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知事記者会見(令和元年7月2日)

令和元年7月2日(火曜日)15時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。
 知事、お願いいたします。

知事

 一つはリトアニアの方から、先週、独立記念日に勲章をということで、リトアニア勲功章というものをお渡ししたいので、来れますかという打診がありました。大変名誉なことなので参上しますという話をしたところです。
 今週末に、行きも夜行、帰りも夜行ということで少し慌ただしいのですが、とにかく行ってまいります。岐阜県とリトアニアとの交流といいますか、このところの取組みをご評価いただいたのではないかということもありますし、もともと岐阜県が生んだ杉原千畝という偉大な方を顕彰する中で、リトアニアとの交流が進んできたわけですので、そういう意味では、杉原千畝氏の、ある意味ではお導きということで、今回の話につながったのかなということで、大変光栄でもあり、感謝するところでもあります。また、そういうご縁を強く感じるところです。
 これは私自身がどうこうということよりも、少し歴史を振り返ると、1992年には八百津町で、杉原千畝氏の命日が7月31日なので、これに合わせて杉原ウィークということをやって、その功績を顕彰していこうという話になって、それをスタートするにあたって、人道の丘公園を開園しようということで、これに岐阜県も財政的にも積極的に協力して、そこから今日に至るまで杉原ウィークはずっとやってきているということです。それから2000年には、杉原千畝記念館を開設しまして、これについても、岐阜県も八百津町にご協力させていただいて、つくりあげてきたという経緯がありました。
 その後、時を経て、2016年あたりから急速に八百津町とカウナス市、それからリトアニア国と岐阜県ということで、人の交流、文化の交流、それから杉原ウィークを岐阜でもやっていますが、9月にリトアニア側でもやろうという試みがスタートしたり、それから、かつて領事館があったリトアニアの杉原記念館が、非常に老朽化しているということで、岐阜県と八百津町が支援募金を開始して、4万ユーロをお届けして、修繕の費用に充てていただくということもありました。また、ユネスコの世界記憶遺産の認定を得られないかということで、八百津町と県がいろいろと努力し、リトアニア国も積極的に応援するというようなことで、いろいろと交流もありました。
 そういったことを通じていく中で、岐阜にリトアニア共和国の名誉領事館をつくり、名誉領事も置くということで、商工会議所連合会の中に名誉領事館ができて、県の商工会議所連合会の村瀬会長が名誉領事になられました。それとほぼ時を同じくして岐阜大学の森脇学長を会長にして、岐阜リトアニア友好協会ができました。また、そうした動きに合わせて、オペラの公演であったり、リトアニアの舞踏団が岐阜にやってきたり、リトアニア側では「JAPANNOW」、岐阜県側では「リトアニアNOW」ということで、お互いの国や地域を紹介する行事が始まりました。
 それから、リトアニアは蜂蜜が大変盛んなところでありまして、昨年はリトアニア産の蜂蜜の輸入を岐阜県が積極的にやるということで、岐阜県の経済ミッションとして、覚書の調印をしました。それから昨年の1月に安倍総理がリトアニアを公式訪問され、昨年の10月にはリトアニアの首相が訪日されるということで、急速に交流が進みました。最終的にカウナス市と八百津町も相互の協力に合意するということで調印するというようなことがありました。
 来年は杉原千畝ビザ発給80周年という節目の年になりますので、これに向けても積極的な記念交流行事をやっていこうということで、相互に訪問ツアーを組むとか、イベントをやるとか、ちょうど東京オリ・パラの時期でもありますので、これに絡めて、いろいろと支援することもあるのではないかと、今、意見交換しているところです。そういった全体の様々な交流が進んできたということで、八百津町をはじめとする、岐阜県のリトアニア国との積極的な交流の取組みをご評価いただいたのかなと思っておりまして、そういう意味では、オール岐阜で取り組んできたことの一つの現われということで、ありがたく参上してご挨拶してこようと思っております。
