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知事記者会見録(令和4年1月11日)

記事ID:0198118 2022年1月13日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和4年1月11日(火曜日)17時30分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 いよいよ「第6波」に突入したということで、先ほど県の感染症対策本部本部員会議を開きまして、「オミクロン株緊急対策」を決定させていただきました。お手元に決定した緊急対策と、その背景となるデータについてお届けしておりますので、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。
 まずデータの方で、お手元のカラーの資料にありますように、10万人あたりの新規陽性者数(7日間移動合計)でありますが、本日の新規感染者が60人ということで、これを加味しますと16.73人となり、「レベル1から2」への基準値15(人)を超えたということでございます。
 それから、病床使用率は、現在13.3%ということでありますが、「レベル1から2」への基準値が15%でございますので、これに接近しているということでございます。急接近と言ってよいかもしれません。
 次の3枚目をご覧いただきますと、重症者数はゼロでございますが、陽性率につきましては「レベル1から2」への基準の5%を上回っているということでございまして、4つの基準のうちの2つが「レベル2」になり、もう一つが「レベル2」に近づいているという状況でございます。
 本日60人の方が感染したということで、現時点でのオミクロン株の状況でありますが、累計で12人の方が(オミクロン株陽性と)確定されております。
 それから、オミクロン株の疑いのある方、デルタ株ではない陽性の方という意味ですが、153人おられます。これらにつきましては確定次第またご報告したいと思っております。
 医療体制という意味では、入院患者数が119人ということであります。宿泊療養施設に入っておられる方が136人ということで、医療機関の病床については13.3%、宿泊療養施設については8.3%、トータルしますと10.1%が今埋まってきているということでございます。
 その上で、お手元の緊急対策でありますが、まさに「第6波」に突入しているという認識であります。帰省あるいは会食に端を発して急増しているということでございます。(オミクロン株への)置き換わりは既に8割近くに達しているというのも、先般の専門家会議でご報告したものでございます。
 そういったことから、我々の認識としては、もはや日常レベルではなく、これまでにない感染爆発を警戒すべき状況に達しているということでございます。
 オミクロン株の特徴としては、感染力の強さがデルタ株の3倍程度であるということで、例えば沖縄県では2日足らずで感染者が倍になっているということでございます。そして連日、過去最多の感染者数を更新しているということであります。
 先ほどの本部員会議で村上先生からお話がありましたが、この沖縄県の増え方を現在の岐阜県に当てはめますと、今週中には一日あたり1,000人、来週には累積で3,000人ということで、3,000床体制もあっという間に埋まってしまうという懸念があるということでございます。それから潜伏期間が、デルタ株の5日程度に対して3日程度と短いということでございます。それからブレークスルー感染ということでありますが、イギリスの報告では、2回接種から5、6か月経ちますと、発症予防効果がだいたい10%程度に低下するということでございまして、つまり9割無くなるということであります。本県のこれまでのオミクロン株感染者の大半がワクチンを既に2回接種した方々であるということも、このことが表れていると思います。
 他方で、重症化リスクは低いと言われておりますが、今後爆発的に感染者が増加すれば、分母が増加すれば分子も増加するということになりますので、医療提供体制に支障をきたすということも当然あり得るわけであります。さらにはエッセンシャルワーカーの確保・維持が難しくなるということで、「自宅療養者ゼロ」の本県の対策を凌駕することはもちろんでありますが、そもそも、病院、福祉施設、企業、学校など、社会経済の基盤となる様々な領域で機能停止を起こしかねないということでありまして、既に、これも沖縄県では500人近くの医療従事者が出勤できない状況になっていると聞いております。
