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知事記者会見(平成31年4月24日)

平成31年4月24日(水曜日)14時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。

知事

 最初に海外出張の件ですが、「ロシア・イギリス・ハンガリーにおける交流の展開」という資料をお配りしておりますけれども、全国知事会として、日ロ知事会議をモスクワで開催することになりまして、私どもとしては、航空宇宙博物館をめぐる協力ということがあるものですから、これをひとつの入り口として、ロシアとの交流について意見交換をするのも良い機会ではないかということで、参加させていただくことにいたしました。
また、これに合せて「モスクワ市立宇宙飛行士記念博物館」及びサンクトペテルブルクにある「国立宇宙とロケットの博物館」を「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」の松井館長、各務原市長と一緒に訪問し、意見交換をし、協力関係を構築して行きたいと考えています。
 まだこれは決まっていませんが、ガガーリンのお嬢さんとか、「私はカモメ」というメッセージを残したテレシコワさんが国会議員になっておられるので、そういった方々にお会いしてはどうかという提案もありまして、機会があればよろしくということで、現地の方には頼んでおりますが、まだ日程は決まっておりません。
その後のイギリスは、2年ぐらいかけて準備をしてきたのですが、ロンドンのど真ん中にあります、老舗のインテリア百貨店の「Heal’s(ヒールズ)」がありますが、そこで、4月30日から5月20日までの3週間にわたって岐阜県産品フェアをやろうということで、木工、美濃和紙、陶磁器、刃物の4分野の138製品を展示・販売しようということでやっておりまして、これにも激励かたがた、のぞこうかということでございます。
 最後にハンガリーは、かつて、若干行き来はあったのですが、陶磁器産業、ヨーロッパ有数の温泉大国であるということもありまして、陶磁器に関しましては、2020年の国際陶磁器フェスティバルに「ヘレンド焼」のコーナーを設置して、参加して頂いてはどうだろうという強い要望もありまして、その辺りの話をしてこようということで、土岐市長さんも一緒に行かれます。
 それから、下呂温泉観光協会とブダペスト温泉公社が、提携協力をするということで、合意書の調印式をやっていただくなかで、温泉観光の協力ということで、連携を深めていこうというアイディアがございます。
また、岐阜県ハンガリー友好協会と岐阜県教育文化財団が「ぎふ・リスト音楽院マスターコース」というものを開設して「リスト音楽院」に日本から留学生を送り込んでいるわけでありますが、このプロジェクトもかれこれ、25年やってきたわけでありまして、リスト音楽院の学長さんと更なる連携について意見交換をしてこようということであります。
今年は日本・ハンガリー外交関係150周年ということで、ハンガリー政府からも是非、岐阜県との交流をということで、積極的なおすすめがあったという経緯がございます。
 そんなことで、行ってこようかということでございます。

 それから、2番目が、「GIFTSPREMIUM(ギフツプレミアム)」、これは名古屋の栄のわりと繁華街のエリアに、もともと「g.i.Foods(ジ・フーズ)」という食と農のアンテナショップを岐阜県として持っていたわけでございますが、これを思い切って、リニューアルしまして、中日ビルにありました「飛騨美濃・観光名古屋センター」と、「清流の国ぎふ移住・交流センター」をこちらに移設をして、アンテナショップの機能と観光案内と移住相談と、この3つの機能を集約して、相乗効果を期待しようではないかということです。いわば、中部圏といいますか、愛知県の都市圏における発信拠点にしていきたいということでオープンいたします。27日土曜日には、さまざまなイベントも行われる予定です。

 それから3番目が、「高校生花いけバトルぎふ清流大会」ということで、これは平成29年から、香川県が夏の「全国高校生花いけバトル」というものをスタートさせまして、昨年は岐阜県のチームが優勝したわけでありますが、これに対して、甲子園ではありませんけれども、春の全国選抜大会ということで、岐阜県で新たに開催しようということで関係者と意見がまとまりまして、そのプレ大会を、この5月18日に花フェスタ記念公園で、開催しようということでございます。
 本格的な大会は来年の春になりますが、その前哨戦としてアピールをしていこうということで、全国11校11チームに参加していただくということでございます。
 2人1組がステージ上で一定の短時間の間に、即興で花をいけて、花の美しさや所作を競うという試みでございます。ちょうど、花フェスタ記念公園での「春のバラ祭り」の真っ最中でございますので、ひとつの賑わいのポイントになるのではないかと思います。

