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知事記者会見(令和元年7月16日)

記事ID:0021703 2019年7月18日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

令和元年7月16日(火曜日)15時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。
 知事、お願いいたします。

知事

 まず、お手元に県庁舎の行政棟の起工式の資料がありますが、今月26日(金曜日)に起工式を行います。
ご案内のように、現在の県庁舎は、昭和41年に竣工しておりまして、53年が経過して、老朽化したということや、最近特にテーマとなっている災害対策の中枢拠点としての機能をしっかりとしたものにしていくというようなことも含めて、建て替えの議論を進めてまいりました。
 先の県議会定例会で、県庁舎行政棟の本体工事に係る契約議案を議決いただいたものですから、いよいよ工事に着手することになりました。工期は約3年ということで、令和4年度、2022年の初夏あたりに竣工できるのではないかということです。議会棟と外構整備、外回りの整備については、着工は来年度になりますが、竣工のタイミングは行政棟とほぼ同じになると考えております。
 改めて、先週12日の金曜日に地元の方々に工事説明会をやっておりますし、また13日土曜日から今週の19日金曜日にかけて、県内5圏域で説明会を開催しておりますので、ぜひ関心のある方はご参加いただいてご意見をいただきたいと思っております。
 いずれにせよ、こういう説明会などではよく出ますが、安全面とか環境面とか、あるいは交通対策とか、そういったことに十分配慮してやっていきたいと思っているところです。
 それから起工式の時に敷地全体の模型をお披露目しようと思っておりまして、300分の1くらいになりますが、結構精巧なものでして、これを起工式翌週の29日から県庁2階のロビーでも展示して、立体の模型を見ていただくことで新庁舎を実感していただけるのではないかと思っております。お手元の資料でかなり様子はお分かりだと思いますが、こんな感じで、建物そのものはシンプルで、できるだけ機能的にということで、その手前の公園も含めて全体に目配りしたものになっております。
 それから、2番目にスマート農業です。私どもは全国にいわば先駆ける格好で、今年3月に「岐阜県スマート農業推進計画」というものをやっていこうということで方針を定めました。それを受けて今いろいろ支援策をやっていますが、8月2日に「スマート農業サミットinぎふ」というのを、農林水産省にも後援をいただいてやろうと思っています。たぶんこれから全国でこういった試みがなされるかと思いますが、いわば全国では先頭を切ってやる形になっております。
 私どもとしては、スマート農業技術の導入効果をできるだけ「見える化」していこうということで、国の支援事業ということで採択されました瑞穂市の実証農場でのいろいろな実演なども大いに活用していきたいと思っております。また、スマート農業機械の導入助成制度とか、指導者の育成とか、あるいは来年春の完成を目途にしていますが、推進拠点として海津市の就農支援センターの中に、スマート農業を体験できるオペレーションセンター、モデル温室みたいなものを整備していきたいと思っております。
 このサミットはこうした取組みを知っていただこうということでやるわけですが、ソフトピアジャパンをメイン会場にしまして、基調講演とか、取組み事例の発表とか、最新のスマート農業機械の展示とか、見て、触って、ご相談いただけるというようなことで考えております。また、先ほど申し上げた瑞穂市の実証農場では、自動走行するトラクターとか、自動飛行するドローンの実演会といったものも行いたいと考えておりまして、こうしたことを通じて、本県としては、スマート農業について積極的に普及を図っていきたいということです。
 3番目がGIAHS鮎の日のイベントということで、世界農業遺産に国連で認定していただいて以来、7月の第4日曜日をGIAHS鮎の日と定めまして、イベントをやってきています。毎年おかげさまで多くの参加者、3万人を超える参加者に毎年各地でおいでいただいて、鮎の日にちなんだ行事を堪能していただいておりますが、今年で4回目になります。
清流長良川あゆパークも先月ちょうど1周年を迎えたところですが、これまでに23万人を超える方々においでいただいています。冬場はほとんどお客さんが入りませんので、そのことを考えると非常に喜んでいただいているのではないかと思っています。
 特に今回は鮎1000匹つかみ取り大会とか、鮎の塩焼きのふるまい、川遊びとか、いろいろ体験プロジェクトを予定しています。また、JICAの研修生の外国の方々もお呼びして一緒に楽しんでいただこうとか、サテライト会場の各務原市の河川環境楽園、長良川流域4市でもそれぞれプロジェクトを行ってまいります。名古屋栄の「GIFTSPREMIUM」、岐阜駅の「THEGIFTSSHOP」などでも「清流長良川の恵みの逸品」ということでフェアをやろうということです。
 それから、あゆパークではこの日をスタートに、8月下旬まで、友釣り、川遊び体験、クラフト体験などなど、川や生き物に親しむプロジェクトを用意しておりますので、ますますこちらに来て楽しんでいただければと考えています。

