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知事記者会見(平成31年3月22日)

記事ID:0020102 2019年3月28日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成31年3月22日(金曜日)15時

司会

 それでは、知事記者会見を始めさせていただきます。
 知事、よろしくお願いいたします。

知事

 まず人事異動についてご報告したいと思います。お手元に資料がございますが、この4月1日の人事です。資料に書いてありますように、解禁設定がありますのでよろしくお願いしたいと思います。
 人事異動の方は、基本的には適材適所ということで慎重にやってきておりますが、できる限り政策の方向性に沿って人を配置していくということで、特に来年度の予算、政策とある程度平仄を合わせて、人づくり、健やかで安らかな地域づくり、魅力と活力づくりですか、この3つの方向で、新しい部署もできますし、そういうところに合わせて人事異動をやりましたということと、それから、極端な形ではないですが、県庁外との、国とか省庁とか、あるいはその関係機関とか、外部との人事交流も積極的に行うという方向でありますし、それから女性の活躍推進ということで女性職員の積極的な登用ということにも配慮してきております。
 お手元の資料にありますように、今回の人事異動者が2,062人で、全職員の43.1%ということで、例年と同じ程度かやや多いかという感じですが、そのうち部長級が7人、次長級が37人、これは昨年に比べると少ない異動になっています。一方課長級は新しいポストもできましたので、異動が去年より少し増えているということであります。
 主な人事について申し上げると、まず部長級の異動は小規模でして、本庁の知事部局の部長級は14ポストありますが、そのうち5つのポストを新任、9のポストを留任ということで、近年では比較的異動が少ないということになっております。
 それから、部長級で特に出向しておいでになる方としては、国土交通省から、新たに湯澤将憲さんですか、都市公園整備局長、前任者も国土交通省に戻られるわけですが、都市公園について非常に経験豊富ということですので、そういった分野をやっていただこうと思っています。
 それから次長級ですが、トピック的に申し上げると、総務部次長の情報化推進担当、この情報化というのは県庁の情報化ですね、富士通から阿部修二さん、特定任期付き職員という格好で次長級で採用したということです。
 それから農政部の次長には農水省から小宮英稔さん。この方はスマート農業をやっていただこうと思っているんですが、本省でもそういう分野で中心的な仕事をやっておられたということなので適任なのではないかと思っています。併せて東京オリンピック・パラリンピックに向けての農産物販売対策総括監ということで、まさにそういう時期でありますのでそちらの方もやっていただこうということです。
 それから、新設ポストについて、お手元の3ページですか、それぞれ適材適所で人を配置しております。
 それから、人事交流・登用という意味では、国の省庁からの課長級以上の人事交流は31年度も10人ということで、ここ4年間横ばいで10人で推移しているということです。
 それから、県庁から国への派遣ということについては、派遣先を新たに3カ所追加して、内閣官房の内閣広報室、これは内閣全体の広報予算を持っているところなんですね。それから、まち・ひと・しごと創生本部の事務局、まあこれはまさに地方創生の本丸ですね。それから総務省の自治財政局財務調査課ということで、いずれも若手職員を1名ずつ出すということであります。派遣先の省庁は10省庁ということで変わりませんが、全体では2名増ということで、20代、30代を中心に女性4人を含む18人を国の各省庁に派遣するということです。
 それから女性職員の積極的な登用という意味では、来年度は女性管理職の登用率が17.3%になります。5年前の平成26年度の異動と比較すると、この時には女性管理職の登用率が8.6%でしたので、ほぼ倍、登用率としては倍になったと。それから絶対数としても、平成26年春の異動で結果として女性管理職は58人だったものが、この4月に131人になるということで、これも倍以上ということです。目標として20%を掲げていますので、あと少しでそれに届くということです。
 先般内閣の方で出てきた数字で、岐阜県は女性管理職登用率が13.5%で全国第3位という数字が出ていましたが、ここには教育委員会事務局の教員とか警察官の管理職が含まれていて、この分が非常に少ないものですから、知事部局と教育委員会の事務職、技術職の管理職の登用率でいくと、さらに全国的にもう少しいいところに行くかもしれません。そちらの数字では13.5%になっていますが、知事部局と教育委員会の事務職、技術職としては今度17.3%まで行くということです。
 それから主な管理職ということで、部長級の女性が卒業しまして、その後に子ども・女性局の副局長ということで、次長級で上がってきますが、この子ども・女性局副局長を含めてもう一人、生え抜きの医師ということで健康福祉部の次長が上がってきます。それから岐阜の保健所長、それから人事委員会事務局長ということで、これに危機管理の次長を合わせまして、次長級ポストに5人ということになります。
 それから、新設の課長級のポストも外国人活躍・共生社会推進課の多文化共生推進監でありますとか、それから冬季国体推進監とかいったところに女性の管理職を配置しています。
 それから将来の管理職候補ということでの課長補佐、係長というクラスになりますと、女性の比率が22.8%になるということで、まあ課長補佐、係長というのは管理職予備軍ですから、このクラスがまた上がってくると管理職における女性の登用率も上がってくるということになるだろうと思っています。この課長補佐、係長というレベルでも5年前と比較すると、登用率で言えば14.2%から22.8%まで上がったと。絶対数でいくと、166人が266人になったと。とりわけ事務系の女性の課長補佐、係長が、平成26年の92人から182人と、これもほぼ倍増ということで、積極的に女性の登用を図っているということです。これについては25%という目標を掲げていますので、間もなく手が届くということになると思います。
 それから女性にお願いする仕事としても、積極的に政策企画部門とか、あるいは主要重点施策部門にも起用していくということで、例えば、全国知事会とか他県知事との政策懇談会というようなことを組み立てていく清流の国づくり政策課の政策連携係長でありますとか、多文化共生係長でありますとか、福祉人材係長とか、こういった重要なところにも女性を配置しているということです。それから国への派遣では女性4名ということで、総務省1名、外務省2名、中小企業庁1名ということです。それから団体派遣ということでは、国際観光振興機構のロサンゼルス事務所に1名、それから自治体国際化協会の東京が1名、ロンドン事務所が1名。それから東京海上日動火災保険株式会社に1名、これは一種の企業研修のようなものですが。ということで合計4人が団体派遣ということになっております。
 それから、4月1日の新規採用ということで見ますと、176人新規採用しますが、そのうち女性が72名ということで、40.9%、4割を超えるということで、3年連続で4割を超えるというところに来ています。
 いずれにしましても組織は煎じ詰めれば人ということでありますので、その組織を構成するそれぞれの人が、高いモチベーションをもって、やりがいを感じて、誇りをもって自分の仕事に取り組んでもらうということが大事ですので、今回の配置がそういったことで県庁の政策の展開を、さらにパワーアップしていければいいなと思っています。人事の方はざっとそんなようなことでございます。