 こうしたことから、別紙1のとおりの緊急対策を行っていこうということであります。この3連休で、成人式がほぼ一巡いたしましたが、いよいよ学校が再開され、また新年の互礼会もまだまだ続くわけでありまして、こうした中でぜひ、県民の皆様におかれましては、ご自身、大切なご家族の命、そして地域社会・経済を守っていくため、一丸となって、引き続き「オール岐阜」での取組みをお願いしたいということでございます。これによっても十分ではないと判断した場合には、速やかにさらに強力な手段を(講じていく)ということで、日々、状況を注意深くウォッチしていきたいと思っております。
 そこで今回の緊急対策の主な点でございますが、次の2ページに概略が書いてあります。これは当然のことなのですが、基本的感染防止対策の徹底ということで、これは繰り返しになるので2ページには書いてありませんが、3ページの上の方にあります。これまでと同様に、マスク着用、手指衛生、密回避、こまめに換気、体調管理といったことについては、ぜひ徹底していただきたいということでございます。村上先生の言葉を借りますと、実際にオミクロン株にかかった方々の状況を見てみますと、どうしてもこれらの点で隙があったケースがほとんどであるということで、しっかり守っていただきたいということでございました。
 それから、リスクが高まる「5つの場面」ということで、その次に書いてありますが、これについては十分注意深く回避すべきところは回避していただきたいということでございます。今回のさらなる強化策として、まず移動につきましては、感染拡大地域への不要不急の移動は極力回避するということで、どうしても移動する際には、無料検査の体制もできてきておりますので、検査していただきたいということでございます。
 旅行割引キャンペーンでありますが、隣県拡大については見合わせるということを、以前の記者会見で申し上げましたが、県民向けの県内旅行割引キャンペーンも今回見送ろうということでございます。本来ですと、今日から再募集する予定でございましたが、見送らせていただきました。
 飲食については、大人数や長時間を避けるということで、目安として「4人まで、2時間以内」ということでございます。それからGoToイートの新規予約停止を国に対しても要請してまいりたいと思っております。
 明日、全国知事会がございますが、おそらく、このオミクロン対策についての意見交換あるいは知事会としての取りまとめがあろうかと思います。この点については申し上げていきたいと思っております。
 それから、イベントとか新年互礼会とか様々行事がございます。これにつきましては4ページの一番上に四角で囲ってありますが、イベント等に関する当面の開催方針ということで、ここに掲げられた方針に沿って、注意深く開催をしていただきたいということで、人数制限、時間短縮、あるいは飲食の機会の回避等をお願いしたいということでございます。
 このところ、私も2つ3つ新年互礼会に出ておりますが、全て食事は持ち帰りということで、挨拶だけでさっと終わるというやり方をしておられまして、注意深くやっていただいております。
 それから、BCP(事業継続計画)については、すでにかなり広範囲にわたって、インフルエンザとか災害とかいろんなことを想定して、企業あるいは事業所の中で作っていただいているわけでありますが、改めて徹底していただくということでございます。特にこの感染拡大といったことを想定して、十分チェックをしていただきたいということでございまして、病院、福祉施設、学校、公共交通機関、電力等のインフラ関係、あらゆる事業所でのBCPの再確認ということでございます。仮に未策定のところがあれば早急に策定をしていただきたいということで、これについてはしっかりと徹底していきたいと思っております。まさに社会活動、経済活動の基盤が損なわれるということで、機能停止に陥らないために、このところは「オール岐阜」であらゆる事業所について、特にインフラ的な、社会活動のベースとなるサービスを提供する分野については徹底していただきたいと思っております。
