかなか下げ止まらない中、さらに、感染者が減る要素が見出しにくいいと思うのですが、そういった中で旅行キャンペーンを再開される目的を改めてお願いします。

知事
 全体として、感染を抑えていくということと経済社会をどう回していくか、どういうバランスでやっていくかという問題の一つのケースだと思います。先ほどから申し上げておりますように、新規陽性者数については、下げ止まりの傾向がみられて先々の懸念もあるということでございました。他方で、病床使用率は20%そこそこというところまで落ち着いてきましたし、重症者数も直近では一人ということであります。全体を判断して県民割ということで、旅行キャンペーンを打ち出すのは、警戒と打撃を受けた観光関係者への支援ということでバランスの取れた、ぎりぎりの判断ということで、県民割を第一弾としてやってみるということにしているところであります。

記者
 新年度の主要行事がたくさんありますが、目玉はどれでしょうか。

知事
 何か一つ目玉を定めるというよりは、先ほど申し上げましたように、アフター・コロナの課題ははっきりしているわけです。いつも申し上げますが、DXについては、岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画ができたところでありますので、これに沿ってあらゆる分野のデジタル化をしっかりと進めていきたいということです。それから国際的な課題でありますSDGsとか脱炭素社会といったことについても岐阜県としての本格的な取り組みをしていきたいということです。コロナではっきりしてきた新しい地方への人の流れといったことを岐阜県は受け皿となれるようにしっかりとやっていきたいということです。そういうアフター・コロナに向けてのやるべきことを随所に事業のなかに織り込んでおります。そのことが、しっかり進むためにもウィズ・コロナの対策をしっかりやらなければならないということで、まさに「ウィズ・コロナからアフター・コロナへ」ということが、大きな目玉といいますか、太い幹として流れるものでありまして、それに合わせていろんな角度からアプローチしているということであります。せっかくの魅力的なプロジェクト・プログラムが延びのびになっているものもありますし、それもなんとかウィズ・コロナ対策をしっかりやりながら、今年こそはやっていこうということで、スケジュールにも入れさせていただきました。その一つとして「高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン」から始まるわけです。ということで、全体に流れる姿勢というのがあります。特定の事業一つをとって目玉というのは、なかなか言いがたいところがあります。

記者
 昨年度末にJR東海にリニアの関係で知事の意見書を伝達されましたが、それに関してJR東海側からの最近の動きはないのでしょうか。

知事
 まだその後も特に話はありません。報告書を出した後に長野県と愛知県で事故が起こっています。それについての報告書は出ているわけです。わたくしの推測では、おそらくそういう諸々の起こった事故も含めて、トータルに検討しておられるのではないかと思います。それぞれ五月雨式にバラバラやるのではなく、トータルに検討しておられるのではないかというのが、私の推測です。いずれにせよ、すでに一か月以上経っておりますので、遠からずご報告がいただけるのではないかということで、お待ちしているところです。

記者
 先月、2家族6人がウクライナから避難されてきていると聞いておりますが、その後、避難民の増加や、県としての支援の体制など動きはありませんか。

知事
 その後、新たに避難された方がいるという情報はありません。先般申し上げましたように、各市町村が、それぞれのウクライナの方々にコンタクトを取る体制をとって、そこからリクエストとかニーズを聞きながら対応していくということであります。そういう意味では避難された2家族について、それぞれ状況をお聞きして、ご要望に応ずる努力をしているということです。それから相談窓口を用意したと申し上げましたが、今のところ相談窓口への問い合わせは1件あったぐらいで、まだ特に大きな動きはございません。

記者
 “ほっと一息、ぎふの旅”キャンペーンの開始時期について、東海三県の知事会では足並みを揃えるようなお話も一部あったかと思いますが、開始時期についてはその後、ご調整の方はいかがでしょうか。

知事
 三重県さんはいち早く4月5日からということで、すでに踏み切っておられますし、私どももこの辺をにらみながらということです。愛知県さんも4月上旬ということで検討中ということです。これで三重と岐阜は足並みがそろうということで、そこら辺をにらんで愛知県さんとしてどのように判断されるかということです。4月上旬を念頭に検討中ということですが、やはり愛知県さんも今の感染状況について、かなり慎重なスタンスをとっておられますので、私どもはどのようにされるか注目しているところですが、そういう意味でお互いの情報交換はさせていただいております。私どもはこれがデフィニット(確定)だということでお話はしたうえで発表させていただいております。

記者
 コロナのBA.2の検査がウクライナ情勢の関係で試薬が届かないとか滞っているということがあって、間もなく解消すると聞いていますが、そういったこととか、岐阜県におけるウクライナ情勢に関して、何か変化ですとか影響ですとか感じておられることはございますでしょうか。

知事
 コロナとウクライナということですか。特に聞いておりませんが、BA.2のことでいいますと、今日も新たに岐阜県で2人、BA.2の陽性者が判明しました。累計しますと24人になるわけですが、それは粛々とルーティーンとしてやらせていただいております。ウクライナとコロナとの関連で何かあるかといわれると、私自身はその報告は全く受けていないという状況です。

記者
 コロナ以外でウクライナの情勢によって、岐阜県が何か影響を感じられていることはありますか。

知事
 輸出入とか、いろんな面でも企業進出という面でもほとんど無いか、あるとしても極めてわずかですので、私どもは相談窓口とか制度融資とかいろんな制度を設けているわけですが、むしろウクライナ情勢がどんどん波及していって、国際的なエネルギーとか様々な資機材とか、更にはサプライチェーンとかそういうところに影響がでてきているわけです。そういうことの流れの中でいろいろな出来事がじわじわと起こり始めているということです。どちらかというとウクライナ情勢以前からある石油情勢とかサプライチェーンの問題とかいうのはすでにありました。どちらかというと制度融資も含めて従来からの流れの中で何件かあるのですが、ウクライナのことがあったからリクエストがあったとか、こういう要請があったとか、こういう困難が生じたとか、どこまで間接・直接つなぐかにもよりますが、そういうことをまだ意識する状況ではないです。私どもとしては、窓口、制度融資をきちんと設けて、ウクライナ語で対応できるような相談体制を組んで、それでもしいろんな支障などがあれば、そのテーマに応じて対応できるような体制は取っております。それから市町村ともタッグを組んでアンテナを網の目のように張り巡らせているということもしております。もし何かあればこういう場でどんどんご報告したいと思います。

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