 それから、もうひとつお届けしているのが円空大賞の件です。この円空大賞もいよいよ10回目になるわけですが、1回目が1999年、平成11年度からやってきていますが、ずっと選考委員長ということでご尽力いただいていた梅原猛先生がこの1月に亡くなられたものですから、大変残念ですが、自分は生きている限りこの円空大賞をやるんだと、なんとしても円空の精神を現代にきちっと継いでいくというか、円空の顕彰ということに非常に頑張っていただいていたものですから、改めて哀悼の意を表する次第です。
 この円空賞として、今回は非常に興味深い選択がされておりまして、対象はフランスのパリの非営利団体のタラ財団というところでして、これは海洋科学探査船のタラ号で、気候変動と環境破壊が海洋にもたらす影響を研究している、そういう研究団体です。世界的にはこの分野で大変有名な団体なのですが、これまでに世界40か国、35万キロメートルを航海して、南極、太平洋、地中海等々ですね、航行しまして、具体的に、温暖化の状況とか、プランクトン、珊瑚、あるいはマイクロプラスチックの廃棄といったことをテーマとして様々な探査プロジェクトを行ってきた。
 ユニークなのは、海洋の未来イコール人類の未来なのだという考え方で、申し上げましたように科学的な調査はするんですが、クルーとして科学者とともにアーティストが必ず乗船するということになっており、これらのアーティストも一緒に体験をして、海洋の豊かさとか、船上の生活などを題材に、それぞれの感受性や想像力を働かせた独創的な作品を制作することで、科学のみならずアートを用いて発信をするということです。
 言ってみれば、諸国を遍歴し、慈愛に満ちた心により多くの神仏像を円空さんがおつくりになったわけなので、その円空の精神に通じるのではないかと。世界各地の海洋を巡りながら、海洋の未来、人類の未来を、そういう角度から感受性豊かにアートの世界に反映していくということで、今までとは異色なんですが、円空大賞ということでございます。
 また「円空賞」には、多治見市在住の彫刻家である大嶽有一さん、彫刻家の安藤榮作さん、画家の池田学さん、映画監督の羽田澄子さんということで、大賞、円空賞合わせて5人が選ばれています。
 来年の1月30日(木曜日)に、授賞式を行い、それから1カ月くらいかけて、恒例ではありますが「円空大賞展」を開催することにしておりますので、大いに興味を持って見ていただいたらよいのではないかと思っています。
 このタラ号というのはこれまで2回、日本にも寄港していますし、瀬戸内海にタラ号の活動を紹介し、海洋環境問題、汚染問題を考えるワークショップの拠点も開設されるということで、日本においてもこのタラ号が活躍する流れになってきているということで、財団の責任者の方が授賞式にはおいでになるということになっております。
 この円空大賞展には、このところ3,700人から4,200人くらいの入場者がありまして、非常に関心も高く、評価も定まってきたのではないかという感じがしています。今度のタラ財団、タラ号、そこから生まれたアートがどんな風に評価されるか、これまた楽しみでありますが、そういうことで決定をしたということのご紹介です。
 私の方からは以上でございます。

