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知事記者会見録(令和4年1月4日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和4年1月4日(火曜日)14時30分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 昨日に続いての会見になりますが、改めまして、明けましておめでとうございます。また本年もよろしくお願いいたします。
 まず、新年ということで、恒例でありますが、今年1年間の主な事業の予定をご紹介しつつ、今年の県政についての見通しを申し上げたいと思っております。
 新年、いきなり昨日、記者会見させていただきましたが、オミクロン株の市中感染発生という、足元でこの出来事からスタートしたわけであります。後でまた詳しく報告があると思いますが、今日の新規感染者は11名ということで、いずれもこれからゲノム解析をやっていきますので、まだそこから先はよくわかりませんが、じわりと感染者数が増えてきているということでございまして、足元についてはやはり、確かな守りを続けていくということになろうかと思っております。
 と同時にやはり、未来志向といいますか、積極的な「攻め」ということで、先を睨んだ様々なビジョンとか、計画とか、アクションプランとか、そういったものを、1つ1つテーマごとにきちっとこなして、実行に移していきたいというのが大きな見取り図であります。先ほど、職員に対する新年のあいさつのところで申し上げましたが、「攻守一体」ということで、「攻め」も「守り」も一つとなって県政を展開していくということになるのではないかと今、思っております。
 今日、出勤してくる際に鏡島大橋をちょうど渡ってきたとき、西の方を見ると低い黒い雲が垂れ込めておりまして、西の方は雪が降っているのか雨が降っているのか、そういう暗い、黒い状態になっておりまして、東の方は青空で日が差しているわけです。日の差し加減によって、南から西に向かって、サーッと非常に大きな虹がかかっておりまして、これはひょっとしたら、足元のそういう課題と、将来を展望していくという姿勢と、そこに虹がかかっていて、よい方向に向かえばというある種私どもの心象風景をいかにも反映しているような、そんな景色で、鏡島大橋を北から南に渡って出勤してきたわけであります。そんなイメージで、現状及び今年について捉えているところであります。
 後でまた紹介しますが、今年はビジョンとか計画作りがかなり進展することになっておりまして、そういう意味では、未来に向かっての新しい県政を切り開いていくものになろうかと思います。ちょうど12月に新しい県庁舎が竣工式を迎えるということでありまして、よく言われるように「新しい酒は新しい革袋に盛れ」ということでありまして、今年1年、しっかりとした新しい酒造りをして、そして新庁舎という新しい革袋の中にそれを注いで、そして更なる県勢の発展を展望していきたいということかと思っております。
 という前提でお手元の資料をご覧いただきますと、各月ごとに書いてありますが、主なものだけ、かいつまんで話しますと、オリンピック・パラリンピックは、県ゆかりの選手が何人か、かつメダル候補の方も何人かおられますので、順調に活躍していただくことを期待しているわけであります。
 3月、年度末になりますと、デジタル・トランスフォーメーションの推進計画。それからスポーツ推進計画。これは見直しです。それからエネルギービジョン。これはカーボンニュートラル、脱炭素社会を前提にしたエネルギーの政策ビジョンであります。それから森林づくりの基本計画。これは第4期になりますが、現在の計画の見直しということで、この辺が年度末に揃ってまいります。
 それから4月に入りますと、いよいよ、県と市が名鉄名古屋本線の高架化事業の合同事務所を開所することになっております。ちょうどコロナの検査体制、保健所体制を1つにしてやってきたのと同様に、この高架化事業についても、本当に半世紀にわたる懸案でございましたが、ようやく動き出しておりますので、合同事務所ということで一体となって積極的に進めていきたいということでございます。
 それから、昨年、(第2期の)「ぎふ花き振興計画」というのができたわけでありますが、そのプランに沿って、新しいセンターが4月にスタートいたします。岐阜県の花き産業の担い手育成と産業振興のいわば拠点になるものでございます。
 それから、岐阜県と鹿児島県が姉妹県(盟約)を締結して50周年になりますので、その記念行事をやろうということも予定されております。
 それから、5月に、第2回になりますが、「高校生花いけバトル全国選抜大会」ということで、ローズガーデンにおいて岐阜県が主催する全国的な生け花の大会ということですが、しっかりと根付かせていきたいと思っております。
