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知事記者会見録(令和3年12月24日)

記事ID:0195738 2021年12月24日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和3年12月24日(金曜日)14時30分

司会

 ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

 

知事

 今年最後の会見になろうかと思いますが、万が一、年末年始にいろんなことが起こってまたお目にかかることのないように、落ち着いた年末年始であればよいと思っています。お手元に、恒例ですが、この一年を振り返ってということで資料をお届けしております。

 この1年間に、県政ということで、さまざまな出来事をカテゴリー別に少し整理してありますので、ご覧いただければと思います。有り体に言えば、コロナ第3波と、知事選挙に始まった1年でありまして、以来ずっと、基本的にはコロナ対策を中心に頑張ってきた1年であったと思っております。

 お手元の資料の最初のページにありますように大きく整理しますと、「県民の生命と暮らしを守る」ということで、岐阜モデルに基づく新型コロナウイルス感染症対策の展開と、同じく危機管理対策の一環ですが、8月の大雨、それから川島大橋の橋脚が損傷したということで、これは地域にとっては大変大きな問題でございましたので、これに対する応急復旧問題を書いておきました。この辺りが「生命と暮らしを守る」というテーマでの出来事でございます。

 もう一つは、新しい日常を創るということで、アフターコロナを見据えた取組みとして、デジタル・トランスフォーメーション、それから持続可能な社会ということで、SDGs、グリーン化、あるいはカーボンニュートラルといいますか、脱炭素社会といった一連の環境、あるいは持続可能性というテーマでの政策でございます。

 それから、コロナに端を発した新たな地方分散の受け皿になるということで、移住定住対策をはじめ、県政を展開してきたということでございます。

 それから、もう一つが「清流の国ぎふ」づくりということで、これは安倍内閣の地方創生から続いているテーマでありますが、これも一朝一夕に答えが出るというよりは、じっくりと長期間にわたって取り組むべきテーマであります。少子高齢・人口減少といった大きな流れの中で、どのように地域の活力を見出していくか、その方向としての、未来志向の「清流の国ぎふ」というテーマで政策をやってきたということでございます。

 内容的には3つに分かれますが、何と言っても人口減少・少子高齢化ということでございますので、人づくりとか、人材の育成・確保ということが、あらゆる分野で必要になってくるということでございます。

 それから健やかで安らかな地域づくりということで、安全、安心ということが、やはり多くの人に住んでいただく上では、不可欠であります。

 それから何と言っても魅力・活力づくりということで、この3つの柱でいわゆる地方創生を一貫してやってきておりまして、今年もそれを続けてやってきたということでございます。

 それぞれ2ページ以降、ずっと書いてありますので読んでいただければよろしいかと思います。コロナ対策につきましては、私どもは、岐阜モデルということで、つとにお話を申し上げておりますが、「オール岐阜」体制、それから、この3ページにありますが、専門知の尊重・積極的活用でありますとか、4ページにあります「スピードと決断」ということであります。特に、県独自の「非常事態宣言」の発令でありますとか、あるいはワクチンの接種についても、スピーディーに「オール岐阜」で取り組んできたとか、何といっても、自宅療養者ゼロを何とか貫こうということで頑張ってきました。「第5波」の時には、1カ月弱の間ではありますが、例外を設けざるを得なかったわけでありますが、これも早急に本来の姿に戻したということでございます。

 それから5ページをご覧いただきますと、補正予算について、これは年度をまたいでおりますが、この1年ということですと、本予算の他に、16回にわたって補正予算を出させていただいておりまして、1,315億円、これに令和3年度の当初予算を加えますと、1,647億円ということになるわけでございます。

 それから昨年の分を合わせますと、ざっと岐阜県のコロナ予算は3,500億円くらいの規模になっております。これだけの頻繁な補正をやったということは、それだけ臨機応変に、柔軟に、あるいはスピード感を持って、対策をきめ細かに発動してきたということの表れかと思っております。

 それから6ページの真ん中にありますが、残念ながら、今年期待しておりました「ねんりんピック岐阜2021」でありますとか、「エンジン01 in 岐阜」、「関ケ原ナイト2021・関ケ原2021武将イベント」、それから「第10回記念高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン」、いずれも中止ないしはオンライン開催ということで、残念でありましたが、それぞれ、次のチャンスをうかがっているところでございます。