司会

 それでは、ご質問がありましたらお願いします。

記者

 人事に関して、女性職員の登用で、管理職は20%で、課長補佐、係長級が25%という目標をおっしゃいましたが、年度としてはいつまでにということなのでしょうか。

知事

 できれば来年の4月1日の人事でそこに手が届かないかなと思っています。ただ人事というのは機械的にやるものではありませんし、もちろん男性も頑張っているわけなので、きちんと評価をした結果がある水準に行くということで、さきほど申し上げましたように、採用ベースで4割のところまで来ていますので、女性に頑張っていただければその辺まで手が届くのではないかなと思っております。
 ちなみにさっきの17.3%とか22.8%という数字は、今年の4月1日時点でのすべての管理職や課長補佐・係長の中で女性が何人かということなんですが、これを昇給ベースというか、今年の4月1日に課長補佐、係長から管理職に昇任する人の中の女性の比率は何割かというと、今回は25.7%なんです。それから今年の4月1日に課長補佐、係長に昇任する人の割合はというと、32.9%なんです。
 だから管理職への昇任者の4分の1強が女性だし、課長補佐、係長級に至っては3分の1が女性が上がっていくということで、尻上がりに来ているということですので、できれば来年の4月に届くところまで行ければと思っていますが、繰り返しますが機械的にやるものではないので、結果的にそうなればと思いますが、多分充分なりうるところまで来ているのではないかと思います。

記者

 その他案件として2つあります。豚コレラと統一地方選挙についてです。
 ひとつ目の豚コレラについてですが、野生イノシシのワクチン散布が25日に始まります。そこへの期待感を教えてください。また県議会が本日、豚へのワクチン接種を国に求める内容を含めた意見書を可決されました。知事としてはどうお考えでしょうか。