 それから、最後に、関ケ原の今年の春のイベントでありますが、ここのところ、春と秋に7人の武将を代表させて、順番に武将シリーズということで、いろんな企画をしてまいりましたが、一巡をしたところでありますので、今度は、戦いのワンシーンをテーマにしてこれから順次やっていこうかということでございます。
 その最初に、5月の25・26日に春の武将イベントとして「小早川秀秋の決断」ということで、寸劇でこの小早川秀秋の心の葛藤と戦いをご披露するということを中心に、戦国の甲冑ショーでありますとか、写真コンテストでありますとか、それから「おんな城主直虎」に出演された女優さんも来られて、歴女のトークショーを開催します。
それから、去年は「麺」をテーマに全国のB級グルメのグランプリを獲ったところが参加していただいて、大変賑わいましたが、今回は、「肉」もテーマにしまして、ラーメン、うどん、焼きそばに加えて、銘柄牛、地鶏の味の対決を、東西対決ということで投票も行いながら、皆さんに楽しんでいただこうということでございます。
 また、カレーハウスCoCo壱番屋さんもご協力いただいて、例えば、東日本のカレーの具材は「豚肉」で、西日本は「牛肉」だということで、ロースカツカレーとビーフカツカレーの競演とかですね、いろいろと東西対決を演出しようということでございます。
 恒例になりました人間将棋ですが、初回は「名人」が、前回は「棋王」がおいでになりましたが、今回は、「竜王」がおいでになりまして、広瀬竜王と久保九段ということで、まさに、将棋界のトップクラスのお二人がおいでになるということで、大変楽しく興味深いイベントでございます。このような関ケ原のイベントを予定しております。