 それから資料はお配りしていませんが、先週、駆け足でリトアニアに行ってまいりまして、リトアニア国家勲章をいただいてまいりました。
 行ってみて、いろいろとお話を伺ったのですが、今回いただいた書面によりますと、受章理由はリトアニアと日本の相互協力を積極的に推進した功績ということでございまして、杉原千畝氏をご縁として始まった岐阜県とリトアニアとの交流が、経済、文化などオール岐阜県での交流へと拡大してきたということの結果、日本とリトアニアの二国間関係の発展にも寄与したということでご評価をいただいたと伺っておりまして、大変ありがたく思った次第です。いわば杉原千畝という岐阜の生んだ先達に導かれていただいた受章でありますので、これまでこの交流に携わってこられた八百津町の方々とか、岐阜県の県民の皆さんとか、そういった方々への勲章であろうということで、岐阜県全体の誇りとしていただいたものだというふうに思いました。
 来年は2020年ということで、杉原千畝氏が命のビザを発給してちょうど80周年ということで、1939年から1940年にかけての、特に1940年になってからのビザの発給がメインでありまして、この80周年を機会に改めて杉原千畝の業績を顕彰し、そしてまた、岐阜とリトアニアとのさらなる交流の深化に取り組んでいきたいと思っております。この80周年を大いに盛り上げようということで、リトアニアの外務大臣とか、現地の山崎大使ともご相談し、2人とも大いに期待をしているということで、いろいろと企画を練っていこうと考えております。
 叙勲の式典で、一体どんな人がもらわれるのかと眺めていましたが、大統領は女性の大統領でして、国民投票によって選ばれる大統領で、任期は1期5年で2期で終了し、3期目はないということで、ちょうど彼女の10年目にあたるということで、10年間のいわば総決算的な意味でのこの国家勲章、というようなニュアンスもあるのだということを大使から伺いました。
 そういう中で、大統領及び閣僚その他政府関係者がそろう中で、大統領官邸で、受章者がざっと50人程度おりまして、そのうち、外国人が13人、他はすべてリトアニア人ということで、様々な分野で功績のあった方々でした。外国籍だと、在リトアニアのアメリカ大使とか、NATO(北大西洋条約機構)の最高司令官とか、EUの幹部とか、EU加盟国の閣僚とか、イタリアのビジネスマンの方とか、ニューヨークのユダヤ人団体のトップの方とか、そういう方々でして、アジア人としては私一人ということで、それだけに、ますます杉原千畝氏のご縁をありがたく思った次第です。
この7月6日というのは、独立記念日なのです。13世紀にリトアニア大公国がスタートしたということですが、いただいたものをよく見ましたら、憲法の規定に基づいて国家の日及び国歌の日において以下の功績でこれを授与すると書いてあるのです。
 国家(国歌)の日というのは2重の意味があって、一つ目は建国記念日なのですが、もう一つは歌なのです。日本で言えば君が代である国歌をわざわざこういうところに書くとはどういうことかと思って話を伺ったら、独立記念日の所定の時間にリトアニア国内はもとより、世界中にいるリトアニア人が同じ時間にリトアニア国歌を一斉に歌うということで、それがまさに独立記念日、かつ自分たちがリトアニア人であるということのアイデンティティなのだということだそうです。だから、国の意味での国家の日と、国の歌をみんなで声をそろえて歌うという国歌の日と、この2つが並ぶ大事な日ということです。リトアニアは地図から何度も消えてなくなっている国なのです。絶えず自分たちのアイデンティティを大事にする、リトアニア語とか、国歌とか、国旗とか、そういう国なのだということをものすごく感じました。