 それから、経済対策としては、先ほどの予算の内数であるわけですが、きめ細かに様々な支援策を次々と用意させていただいたということで、7ページ、8ページと続くわけであります。

 それから9ページ、10ページ(、11ページ)は、大雨の対応ということでありますが、復旧をスピードアップするということを大変痛切に感じました。といいますのは、昨年と今年と国道41号の同じ場所がやられておりまして、昨年来やってきた復旧工事がもう一回やり直しになるということがございました。おかげさまで2車線完全復旧ということで、4か月で完全復旧できたわけでありますが、今後とも、早期復旧をどうやっていくかというあたりを考えないと、局所集中豪雨で、いつ何時、どこがやられるかわからないという状態であることを痛感した次第でございます。

 あと、避難所の運営、コロナ対策との関連も含めて、あるいは自宅療養者がいる場合の、この方々をどうするかとか、新しい避難所の運営の仕方についてもいろいろと進展がございました。

 それから川島大橋の工事は大変複雑で困難な工事ということで、国との連携も非常にうまくいきまして、少し異例というほど速やかに、国が直轄代行、国が県に代わって復旧工事に着手するということになりました。これも大変良かったのではないかと思っております。

 12ページ以降が、「新しい日常を創る」ということで、アフターコロナを念頭に置きながら、デジタル化を推進しました。デジタル化につきましては、行政、あるいはその他さまざまな分野の可能なところからどんどん進めていくということで、特に、総論というよりは、自治体としては各論の個別ケースに即して、可能なところを次々とデジタル化していったということです。この12ページに、文化・芸術とか、あるいは就職活動、それから県立高校、それから次に13ページにいきますと、中小企業、商店街、観光、県産品の流通、スマート農業、スマート林業等、スタートしてきました。全体としての「オール岐阜」の「岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画」につきましては、今、取りまとめ中でございまして、今年度中の来年3月までにはまとめられるのではないかと思っております。

 それからSDGs、グリーン化、持続可能性、あるいはカーボンニュートラルといったテーマにつきましても、普及促進とか計画策定、それから予算化等、それぞれ進めてまいりました。

 16ページからが、「清流の国ぎふ」づくりということで、先ほど申し上げました、地方創生の延長線上でありますが、航空宇宙関連、それから、ぎふ木遊館、森林文化アカデミーで木育、それから難聴児(支援センターの開所)でありますとか、県立学校におけるプログラミング教育でありますとか、そうした様々な未来志向の政策をやってまいりました。

 また、17ページの「健やかで安らかな地域づくり」というところでは、飛騨食肉衛生検査所の新庁舎(開所)とか、認知症希望大使の創設、性暴力(被害に関するSNS相談窓口の開設)、それから、今日、多胎児対策にご尽力いただいた方々に午前中来ていただきましたが、多胎妊婦等へのサポート事業をやりました。これが国では高い評価を得まして、厚生労働大臣最優秀賞ということでございました。

 それから防災体制ということで、防災システム、連携強化、それから、熱海の土石流災害を受けて、盛土の検証をやっているところでございます。また、ため池問題にも取り組んでおります。

 インフラの方は18ページの上にありますが、着々とそれぞれ進んできているということでございます。

 伝染病関係では高病原性鳥インフルエンザが今年1月2日にありましたので、また今年もコロナに加えて鳥インフルかと思ったのですが、その後、落ち着いてきておりまして、農場ごとに徹底した衛生管理をやっていただいております。

 それから豚熱でありますが、これにつきましても、野生いのしし対策、それから各豚舎の衛生管理を徹底的にやっているということで、この分野も岐阜県がいわば先行モデルというか、先進モデルということです。今、全国でいえば、北は山形あたりまで、南、西の方は兵庫、淡路島までこの豚熱は拡がってきております。そういう中で、岐阜県のこれまでの苦労といいますか、やってきたことが一つの先進モデル的なものというご評価もいただいております。しかし、まだまだ油断のできない状況でございます。

 それから「地域の魅力・活力づくり」ということで、オリ・パラの関係でいろんな角度から、食材とか、和紙とか、その他ものづくりとかの点で、このオリ・パラに参加させていただきましたし、事前合宿の受入れも行いました。また、そのいわばコロナ対策も含めての前哨戦というか、テストケースになりましたのが、一月下旬の冬季国体「ぎふクリスタル国体2021」でありまして、これを非常に無事にきっちりと、コロナ対策も含めてやれたことがその後のオリンピック・パラリンピックの対策に繋がっていったのではないかと思っております。