 それから、今の話にもありました「リトアニアNOW」は去年もやったわけですが、今月26日から、昨年度に続いて、様々なリトアニアの魅力を発信するイベントをまたやろうということで、ぎふ清流文化プラザを会場に、リトアニアのフォークダンスアンサンブルをお招きして、民族衣装を着てのリトアニア伝統の歌と踊りとか、民族楽器の演奏などをしていただきます。
 リトアニアは伝統的な歌と踊りが大変盛んなところでして、4年に一度数十万人の人が集まる大イベントが国内で行われておりまして、そのイベントそのものがユネスコの無形文化遺産になっているという、非常に伝統を大切にしている国です。そういう面での交流とか、リトアニア産の蜂蜜の販売などを行います。
 また、岐阜のお菓子とリトアニアの蜂蜜をコラボした新しい創作鮎菓子「リトアニアの風」という新製品ができました。機会があったらこの場で配って皆さんに食べていただきたいと思いますが、その展示販売もやる予定です。ちなみにこの「リトアニアの風」という新しい創作鮎菓子を、私はリトアニアに持っていこうと思っておりまして、向こうのレセプションなどで紹介して、一つのコラボレーションのシンボリックで身近な現われとして、ご披露しようかなと思っております。
 また、図書館でもコンサートとか、ドキュメンタリー映画とか、そういったこともやろうと思っていますし、JR岐阜駅のアクティブG内、あるいは商工会議所内、いろいろなところでリトアニアの文化・歴史の紹介、公演・講座、あるいは工芸品づくり、ワークショップのようなことを広く展開していきたいと思っています。これがリトアニア関連のプロジェクトでございます。
 それから、2番目が来週10日に東京で予定していますが、「『清流の国ぎふ』まるごと食マルシェ」という食材の披露会とハラール認証飛騨牛セミナーを東京の明治記念館で開催しようと思っております。
 東京オリンピック・パラリンピックをにらんで、GAPの認証とかハラールの認証を、岐阜県としては積極的にやってきているわけですが、その成果をお披露目して、東京オリンピック・パラリンピックの大会関係者、あるいはホテル・レストラン関係者に岐阜の食材を積極的にアピールしようということで、東京オリンピック・パラリンピック開催期間中、おもてなし用に岐阜の食材を様々な場面で使っていただこうという試みです。既に昨年2回行っていますが、大変好評で今回第3弾ということで、今回は組織委員長の森元総理もおいでいただくということでご連絡いただいておりますが、岐阜県のこういう積極的な試みについては、オリンピック委員会からもご評価をいただいています。そういうことで、食材披露会とハラール認証飛騨牛のセミナーを行うということです。
 3番目が、かつて岐阜県展といっていたものを、ぎふ美術展ということで昨年再スタートしましたが、今回、第2回のぎふ美術展ということで、8月17日から9月1日まで行うということです。
 旧県展がやや惰性的と言いますか、低調でございましたので、昨年思い切って、出展作品についても弾力的にし、また、特に審査員の人数を限定して、かつそれぞれ日本を代表する方々に審査員になっていただいて、選んでいただくということで、8日間やりました。大変好評で、もっと長期間やってほしいということで、今年は岐阜県美術館が改修工事をやっていますので、多治見のセラミックパークMINOの展示ホールで開催します。
 審査員も一新して、文化勲章受章者もおられますし、人間国宝の方もおられますし、そういった第一線の方々にそれぞれのジャンルごとに選んでいただくということで、昨年より開催期間を延ばしてやっていこうということでございます。またこの期間中、それらの著名な審査員の方々の講評会とか、トークイベントとか、講演会とか、いろいろな行事も予定しておりますので、昨年以上に盛り上げていきたいということでございます。そのあたりの内容はお手元の資料のとおりでございます。
 4番目は、昨年は記録的な猛暑ということで、過去の経緯はともかく、やはり学校にエアコンを整備するということは待ったなしだということでございまして、今回、県立高等学校の全ての普通教室にエアコンが整ったということでございます。この後、理科教室とか音楽・美術などの芸術教室といった準普通教室についても今年、来年で整備していくということですし、小中学校は各市町村において整備が進んでおりまして、今年度中には同じように普通教室については、ほぼ100%整備が完了するという見通しです。
 私からは以上です。