知事

 今回の岐阜での豚コレラのケースのひとつの特色が、野生イノシシが豚コレラ菌をキャリーしているということでありまして、将来何れかのタイミングで安全宣言、終結宣言を出すとすると、一方で豚舎の守り、管理がしっかりできて、ちょっとやそっとではこういう菌は入ってこないというようなしっかりとした体制が出来上がる、かつそれが維持される、そういう体制を固めていくということと、他方でコレラ菌を持った野生イノシシをどう減らしていくのかということで、これまでは捕獲ということで一生懸命やっていますけども、皆様に毎日発表していますけども、ここへ来て陽性の比率がすごく高くなっていますね。今年の1月くらいはざっと7,8頭に1頭が陽性反応でしたが、このところ日によって差はありますけども、半分以上ですよね。場合によると4分の3が陽性反応ということで、一生懸命獲ってきているのですから、猟友会の方々で、今年は急速にイノシシが減っているよ、イノシシを見かけないとおっしゃる方がいます。かなり獲ってきてしかも陽性のイノシシをせっせと取ってきているんだとも言えますし、それとも獲っていくペースよりもコレラ菌が広がっていくペースの方が早くなって、その結果として陽性の比率が上がっているのかと、ここはなかなか検証しづらいところでありまして、何れにしても野生イノシシの運んでいるコレラ菌の問題に、けりをつけないことには終わらないということであります。
 仮に豚舎が立派に守られても何かの弾みでという心配も残るわけでありますので、イノシシの捕獲を目一杯やりながら、一方でワクチンを摂取させて免疫性を持たせてこのウイルスの伝播を防ぐということを今回やっていこうということで、野生イノシシ対策としてはとにかく出来るだけのことは目一杯やろうという流れの中で、これが日本で初めてやるケースでありますし、ワクチンもドイツから持ってくるわけですし、いろんな対処の仕方についてはドイツからも入れ代わり立ち代わり専門家が来て指導してもらっているわけで、これがどういうふうに上手く回るか、今慎重にかつ丁寧にやっていますので、これが効果を発揮して捕獲プラスワクチンで目に見えて野生イノシシの問題が改善されてこないか、これは期待です。よくやってみないと、フォローしないと分からないと思います。
 豚へのワクチン接種については、県議会で詳しくご答弁しましたけども、養豚家の皆さんからも要望がありますし、今回県議会からも出ておりますし、そういう要望が非常に強いという、まさに日々養豚業をやり、万が一感染したら大変なことになるということを目の当たりしている養豚家の方々の気持ちを思うと、そういうワクチンを何とか早くというお気持ちも分かるということで、そこら辺の思いとか地元の状況については、国には丁寧にお伝えをして問題提起をするということです。
 一方で国全体からするといろんな要素があります。県議会でもご答弁申し上げましたけれども、今これよりもっと怖いアフリカ豚コレラがあって、現に波打ち際で所持品の中から発見されているわけですよね。そうすると余程豚舎の防護体制がしっかりしていないと、今度はそれが入ってきたらワクチンが無いんだと、だからワクチンで安易になってはいけない。豚舎の防護体制をさらに万全な上に万全をというか、徹底的にやらないといけないという、そこを先ずやっていくということもありますし、それから諸外国との関係で汚染国、清浄国ということを巡って輸出だの輸入だのいろんな問題も起こってきますし、一旦は大阪とか長野まで感染が広がりましたけれども、何とかこの地域で収まっている限りは北海道から沖縄まで全部汚染されたという形にはしたくないとか、オールジャパンの目線も理解できないわけではないので、絶えず問題提起をしながら、しかしひとつの手段としては当然あるわけです。やっぱり適時適切、どういう場面なら適切だと判断できるのかを検討していきたいと思います。そのためにも有識者会議を作ったわけですね。これまでのところ有識者会議の先生方も非常に意見が分かれているものですから、いろんな事態の推移を見ながら、体制の整備を見ながら、それからこのイノシシへのワクチンの状況を見ながら、あれこれ見ながら絶えず課題として先生方ともご相談しながら考えていきたいというのが今の私のスタンスですね。