 それから、資料はお配りしておりませんが、昨日、農林水産省の小里副大臣にお目にかかりまして、この豚コレラの問題について、この先どういう対応をしていくかということで、農林水産省としてのお考えをうかがってまいりました。昨日の時点では、農林水産省のお考えの概要をお聞きしたところでありまして、今日実は、この後間もなくですが、農林水産省から担当局長さんが来られまして、河合副知事をはじめ、農政部長等々がもう少し具体的なディテールについて、農林水産省のお考えを聞き、また意見交換をするということにしております。これが、どのくらいかかるかわかりませんが、終わったところで適当なタイミングで、河合副知事のほうからブリーフィングをさせていただきますので、そのディテールについてのご質問については、その時にお願いしたいと思います。
 先方の昨日の話は、岐阜県では38養豚場があったわけですが、そのうちの11の養豚場がいわば、感染をして殺処分、埋設処分をしたということで、施設としても豚の数としてもざっと3分の1を失っているという状況であります。豚コレラの陽性のいのししの警戒地域ということで、皆さんには、これまで円を描いてお示ししておりますが、あの円の中にある養豚場でいきますと、ほぼ半分失っているわけです。ということで、とりわけ、この2ケ月、5ケ所・約2万頭処分しているわけでありますが、じわじわと感染が広がってきているという中で、どういう対処をしていったらよいかということ。
 他方で、この問題は、前から申し上げておりますように、豚舎を豚コレラウィルスからどう守っていくかということと、野生のいのしし対策をどうするかということの両にらみで来ているわけでございます。野生のいのししについては、幸い75%のワクチンをいのししが食べてくれていますので、第1ラウンドでは、一応まずまずの成果で食べてもらったと。これから第2ラウンドを始めて、年間通じて6回やりながらフォローアップといいますか、いのししを捕獲して検査をして、どの程度抗体ができているか、エライザ検査をやっていこうということになっておりまして、これがある程度進んで、野生いのししについて、成果があったといえるかどうかということになるわけであります。
 一方、豚舎の問題は、じわじわと進んできている、進行してきていると。それから愛知県でも、同様にこのところ立て続けに起きておりますし、そういう中で、農林水産省のお考えとしては、早期出荷といいましょうか、警戒地域の円の中にある豚舎について、岐阜県の場合は残り27のうちの17の豚舎がその対象になりますが、3万2千頭ぐらいでしょうか、この警戒地域といいますか、周辺で陽性の野生のいのししが、随分捕獲されている警戒地域でありますが、そこに17の豚舎があります。その外にあと10の豚舎があるわけでありますけれども、この17の豚舎について、早期に出荷をして、売れるものは売っていくと。どうしても売れないものについては、やむを得ず処分をして、一回豚舎を閉めると。閉めたうえで、いろいろと各豚舎ごとに様々な衛生管理基準という観点から、改善提案が出されているわけなので、つい先ごろ完成したところも、出入口がワンウェイになっていなかったということで、ご指摘を受けているわけなので、例えば、そういうところは、一旦閉めたうえで、きちっと出入口を設置するとか、柵だとか、網だとか、いろんなものを、一つひとつ17の豚舎について点検をして、そして、施設として欠けているところ、問題のあるところについて、ハードもソフトも含めて全面的にリニューアルすると。そのリニューアルの費用は出しますということで、もちろん県も若干の費用負担はあろうかと思いますけれども、そういう衛生管理基準を更に強化しつつ、再開を待つということにできないかと。その再開までの間のいろんなコストとかいろんな経費についての補償も考えますということでした。このまま、ずるずると処分が進むような状態ではなく、一旦閉めたうえで、リニューアルをして再開を待つという、そのために最大限の支援をするということでどうだろうかという話でした。
 これはあくまで行政指導ベースの話でございますので、当該農家の同意がなければ、できないわけでありまして、同意を得るように国としても努力をするので、県もひとつ協力してもらいたいということでございました。農林水産省の手立てとしてはその先に、かつて口蹄疫でありましたように、法律に基づいて、予防的殺処分というのがあるのですが、これは今、法律は豚コレラについてはありませんので、今すぐどうこうするということではないのですが、事柄の順番として、1番目が衛生管理基準。2番目がいのししのワクチン対策。3番目が今の早期出荷対策。4番目が予防的殺処分。そしてワクチンというのが最後の手段ということで考えているというお話でありました。できるだけ早く合意をして、物事を進めていきたいということでございました。
 私の方からは、岐阜県側の要望としては、すでにいろいろとお出しをしておりますが、議会も養豚業界も市町村もまずは、何とかワクチンを早期に使っていただけないかと。これが、私どものまず一番の要望でありますということをお話ししたわけであります。
 これについては、農林水産省の今申し上げましたような手立てを尽くしていく順番からすると、ワクチンは最後の最後の手段としてはあるけれども、現時点では、その前にやれること、やるべきことがあるのでないかということで、現時点で、岐阜県でワクチンを使うということは農林水産省としては考えられないということで、この点についてはかなり強いご意見でありました。
 それからもう一つは、私も確認したのですが、これはあくまで行政指導ですから、今の早期出荷とかも、同意に基づくことですねと。まさに同意を得てやることですから、ぜひご理解をお願いしたいということです。
 できるだけ早くということではありましたし、できれば連休前にはということでしたが、これは一軒一軒の農家、豚舎にとって重大な話です。そう簡単に物事が進むとはなかなか考えづらいのではないかということで、特に支援策のディテールをもう少しうかがいたいし、またワクチンが使えない理由、あるいは使った場合どうなるかということについても、もう少し詳しくうかがいたいということで、今日局長さんが来られますので、今日議論させていただいて、農林水産省側のお考えを十二分にうかがったうえで、また関係者とご相談をしていきたいと思っています。私からは以上です。

司会

 それでは、ご質問をお願いします。

記者

 早期出荷なり、予防的殺処分について、どう考えていらっしゃるのかということ、生産者からは昨日の段階で反発の声が上がっていて、ワクチン接種すれば良いという声が相次いでいますが、それについてはどう考えておられますか。

知事

 今申し上げましたように、我々の要望としては、第一はワクチンですということは、何度も、昨日も申し上げたわけですが、それについては国としては、かなり固いというのが印象であります。
 その理由もいくつか述べておられましたが、既に伝わっているとおりですが、そういう中で、どういう手があるかということでもあります。あくまでもワクチンを要望し続けるのか、それともそこに壁があるとすると、どういう対応策があり得るのかということで、もう少し向こう側(農林水産省)も詳しく説明をしたいということですから、詳しい説明を聞いて、少なくとも農家の皆さんと、当事者はまさに農家の皆さんですから、農家の皆さんと情報を共有して、お考えをまず率直にうかがいたいというのが私の気持ちです。