記者

 前の議会でもふれていらっしゃったかと思いますが、豚コレラに関する早期出荷の件で、7月に、農林水産省のほうから要綱が示されるというようなお話でしたが、その後、進捗などはいかがでしょうか。

知事

 議会答弁から今日までで、早期出荷については具体的な動きは、今のところ、少なくとも県のほうにはきておりません。
議会でも答弁申し上げましたけれども、まず、農林水産省のほうで早期出荷のための要綱といいますか、実際の手続きとか手順を要綱としてまとめていただくということでありまして、ある程度私どもも、既にこれまで実務的な議論をしておりますが、その要綱を岐阜県としても改めて検討させていただきます。
 それからその要綱にもとづいて、早期出荷をしたい、早期出荷に応じるという農家がございますから、そちらのほうに、農林水産省と一緒に説明をして、ご理解をいただいて、十分納得いただいたところで動き出すということになろうかと思います。それから、条件付きで参加しても良いという農家もありますし、あるいは不参加と言っているところももちろんあるわけでありますが、そういった条件付き、ないしは不参加とおっしゃっておられているところにも、この要綱については、丁寧にご説明をして、そして情報提供しながら、どういうふうにお考えになるか、それぞれご判断いただくといった丁寧な手順をこれからやっていきたいと思っております。まずは要綱がでてきたところで動き出すということです。
私どもとしては、これまでもこの早期出荷、その後の豚舎のクリーニングを巡って、いろいろと気になる点、疑問点については投げかけてあります。それから農家の方々も、個別訪問した際に、いろいろとご意見も言っておられますので、そういう、これまで岐阜県のほうから出たいろいろな意見が、どういう形でこの要綱の中に書き込まれるかということを、よく見させていただきたいと思っております。
 ご質問とはちょっと外れますけれども、今日、東京のほうで、農林水産大臣が閣議後の記者会見で発表されたようでありますが、その後の動きとしては、これは私ども、かねてから要求しておりましたと畜場とか、肉の卸し関係といったところが、今回の一連の流れの中で、大変大きな影響を受けるので、そういったところに対する支援、例えば、と畜場の衛生管理水準を高めるためのいろいろなリフォームに対しても当然支援があって良いのではないかということを、私どもも申し上げましたし、と畜場や流通関係者の方々も、これをずっと強く要望しておられました。それをある程度お認めいただいて、今日、農林水産省としては支援の用意があるということで発表されたわけです。これはこれで一歩前進かと思っております。
 それから豚コレラについて言いますと、いくつか新たな局面がございまして、ひとつは隣県との連携を、ご案内のように三重県でも(野生いのししが)感染したわけでありますし、隣県との連携をさらに密にするということと、それから愛知県でも、もう一つ新たな地域が出てきましたので、そういう流れがひとつあります。
 それから卸しとか、と畜場の整備というものがあり、早期出荷については、要綱をベースに、今後どういうふうに進めていけるかという話があります。それから、いのししにワクチンをということで、データ的には少しずつ、抗原はないけれども抗体はできたといういのししが、今15%くらいまで上がってきておりますので、これがさらに進むように、これから、来週後半から第3回目と言いますか、第2期の1回目と言うのですけれども、さらに広範囲に渡って、ワクチンを散布しようということであります。これも単に岐阜県だけでなく、隣県も含めて、さらに大がかりにやろうという構えでございますので、これをきちっとやっていくということであります。
 それから、第1期で2回散布もし、ある程度データも採れたわけなので、このタイミングで、データを基に、非常に経験のあるドイツ側の有識者と、しっかりとした意見交換をするのも大事ではないかといったことで、来月、どこかのタイミングでミッションを出して、いのししに対するワクチン供与についての意見交換、情報交換といったこともしようと思っております。
 それから、先ほどリトアニアの話をしましたが、リトアニアもいのししが豚コレラウィルスを運ぶというケースがしばしばあって、「この分野は私ども慣れていますよ。」と、この前、リトアニアの農業大臣が、ニコニコしておっしゃっておられまして、「いろいろ経験をお伝えすることができますよ。」と言うものですから、せっかくドイツに行くなら、あわせてリトアニアにも寄って、いろいろと意見交換してきたらどうかと、そんなことも考えております。そういういくつかの方向で、一歩一歩、丁寧に動いていくということかと思っております。