 6月は、豚熱、あるいは鳥インフルエンザの際に議論された課題に対するものであります。これまで、岐阜市内にあります中央家畜保健衛生所で緊急かつ高度な病性鑑定を、豚熱、鳥インフルエンザについてやってきたわけでありますが、やはりこれだけいろいろとたくさん起こってきますと、1か所ではとても間に合わないということで、飛騨家畜保健衛生所(に高度な病性鑑定のできる施設)をもう一つ設置しまして、県全体としての体制を強化するということでございます。
 それから、9月は県の美術館あるいは現代陶芸美術館、いずれもそれぞれ40周年、20周年の記念ということで思い切った企画展をやっていこうということでございます。
 10月の真ん中あたりにありますが、「第12回全国和牛能力共進会鹿児島大会」。これは5年に1回の和牛の全国的なコンテストであります。かつて飛騨牛は2連覇しているわけでありますが、前回は必ずしも成績がよろしくなかったものですから、畜産関係者が、今こぞって巻き返しを図っているということで、期待されるものでございます。
 10月下旬になりますが「エンジン01」は、一昨年、今年と2度延期しておりますが、何とか開けたらと思っております。多くの知識人、有識者の方々が、岐阜で大きな知の交流の場をということで、準備していただいておりますので、何とかできたらと思っております。
 それから、時々話題になっておりますが、岐阜県人会が今、世界に25ございます。この25の岐阜県人会が一つになって、「岐阜県人会インターナショナル」というものを形成したわけで、この「岐阜県人会インターナショナル」として、第1回の世界大会を岐阜市でやろうということでございます。あと、国内には各県に岐阜県人会がいくつかございますので、そういった方々も含めて、岐阜県ゆかりの方々の国内外の大集合ということで、いろいろと企画をしていこうということでございます。
 それから、12月は新庁舎の竣工式、内覧会を予定しております。一応12月中旬という予定でございますが、ここらあたりから引っ越しをどんどん進めていきまして、1月4日から、ちょうど来年の今日から、新庁舎でスタートするということで、来年のこの記者会見も新庁舎の会見室で行われるということになる予定でございます。コロナで若干立ち止まったりしておりましたが、全体として工事は比較的順調に進んできておりまして、このまま行けば予定通り行けるのではないかと思っております。
 あと、特にまだ時期は決めておりませんが、今年はリトアニア・日本の交流100周年ということで、様々な企画が双方で行われるわけですが、岐阜県としても積極的に、「リトアニアNOW2022」という企画で参加していきたいと思っております。
 それから、「地歌舞伎の勢揃い公演」として32の保存会がこぞって、この2年かけて一回りしたわけでございますが、第2ラウンドを今年の5月(頃)から来年いっぱいかけてやっていこうということで、先般、関係者が合意いたしました。岐阜の地歌舞伎を1つの文化としてしっかりと、定番として定着させていこうと思っておりまして、文化プラザでこの2年間に亘ってやっていきます。その先に、2年後に国民文化祭がございますので、国民文化祭におきましても、岐阜の地歌舞伎というのを大いにアピールしていきたいということを思っております。
 それから「リニアの活用戦略アクションプラン」は、現在、有識者の方々に集まっていただいて作業中でございますが、これについても、積極的な、具体的な内容のものを盛り込んでいきたいと思っております。特にいつまでとは決めておりませんが、作業が精力的に進むはずでございます。
 それから、ここには書いてございませんが、木曽川中流域の両岸の沿岸の、愛知県側も含めての市町が連携して、清流木曽川ということで、流域プロジェクトの議論を始めたところでございまして、できれば今年中に中間的なまとめをしていきたいと思っております。長良川に次いで、木曽川も岐阜県を代表する清流として、魅力をつないで回していくというようなことで、関係者にいろいろと知恵を絞っていただいております。
 ざっと来年の岐阜県の主要事業はこんなところでございます。
 冒頭申し上げましたように、新型コロナについてはしっかりとした守りを固めながら、先のビジョンなりアクションなり、推進計画を進めていくという1年になるのではないかと思っております。
 それから、補足しますと、また後で報告があると思いますが、新たに(新型コロナ感染者が)11人発生しておりますが、このうちの8人が、(現時点までの調査によると)孤発ケースでございまして、全く新しい発生(コロナ陽性患者とのリンクが不明)ということでございます。それから3人が陽性と確認された患者から感染したものだと思われますが、これは昨日ご報告したオミクロン株とは関係のない経路の方ではないかと思います。いずれにしましても、今、分析をしておりますので判明次第またご報告したいと思っております。
 年末の人流の中で、こうした格好でじわり(陽性患者が)増えてきているということで、ますます警戒を高めていく必要があるのではないかと思っております。
 私の方からは以上でございますが、また今年1年間よろしくお願いいたします。