記者

 統一地方選が終わりました。今回は、投票率が低調に終わって、さらに現職の方が新人の方に負けるケースも目立ちました。知事は全体を見て、どう感じられたでしょうか。

知事

 あまり一般化するわけにはいきませんが、総じて投票率がどんどん落ちていったと。それから無投票当選というケースがかなりあったということで、例えば県議会で言うと46人中22人が無投票ということで、選挙において選択肢が狭められて、限られているということについてどう考えたら良いのかということもありますし、だからこそ全体として投票率が低い背景になっているのかもしれません。
 そういうことと、他方、世代交代とか、地域によりますが、女性の進出とか若い方の進出とか、じわじわとそういう流れは来ているのではないかという感じがしたのと、それから県議会議員選挙でいうと46人中22人が無投票で、24人が選挙になりましたね。それでこの24人のうちの7人が入れ替わったということで、24分の7というのはやはり相当、選挙としては厳しいものがあったのではないかと。有権者の厳しい判断がそこに、にじみ出ているのかなという気もします。そういう意味で、いろいろと停滞感がいわれているわけですし、どのように選挙なり政治を活性化していくかとか、あるいは政策本位で競うような選挙にしていくかとか、選択肢を増やすとか、いろいろありますが、そういうことに加えて、じわじわと厳しさもあり、じわりとした変化もありと、そんな印象を受けていますね。

記者

 岐阜にもゆかりある高橋尚子さんの師匠、小出義雄さんがお亡くなりになったことについて一言お願いします。

知事

 私は一度だけ、少し言葉を交わしたことがあるだけなものですから、あとはメディアを通じてしか存じませんが、やはり日本の生んだ名伯楽といいますか、特に日本の女子マラソン、女子長距離界を世界トップレベルに引き上げるうえで大変、お力のあったというか、素晴らしい監督であったのではないかと思います。特に高橋尚子さんとのコンビですね。お二人の練習も含めた一挙手一投足が、我々に大変感動を与えていただいたことについては、心から感謝を申し上げ、またご冥福をお祈りしたいという気持ちであります。
 あたかも今度の週末は、高橋尚子マラソンで、第9回でQちゃんのQ回ということで、記念大会ということで、高橋さん自身も張り切っておられたわけであります。そういう中での残念な訃報でありましたが、ぜひ小出さんの想いを継いでといいますか、高橋尚子さんがさらに、この高橋尚子マラソンその他いろいろなところで活躍して、日本のマラソン界をリードしていただけるとありがたいという思いです。

記者

 昨日知事は、農林水産副大臣とお会いになったということですが、そこで初めて今回の予防的殺処分等についてのお話を聞かれたということですか。

知事

 そうですね。

記者

 これは、農林水産大臣の発言の後になるのですか。大臣の閣議後会見の後で記者発表されたと思いますが。

知事

 そうです。これは単なるスケジュールだけの都合ですが、私は「火曜日(4月23日)ならいつでもいいですよ。」という話をしておいたのですが、お目にかかったのが11時ですかね。大臣の閣議後会見は確か10時頃ですから、そういう意味でいうと、10時の閣議後の会見の後、直ちにメモは見ました。ですから、こういうことかなという予測をしながら参りました。

記者

 なんとなく、これまでのワクチン接種の経緯なども、県との協議や合意が必要と言いながら、大臣の発言が先行する流れが多いように思うのですが、その点はどのようにお感じでしょうか。

知事

 もともとこの話は、月曜日(4月22日)にもあり得たのですが、お互い都合がつかなくて火曜日(4月23日)になっただけなので、今回は単なるタイムラグで、あまり私は気にしていません。
また大臣もここへ来ると一挙手一投足、ほぼ毎回のように閣議が終わると、次の手はということで、いろいろと問われるということもありますから、そんな背景もあるのではないかと思います。