 それから困難な中ではありましたが、「リトアニアNOW」は、今年も何とか開催することができました。陶磁器産業の振興として、3年に1回の「国際陶磁器フェスティバル美濃’21」も、規模を縮小しましたが、非常に多くの方にご評価いただいて、立派にやることができました。

 持続可能な観光、新しい観光ということで、いろいろと模索しているところでありますが、そういう中で、長良川流域が「世界の持続可能な観光地100選」に選ばれたということで、私どもの問題意識が世界にも通ずるものであるということを感じております。

 その後、20ページにありますように、長良川の次は木曽川ということで、木曽川中流域の、愛知県犬山市も含めて、市町が集まって、どう繋いでいって、この中流域をどう観光資源として活性化していくかということで、いま議論しているところでありまして、いずれまとまったものができるのではないかと思っております。

 それから、岐阜関ケ原古戦場記念館は、おかげさまで大変好評で、全国各地から、コロナ禍にも関わらず、また、予約制にいたしましたが、多くの方々に来ていただきました。

 地歌舞伎についても、結局2年がかりで年をまたぎましたが、先般無事に27団体が次々と公演をやっていくということで、岐阜県として初めての試みでありましたが、これも国の文化の世界では大変高いご評価をいただいていると聞いております。

 それから都市公園の活性化を思い切ってスタートしたわけでありますが、私どもの取組みそのもの、活性化戦略そのものの内容を非常に高くご評価いただきまして、国土交通大臣賞をいただきました。公園そのものを評価して賞を出すというのが普通なのですが、基本戦略の作り方、内容といったことについての大臣賞というのは少し珍しいケースでございます。これも関係者の皆さんが知恵を絞って戦略を立てていただいたことの成果だと思っております。それから都市公園コンクールでも高い評価をいただいております。

 それから「ぎふ清流GAP評価制度」についてですが、農業生産の合理化、効率化、あるいは環境配慮といったことについての新しい評価制度を、東京オリ・パラでの食材の品質基準の経験に照らして、岐阜版のGAP制度を作りまして、今それを動かしているというようなことでございます。

 非常に時間をかけて苦労したのが、一番最後の21ページの笠松競馬の再開でございまして、結果的には、まる8か月間閉じたわけでございますが、その間に徹底した事実関係の洗い出しと処分、それから管理体制、監視体制の強化というようなことをして再開をいたしました。ほぼ、先般の開催では通常並みといいますか、正確に言えば対前年比1割近くの増収というところまでこぎつけてきました。引き続き、2度とこうしたことを起こさないということで、油断なく、管理を徹底しながら、皆さんに喜んでいただける笠松競馬であるように、努力していきたいと思っているところでございます。

 あと、お手元に、別に自慢話をするわけではないのですが、別紙ということで、今年1年間で、県内のいろんな方々が工夫したり苦労したり、いろいろと努力してやってこられたことが、全国的にも、国際的にもご評価をいただいたケースを一回整理してみたらどうかということで、ここに書かせていただきました。

 それぞれが県民の皆さんの努力の成果ですが、例えば、最初のデジタルのところでは、特別支援学校のプログラミング教育ということで、特別支援学校へのデジタル導入ということについては、非常にこのテーマがご評価を受けたと聞いております。それから、森林文化アカデミーの中につくりました森林総合教育センターの「morinos」のハード・ソフトのいずれも高い評価を受けてダブル受賞ということでした。それから先ほど申し上げました、母子健康分野ということで、多胎妊娠、あるいはそのご家族のサポートということで、最優秀賞をいただいております。また、世界の持続可能な観光地100選、緑の都市賞等を受賞しております。

 それからオリンピック、選抜総合体育大会、それぞれ岐阜のゆかりの皆さん、あるいは岐阜の高校生の皆さんにも頑張っていただきました。

 それから3ページですと、上から2つ目なのですが、去年の7月豪雨で、大変な降雨量で大きな災害のあった愛媛とか岡山、広島、ああいったところの大体2倍から2.5倍の雨が降った(正しくは、大変な降雨量で大きな災害のあった熊本、大分、福岡といったところを超える雨が降った)岐阜県において、一人として人的被害がなかったということで、水防活動が非常に高く評価され、内閣総理大臣賞ということで、下呂市消防団に頑張っていただいたということかと思います。