 町の中央広場のようなところがありまして、日本で言えば日比谷公園みたいなところですが、そこに大勢の方が集まっていまして、そこに行きましたら、壇の上にはリトアニアのリーダーたちがみんな集まって、それまではみんなガヤガヤやっているのですが、時間が来たら、一斉に舞台の上の皆さんも大合唱するのです。
 それが終わったらあとは、気楽にジャズをやったり、コンサートをやったりしているのですが、とにかくそういう国家の日と国歌の日とを重ねて、それをこういう勲章の場にもきちんと伝えるといいますか、そういう一つのアイデンティティを大切にするというか、歴史を大切にする国の姿というのは非常に痛感しました。時差がありますから世界中いろいろな時間帯があるのですが、とにかくリトアニア国のこの日のこの時間と決められているそうです。
 それから、大使主催でレセプションをやっていただきましたが、領事館があるカウナス市の市長ご夫妻も来られまして、50人くらいのリトアニアの方々にお祝いしていただきました。
 その場で、カウナス市長が、「杉原千畝が領事館でビザを発給して、いよいよ閉めますということを発表した。それで最後の最後まで『ビザが欲しい』といってユダヤの方々が来られた。それから領事館を閉めました。それから今度は最後の日に一晩ホテルに泊まるということで、ずっとユダヤの方々がその後をついてきて『ビザをビザを』ということで、ホテルに着いたのですが、皆さん大勢来られているので、杉原千畝氏は寝ないで荷物を置いただけで、中庭に机を借りて、ずっと明け方までビザを書き続けたわけです。それで夜が明けていよいよ家族で汽車に乗るために、ホテルから駅まで行く途中もずっと『ビザが欲しい』と来られて、汽車に乗ったら汽車の窓からとにかく『ビザをビザを』と言われるので、座席についてからもずっと書き続けて、それで窓からビザを渡したのですが、その最後の一枚を私の母が受け取りました。私はあのシーンを忘れることができません。汽車がずっと出発して動く中を追いかけていって最後の一枚をもらった。」と話されました。
そのストーリーの中で、結局寝ずにビザを書いたわけですが、最後に泊まったホテルの前にしっかりとした杉原千畝像を作りたいということで、彫刻家に頼んで、デザインその他を今、検討中で、堂々たる杉原像を用意するから、オープニングの時にはぜひ来てくれということでカウナス市長からお話がありました。今なお、そういうことを皆さんがおっしゃるという歴史とかアイデンティティとか、強烈なものを感じました。
 それから、私どもからは、去年、商工会議所が経済ミッションで行って、特に蜂蜜をリトアニアから購入するということで協定を結んだりして、今、着々と入ってきています。このリトアニア蜂蜜を使った鮎菓子を新たに創作して売り出そうという話があって、せっかくだからということで、今回レセプション用にたくさん持って行きました。それを皆さんにどうぞという話をしたら、リトアニアの蜂蜜と岐阜の伝統的な和菓子がコラボレーションできるとは本当に奇跡だと、向こうの方も大変喜んで食べていただいたので、これも非常にうれしい風景でした。
 そんなことで、そうした絆と、杉原千畝氏の偉大さですね、それを継いだ八百津町の方々、岐阜県の皆さんの努力に対して本当に敬意と感謝を感じて帰ってきた次第です。