 それから、高齢者・障がい者施設における感染防止対策ということです。実は岐阜県内で直近に起こりましたクラスターの中で最大のものがこの高齢者施設で、40人の感染者が出てきているわけでありまして、改めて高齢者・障がい者施設の対策について、チェックリストによる再点検をお願いしたいと思っております。
 それから、この資料の一番後ろに、1月7日に関市が発表しました緊急対策が書いてあります。県内で仮にピンポイントで急増した場合に、市町村ごとに独自の対策を積極的に打ちだしていただこうということでやってきておりますが、これとも連携して、県もこれに寄り添って対策を強化していくということでございます。
 それから、2番目の大きな柱が、医療・検査体制の強化でありまして、まず何と言っても「自宅療養者ゼロ」を堅持するということでありますが、どうしても維持が難しくなるような感染爆発時についても準備はしておくということでございます。療養体制・検査体制の拡充という意味では、宿泊療養施設をさらに2施設、約360床を確保して、無症状、軽症者を受け入れようということで、これまでの確保した分と合わせて3,000床体制ということでございます。昨年の8月末の「第5波」の時点では1,900床でございましたので、一挙に3,000床体制まで、さらに強化してもっていくということでございます。
 それから、検査体制でございますが、県及び市、あるいは診療・検査医療機関の検査体制が1日あたり15,915件ということでございます。
 それから、薬局等の無料検査体制が43カ所、2,100件で、合わせて(最大)18,000件体制で徹底した検査をしていくということでございます。これについても十分周知をしていきたいと思っております。
 それから、ワクチンの3回目の追加接種でありますが、特に医療提供体制継続という観点から、医療従事者への追加接種を加速化するようにもっていきたいと思っております。
 それから、県の大規模接種会場は2月5日から、岐阜圏域、西濃圏域でスタートするということでございます。あと、職域接種も今、準備を進めてきておりまして、2回目接種を行いました団体の約6割、36会場で準備を進めているところでございます。
 それから、さらに爆発的な感染拡大時の体制ということで、すでに一元的に入院調整を行う体制として「非常時入院調整システム」を構築しております。これをスタートする判断をしてから、人の配置、体制整備を3日以内にすぐ動き出せるように、警戒体制に入るということでございます。
 それから、万が一自宅療養する場合には、健康観察をはじめとして様々な協力体制が必要でありますが、協力医療機関を286機関から325機関に拡充して体制を強化したいと思っております。
 それから、考え方として、宿泊療養施設の使用率が8割を超えたところで、自宅療養開始ということを考えていかざるを得ないと思っております。完全に埋まるまで埋めていきますと、今度は重症の方々とかが、病床が(満床となり)どうしてもはみ出た時に宿泊療養施設もいっぱいということではいけないので、8割を超えたところが一つの目安ということを議論しまして、あらかじめこういう考え方を整理しておくということでございます。
 あと、参考までに後ろから2枚目、7ページでありますが、本県のオミクロン株による感染の事例が1、2、3、4とございます。これらを見ていきただきますと、オミクロン株の特色が一目瞭然ということでございます。
 いずれにしましても、これまで「第5波」に至るまでは、基本的には医療提供体制をしっかり確保して、これが危殆に瀕しないようにということを重視し、そして何としても「自宅療養者ゼロ」を貫こうということでやってきたわけであります。今回の感染爆発の状況、他県の状況、世界の状況を見てみますと、それを超えるスピードと規模で襲ってくる恐れがあるわけでありまして、そういったことを考えますと、繰り返しになりますが、エッセンシャルワーカーの確保でありますとか、経済、社会活動の基盤となる領域について、機能停止に陥らないように、ひいてはパニックを来さないように、十分な警戒をもって臨みたいということでございます。
 今日決定した対策を徹底することによって、少しでも感染を抑え、また拡大を抑え込んでいくということで頑張っていきたいということでございますので、「オール岐阜」でよろしくお願いしたいと思っております。