 それから、エコツーリズム大賞ということで、乗鞍山麓の岐阜県の魅力、エコツーリズムということで、地域の皆さんが、様々な取組みをしてこられまして、これが高く評価されたということでございます。皆さんもぜひ、この五色ヶ原に行っていただけるとよいと思います。すばらしい所です。

 それからSDGsの未来都市に岐阜市、高山市、美濃加茂市が認定されました。

 文化のところで、サントリー音楽賞がありますが、これは国全体のレベルで、大変高いレベルの表彰だと承知しております。IAMASの三輪学長(当時)がおやりになった「ぎふ未来音楽展 清められた夜」という、サラマンカホールでの公演ですが、この公演活動が、公演全体のデザインというか、仕掛けとしての賞と、そこに流れた音楽の高いクオリティの賞と、ダブル受賞されまして、これはサントリー音楽賞としては初めてのケースだそうでございます。岐阜県のIAMASからそういうオールジャパンの高い評価を受けるレベルの音楽ないしは音楽公演が生まれたということは本当に素晴らしいことだったと思っております。

 それから、盲学校の弁論大会で、岐阜県の中学部の、私と同じ苗字の方が優勝されました。それから、先日来ておられましたが、少年の主張全国大会、何十万人という応募者の中での頂点に立った内閣総理大臣賞ということで、いくつかのメディアでご紹介もされておりました。

 それから4ページにいきますと、農畜水産業のところで、レストランで、「ラ・リスト」という、これはフランスの外務省および大統領府、観光団体が一緒になって、世界中の料理を、何料理といわずランキングを付けて表彰するという「ラ・リスト」という、ある意味では、レストランのランキングの世界最大の規模の表彰制度であります。瑞浪の郷土料理店の柳家さんが国内で唯一特別賞を受賞されまして、世界に名だたる名シェフと並んで、フランスの外務省で表彰を受けられたということでございます。これはジビエ料理です。ですからジビエ料理がこういう評価を受けるというのは、いかにも岐阜県らしさが出ているのではないかと思っております。

 それから、和良の鮎について、「bean47」という、食関係の顕彰制度がありますが、生産者大賞ということで、特に釣りも含めて環境保護の観点で評価をされたということであります。下から2つ目が、輸出に取り組む優良事業者表彰ということで、飛騨ミートさんが国内でナンバーワンの衛生管理による飛騨牛輸出拡大の取組みということで、農林水産大臣賞ということでした。これまた岐阜県がこの10年近くにわたって努力してきたことの一つの表れかということで、ますますこれから飛騨牛の輸出に力を入れていきたいと今思っております。

 あと、林業、まちづくり等ございますが、ご覧いただければよいかと思います。ということで、新型コロナウイルス対策といいますか、コロナ対策を軸にしながら、未来志向の政策も含めて、あるいはその他の危機管理も含めて、丁寧に一歩一歩進んできたという1年であったのではないかと思っております。

 毎年、いつも聞かれて、この場で立ち往生ということでもないですが、困って苦し紛れにいろんなことを申し上げているのですが、漢字一文字で何か表すということを聞かれて、今年もまた立ち往生するのもいかがなものかということで、ご興味があればということですが、あえて字を選んでみました。一年間、コロナを含めた、大変厳しい環境の中で、「オール岐阜」で県職員も含めて、あるいは議会、それから各分野の県民の皆さんが、この厳しさに耐え抜いて、間違いなく前進してきたという、「オール岐阜」の強さといいますか、たくましさといいますか、そんなことを感じながらの1年でございました。「疾風に勁草を知る」という言葉がありますが、厳しい状況になればなるほど、確かなものが分かるということでございます。「勁草」というのは強い草のことで、まさにそういう厳しい状況の下でしっかり立ってきたのではないかというようにも思っております。「オール岐阜」ということで皆さんに感謝の気持ちも込めて、この「勁」、強いという、これは人に掴みかかっていく強さではなく、厳しさの中をしっかり耐え抜いていくという強さだと思いますが、これは力、まさに力です。それから、これは糸で、これは土台だそうです。土台のように糸をぴんと張っていく、そういう動きの姿を表しているそうです。これは「後漢書」に出てくるエピソードからとった、「疾風に勁草を知る」ということで、この「勁」という字はそういう「オール岐阜」の県民の皆さんへの感謝の気持ちを込めて申し上げたいと思っております。ということで、今日は立ち往生せずにこんな話をさせていただきました。