記者

 午前中にも発表があったのですけれども、海津市に県のブランド豚の種豚、「ボーノブラウン」を隔離型のコンテナを作られて、そこに5頭を移動したということですけれども、改めて、県のブランド豚、ないし県の流通の2割を占める豚の種豚となっている「ボーノブラウン」が今危機にあって、それに対して、県がこういった取組みをしているということに関して、知事のご所感を伺えますでしょうか。

知事

 この「ボーノブラウン」というのは、地元の養豚農家はもちろんでありますけれども、地元の市、県も含めて、営々として、岐阜県の新しい豚のブランドだということで、飛騨牛に次いで、今度は豚のブランドということで、しかも、食べてみると本当に、しゃぶしゃぶにしようが何にしようが、本当に柔らかくて、これが本当に豚かと一瞬疑うほどの大変美味しい豚なものですから、これこそ、飛騨牛の次はこれだということで、ずっとがんばって来たわけです。これが、今回のことで一挙に、大幅に失うことになったことは痛恨の極みでありまして、何としてもこれを立ち直らせたいということであります。
 そういう意味で、豚コレラ発生前に30頭ほど種豚がいたわけですから、これから10年間かけて、30頭規模の種豚の再造成をし、それからさらに5年かけて、80頭規模の種豚の造成をしようということで、もう一回、世界に打って出られるだけのブランド豚として、再構築していきたいということです。
 今わずか5頭ということで、大変貴重な種豚でありますので、来年度末までに、小規模一貫豚舎を再構築しようとしておりまして、これができあがるまでに少し時間がかかるものですから、その間、平坦地で、豚コレラの感染リスクが相対的には低いだろうというふうに考えられている海津市に、急遽、種豚を飼育するためのコンテナ型の豚舎に避難をするということであります。
 窮余(きゅうよ)の策ということでありますけれども、何としてもこれを守り抜いて、先ほど申し上げましたようなスケジュールで、もう一回、結局10年以上遅れるわけでありますけれども、もう一回巻き返しをしたいということです。それほどまでに、私どもとしては貴重な岐阜県のブランド豚だという認識でありまして、とにかく緊急避難した以上は、万全の防疫体制の下で管理をしていきたいということと、それから所定のスケジュールでしっかりと再造成していきたいということです。
 おっしゃるように、努力した結果、霜降り割合が一般的な豚の2倍ということで、かなり評価をされ、普及してきたわけでありますけれども、何とか立て直したいという思いでおります。

記者

 豚コレラの関連で続きですが、野生いのししの豚コレラ感染対策で、長野県などに広がっている状況で、経口ワクチンの散布エリアもかなり広げたと思いますが、一方でクマが出て危ないという指摘もある中で、県として、これからワクチン散布をどのような体制でやっていきたいとお考えでしょうか。

知事

 短期的に、一気に、一挙解決みたいな方策はなかなか考えにくい中で、いろいろな要素を加味しながら、一挙手一投足を丁寧に、間違いのない政策を積み上げていくというのが私どものスタンスです。そういう前提で、やれることは全てやろうということなのですが、ワクチンについては、今回、先週から撒き始めておりますけれども、第3ラウンドということで、相当大幅に、散布のエリアも21市町村から29市町村に増やし、散布の数も1800箇所、36000個と大きく広がりますので、極力、効果的効率的にやっていきたいということでやっております。
 一方で、クマ対策もあります。今年は、特にクマが多いそうなので、ワクチン散布とか、後で調査捕獲をしますけれども、クマが出没する地域では、原則としてワクチン散布を実施しないという方針です。それから、捕獲ワナも仕掛けないというような方針で今、クマ対策を考えております。
 具体的には、例えば中津川市と美濃市で7月13日から14日にかけてクマの出没がありましたので、中津川市内では4箇所、散布を中止しております。それから美濃市の場合には、散布予定地域にクマの足跡があったということで1箇所、散布を中止しております。それから、山に入るときには、必ず3人で作業班を編成するとか、クマよけの鈴とクマ撃退用のスプレーを必ず携行するということを励行しておりまして、引き続き、事故のないように丁寧にやっていこうというのが、クマ対策と経口ワクチンの話です。
 それで、6月26日以降に、三重県のいなべ市の北側の、岐阜県及び滋賀県と県境を接するところで4頭、陽性の野生いのししが確認されております。7月7日には、福井県大野市の、岐阜県と県境を接するところで確認されましたが、さらに越前市、池田町、勝山市と、延べ5頭が確認されております。それから7月13日には、長野県の木曽町で、初めて確認されておりますが、昨日(7月15日)までに、2つの町村で4頭確認されております。
 ということで、いろいろな対策を、ワクチン散布、捕獲、狩猟等々やってきましたけれども、結果的に、隣県3県に広がったということについては、大変残念に思っているわけでありますが、隣接県とは既に、早くから情報提供その他、連携を密にしております。三重県では、まだ豚舎での発生はないのですが、今回直ちにワクチンを撒こうということでやっておられますし、広域的な調整というのは国の仕事でもありますので、国ともよく連携をして、近隣県とも引き続き情報の共有を図っていきたいと思っているところでございます。