記者

 統一地方選挙について、29日から県議選がスタートしますが、そこで期待する議論というものはどういうものがあるのか教えてください。

知事

 どこの市町村でも状況が違うにしても、今の地方創生論議のベースとなっている人口減少とか少子高齢化というのが急速に進んできているということで、そういうことを背景とした地方創生にどう取り組むのかということと、各自治体単独であらゆる行政サービスを貫徹するということが徐々に難しくなってきているということで、横への連携とか、県との連携とか、どう目配りをしながらバランスのとれた有効な政策をやっていくのかとか、そういったあたりで、それぞれの候補者の皆さんが県議会での様々な議論を踏まえつつどのように訴えていかれて、どんなふうに有権者の方々が判断されるのかというところを見ているところです。

記者

 指定金融機関の議案について一旦否決されて、今日の議会で修正された案が可決されました。今回の一連の流れについて、どう見ておられるかということと、5年先までは大垣共立銀行が続けることになったわけですが、その先についての考え方を改めてお聞かせください。

知事

 指定金の問題は、ものすごくシンプルに言えばですね、公金、県の税金の「入」を管理して、その税金を使って県がいろんな仕事をしていくときの、いわば「出」の方の管理もしてもらうと、いわば、公金の「入」と「出」を正確に管理をしていただくという仕事です。
 例えば100万円入ってきたら入金100万円と、そこから50万円政策予算で出て行ったら、マイナス50万円と、残高がいくらということで、そういう「出」と「入」を間違いなくやっていただく仕事なので、何かものすごく、高度で専門的な技術とかノウハウとかを駆使してやるような話ではなくて、非常に、シンプルな「出」と「入」の公金の管理という仕事なわけです。
 しかもこのお金については、金利が付かないことになっているものですから、指定金融機関として、手間をかけて、大小様々なもの、期限ぎりぎりなものもあって、ソフトを開発してきっちりやっていくということですから、手間とコストが間違いなくかかるわけです。そうすると手数料をどうするかという議論があって、オールジャパンで眺めてみると、どちらかというと手間とコストもかかるので、手数料をどうするか、もっと手数料をもらえないかというようなこと、あるいはこの状況ではとても継続してやっていくことは難しいといった議論がみられるわけなので、そういう中で2つの金融機関が積極的に手を挙げて、あらゆる断面でも手数料はいらないと、全く手数料無料で、きちっと公金の管理をしていくということですから、私どもとしては、非常にありがたいというか、恵まれている話です。
 よその県知事と話をすると、岐阜は羨ましいと、手数料無料で複数の銀行が手を挙げてくれるといった良い環境にありますねと、言われるのですけれども、そういうことですから、極端なことをいえば、ある銀行ができる仕事が別の銀行にはできないという類の仕事ではないので、多分、事務としては、どちらにやっていただいても正しくやっていただけるんではないかと、そういう類の仕事で、本来なら手数料が問題となるはずの分野の話でありまして、何か許認可を与えるとか、特別な行政の側から恩典を与えるとかというものではなしに、手数料無しで、やっかいで、手間暇もかかる仕事を申し訳ないけれども、やってもらえませんかというタイプな仕事なもんですから、本来的には、行政プロパーの判断として、検討させていただいて、できる限りそれを尊重していただければありがたいと思うわけです。そうはいっても、もともと地方自治法も、県の条例もそうですが、議会の議を経てということはやはり、議会の賛同を経ないといけないというか、議会の判断もきちっと聞くようにというルールでありますので、議会は議会の立場で、判断をしていただくということになるものですから、賛同を得られなければ結論が出てこないということなもんですから、そういうことを巡っての一連の出来事ということになっているんではないかと思います。
 ですから、私どもの立場からすれば、どっちがやっていけるんだろうかとか、どっちがいいんだろうかとか、一生懸命眺めて、どうしてこうしてということでもないんです。むしろ、前回心配したのは、初めて移行したもんですから、移行のためのコストが1億5千万円かかると、それから、うまくシステムの引継ができるかどうかという心配もあるということで、よほど引継を上手にやっていただかないといかんということで、システムダウンの無いように、混乱の無いようにといった、そういったリスクをどう考えるかということを巡って前回は議論があったわけなんですけれども、そこは無事クリアして、一定の移行のコストはかかりますけれども、どちらにやっていただくにせよ、システム的にも何の問題もないもんですから、素直に交替でいかがでしょうかということを申し上げたんですが、議会は議会のお立場で判断をされたというわけですから、宙ぶらりんに何も決めないで放置しておくわけにはいかないものですから、最終的には第2案について賛成多数で賛同していただいたわけですから、これが現時点での結論であろうと思っております。
 ですから、この問題がどういう問題かという基本的なポジションは、今申し上げましたとおりですから、したがって私どもとしては、どちらもやっていただけるわけですし、システムも出来上がっているわけですし、どちらもやりたいといっていただいているわけなので、最低限のコストで代わりばんこで良いんではないかという思いは残っておりますけれども、5年後をどうするかは、現時点で、次はどうしたいこうしたいということは申し上げることではないと思いますけれども、ただ、本質的な事柄の性格としては、今申し上げたようなことではないかという思いです。