記者
 エンジン01の開催についてですが、夜の交流といいますか、夜学の方も含めての開催ということでしょうか。

知事
 もちろん、新型コロナウイルスの感染者の状況如何ということでございますので、断定はできませんが、一応当初のプラン通りやるとするとこうなるという計画を見通しながら、あと状況をみて難しければ抑えていくということになると思います。

記者
 昨年末、JR東海からリニア中央新幹線の瀬戸トンネルの事故の再発防止策について公表がありました。これについて、県の方では環境影響評価審査会の方で、環境面での議論はされていますが、今後、安全対策の面ではどのような枠組みで検証されますか。

知事
 まずは環境面の方では、すでに12月下旬に一度委員会をやらせていただいております。これは公開でやりましたので、ご案内かと思います。JR東海からのご説明を聞き、特に山口工区での事故を踏まえた対応が十分なされているかどうかといった点とか、実際に今回の落石事故の中で、地盤沈下というようなことの影響があったのかどうかとか、そういった環境からのアプローチの議論がありました。そして、いくつか宿題がJR東海の方に出ておりますので、今月の半ばから下旬にかけて2回目を開いて、更にJR東海からの説明を求めて、環境というサイドからどのように評価をするか、まとめていただこうと思っております。
 もう一つが安全面でありまして、現在、こういったトンネル工事の専門家の方々に個別にJR東海の説明に対してご意見を伺っております。名称は特に決めておりませんが、これも今月の中下旬に、安全対策についての審査会というような形で会合をもっていただいて、考え方をまとめていただくということで、二つのアプローチをきちっと煮詰めたうえで、県としてのスタンスを決めていきたいと思っております。
 ただもう一つ県としてのスタンスを決めるうえで重要なのが地元でございまして、今、JR東海の方では地元の自治体の方には説明をしていただいております。私どもとしては更に加えて、トンネル工事を抱えている自治体の住民の方々にも丁寧な説明をするようにということで申し上げております。どういう形でどう進めていくかは、自治体と地元の方々の間で相談していただいて、そのうえで進めていただいて、そこでどういうやり取りがなされるか、理解が進むのかどうか、この辺も見極める必要があると思っております。それから長野のケースについても、今、長野県とJR東海との調整中であります。これについても何であったのか、どう評価されているのか、そういったこともしっかり見届けたいと思っております。そういった全てのことをトータルに総合評価して、県として意見を取りまとめていくといった流れになろうかと思います。

記者
 地元の方への説明の部分について、事故の検証という面では、専門家も交えて進んでおりますが、地元の、地域の方々への説明については十分尽くされていると知事はお感じになっておられますか。

知事
 トンネル工事を抱える地元の自治体と地域の方々との間で、どういうやり方で説明を受けるかということを今相談していただいておりますので、まさに、これから進むと思います。

記者
 コロナについてお伺いします。この年末年始は去年とは違って人出も多かったかと思いますが、この年末年始の人流をどのようにご覧になっておられますか。

知事
 初詣のお客さんは、去年に比べますと、かなりの増加とみておりますが、一方で、それぞれの神社仏閣ごとに密にならないようにいろんな工夫がなされたと承知しております。その辺りの、初詣の人流がどうであったとか、定点観測をしております場所での人流はどうであったかというのは、分析をしながら専門家の方々とも議論していきたいと思います。昨日のJR東海の乗車率が140%とありましたが、そういう意味ではかなり年末年始に、岐阜県に限らず全国的に大きな人流があったことは間違いありませんので、その結果が今、じわりと出始めているのではないかと思っております。

記者
 今年は成人式をやる自治体も多いですが、改めて今後どのような点を注意すべきかということについて伺えますでしょうか。

知事
 かなり五月雨的に県内各地で感染のいろんなケースが表れてきております。そういった情報をきちんと市町村にお伝えしながら、かつ警戒を高めるという意味で、成人式のやり方についても、すでにこれまでの経験からいろいろと工夫はなされていると思いますが、感染防止対策には万全を期するようにお願いしていきたいと思っております。