記者

 参議院議員選挙が7月4日に公示される予定ですが、参議院議員選挙での知事のスタンスについて一言いただきたいのと、応援なども予定されていましたら、それについても伺えればと思います。

知事

 私は就任以来、衆議院であれ参議院であれ、国会議員の選挙については、県民党という立場でもありますので、特にどなたを応援するとか、選挙そのものに関わるということは、控えさせていただいておりまして、今回も同じスタンスで臨みたいと思っております。
 丁度、私が就任してすぐにありましたのが、小泉総理の郵政選挙でありまして、岐阜県は、いろいろなお立場の方がおられて、いろいろありました。その渦中の中で、どうするのかというご質問を受けた時に、就任してすぐでしたけれども、この状況の中で、どなたを応援するとか、どの党を応援するとか、どうするこうするというのは、とてもじゃないけどそういう状況ではないということで、私自身は、県民党ということで、関心を持って、フォローさせていただきたいということを申し上げました。これがひとつのスタートでありましたけれども、そこからそのまま、そのスタンスでずっときているということです。

記者

 先ほどおっしゃった、いのししのワクチンのミッションの関係ですが、もう少し詳しく、どのくらいの規模の方々を、どういったところに行っていただいて、こんな知見を得てきて欲しいというようなことを、もう少し詳しくお話しいただけないでしょうか。

知事

 そもそも、今私どもが使っているワクチンは、全てドイツから輸入しています。それから、第1回目のワクチンを散布するにあたっては、ドイツから専門家に来ていただいて、丁寧にご指導いただいて、それに沿ってやっていきているわけです。
 当初は、ドイツ産のワクチンを日本のいのししが食べるのだろうかとか、それからワクチンを散布する場所についても、ヨーロッパのような平坦なところと、日本のような急峻な山岳地帯といいますか、山あり谷ありの地形で、ワクチンというのは果たして間に合うのだろうかとか、いろいろな意見がありましたけれども、ご指導いただいてやった結果、2ラウンドやりましたけれども、だいたい7割のワクチンをいのししが食べてくれたという結果も出てきております。しかもその中で、先ほど申し上げたように、15%くらいが、期待する抗原はないけど抗体は持っているいのししが登場したということなものですから、これをドイツの皆さんは、まずは4割を目標にしていて、7割までいったら大成功だよというようなことを当時、おっしゃっておられました。具体的なデータをもって、既にそういうパイプはあるものですから、直接意見交換をしてこようということです。
 県のスタッフ、それから私ども有識者会議を時々やらせていただいておりますけれども、会議の先生方でご都合のつく方、且つこの分野に明るい方にご一緒していただいたらどうかとか、それから場合によっては、農林水産省とか近隣県の方とかもご一緒していただいても良いし、8月の中・下旬になるのではないかと思いますけれども、その辺りは、かなりフレキシブルに考えております。