記者  野生いのししの殺処分がだいたい2万頭ほどという話がありましたが、昨年の発生時には、推計値ですが県内2万数千頭ほどという話もありまして、数字だけ見ると近いと思いますが、知事としては、着々と進んでいるのか、それともまだまだ獲りきれていないのか、どういったご印象でしょうか。
知事

 野山に住んでいる野生のいのししが厳密に何頭くらいいて、その数がどう推移しているのかというのはなかなか現実問題として把握が難しいのですが、せっせとポイントを定めながら、あとはじわじわと枠を広げながら罠をかけて捕獲してきているわけですね。
 猟友会の方などからは、去年の暮れくらいから急速にいのししの姿が見えなくなってきたというか、減ってきているという印象を得ているという話は、しばしばうかがいますね。ただ、いのししは多産ですので、そういうことを考えると、捕獲して殺処分するペースと、それから出産のペースと、結構なかなか容易ならざるものがあるという感じも持っております。

記者

 まだまだ、今後も引き続きやっていく必要があるとお考えですか。

知事

 そうですね、まずはワクチンを、正確には2万4,000個、第1ラウンドは撒いているわけですね。600か所、2万4,000個撒いて、そのうちの74%が間違いなくいのししが食べたということですから、そういうところまでワクチンは行き渡ったということです。今第2ラウンドを計画していますが、さらに増やそうということで、880か所、2万6,400個ということで、さらに広げてワクチンを接種してもらって、何とか抗体を持ってもらいたいということでやっております。

記者  早期出荷の関連ですが、先ほど27残っている養豚場のうち、17の施設とおっしゃいましたが、これは美濃地方のほとんどの農場が対象になるということなのでしょうか。
知事

 西濃の西の端にあるいくつかの農場とか、海津とか、そのあたりは外れますね。それから東は中津川は外れますね。それから北は高山にある養豚場は外れます。もう今、美濃地方も真ん中あたりは、(陽性の野生いのししの生息域としての地図が)真っ黒に塗りつぶされているものですから。

記者

 もし早期出荷等をやるとなると、出荷される豚が一時的にかなりの頭数いなくなります。それに伴う風評被害なり影響というのは、現段階でどんなことが予測されるとお考えでしょうか。

知事

 例えば既に、約4万頭殺処分しているわけですから、既に4万頭いなくなっているわけですね。その結果何が起こっているかというと、マーケットではどちらかというと豚の価格が高騰していると聞いていますので、需給的に言うと、特に風評被害というよりは、そっちの方に現れておりますし、我々も人体に影響はないということは何度も何度もアピールしておりますので、そこはしっかりと続けていきたいと思っております。
 むしろ、豚へのワクチンの議論をするときに、逆にワクチンを与えた方が風評被害の恐れがあるのではないかということの方が懸念されるというところはあります。

記者

 関連して、豚へのワクチンの議論を始めたときに、殺処分が行われ、経営が再開できない農家がいくつもあると。そういった農家が、ワクチンを導入すると安心して再開できるという話もありましたが、今回、国が出した方針では、野生いのししがいる間は、そのエリアでは養豚は始められないことになりかねない、数年に渡る長期戦になるかもしれません。経営ができない方に対して、どのような支援が考えられるのでしょうか。

知事

 まさにそこを今日、しっかりと聞かせて頂こうということです。この先、どのくらいのタイムスパンで考えるのか。逆にワクチンの場合も、いのししの問題が片が付くまではワクチンを打ち続けるということになります。何年も何年も打ち続けるワクチンというコンセプトは、なかなか農林水産省としてはとりにくいということもあります。
 1回(ワクチンを)打って終わりということではありませんので、この問題は常に、養豚場の問題と、いのししと、両方合わせて出口が見えてくるということですから、どういう支援をして頂けるのか、その支援策が、農家の皆さんが納得できるものであるかどうかが大事なポイントだと思います。
 そこのところをよく聞いたうえで、その情報を農家の皆さんとシェアして、どう判断するかということもあわせて、ご相談したいと思っております。

記者  国のトップ(農林水産大臣)が発言されて、方針を出している中で、防疫は県の仕事です。県としてその方針に、例えば養豚農家への対策が不十分だということで、国の方針を知事として拒否することはあり得るのでしょうか。
知事