記者

 野生いのししに対して、ワクチン散布を積極的にやられたりだとか、養豚農家での防疫措置が徹底されている中でも養豚場での豚コレラの発生が続いていますが、早期出荷や豚へのワクチン接種について、現状ではどのような進捗か教えてください。

知事

 まず、早期出荷については、二つの農場が参加をしたいという意向がありますし、条件が良ければ、参加したいという農場も若干あります。これは今、監視下にあってこれ以上発生しないように頑張っておられる農場の方ですが、既に発生して空っぽになった農場についても豚舎の再開を期して、衛生管理水準を高めるための再整備をする場合には支援するよという話があって、これには乗っても良いという農場が二つ、それから条件付きの参加も若干あるということであります。今農林水産省との関係では、この希望する4つの農場に対して、これからどういう手続きで、どうすれば良いのかということについての、実施要綱とか、実施要領とか細かなやり取りをしているところでありまして、制度的にきちんとすれば、速やかに手続きを進めたいと思っております。
 ちなみに愛知県では、早期出荷の準備中のところに豚コレラが発生して、結局その豚舎は全部閉めざるを得なくなったわけでありまして、そういう意味で、希望のあるところについては、早急にやれるように手続きを踏みたいと思っています。先般、農家への説明会をやっていただきましたけれども、その際にもいろいろと、手続きの問題とか、その他要望も出ておりますし、そして、農家のいろんなお考えについて、どこまで国として対応可能かということについて、つとに詰めながらやってきているというところです。早期出荷についてはこのようなところです。
 それから豚へのワクチンについては、前回申し上げたことから変更はございません。国としては、確固たる方針ということで、この間の説明会でもワクチンの要望はありましたけれども、国としてはやれないということをはっきりおっしゃっておられました。ここはちょっと動かない状態、そのままの状態ということです。

記者

 早期出荷の関連で、農林水産省のほうで、早期出荷の実施要綱がまとまる時期というのは、以前の知事会見では、7月上旬にもまとまるというようなお話でしたが、現段階で知事のところにはどのようなスケジュール感として入っているのでしょうか。

知事

 ざっとした要綱はできているのです。要綱があって、要領があるというようなことですが、それをまとめて要綱と申し上げていますが、まだ手続きとしては細部が全然詰まっていないので、動き出すための手順がきちっとしていないということです。実際に豚を売却したり、出荷をしたり、いろんなことをやるわけです。その後、農家の整備等もやるわけですから、お金も動くわけです。そのためにきちっとしておかなくてはいけないものですから、実施要綱がまとまる時期はまだ伸びています。7月上旬と農林水産省もおっしゃっていたので、皆さんにもそのように申し上げたのですが、先般、農林水産省と話をしていましたが、愛知県の例もあったので、「早くしましょうよ。」と申し上げましたら、「自分たちも早くしたい。」ということをおっしゃっておられました。急ぐことについては、考えは同じなのですが、まだ、最終の細部のところが出てきていないものですから、それをお待ちしているということです。
 早期出荷というのは、豚舎ごとに、今どういう状態にあって、出荷する豚はどのようなスケジュールで出荷するのかとか、出荷できない豚はそこで処分することになっていますから、これをどうするのかという、全体の出荷、ないしそれにともなう処分計画が必要になります。それをどこまでどのように具体化したら良いのかということになります。しかも出荷する場合には、買い取る相手がいますから、相手との交渉で具体化してくるわけで、ここで値段も交渉するので、そういうことでいろんな手順があるわけで、計画をつくるうえで、どこまで計画をつくって農林水産省に出したらいいのかということがあります。
それから早期出荷の後の、整備計画もつくるわけですが、この整備計画が妥当かどうか、一応第三者がチェックすることになっています。そうすると、その整備計画をどの程度細かいものをつくったらいいのか、それに対してどのように第三者委員会が構成されて、どうチェックするのか、それでゴーサインが出たら、お金の申請をどうするのかということがあります。
それから具体的にお金は農林水産省の外郭団体から出るのですが、外郭団体から県の受け皿団体に出て、受け皿団体から農家(等で構成する取組団体)に出ることになっています。そうすると、外郭団体自身もお金を払い出すわけですから、外郭団体としてのお金を出すための細かい手続き・手順がいるでしょうし、岐阜県に受け皿を設けるとしても受け皿機関をどこにするのかとか、どういうふうな手順で受けていくのかなど、一通り全部制度として整わないとなかなか動けないものですから、大変ではあるのですが、お互いに急ぎましょうということでやっているところです。