記者

 九州の方で豪雨の被害が出ているようですけれども、7月豪雨からまもなく1年を迎える中で、この1年の検証を踏まえた豪雨対策についてご所感をお願いします。

知事

 去年の7月豪雨というのは、いろんな意味で岐阜県にとっては大変な試練でありまして、まず気象条件としてみますと、県内の3箇所で1000mmを超える雨量があったという大量の記録的な大雨が降りました。それから、県内で32地点にアメダスの観測地点がありますが、その半分の16地点で72時間雨量が観測史上第1位を記録するという空前の雨でございました。かつ県内42市町村のうち16の市町村で県内初の「大雨特別警報」が出たということで、局所的な豪雨が同時多発的に発生したというようなことでありまして、緊急情報をフォローしたり、長良川の水位について、報告を受けるなど、緊張する時間が長く続きました。
 そういう中で長良川をはじめ、大きな河川では、これまでの防災対策がある程度功を奏したのではないかということで、辛うじてではありますけれども氾濫を免れた箇所がいくつかあったわけであります。一方で、想定していなかった中小河川の一部で、思いがけない氾濫が発生して、死者1名、あるいは家屋の浸水など、被害も出たわけであります。去年、検証委員会を設けまして、丁寧にいろんな対策をその後も進めてきておりますけれども、ポイントは今申し上げたことで、中小河川における水害時の避難対策をどうするかとか、そもそも避難勧告は出したけれども人は動いていないということについてどう避難対策の実効性を高めていくかとか、皆様方もメディアの一員でおられるわけでありますが、メディアの方々の持っている情報で、特にローカルメディアのきめ細かな情報提供体制といったことについても、それぞれの市民、県民の方がローカルメディアを活用して自分たちの置かれた状況をアップデートして詳細に知るというような体制ができないだろうかとか。それから災害が終わった後の観光分野における風評被害対策の強化でありますとか。災害ボランティアの方々が大勢協力していただいたのですが、この受入れ体制が十分でないと、かえって混乱をするという場面もありましたので、円滑な災害ボランティアの受け入れ体制をどう作っていくかとか。それから、岩屋ダムのオペレーションで、ダム大賞というのをいただきましたけれども、異常洪水時にダムをどう操作して行くかということ、操作というのは、下流の市町村の避難体制、情報提供も含むわけでありますが、そういったことでソフト・ハードを含めて市町村と連携をして防災対策を進めていくということでやってきております。
 特に具体的な表れとしては、全ての県の管理河川で洪水浸水想定区域図と水害危険情報図といいまして、「こういうところは、こんなふうに危ないんだよ。」ということを積極的に公表して、かつ避難をしていただくかどうかの判断の参考水位も設定をしようということでやってきております。それから個々人が逃げるうえで必要な災害・避難カードというものをモデル的に作成し、普及していくというような作業もやりました。それから、全市町村で市町村の中を流れる中小河川がどうなったらどうするのかという、タイムラインといっておりますけれども、そういったことについても、全市町村で確立をしていただいているということで、昨年来の反省に立って、いろんなことを一年間やってきております。とにかく、先般も山形県沖の震度6の地震もございましたし、想定外のいろんなことが起こりますので、これから、十分、更に、対策に目配りをしていきたいと思っております。

記者

 豚コレラの関係で、いのししへのワクチンの第2期の散布で隣県も含めて一緒に実施をしたいというお話でしたが、具体的にどこの県と、どういう話の段階まで来ているのか、教えてください。

知事

 三重県とはほぼ日常的にコンタクトを取っておりますし、今日の農林水産省の発表でも、最初から経口ワクチンの散布は、隣県も含めた広域的なものとしてやっていくということを国も決めておられましたので、どこにどう撒いていくかという議論の段階で、広域的な目線でやっていくということになりますので、端的には三重県があります。
 今、岐阜県の西の方の感染いのししの発見個所の半径10キロ以内には滋賀県も入っておりますし、東のほうでは長野県も入っております。そういう意味では連携をすでにやっておりますので、さてどこまで撒くかというあたりで、半径10キロの円というのをどう評価するか、これまでやってきたことの結果も踏まえながら、ご相談していくことになると思います。今日の農林水産省の発表をみてみましたら、愛知県はもちろんでありますが、富山県とか静岡県とか、かなり広く視野に入れながら考えていかなければいけないということをおっしゃっておられましたので、国とよく相談したいと思います。