記者

 統一地方選の県議選の件で、二元代表制の下で、知事自身が県議会に対して、期待されることであったり、議会の役割をどのように考えておられるか、改めてお聞かせください。

知事

 私も特別な意見を持っているわけではありませんので、行政は、行政を進めていく立場から提案をし、予算であれ、条例案であれ議会の賛同、チェックを経て物事は動いていくわけですから、そう意味では、基本的には車の両輪として、切磋琢磨しあいながら率直に、お互いに厳しい意見も言い合いながら、うまくかみ合っていけば良いんではないかと、二元代表制ですから、それぞれ異なる選ばれ方をして、それぞれの立場で県政かくあるべしというのは、大いに出していただいて、それが良い緊張感ということで噛みあって県政の発展につながって行けばよいと思っております。
 例えば、議会答弁なんかでも職員によく言っているのですが、何かいろいろ質問されたときに、今やっていることを全て是として、それをディフェンドするという答弁に終始してはいかんので、むしろいろんな質問が出たら、そこに議会サイドからの目線というか、そこにご意見やご批判があるので、それをどういうふうに受け止めて、議会答弁ということを通じて、場合によっては、政策を修正することもあっても良いし、大いに参考にさせていただくことがあっても良いので、そういう積極的な対話の場として、議会との論戦というのは大事にしたいと思っています。

記者

 指定金融機関の件について、修正された議案では交代制の文言は消えたんですが、説明のなかでは、交代制というものが良いと考えているという説明がありました。確認ですが、そうすると、今の思いとしては、改めて5年後は議論するという意味なのか、やはり交代制で十六銀行とされたいのか、教えてください。

知事

 この問題がどういう問題かという、私どもの捉え方からすると、現状では交代制というのがごく自然に、素直に出てくる選択肢であろうと考えていますし、今回の結果を踏まえて、どう思うかといわれても、この問題はどういう問題であるかという基本的なところは変わらないだろうということなんですが、さてそれが5年後にどういう提案となって現れるか、どういう判断をするかということは、まだ、5年間ありますから、今ここで予め5年後はこうなるよ、ああなるよということではないので、5年経ったところで、どういう事態になっているかということではないでしょうかね。ただ、根っこのところの問題意識は今申し上げた通り、変わらないんではないかと思っています。

司会

 それでは知事定例記者会見を終了いたします。

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