 続いて、先ほどやりました、コロナの対策本部、できれば今年最後の対策本部でありたいと思っておりますが、お手元に資料をお配りしております「オミクロン株拡大中 年末年始も油断なく」のスローガン通りの内容でございます。

 これをご覧いただきますと、最初のページにありますが、オミクロン株が世界各国で拡大しており、「第5波」において6日間で本県を感染爆発状態にしたデルタ株と比べて、その感染力が3倍という推計もあるということで、今、アフリカ、欧米各国でかつてないスピードで置き換わりが進んでいるということでございます。

 現在、今日の新規感染者はゼロでございます。6日間新規感染者がゼロでありまして、6日間連続で新規感染者がゼロというのは、昨年の6月末以来ということで、久々の数字でございます。542日ぶりということで、6日間ゼロですから、この後も続いて欲しいのですが、そういう中でオミクロン株に感染した方の濃厚接触者と位置付けられている方が、岐阜県在住の方で、昨日だけで新たに37人増加しました。累計では、既にオミクロン株であると分かった人に加えて、PCR検査で陽性反応があったがデルタ株はマイナス(L452R変異株陰性)だったというのは、その後ほぼすべてがオミクロン株陽性となっていますので、これを含めますと、現時点で濃厚接触者の累計が、岐阜県では83人(正しくは87人)ということです。この83人(正しくは87人)のうちのお一人がオミクロン株感染者ということで、現在、病院で隔離中、手当中ということであります。それから健康観察をして、もう大丈夫だろうということでリリースされた方(健康観察終了者)が4人おられますので、83人(正しくは87人)中1人が感染者、4人がリリース(健康観察終了)ということで、今、78人(正しくは82人)の方がさらに健康観察をしているという状況でございます。

 これから冬場になり、クリスマス、忘年会、新年会、様々な飲食の機会もありますし、初詣とか、成人式、帰省といったこともありますので、リスクが高まることは間違いないわけでして、オミクロン株の脅威と相まって、我々の行動次第によっては、再び、大きな感染拡大の波が生ずるおそれがあるという認識であります。したがって、県としては、引き続き「自宅療養者ゼロ」を堅持するという方向で、様々な対応、あるいはワクチンの3回目接種を進めてまいりますし、予兆が見られれば速やかに対策を強化していきたいと思っております。県民の皆様お一人おひとりにおかれましては、これまで同様、マスク着用、手指衛生等、基本的な感染防止対策をしっかりと励行していただきたいということでございます。これは、いわゆる自粛をお願いするということではなく、お一人おひとりがしっかりと、自らを守るということで、油断なく、基本的な感染防止対策をやっていただいて、無事、年末年始を送っていただきたいという趣旨でございます。

 次のページに、参考にイングランドの例がございます。この箱の中に書いてありますが、「第5波」の緑色の(線で示した)デルタ株は(感染者が累積)5,000人に達するのに64日かかったわけでありますが、オミクロン株は27日で到達し、その27日に5,000人に到達した後、8日で(累積)5万人になって、今日現在では10万人と聞いております。ということで、大変な勢いで感染していくということですし、南アフリカ、アメリカではほぼ置き換わりがどんどん進んできているという状態でございます。

 3ページに県としての追加対策が書いてありますが、私どもとしては、全ての陽性者に対して、変異株のスクリーニング検査を直ちに実施して、デルタ株でないと判明すれば速やかにゲノム解析に取りかかるということで体制を整えていきます。

 それから国の方から、県在住の(オミクロン株への感染の可能性がある)濃厚接触者の連絡を受ければ直ちに、宿泊療養施設への入所等、適切に健康観察を進めていくということでございます。

 それからワクチンにつきましても、当初の(接種間隔)8か月から6か月ないし7か月と、前倒しでやるべきところはしっかりやっていこうということで、今、各市町村と調整しております。

 それから飲食店、高齢者・障がい者施設に対しましては、予算を用意しております。この際に二酸化炭素濃度測定器を極力入れていただいて、二酸化炭素濃度が1000ppmを超えた場合には速やかに換気するということで、換気を励行するために、二酸化炭素濃度測定器を出来る限り広く、こういったお店や施設に入れていただこうということで、予算の方も用意させていただいております。