記者

 今日発表頂いた空調設備整備の完了のことですが、かなり早急にやっていただけたと思いますが、改めてその意義をお答えいただけますか。

知事

 これまで空調設備は、必須ではないということで来ているわけです。例えば私どもが高等学校の頃は全くありませんでしたし、空調を入れるとすると、PTAのご支援をいただいてその費用でやっていくということもありました。あるいは私立の方で積極的におやりになるところもあって、結構バラバラになっていたわけです。
 そういう形で進んでいくと、今度は後になった方が、こういった支援を得てやっていくと、先にやったところはみんなで苦労してお金を集めてやったということで、これは不公平ではないかというようないろんな議論がありました。
しかし、去年の記録的な猛暑によって、学校やいろんな施設でもいろんなことがありましたので、尋常ならざる暑さのなかでそういう議論はさておいて、とにかくエアコンも必要なものなんだということで割り切ってやっていこうということであります。それからさっき申し上げたような議論がありますので、既にやったところで債務が残っているところは、そこはカバーしてあげるとか、維持管理費もこれからは公費で出しますよとか、いろいろそういうバランスもとりながら踏み切ったということであります。
 想定外の異常気象の時代に、できるだけ急いでこの夏には間に合うようにやらせていただいたということで、親御さんも含めて学校関係者には素直に受け止めていただいたのではないかと思います。

記者

 リニア中央新幹線に関して、JR東海と静岡県が大井川の水量を巡って対立しています。愛知県知事は国が調整をすべきだとし、三重県知事においては静岡県側が誠実に対応すべきだということを話しています。静岡県が建設の促進期成同盟会への参加を要望しているということに対して、三重県知事は賛同できないというようなことも一部ではおっしゃっておられるようですけれども、知事としての受け止め方をお尋ねしたいと思います。

知事

 これは、日本で誰もやったこともない新しい画期的な新幹線工事になるわけですから、当初から環境アセスメントも含めていろんな課題を乗り越えてやっていくのだろうということで、皆さん覚悟のうえで取り組んでいるわけです。
 例えば岐阜県でいえば先般、山口工区で落盤事故が起こりました。それで今週金曜日に、環境影響評価審査会地盤委員会を設けて、そこで事故の原因を徹底的に究明して、対策をやっていくということでやりますけれども、こういうようなことが、これからいろんなプロセスの中で有り得る中で、一つひとつきちんと答えをだしていくということが大事になってきます。
先般東京でありました総決起大会でも、私自身はリニア中央新幹線というのは、まさにスピードが売り物ですから、スピードが売り物の新幹線であるがゆえに、スピード感を持って取り組んでいくことが大事ですし、同時に、沿線地域が一丸となって取り組んでいくこと、スピードと一丸となった取組みと、この二つが必要でないかと申し上げました。そういう思いで岐阜県の中のJR東海とのいろんな関係の問題とか、地域のいろんな声をどのようにお伝えするかとか、いろんな議論をすでにやってきておりますが、そういう精神で臨んでいるということです。
 今おっしゃられたような特定の工区については、岐阜県内の工区ではありませんので、云々かんぬん言うのは適当でないと思っておりますが、今、静岡県とJR東海さんが協議を重ねて来ておられるわけですから、その状況を見守りたいと思います。今申し上げましたように、取組み姿勢としては、スピード感と一丸となった取組み、この二つを大事にして協議、ないし調整が進むことを期待したいと思っております。

司会

 他にはよろしいでしょうか。それでは、以上で知事定例記者会見を終わらせていただきます。

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