記者

 7月の頭に、岐阜市の中学3年生の男子生徒が転落死したとされる事件で、岐阜市教育委員会のほうではいじめがあった可能性が高いということでその調査を進めているところです。内容が明らかになっていくうちに、先生が別の同級生が書いたとされるいじめを告発したメモをシュレッダーにかけた可能性が高いということで、第三者委員会の委員長も学校の組織に問題があった可能性が高いという見解を述べられているなかで、県教育委員会としては、岐阜市という近いところで事態が起こったなかで、同様の事件が起きないように、県立高校に対して働きかけをしたりすることはあるのでしょうか。

知事

 この問題は、大変痛ましい事案でありまして、改めて私どもからも、亡くなられた生徒さんのご冥福をお祈りしたいと思いますし、ご遺族に対してもお悔やみを申し上げたいと思います。
 平成25年度にいじめ防止対策推進法ができました。それができて、それに則って、平成26年3月に県が基本方針を出し、それを踏まえて学校ごとに基本方針をつくったのです。名前は基本方針ですが、かなり詳細にいろんなことが書いてあって、そういうことをきっちりやりましょうということできているわけです。そういう中で、いじめについては、できるだけ少しでも危ぶまれたら、それは案件として関わっていこうということでやってきておりますので、案件の数もそういう意味では増えてきているわけなのです。
 そういう状況のなかで、県をあげてというか、学校ごとに丁寧にやっていくという体制にはなってきているわけですけれども、今回、痛ましい事案が起こったということもあり、つい先ごろ、校長先生が集まる会合がありましたので、県の方から、私どもの承知している岐阜市の事情をお話しして、改めて基本方針をしっかりと学校ごとに確認、徹底をすることが必要ではないかという呼びかけをしました。別途、文書でもそういう呼びかけを、近々にしようということで、教育委員会の方では考えておられるようですので、私としては是非、これはかなり詳細な基本方針ですから、それをもう一回見直してほしいと思っています。
 特に今回の事案では、事実関係はだんだん明らかになってくると思いますので、今の時点で、コメントは差し控えようと思いますけれども、結局どこに問題があったのかと、学校側としてどうだったのかというところは、調査・検証がしっかり行われると思います。そういった深刻な事例が身近なところで起こったということで、やはり岐阜県内の各高等学校、私学も含めてそういった事例をきちんと注視して、そういった事例に学んで、再度しっかりとした体制を確認するといった方向に持っていければと思っています。

記者

 確認ですが、今おっしゃられた校長先生が集まる会合というは、県立高校の集まりでしょうか。知事もその場にいかれたのでしょうか。

知事

 県立高校の校長先生の集まりです。私は行っておりません。教育長あるいは次長か担当課長かは聞いておりませんが、教育委員会としてはそういう問題提起、要請をしたという報告を受けております。文書は別途出すということになります。

司会

 他にはよろしいでしょうか。それでは、以上で知事定例記者会見を終わらせていただきます。

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