 それからドラックストア等において、無料検査体制の構築もいたしました。

 それから基本的な感染防止対策の呼びかけを徹底するといったことが、最初の見出しにあります「オミクロン株拡大中 年末年始も油断なく」という今のスタンスでございます。

 年末年始のこういうご挨拶で、昨年はコロナ対策と、来年はアフターコロナ対策というようにスパッと分けて、わかりやすい話ができればよいのですが、このコロナがどうなるのかというのが、「第6波」が、このオミクロン株がどのような動きをして入ってくるかというところを見届けないと、次のコロナ全体の流れが見えてこないということです。大変、今、微妙な時期にありますので、引き続き、十二分な警戒をしながら、アフターコロナの対策もさらに力を入れてやっていくというスタンスで、また来年も臨みたいと思っております。少し長くなりましたが、以上でございます。

 

記者

 1年全体を振り返ったお話をいただきまして、県政で達成したこと、それから受賞された方々のご案内がありましたが、この1年間で積み残した課題として、来年に持ち越して、続けていかれたいと思われること、課題に思われたことを教えていただけますか。

 

知事

 コロナ対策というのは基本的に「守り」です。だから「守り」に、いろんなリソースを割いている分だけ、「攻め」の分野がそれだけどうしても遅れるわけです。「攻め」の分野というのは基本的に一言でいえば「アフターコロナ」といいますか、DXであったり、SDGsであったり、地方分散であったり、前へ前へ進めていくというか、どんどん加速させていくという政策をとっていきたいわけです。それがコロナ対策をまずやって、「守り」を固めて、守りながらの前向きな政策ということですから、この部分がどのくらい解放されて、前に進んでいけるのか、早い話が、来年、例えば「エンジン01」とかいろんな行事も予定しておりますし、それから近隣県からも岐阜県との連携ということでいろんな提案もありますし、私どもも提案があります。そういった一つひとつについて、どのくらいのスピードでやれるのか、規模を縮小してでもやるのか、オンラインでやるのか、というようなことで、絶えずこのブレーキとアクセルのバランスを見ながらやってきているわけなので、その部分が持ち越しとかというよりは、課題をもっともっと早く進めていけたらと思う反面、アクセルだけでは危うくて、逆にコロナ対策が安定していなくて、安定した土台の上にいろんな政策を積み上げていかないと手戻りが起こりますので、そういう意味でもこの状態がしばらくまだ続いていくのではないかと思っております。

 

記者

 本日、“ほっと一息、岐阜の旅”の来年以降のご方針として、近県からの県民の方も対象になるとのことでした。キャンペーンの停止の条件として、感染状況が「レベル3」ということになっておりました。オミクロン株がまん延した場合、これまでのデルタ株を凌ぐ勢いで感染が拡大する恐れがあるというご指摘ですが、そうすると「レベル3」というのは県の専門家会議を経て判断されるということでしたが、従来の想定のブレーキのかけ方で課題はないでしょうか。

 

知事

 今、私どもの言っている「レベル1」とか「レベル2」「レベル3」「レベル4」というのは、岐阜県独自で先ごろ新たに設定した基準です。国は国でレベルの見直しをされました。国の見直しを横目で見ながら、国としてはどちらかというと、病床といいますか、医療が十分まわるかどうかというところを中心にみていますが、私どもは、先行指標としての感染者の動きということも大事なので、それも指標に入れたいということも含めて、それからオミクロン株のスピードが早いものですから、私どもの「レベル2」とか「レベル3」というのは、かなり早く判断します。おそらく国のレベルよりも早く判断する水準に設定してありますので、今までと同じレベルではないということが一つあります。おっしゃるように、スピードということを見極めなければいけませんので、最終的には数字だけではなく、ベクトルの動き方、スピードを含めた総合判断を速やかにやっていきたいと思っております。このオミクロン株対策というのはスピードを間違えたらこれは大変なことになるという意識でおります。そういうことも含めて、二重の意味で早め早めに手を打っていくというつもりでおります。

 

記者

 ワクチンの前倒し接種のことですが、6か月、7か月、8か月と分けておられますが、今後ワクチンの供給がしっかりなされるということが大事だと思うのですが、ワクチン接種の前倒しの考え方を教えてください。

 