記者
 リトアニアとの交流が節目を迎えますが、県として何か新たな交流は考えておられますか。

知事
 「リトアニアNOW」というプログラムをこれで2回(正しくは4回)やりましたが、県内で1か月ないしそれ以上時間をとって、各地でやらせていただきました。かなり多くの方の参加を得ておりますので、これを両国の、リトアニアと岐阜との交流の一つの大きなプラットフォームといいますか、ベースとして、本年はさらに内容を充実させていきたいということが一つあります。あとは、人の動きはコロナ次第ということで、コロナの問題さえなければ、もっともっと交流したい、行きたいあるいはお招きしたいと言っておられる方が非常にたくさん県内におられます。人の動きはコロナ次第ということでありますが、それを別にして、オンラインでありますとか、モノの交流でありますとか、あるいは魅力ある産品のフェアでありますとか、そういったことは、やれるだけのことはやっていきたいと思っております。

記者
 県として、これだけリトアニアとの交流を重視されるのはどうしてでしょうか。

知事
 スタートは、やはり杉原千畝という方の功績ということで、岐阜県の生んだ偉大な先達として顕彰していくという流れの中で、ご縁のあったリトアニアのカウナスとかヴィリニュスとか、そういう市町ともいろいろなやり取りをしてきたわけです。そこから、いわば「人道」というテーマでの交流からスタートしたわけでありますが、それが着実に広まっていって、文化交流とか、経済交流とか、そういった様々な交流に今、広がりつつあるというのが現状であります。杉原千畝に端を発した交流がトータルな交流に広がりはじめているということで、例えば、リトアニアは「歌と踊り」がそのままユネスコ世界無形文化遺産になっている国でありまして、国を挙げての壮大な国民祭というのか、「歌と踊り」のイベントがあるわけであります。そういったものに出られる方々が岐阜に来られてパフォーマンスをやったりとか、あるいは、子どもたち相互の、八百津町との交流がずっと進んだりとか、いろいろとやっております。それから、一昨年(正しくは2019年)の秋に大統領が八百津町に公式訪問していただいて、いまだに、お帰りになって岐阜の素晴らしさを語っていただいていると聞いております。そういった広い交流につながってきているということで、大いにこれをプッシュしていきたいと思っております。

記者
 木曽川について、長良川に対して木曽川は、どのように差別化していくというか、木曽川の魅力を発信していくのでしょうか。

知事
 長良川については、上流から中流にかけての様々な水の恵みを生かした、文化、歴史、伝統、あるいは産業活動、文化活動といったものをトータルに、80万人余の方々が沿岸に暮らしながら、鮎漁が行われ、鮎の住む清流が保たれているという好循環があります。こうした自然環境を大切にしながらのサイクルというものを内外にアピールして、端的には世界農業遺産を取りにいったわけです。そういう目標を達成し、さらに去年は、「世界の持続可能な観光地100選」にも選ばれたわけですが、そういう持続可能な循環サイクルとしての長良川というのを、これまではアピールしてきました。
 木曽川については、かつて「日本ライン下り」が運航しておりまして、その景勝地として非常に評価が高かったと思うのですが、いろいろな不幸の事故もあったりして、川としての、沿岸地域の連携が、「日本ライン下り」がなくなると同時になくなってきたような、小さくなってきたような、そういう感じがあるわけであります。元々、川湊が続くわけでありますし、沿線には非常に魅力ある歴史・文化施設もありますし、それから中山道もあります。そういった意味ではもう一度、川の街というか、川湊というか、川遊びというか、「川」をテーマにして、沿岸の市町の様々な地域資源をつないでいくということをやっていこうではないかというのが構想であります。具体的に、何をどういうテンポでどのように整備していくか、磨いていくかという、この辺はまさに検討中ということでございます。

記者
 リニアについて、JR東海の方から現場の作業手順書で立ち入り禁止区域が具体的に定められていなかったとする、事故原因の結果があったと思いますが、知事の受け止めをお伺いしてもよいでしょうか。

知事
 JR東海の報告書といいますか、ご説明は、承っているという状況であります。それについて、例えば環境面で地盤の問題とか、山口工区の反省がどう活かされているかとかというようなアプローチがあると思いますし、トンネル工事での安全性確保という観点から、そういった評価で十分かどうかとか、いろんな角度から検討する必要があります。まずは専門家の先生方に徹底的に議論していただき、先ほど申し上げましたように、JR東海に宿題を出しているという状態、さらなる説明を求めている状態です。それから地域の方々の意見も聴取して、そういうものをトータルに県として最終判断していきたいということでして、途中段階で個別の論点についてコメントすることは、この時点では控えさせていただきます。

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