 県が云々というよりも、これはまさに行政指導で、農家の同意に則ってやっていくものですから、同意がなければできないわけです。そこの問題だと思います。
 農林水産省も、これから更に豚舎を閉じて殺処分するという流れをそのままずるずると進めるか。もちろん農林水産省の場合はワクチンを使わないという前提ですが、リフォームを含めて、リフォームするということは再開を期待しているということですけれども、そういうことも含めて、これだけの支援ができるから、理解をして下さいと、そこが理解できるかどうか、そこは、まずは農家の皆さんのお考えということではないでしょうか。

記者  先ほどの知事の発言で、農林水産副大臣との面談の中で、岐阜県側の要望として豚へのワクチンを早期に使ってもらいたいということが1番の要望であるとお話をされたとのことでした。現状、豚へのワクチンに関しては、有識者会議の中で、メリット・デメリットも含めて議論している状況ではないかと思いますが、これは、業界団体から要望があるという話をしたのか、それとも県として豚へのワクチンが必要と農林水産省に伝えたのか、どちらでしょうか。
知事

 有識者会議でいろいろな意見はありますけれども、いろいろな意見があるから何も言ってはいけないということではないので、現時点で、特にこの3月、4月ですね、次々と豚舎を閉じて殺処分している中で、残された一つの手段として、要望もあり、それ(豚へのワクチン)を考えてみてはどうかということを申し上げたということです。

記者  天皇陛下の御退位まで1週間を切りましたが、改めて、御退位に関する知事の思いをお願いします。
知事

 私が岐阜県知事という仕事をやらせていただいて以来、いわゆる行幸啓の三大行事、国民体育大会、全国豊かな海づくり大会、全国植樹祭の全てにおいでいただいたということで、平成の御代(みよ)だけで、1つの県に3つともということは、そう多くはありません。
 加えて、国体の時に、最後に「大垣市奥の細道結びの地記念館」への1時間の御訪問ができなかったということで、日を改めて、全く同じ時間帯に同じスケジュールで、わざわざ岐阜にお越しいただいて、その結びの地記念館を御覧いただいて、昼食をとってお帰りになられました。やり残したことと仰って笑っておられましたけれども。
そういう大変な御気遣いに、非常に私どもは感激しておりますし、おいでになる機会ごとに、大変気さくに県民の皆さんにも御声を掛けて頂いておりまして、そういう両陛下の御心遣いや笑顔に、私自身も含めて、ありがたく感銘を受けているところです。
 また、そういう機会が、岐阜県の魅力を改めて再認識して、発信する良い機会になったのではないかと思います。私自身も、岐阜とは何ぞやということを模索していく中で、「清流の国」というコンセプトにたどり着いたのも、全国植樹祭、全国豊かな海づくり大会、ぎふ清流国体と、この3つの流れの中で、岐阜県は「清流の国」と考えたらどうだろうということで、今はかなり皆さんにご理解いただいているのではないかと思いますが、そういう貴重な機会を頂いたことにも、感謝を申し上げたいと思っております。

記者

 5月1日の改元に合わせて、新しい時代への期待の言葉もいただければ。

知事

 英語で30年はワンジェネレーションと言うわけですけれども、平成のほぼ30年の時代が終わって、まさに新しい時代が来るということです。
 私が非常に印象的だったのは、先般の在位30周年記念の大会が東京の国立劇場でございましたけれども、その時の陛下の御言葉に、平成になってすぐに妃殿下が御読みになった詩を紹介されました。平成の新しい時代ということではあったけれども、当時は国全体が、むしろ悲しみ、喪に服していたという空気の中で、次の時代を明るくというようなことは、なかなか言い難い雰囲気があったということが、御挨拶の中でありました。前回、私は日本におりませんでしたので新聞などでしか知り得ませんでしたが、どうしても国民あげて喪に服するというトーン一色でした。
 今回は、国民あげて新しい御代を歓迎するということですから、まさに令和という時代は、そういう意味では、最初から皆に祝福され、歓迎されてスタートするということですから、昭和、平成を通じて、日本の歩みの中で、いろいろな課題が内外にありますので、そういった新しい問題について、新しい目で見つめ直す、そういう祝福されてスタートする良い時代になることを期待しております。

司会

 他にはよろしいでしょうか。それでは、以上で知事定例記者会見を終わらせていただきます。

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