知事

 基本はどういうワクチンがどのぐらい確保できるかという、ワクチン確保の見通しの問題だと思います。今の見通しの中で、こういう整理で本来8か月が原則だけれども、今予定しているワクチン、若干でも増やせるかもしれないというワクチンの量を前提に、前倒しの設計をするとこういうことになるということです。更にワクチンが確保できるなら、まだまだ前倒しということができると思います。それから今年の5月、6月、7月とずっと接種体制をきっちりつくってきましたので、どのくらい打てるかということは、我々も分かっているわけですから、ワクチンさえあれば更に前倒しということも可能です。その辺りは、国は国で日本全体を眺めて、供給と需要の関係を眺めて、一定のプランを作ってこられるものですから、そのプランの中で我々もやっていくとすると、我々も前倒しということで予定されているワクチンをうまくこなしていくという意味では、これが現時点でやりうる前倒しということです。更にもっともっとワクチンが来ればさらに打つ体制を組むことはできると思います。

 

記者

 今年の年末にリニアの工事の関係で事故が相次いでおりまして、JR東海に対して報告書を求めたりされておられますが、現時点でどのような状況なのか教えていただけますか。

 

知事

 前回の記者会見の時に、私どもの基本的なスタンスを申し上げたとおりですが、それはその後も変わっていません。その後の変化を申し上げますと、国の静岡問題のレポートがまとまったということがありましたが、これは岐阜県のテリトリーではありません。岐阜県についていうと一昨日、JR東海から県の方に瀬戸トンネル事故の検証報告書とその他の県内三つのトンネルでの安全確認対応に関する報告書というのが提出されました。現在、私どもはその内容を精査中であります。これと同時に専門家の会合をもっておりますので、専門家の方々にこれをみていただいて、意見交換をしていくということが一つあります。それから関連市町村とも相談して地元への丁寧な説明をどのようにやっていただくかということもこれから考えていく必要があると思います。今日は12月24日ですから、その辺は、年を越えたところで精力的に動く予定でおります。それから長野県の伊那山地トンネルについての事故検証報告書がまだJR東海と長野県で調整中だということですので、これについても調整が終わったらいただきたい、見せていただきたいと引き続き申し上げているところです。まずは瀬戸トンネルとその他の3つのトンネルについての検証ないし確認のJR東海のレポートが出たというのが今日現在のところです。

 

記者

 リニアのことについてですが、事故原因についてJR東海は発破後、防護していないところに作業員が入るという国のガイドラインに反した行動によるものだったという経緯を示していますが、県内の工事の中でガイドラインが守られなかったことについて、どう捉えていらっしゃいますか。

 

知事

 まだレポートが出てきたばかりですから、中間段階でいろんなコメントを申し上げるのは少し混乱をしかねないので、まず私どもとしては自らの検討作業と、専門家の先生方に集まっていただいての議論と市町村との連携ということを、一つひとつ順番にこなしていく中でまとまった形で見解を出していくということにさせていただきたいと思います。

 

記者

 まとまった形で見解を出していくということでしたが、その時期については来年の一月中とか、それぐらいの目途は立っていますか。

 

知事

 まだ、具体的にいつまでにという日にちは設定しておりませんが、かれこれもうすでに2か月、10月27日に起こった事故でありますので、ここまでにかなり時間がかかっていることも事実でありますので、私どもとしては、できるだけ速やかに作業を進めたいと思っております。何といっても年末年始にかかりますので、その後急いでやりたいと思います。

 

記者

 リニアの関係について、2027年の開業の目途が立っていないという報道がありましたが、それについての岐阜県の受け止めを教えてください。

 

知事

 具体的に、どこがどうなってこうなってという説明をうかがったことがないので、その辺は正直、どう目途が立っていないのか、もう少し具体的に伺いたいという思いもあります。我々としては、先般も関係市町と一緒になってJR東海の方に要望を申し上げましたが、一方で安全、安心を徹底していただきたい、それと同時に予定のスケジュールでお願いしたいというのが私どもの立場ですから、その立場は変わっておりません。具体的にそこがどうなってこうなってということは特に聞いておりませんので、また議論する機会もあろうかと思います。ただいろんなことが動いていますから、そこのところだけに議論を集中するよりは、一つひとつの安全対策とか一つひとつの課題に対する解決策とか、そこのところの議論を早急に徹底することの方が全体として速やかにやるうえでは、大事ではないかと思っております。私自身としては「急がば回れ」ということで、とにかく安全対策などの様々な課題を早く議論を深めて、関係者の理解と納得を得て信頼を得て進んでいくということが、一番スピーディーに進める道であるということを、つとに申し上げております。

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