記者
 ワクチンの3回目接種の見通しについて、加速化には国の供給量が重要になってくるというお話がございまして、岐阜県の場合、例えば在庫量ですとか、そういった課題もあるかと思いますが、国に対してはどのような要請をされますか。

知事
 国自身もこの「第6波」についての認識は、共通だと思いますが、ワクチンの3回目接種の前倒しということで、総理をはじめとして強くおっしゃっておられますので、国と十分協議して、前倒しといいますか、早め早めに対応していけるように、どのようにワクチンを追加的に配布されるのか、よく要望もし、協議もしていきたいと思っております。
 岐阜県の場合、これまでにいただいたワクチンについては、ほとんどしっかり使い切るということでやってきましたので、在庫を抱えて云々ということはありません。むしろ新たにワクチンの供給が必要でありますので、これまで一応のスケジュールがあって、医療従事者から始まって、6か月以内に打つべき人、7か月以内に打つべき人、一般の方が8か月ということで、目安に沿ったプランはありますが、前倒しについてはさらに国と十分協議していきたいと思っております。

記者
 今回対策の発表がありまして、感染に歯止めがかからないと判断した場合は、さらに強力な対策ということで、飲食店への時短営業ですとか、どういったことを検討されますか。

知事
 まずは、岐阜県独自の「非常事態宣言」というような形で、さらに包括的な対策を出すかとか、あるいは、状況の展開によっては「まん延防止等重点措置」でありますとか、あるいは、いきなり法に基づく「緊急事態宣言」でありますとか、そういった状況に応じた対策を打ち出していくということになろうかと思います。その内容の一つのポイントとして、時短という問題も当然取り上げられることになると思います。

記者
 飲食店の時短の他に、例えばイベントですとか、そういったことへの制限も想定されますか。

知事
 今回発表した全ての対策について、さらなる効果を期して踏み込んだ対策を打っていくことになろうかと思います。

記者
 感染状況としては「レベル2」が目安で行動制限というお話がありましたが、どのような目安で判断されるのでしょうか。

知事
 「レベル2」に一部足がかかっている、手がかかっている状況でありますし、日々、変わってまいりますので、「レベル2からレベル3」に向かうような予兆といいますか、流れが見えてくれば、もう一段(強力な対策を講じる)ということになろうかと思います。そういう意味では明日以降の数日間の数字を見てみたいと思います。と言いますのは、この3連休の諸々の出来事がどのように感染状況に反映されるのか、今週の水、木、金辺りのデータが次のことを考える上でも決め手になると思います。

記者
 具体的には3連休の人流とか、会食とか、そういったことの結果が表れてくるかを見極めるということでしょうか。

知事
 一つの大きな出来事としては、それはあります。そもそもオミクロン株が今、市中感染で県内5圏域全てにわたって毎日のように出てきているという状況ですから、それ自身の感染の拡がりと、それに様々な行事、あるいは人流がどのように拍車をかけているかといったことを見てみたいと思います。

記者
 「自宅療養者ゼロ」に向けて、非常に努力されてきたと思いますが、それでもなお、「自宅療養者ゼロ」をあきらめざるを得ない事態についても考えないといけないということに対して、今の危機感というか、忸怩たる思いがあれば教えてください。

知事
 すでに、いろんなホテル、宿泊施設の関係者の方には相当なご協力もお願いしております。私どもとしては8月以来、さらにさらにということで、記者会見のたびにとは言いませんが着実に病床数を積みあげてきております。それから臨時医療施設も拡充してきておりますので、そういう意味では関係者も含めて最大限努力してきておりますが、この努力はまだまだ続けていって、これで良いということはありません。もっともっと進めていくという前提で感染状況がどうなっていくか、どう隔離できるか、日々一つひとつ判断していくことになろうかと思います。ただ、危機感はすでにかなり共有していただいておりますし、かなり協力もしていただいております。さらにこの努力は続けていきたいと思います。

記者
 3,000床確保するのはだいたい、いつぐらいを目標に考えておられますか。

知事
 もう数日以内ということです。追加の300床もそんなに時間をかけずに数に入ってくる思います。

記者
 さきほど、県が新しく設けた5段階の指標で「レベル2からレベル3」になる流れが顕著になれば時短も検討というお話でしたが、国に対する「まん延防止等重点措置」の要請も同じタイミングになるのでしょうか。

知事
 これもその都度その都度の総合判断でありますので、状況の変化をよく見極めて、どういう措置が必要か、例えば県としてある意味では先手で対策を取りながら、併せて「まん延防止等重点措置」なり、「緊急事態宣言」を要請するということもあるでしょうし、いろんな組み合わせがあると思います。

記者
 現状ではそこまではいっていないということでしょうか。

知事
 ですから、明日以降の数字を見てみたいということです。

記者
 今回の感染防止対策の強化ということで、ある意味、行動制限を県民に求めるものとなっていますが、改めてどういった行動に注意して欲しいかということについて県民への呼びかけがあればお願いします。

知事
 常にお願いしておりますが、基本的な感染防止対策は絶えず徹底していただくということがまずあって、その上で移動、飲食、イベント等の集会といったことについて、厳しく感染防止の観点から処していただきたいということであります。今回それに加えて事業継続を確保する観点から、BCPの再確認、徹底ということをお願いするということで(対策を)出させていただいたわけです。

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